Upgrade to Pro — share decks privately, control downloads, hide ads and more …

Use Macro all the time ~ マクロを使いまくろ ~ 感想戦

osyo
September 15, 2021

Use Macro all the time ~ マクロを使いまくろ ~ 感想戦

Fukuoka.rb #226 - RubyKaigi 感想戦

osyo

September 15, 2021
Tweet

More Decks by osyo

Other Decks in Programming

Transcript

  1. 自己紹介 osyo @pink_bangbi: https://twitter.com/pink_bangbi osyo-manga: https://github.com/osyo-manga Secret Garden(Instrumental): http://secret-garden.hatenablog.com Rails

    エンジニア 好きな Ruby の機能は Refinements RubyKaigi は初参加 Use Macro all the time ~ マクロを使いまくろ ~ https://speakerdeck.com/osyo/use-macro-all-the-time-makurowoshi-imakuro-ri-ben-yu
  2. 元々のモチベーション 元々はブロックから Ruby のコードを取得したい要求があった 最初は iseq から位置情報を取得してファイルから読み込んできてた ただ、これだとパフォーマンス的な懸念点があった RubyVM::AST だとブロックから

    AST を取得できる実装を書いた これを利用するとマクロができるのでは…? この構想自体は1年ぐらい前からあった 知り合いに釣られて RubyKaigi に参加するモチベーションが湧いたので今回マクロを実 装した RubyKaigi 駆動開発 ` `
  3. Rensei の作業期間・苦労話 作業期間は 3〜4ヶ月 実際作業してたのは去年の今頃 Rensei は作業量とバグ修正が無限にあってつらかった 100種類以上の AST を1つずつ実装していた

    1 proc { |z, (a, b), c = 1, d = 2, *, (e, f, g), (h, i), j, k, l:, **kwd| foo } 実装した後も ActiveRecord のソースファイルを1つずつ食わせていくとバグが無限に発 生して1つずつ直していった エッジケースの問題が大量にあった…
  4. Rensei の作業期間・苦労話 作業期間は 3〜4ヶ月 実際作業してたのは去年の今頃 Rensei は作業量とバグ修正が無限にあってつらかった 100種類以上の AST を1つずつ実装していた

    1 proc { |z, (a, b), c = 1, d = 2, *, (e, f, g), (h, i), j, k, l:, **kwd| foo } 実装した後も ActiveRecord のソースファイルを1つずつ食わせていくとバグが無限に発 生して1つずつ直していった エッジケースの問題が大量にあった… テストはかなり力を入れて書いた AST から復元したコードが元の AST と同じかどうかでテストしてる https://github.com/osyo-manga/gem- rensei/blob/82aaf139935a8b4eb7fd1029cdc5fc86e4fb692a/spec/unparser_spec.rb
  5. Rensei の実装に関して 当日は時間がなかったので割愛したが以下のような感じで実装してる 1 def unparse(node) 2 case node&.type 3

    when :SCOPE 4 unparse(node.children.last) 5 when :LIT 6 "#{node.children.last}" 7 when :STR 8 "#{node.children.last}" 9 when :CALL 10 recv, meth = node.children 11 "#{unparse(recv)}.#{meth}" 12 when :OPCALL 13 left, op, args = node.children 14 "(#{unparse(left)} #{op} #{unparse(args.children[0])})" 15 end 16 end 17 node = RubyVM::AbstractSyntaxTree.parse("1 + 2 * '42'.to_i") 18 pp unparse(node) # => "(1 + (2 * 42.to_i))"
  6. Kenma の作業期間・苦労話 作業期間 1〜2ヶ月 今回の RubyKaigi に向けて実装した 実装自体はそこまで難しくなかったが、とにかく書き心地を重視して API を設計した

    何回も実装を書き直しながら方向性が確定してから gem をつくりはじめた いろんな人に壁打ちしながらつくってた感謝
  7. Kenma の作業期間・苦労話 作業期間 1〜2ヶ月 今回の RubyKaigi に向けて実装した 実装自体はそこまで難しくなかったが、とにかく書き心地を重視して API を設計した

    何回も実装を書き直しながら方向性が確定してから gem をつくりはじめた いろんな人に壁打ちしながらつくってた感謝 マクロのデザインに関してはかなり Rust を意識した マクロ関数に ! 付けたりとか ` `
  8. Kenma の作業期間・苦労話 作業期間 1〜2ヶ月 今回の RubyKaigi に向けて実装した 実装自体はそこまで難しくなかったが、とにかく書き心地を重視して API を設計した

    何回も実装を書き直しながら方向性が確定してから gem をつくりはじめた いろんな人に壁打ちしながらつくってた感謝 マクロのデザインに関してはかなり Rust を意識した マクロ関数に ! 付けたりとか 結果的に定義方法を種類分けしつつ、抽象的なマクロの定義ができて個人的には満足 パターンマクロがかなり抽象的にかけてよい ` `
  9. RubyVM::AST の互換性 Ruby のバージョン間で互換性が保証されてない つらかったのは Ruby 2.6 -> 2.7 で

    :ARRAY -> :LIST にタイプ名が変わったところ 1 pp RUBY_VERSION # => "2.6.8" 2 pp RubyVM::AbstractSyntaxTree.parse("[1, 2, 3]").children.last 3 # => (ARRAY@1:0-1:9 (LIT@1:1-1:2 1) (LIT@1:4-1:5 2) (LIT@1:7-1:8 3) nil) ` ` ` `
  10. RubyVM::AST の互換性 Ruby のバージョン間で互換性が保証されてない つらかったのは Ruby 2.6 -> 2.7 で

    :ARRAY -> :LIST にタイプ名が変わったところ 1 pp RUBY_VERSION # => "2.6.8" 2 pp RubyVM::AbstractSyntaxTree.parse("[1, 2, 3]").children.last 3 # => (ARRAY@1:0-1:9 (LIT@1:1-1:2 1) (LIT@1:4-1:5 2) (LIT@1:7-1:8 3) nil) 1 pp RUBY_VERSION # => "2.7.4" 2 pp RubyVM::AbstractSyntaxTree.parse("[1, 2, 3]").children.last 3 # => (LIST@1:0-1:9 (LIT@1:1-1:2 1) (LIT@1:4-1:5 2) (LIT@1:7-1:8 3) nil) ` ` ` `
  11. RubyVM::AST の互換性 Ruby のバージョン間で互換性が保証されてない つらかったのは Ruby 2.6 -> 2.7 で

    :ARRAY -> :LIST にタイプ名が変わったところ 1 pp RUBY_VERSION # => "2.6.8" 2 pp RubyVM::AbstractSyntaxTree.parse("[1, 2, 3]").children.last 3 # => (ARRAY@1:0-1:9 (LIT@1:1-1:2 1) (LIT@1:4-1:5 2) (LIT@1:7-1:8 3) nil) 1 pp RUBY_VERSION # => "2.7.4" 2 pp RubyVM::AbstractSyntaxTree.parse("[1, 2, 3]").children.last 3 # => (LIST@1:0-1:9 (LIT@1:1-1:2 1) (LIT@1:4-1:5 2) (LIT@1:7-1:8 3) nil) どっちかって言うと細かいところでバグってるところのほうがつらかった Ruby の構文としては意味が異なるのに AST としては同じになるとか… proc { |a| } と proc { |a,| } が同じ AST になる とか https://bugs.ruby-lang.org/issues/17015 ` ` ` ` ` ` ` `
  12. Rensei の AST 間のバージョン対応 Rensei は現時点で存在してるバージョンはすべて対応している Ruby 2.6 ~ 3.1-dev

    バージョン間で細かい非互換はあるけど基本的には新しい構文を追加するような実装に なっている
  13. Rensei の AST 間のバージョン対応 Rensei は現時点で存在してるバージョンはすべて対応している Ruby 2.6 ~ 3.1-dev

    バージョン間で細かい非互換はあるけど基本的には新しい構文を追加するような実装に なっている 詳しくは実装を見てね!! https://github.com/osyo-manga/gem- rensei/blob/82aaf139935a8b4eb7fd1029cdc5fc86e4fb692a/lib/rensei/unparser.rb
  14. マクロの今後 エンドユーザがマクロを使うと言うよりかは間接的にマクロが利用できるようにしたい ファイル全体ではなくて局所的にマクロを利用したい ユーザが定義したブロックでのみ使用するなど 例えばこんな感じ 1 User.where { :age <

    20 } 1 User.where("age < 20") マクロと言っているがどちらかというと AST というデータに対して今後フォーカスを当 てて行くような未来が見えてきた気がする マクロでないにしても今後 AST を使って便利ななにかができてきそう
  15. おまけ Ruby 3.1 で RubyVM::AST::Node から元のコードが取得できるようになる(かも) 1 src = <<~EOS

    2 if hoge 3 puts hoge + foo 4 end 5 EOS 6 7 # keep_script_lines を true にすると 8 node = RubyVM::AbstractSyntaxTree.parse(src, keep_script_lines: true) 9 10 # #source メソッドでコードを取得できるようになる 11 puts node.source 12 # => if hoge 13 # puts hoge + foo 14 # end ` `