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明日から真似してOk!NOT A HOTELで実践している入社手続きの自動化
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kajinari
November 15, 2025
Technology
1
97
明日から真似してOk!NOT A HOTELで実践している入社手続きの自動化
BTCONJP 2025 で「明日から真似してOk!NOT A HOTELで実践している入社手続きの自動化」についてお話ししました。
kajinari
November 15, 2025
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Transcript
明日から真似してOk!NOT A HOTELで実 践している入社手続きの自動化 ― SaaSOpsできる「情シス」になっていこう! NOT A HOTEL株式会社 |
梶原成親 / kajinari
© NOT A HOTEL, Inc. © NOT A HOTEL, Inc.
自己紹介 2
自己紹介 NOT A HOTEL , Business Accelerator Lead 合同会社Kreis Works
代表社員 梶原 成親 楽天、リクルート、PLAIDなどで情報システム部門を担当する。 プロセスを改善し、自動化を推進して、メンバーが圧倒的なパフォーマンスを出せる環境構築 と、クラウド時代に適応した「モダンな情シス」を構築する外部CIOとして、環境構築を推進し ています。アジャイルコーチ、スクラムアライアンス認定プロダクトオーナー。 主な書籍 『SCRUM MASTER THE BOOK』翻訳 梶原成親 / kajinari
NOT A HOTELについて
日本の価値を上げる New Mission
NOT A HOTELは 地方、ひいては日本のポテンシャルを 最大限に高めていきます
青島のhere/afterの写真 地価が上がるグラフ
None
None
© NOT A HOTEL, Inc. サービス概要 10 99.2% 91.0% 833名
454億円 累計総契約高 オーナー数 宿泊満足度 開業前完売率 現在までの実績 圧倒的な建築デザインとビジネスモデルによって つくられるプロダクト
社員数は 322名に! (2025年6⽉時点)
多様なバックグラウンドを持ち 全体の約8割がホテル・不動産未経験者で構成
創業から約5年で9拠点を開業 (THE NIGO HOUSEを含む )
まだ知られていない 日本の宝を掘り起こす
© NOT A HOTEL, Inc. © NOT A HOTEL, inc.
運営はすべて内製化 全拠点の宿泊満足度は99.15%
Business Accelerator Unit 事業とテクノロジーを融合し、 全社の業務効率と内部成長を加速する取り組みを統括・推進する。 NOT A HOTELが掲げる「日本の価値を上げる」を実現するためには、内 側(社内)の成長加速が重要 IT/データ/AIを横断的に推進する必要があり、新たに
AI推進も加えた 「Business Accelerator部(BA部)」を発足
© NOT A HOTEL, Inc. 今⽇、お話したいこと
© NOT A HOTEL, Inc. 今⽇、お話したいこと 今⽇のGoal • フローを再定義する時に、考え⽅、整理⽅法を知ってもらいたい •
⼿作業で10回やってしんどいことは、⾃動化を検討するようになって欲しい • ⾃動化をすることで、SaaSOpsができそうかも?って思って欲しい 今⽇はそういうヒントになるお話ができれば嬉しい
© NOT A HOTEL, Inc. 当時の状況
© NOT A HOTEL, Inc. 当時の状況 ひとり情シスで膨⼤な仕事に追われる毎⽇ • 2023年当時、HRも情シスも1⼈チーム •
⼊社後まず⼿をつけたのが、この⼊社対応の⾃動化 ◦ オペレーションに忙殺されたら、仕事しているけどPRJは前に進まない ◦ そもそも細かいことが苦⼿ → オペミスして仕事増やしたくない • HR‧労務‧総務と⼊社受⼊タスクが型化されてなかった • ⼊社される⼈たちも、⼿探りでオンボーディングしていた • ⼊社当時に実施したフローと、SmartHR導⼊に伴ってフロー改善の2回実施してま す。
© NOT A HOTEL, Inc. 当時の状況 ロールの垣根を超え、PRJチームを作り。成果を出しました
© NOT A HOTEL, Inc. 利⽤しているツール ⼊社周りで利⽤しているツール
© NOT A HOTEL, Inc. フローを再定義する
© NOT A HOTEL, Inc. フローを再定義する フロー作りでは「バリュー‧ストリーミングマップ」を活⽤する • リーン⽣産⽅式の技法の1つでトヨタで使われていた⼿法をもとにしている。 •
製品やサービスが顧客に届くまでの⼀連の⼯程を「価値の流れ」として可視化する⼿ 法。 • 物の流れと情報の流れを時系列で整理し、全体のプロセスを俯瞰する。 • 各⼯程のリードタイム‧待ち時間‧仕掛かりなどを数値で把握する。 • 価値を⽣まないムダ(遅延)を明確にする。 • 現状分析から改善ポイントを特定し、理想(将来状態)のプロセスを設計する。
© NOT A HOTEL, Inc. フローを再定義する 具体的な進め⽅はMicrosoft社の資料を確認して下さい。
© NOT A HOTEL, Inc. フローを再定義する 改善前 内定→内定承諾→アカウント発⾏までのVSM Slackで関係 者に内定連
絡 内定承諾を クラウドサ インを送付 メールで署 名完了通知 を確認する Corp ITにア カウント作 成依頼をす る 【LT】3d 【PT】10min 【必要情報】 LT(リードタイム)前タスクの完了から該当タスクの完了までにかかる時間 PT(プロセスタイム)タスク自体にかかる時間 【LT】4d 【PT】30min 【必要情報】内定者、 年収、連絡先、住所等 【LT】1d - 2week 【PT】100 min 【必要情報】 【LT】2d 【PT】10 min 【必要情報】ビジネス ネーム, キーボード種類 情報が揃えば1時間くらいで終わる作業だが、最短でも10⽇くらい待ち時間
© NOT A HOTEL, Inc. フローを再定義する 改善ポイントの確認観点 • PTに対してLTの値が⼤きいタスク → 作業者以外の待ち時間が多いこと が多い。
• 次のタスクで使う情報のヌケモレを確認する • ⼿戻りが多いタスクを確認する • 無駄にマークをする
© NOT A HOTEL, Inc. フローを再定義する 改善後 内定→内定承諾→アカウント発⾏までのVSM HERPで内定 ステータス変
更しSmartHR にアカウント 登録 内定承諾を SmartHRサ インで送付 SmartHRサ インの通知 を確認 アカウント 作成を自動 化 【LT】 【PT】1min 【必要情報】 【LT】40min 【PT】10min 【必要情報】内定者、 年収、連絡先、住所等 (自動連携) 【LT】1d - 2week 【PT】0 min 【必要情報】 【LT】 【PT】3 min 【必要情報】ビジネス ネーム, キーボード種類 内定者がサインするのを待つだけ。通知を⾒たらトリガーを回すだけ
© NOT A HOTEL, Inc. フローを再定義する 改善のポイント:LT(待ち時間)を如何に減らせるかを考えた結果、 • 「⼈が情報を受け取って、後⼯程に作業を依頼」から「イベントドリブン で後⼯程の作業を⾃動化する」発想でプロセスを整理
• 後続作業のための作業をなくし、必然の作業をトリガーにすることで、ヌ ケモレをなくす。 ◦ 🙅 作業依頼 ◦ 👍 作業完了のためのステータス変更(HERPのステータス変更)
© NOT A HOTEL, Inc. フローを再定義する VSMをやることの意義 • ⾃動化だけではリードタイムは短縮できない •
プロセスの課題を⾒える化され、完全に共有できる ◦ 関係者のコンテキストを揃える作業がラクになる • ロールの垣根を超えて、課題にフォーカスして会話できるようになる ◦ 待ち時間を如何に減らせるのか ◦ 情報の受け渡しを⾃動化する ◦ ⼈が介在しない⽅法を検討できる
すぐに自動化に飛びつかない。 本質を改善しましょう
© NOT A HOTEL, Inc. 具体的な実装例について紹介します
© NOT A HOTEL, Inc. 具体的な実装例 HERP → SmartHRアカウント作成→受⼊作成の流れ 内定者
HR Corp IT
© NOT A HOTEL, Inc. 具体的な実装例 HERP → SmartHRアカウント作成→受⼊作成の流れ 内定者
HR Corp IT 【HERP標準機能】内 定承諾すると、 SmartHRにアカウン ト作成する。 追加で、Slack通知を実装。 SmartHRアカウント作成のイベ ントをWebhookで受け取って、 Slack通知
© NOT A HOTEL, Inc. 具体的な実装例 HERP → SmartHRアカウント作成→受⼊作成の流れ 内定者
HR Corp IT 労務担当でオファーレ ターを配布します。 同時に入社ヒアリング項 目を送付してます。 ヒアリング回答す ると、SmartHRの 拡張属性にデータ が入ります 完了したら、 Webhook欲しい! SmartHRの中の人 お願いします!! 拡張属性を更新す ることで、後続作 業へのトリガーに しています。
© NOT A HOTEL, Inc. 受⼊タスクの作成
© NOT A HOTEL, Inc. Notionに社員毎の受⼊タスクが作成されます
© NOT A HOTEL, Inc. ⼊社者向けには、オンボーディングタスク作られています。
© NOT A HOTEL, Inc. 受⼊側のタスクも⾒える化してます。(⼊社者も状況確認できる
© NOT A HOTEL, Inc. プロパティで状況を⾒える化しています。 フィルターを使って • 来⽉⼊社予定を⼀覧化 •
PC⼿配が済んでない社員を⼀覧化 • Slackログインまだの⼈を⼀覧化 などを使って状況を⾒える化しています。
© NOT A HOTEL, Inc. PC⼿配関係 • 「購⼊する」、「配送する」は、オペレータにアウトソーシングしてます。 ◦ マニュアルを作って動いてもらっています。
• 社員は在庫割当する or しないを判断するだけ。(これもAI化したい) • キッティングはLCMサービスを活⽤しています。 ◦ 近々LCMへの依頼も⾃動化する予定です。 • ブログも書いてるので、⾒てください!
© NOT A HOTEL, Inc. PC⼿配関係 • Macbook希望→Macbookを選択すると⼿配 状況が「完了」に。 •
「Windows」を選択すると、Notionの⾃動 化機能でWebhookを⾶ばして、E3ライセン スにアサインを⾃動化しています。
© NOT A HOTEL, Inc. SaaSアカウント作成の⾃動化 • 内定後に、すぐにOktaアカウント、Slackアカウントを発⾏しています。 • API経由でSmartHRの情報を参照し、APIでOktaアカウント作成を実施しています
• 初⽇にOktaプロフィールを⾃動更新して、社員として必要なSaaSに招待し、権限設定されます。 ◦ 属性に応じて必要なSaaS(Googleドライブ、Notion、1Passwordなど)アカウント作成 ◦ 権限も、属性に応じてドライブ、Notionページなど⾃動的に付与され ◦ Slackチャンネルにも招待されます。 • Oktaのプロビジョニング機能を活⽤して⾃動化しているので、アカウント発⾏関係でやることあ りません。 ◦ IdPは早めに整備するのがオススメです。SaaSアカウント個別に作ってられないでしょう。 ◦ SCIMが駄⽬でもAPI使えるSaaSは極⼒アカウント作成を⾃動化してます
© NOT A HOTEL, Inc. Notionに⾃⼰紹介⽤のページを⾃動⽣成→⾃⼰開⽰を促す
© NOT A HOTEL, Inc. Notionに⾃⼰紹介⽤のページを⾃動⽣成→⾃⼰開⽰を促す
© NOT A HOTEL, Inc. Slackにサインアップしたら、検知してWelcomeメッセージ
© NOT A HOTEL, Inc. Slackにサインアップしたら、検知してWelcomeメッセージ • 同じ部署のメンバーもメンションしてWelcomeを促進! • ⼊社前の不安なことがあれば、Slackで解決してもらう
• リモートの会社なので、当⽇の朝の動きを伝える • ⼊社前に連絡必要なことも、連絡できるようにするための措置です
© NOT A HOTEL, Inc. 初⽇は、初⽇の動きを改めて通知することで、迷いなくす
© NOT A HOTEL, Inc. なぜ⾃動化を進めるのか
© NOT A HOTEL, Inc. なぜ⾃動化を推進するのか なぜ⾃動化(SaaSOps)を進めるのか • 空いた時間を、新しいカイゼンに時間を使いたい •
ミスが無くなるので、余計な仕事が増えない • 私たちの業務負荷を軽減しながら、⾼品質な作業を繰り返し実⾏できる • 社員数の増加に反⽐例して、⼩さいITチームで組織を⽀えられます • 繰り返しのオペレーションやれるけど、なによりも楽しくない • ⾃動化の設計→実⾏で狙いどおりに動くと楽しいというのもある
© NOT A HOTEL, Inc. なぜ⾃動化を推進するのか AI時代はSaaSOps、オペレーション⾃動化はやりやすい • iPaaS(Workato、n8n, Zapierなど)が使える。環境を準備しなくてよく
なった • 必要なステップだけ、コードを書けば良い • API連携が必要なケースも、AIがコードを書いてくれるようになった。 • 必要なステップだけならシンプルなコードなので、メンテナンスもAIとやれ ば良い • 実装⽅針やHowについても、AIと相談することができるようになった
© NOT A HOTEL, Inc. まとめ
© NOT A HOTEL, Inc. まとめ • すぐに⾃動化に⾶びつかない • 最⼤の効果を上げるためには、シンプルなフローを作りあげるのが最も⼤事
• プロセスを正しく整理して、コンテキストをチームで同期する • 多くのケースでは、作業時間よりも待ち時間の⽅が⻑い • ⾃動化する時は、イベントドリブンにする • 今の時代、SaaSOpsは難しくない。どんどんチャレンジしよう
Q & A