Upgrade to Pro — share decks privately, control downloads, hide ads and more …

20251007: What happens when multi-agent systems...

20251007: What happens when multi-agent systems become larger? (CyberAgent, Inc)

Avatar for Arata Furukawa

Arata Furukawa

October 14, 2025
Tweet

More Decks by Arata Furukawa

Other Decks in Technology

Transcript

  1. 漫画を「理解」するAI 誰が何をしたのか、何を表現しているのか、⽂脈を正確に理解して翻訳することで⾼品質なローカライズを実現。 ©猪熊しのぶ, Manga109 - 「ワザと留年したって噂。」相沢の姉(和久井の噂を伝える)。 - 「⼀コ後輩に好きなコがいてー」相沢の姉(噂の中⾝を解説)。 - 「そのコと同級⽣になりたくてね。」相沢の姉(同上)。

    このページは、和久井⿇美の留年という謎に対し「実は後輩の誰かへ の特別な想い‧動機があったのでは?」という可能性を読み⼿に強く ⽰唆する転換点である。姉の噂話と数字から「相沢⾃⾝がその対象な のでは」と⽰唆されるが、同時に信 憑性の不明さも残している。これ は登場⼈物と読者の両⽅に「真相は何か?」という興味を持たせ、後 の展開に期待を抱かせる重要なフックとなっている。 AI理解 単純な機械翻訳の場合 I had a girl I liked, and I wanted to be a classmate with him. 性別や⼈称の間違い ※実際の⽣成結果 話者 ⽂脈 意図 物語 ⼈物
  2. カオス1: 予測可能性と安定性の低下 • 実⾏ごとにエージェントの振る舞いが変わる • 実⾏によっては思考が変わる • 前回は上⼿くできたことが次はできないことも • バグが起きた時に再現できない

    • 実⾏が予測できず、コストと品質をコンスタントに保てない ⾦を盗まれたから Aくんは 怒っています 表情的を⾒るに Aくんは 悲しんでいます 前回 今回 数学のように完全な正解が ないことも相まって 思考プロセスが違うと 結論も全然違う
  3. カオス2: 拡張性と保守性の崩壊 • コンテキスト依存性 • エージェントは⼊⼒コンテキストによって性能が変わる • 状態を経由して連鎖的に次のエージェントの性能に影響 • エージェントを変更すると、違う場所で変化が起きる

    • 拡張性と保守性の崩壊 • ⼤規模化するほど、変更をうかつに加えられなくなった • エージェントが10を超えたあたりから拡張が⼀気に難しくなった Aは炭◯郎 Aは炭◯郎だから Bは禰󠄀◯⼦ Bは禰󠄀◯⼦だから ⼥らしく翻訳 Aはル◯ィ Aはル◯ィだから Bはシャ◯クス Bはシャ◯クス だから 男らしく翻訳 変更前 変更後 違うところで エラー顕現
  4. アプローチの整理 • ⾃律型エージェント • エージェントが⾃律的にワークフローを計画 • 予測不能なオープンエンドな課題などに向いている • 数学オリンピックなど •

    静的ワークフロー • 事前に定義されたワークフローを実⾏ • 予測可能で再現性を重視する場合に向いている • 定型作業の⾃動化など
  5. 特徴1:宣⾔的コード化 • YAMLで宣⾔的に定義 • コードDAGを宣⾔的に定義 • 副作⽤の混⼊を防ぎ、 変更を⾏うと、⾃動で差分が計算できる • 再現性と予測可能性を改善

    • 静的と動的のハイブリッド‧制約の導⼊ • 静的なDAGはもちろん、動的なフローを予測可能な形で導⼊ • 事前定義された制約内でのみ エージェントを動的に実⾏できるように • 無制限なエージェント間の相互作⽤を禁⽌することで ワークフローの予測可能性と保守性を改善 • 予測可能な定型的な作業をなるべく静的なワークフローに変換 • ⾃律的なエージェントを限定することで再現性を改善 • ⾃律的にやらせた時ある程度いつもやること、などは定型化した⽅が管理しやすい
  6. 特徴2:カプセル化と単体テスト • I/Oスキーマをインターフェイスとして持つタスクとして エージェントを定義 • 状態は⼊出⼒を介してのみ伝搬することで内部状態を排除し、 責任分解点を明確化 • 外部エージェントの呼び出しをモック化する機能を作り、 単体でテスト可能なコンポーネントに

    • I/Oスキーマをインターフェイスとして定義‧検証可能にすることで エージェントの差し替えや⽐較実験を効率的に定義可能に • ⼊出⼒を介して起きるエージェントの相互作⽤はあるものの、 コンポーネントに分割して単体で開発できるようになり 変更を加えやすくなった