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サービスの1等地ホーム画面改善と効果的なステークホルダーマネジメント / Improvement of Prime Location Home Screen for Services and Effective Stakeholder Management

サービスの1等地ホーム画面改善と効果的なステークホルダーマネジメント / Improvement of Prime Location Home Screen for Services and Effective Stakeholder Management

プロダクトマネージャーカンファレンス2023
2023/11/29 Track E 13:00~
サービスの一等地ホーム画面改善と効果的なステークホルダーマネジメント

Tomohiro Furusawa

November 29, 2023
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Transcript

  1. 1
    古澤智裕
    プロダクトマネージャーカンファレンス
    2023
    Track E 13:00~
    サービスの1等地ホーム画面改善と
    効果的なステークホルダーマネジメント

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  2. 2
    自己紹介
    Twitter: @rilmayer_jp
    古澤智裕
    プロダクトマネージャー
    ● 筑波大学で図書館情報学を学ぶ
    ● 新卒はリクルートでデータサイエンスに従事
    ● 2019年頃にメルカリに転職し、データサイエンティス
    ト、ソフトウェアエンジニア、スクラムマスター、プロダク
    トマネージャーなどロールを転々とする
    ● 検索、推薦、組織論が好き

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  3. 3
    本日の話

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  4. 4
    ホーム画面改善の道のりとその裏話
    商品のタイムライン
    多様なコンテンツが
    パーソナライズされる
    ホーム画面経由売上↑↑↑
    (苦節N年...)

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  5. 5
    直面した3つの課題と対応をもとに、関係者が多い中でも顧客価値を追求する
    方法を考えます。
    ● 課題1: 各チームがバラバラに施策を考えてホーム画面がカオスに!
    ● 課題2: 依頼対応だけでチームのリソースがいっぱいいっぱいだ!
    ● 課題3: チームビジョンと合ってないKPIを下げそうな重要案件が来た!
    最後に、上記ケースからの学びと、折れない心を保つコツを紹介します。
    今日のお話: 多種多様な関係者と共に顧客価値を追求する

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  6. 6
    今日はメルカリのホーム画面を担当するPMになった気持ちで、
    紹介する課題にどのように対応するのが良さそうか考えてみてください。
    ● これから実際に私が直面した課題をみなさんと考えてみたいと思います。
    ● 各課題を紹介したあとに、私(や同僚のPM)がとったアクションを紹介します。
    ● 今日は特に「誰」と「何をどのように話すか」を考えてみます。
    一緒に考えてみてください💪

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  7. 7
    メルカリの背景

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  8. 8
    利用実績推移(Marketplace)
    <GMV1
    /MAU2
    の推移>
    単位:億円
    単位:万人
    2
    1
    1. FY2022.6からCtoCとBtoCを合算し遡及開示
    2. 1か月に1回以上アプリ又はWEBサイトをブラウジングした登録ユーザの四半期平均の数
    YoY
    +11%
    YoY
    +12%
    億円
    万人

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  9. Japan Region
    Mercari Group
    Fintech
    9
    会社概要
    メルカリグループは、株式会社メルカリと、その連結子会社で構成されています。
    Marketplace
    株式会社メルカリ
    ◼設立
    ◼事業内容
    ◼所在地
    ◼拠点
    ◼代表取締役 CEO
    ◼CEO Marketplace
        2013年2月1日
        スマートフォン向けフリマアプリ
        「メルカリ」の企画・開発・運営
        〒106-6118 東京都港区六本木6-10-1
        六本木ヒルズ森タワー
        東京、福岡
        山田進太郎
        青柳直樹
    ①2021年1月28日
    ②Eコマースプラットフォーム「メルカリShops」の事業開発
    ③藤樹 賢司
    株式会社ソウゾウ
    ①2017年11月20日
    ②金融事業
    ③山本真人
    株式会社メルペイ
    ①2014年1月
    ②US版メルカリの企画・開発・運営
    ③John Lagerling
    ④Palo Alto, California
    Mercari, Inc.(US)
    ①1991年10月1日
    ②フットボールクラブ運営
    ③小泉文明
    ④茨城県立カシマサッカースタジアム
    指定管理茨城県鹿嶋市 粟生東山2887番地
    株式会社鹿島
    アントラーズ・エフ・シー
    インド開発拠点
    ①2022年6月
    ②インターネットサービス開発
    ③若狹 建(取締役 Managing Director)
    ④Bangalore, Karnataka, India
    Mercari Software Technologies
    India Private Limited
    ①2021年4月28日
    ②暗号資産・ブロックチェーン
    ③中村奎太
    株式会社メルコイン
    ①設立 ②事業内容 ③CEO ④所在地

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  10. 11
    ① 多くのお客さまがまず目に触れるスクリーン(≒MAU2300万)
    ② 複数の事業を進める会社(=単一事業だけの会社ではない)
    💡ポイント

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  11. 12
    課題①
    各チームがバラバラに施策を考えてホーム画面がカオスに!
    2021年〜

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  12. 13
    ● プロダクトも組織も成長してきて、様々なチームが施策を考えている
    ● 各チームの計画を集約してみると、ホーム画面に関する多くの施策が...
    ● すでに一部で組織的・プロダクト的コンフリクトも置き始めている
    ● このままではめちゃくちゃなお客さま体験になってしまう
    各チームがバラバラに施策を考えてホーム画面がカオスに!
    ホーム画面 どうする!?

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  13. 14
    やってしまった
    ● カオスになるからという理由で、
    検討が甘い施策についてNoと
    言い続ける
    その結果
    ● みんな疲弊
    ● 実験のハードルが上がり、学びを得るの
    が難しく
    ● 〇〇さんが「No!」と言うからという感じ
    に...
    󰢄 強い気持ちでNoと言い続ける

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  14. 15
    概要: あるべきと方向性を合意
    ● ホーム画面ではお客さまが見たいと思うコンテンツを見れるようにする
    ● 規格化されたコンテンツを簡単に追加・実験できる仕組みを整える
    ● ユーザーエンゲージメント(KPI)を最大化するように最適化することを全社的に合意してロー
    ドマップに沿って開発(※上部のプロモーションエリアは除く)
    誰と何を
    ● CEO含め経営陣: 長期的なホーム画面のビジョンを合意した
    ○ 前段として、問題意識を持つPMやEM間でたたきとなるビジョンを議論した
    ● 開発チーム: 長期的なロードマップを議論して明確にする
    ● ホーム画面でコンテンツを出したい人・チーム: 基盤開発が完了するまでホーム関連
    の施策を待ってもらうよう依頼
    󰢐 あるべきを検討&合意して実現への体制を整える
    全部決める人を置かずに指標で
    最適化する意志決定をした

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  15. 16
    ビジョンで明確にした方針に基づき、実験・最適化基盤が導入され現在本番環境で稼
    働中。どのチームでもコンテンツを開発し追加できるように。
    その後:実験・最適化基盤の導入と運用が行われている
    ※システムの開発と導入はそれはそれで大変だったが、今回は深く触れない。
    (参考: ホーム画面レイアウトのパーソナライゼーション Mercari ML&Search Talk Vol.1)

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  16. 17
    課題②
    依頼対応だけでチームのリソースがいっぱいいっぱいだ!
    2022年〜

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  17. 18
    ● 実験・最適化基盤の開発が導入された一方、スキルの異なる様々な目的の
    チームがホーム画面へのコンテンツ開発を進めるため依頼対応をしてくる
    ● 個別の対応が山積して本来進めたかった改善施策が進められないが、いちPM
    としては依頼全体の優先度付けは難しい
    依頼対応だけでチームのリソースがいっぱいいっぱいだ!
    どうする!?
    これ
    作って
    ホーム画面の改善を
    行いたい人・チーム
    これ
    作って
    これ
    作って
    これ
    手伝って
    これ
    試して
    これ
    やって
    ホーム画面担当の開発チーム

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  18. 19
    󰢄 PMが頑張って個別の依頼者と話して案件をさばく!
    やってしまった:何を頑張ったか
    ● 開発チームの負担にならないように、
    全依頼をPMが頑張ってさばく
    ● 案件ごとに個別に相談してビジョンに
    沿うように施策を修正してもらう etc…
    その結果
    ● PM(私)が施策のボトルネックに
    ● 本来やりたかった改善施策もスタック
    ● 他チームの依頼が衝突して施策が延期に
    ● メンタルも不調に...🤢

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  19. 20
    概要
    ● チーム外からの依頼に対するリソースの上限を明確にして一部の対応を自動化
    ● リソースを確保し本来使いたかったホーム画面改善を進めることができた
    誰と何を
    ● CPO: 実験で使えるトラフィックや、3ヶ月ごとの施策サポートの上限数などを合意
    ● ホーム画面でコンテンツを出したい人・チーム: ホーム画面の開発フローを明確にし、
    開発フローに沿って進めてもらうよう依頼
    ● ホーム画面開発チーム: 計測等自動化ツールを開発し活用
    󰢐 外部対応のリソース上限を明確にし一部対応を自動化

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  20. 21
    課題③
    チームビジョンと合ってないKPIを下げそうな重要案件が来た!
    2023年〜

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  21. 22
    ● 会社の規模はますます大きくなり、
    さまざまな事業が立ち上がってきた
    ● 事業推進者としてはプロモーション
    のポテンシャルが高いことからホーム
    画面も活用したい
    ● 例外対応は現状のビジョンと合致せず、
    ホーム画面のエンゲージメントを下げるが
    会社としての成長は見込めるので重要そう
    チームビジョンと合ってないKPIを下げそうな重要案件が来た!
    どうする!?

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  22. 23
    󰢄 現場の担当者同士で議論して結論出そうとする
    やってしまった
    ● 当事者同士、相手の状況や見えていない背景を
    考慮しきれずに議論を進めてしまった
    どうなったか
    ● いつまでも前に進まず、かといって結論も出ない
    ● 何が正しいのか分からなくなりそうに ...

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  23. 24
    概要
    長期的なホーム画面の改善・活用の方向性を再度グループレベルの経営会議で合意し、運用に
    ついての明確な改善ポリシーをまとめる
    誰と何をどうした
    ● 課題意識のあるPMと一緒に課題点と今後の方向性をまとめ、
    経営会議で承認とる
    ○ 多くのステークホルダーとワークショップやったり議論したりも
    ● 今後ホーム画面の開発をするチームや人
    に改善ポリシーを共有
    󰢐 経営会議で意思決定してもらう&ポリシーアップデート

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  24. 25
    現在は基本的なポリシーに基づき、以下のような体制で
    改善を進めている。
    ● ホーム画面は「プロモーションエリア」と「パーソナライズエリア」に
    分け、その画面比率や場所は基本固定する
    ● パーソナライズエリアはマッチング(主にマーケットプレイス事業)
    が最大化するように最適化するが、その範囲内でコンテンツは誰
    でも追加可能とする
    ● プロモーションエリアではグループ会社全体のグロース戦略に基
    づきマーケティングを行う
    ● ホーム画面のプロモーション・パーソナライズの比率や仕組みを
    変えたい場合は経営会議で議論する
    その後: 明確なポリシーで様々なチームがホームへ貢献
    プロモーション
    エリア
    パーソナライズ
    エリア
    ※一部の区域に
    プロモーションエリ
    アがある
    ※プロモーションエリア、パーソナライズエリアは社内用語

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  25. 26
    振り返っての学び

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  26. 27
    ● カオスになりがちなホーム画面はまずビジョンを明確にする
    ○ 関係者と話してビジョン、戦略(ロードマップ)がクリアになっていると良い
    ○ 様々なチームがホーム活用を検討している場合は全社的な合意を取りにいく
    ○ 規模大きめな会社では誰もが貢献・トライできる実験基盤があると良いかも
    ● 依頼対応に終始せず改善を進めるための工夫をする
    ○ 頑張ってなんとかするのには限度があるのでリソースの割り振りと自動化を頑張る
    ● 一定レベルの意思決定はいちPMではできない
    ○ 自身で意志決定すべきこととそうでないことを慎重に判断し、適切にトップレベルの意志決定を
    求めにいく(特に複数事業のあるグループ会社)
    事例からの学び

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  27. 28
    顧客と向き合うために、社内にも目を向ける。
    戦略的に誰とどのようなコミュニケーションを取るかが重要。
    ● ステークホルダー
    ○ 自分の所属するチーム
    ○ 他のチーム(同じ事業目標を持つ /異なる事業目標を持つ)
    ○ 経営の意志決定者(役員など)
    ● コミュニケーションプラン(引き出し)
    ○ アイディアやフィードバックを得る・議論をする
    ○ 合意・説得したい
    ○ 依頼・命令する
    ○ 承認や意志決定をしてもらう
    ステークホルダーとコミュニケーションプランを明確に

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  28. 29
    折れない心の作り方

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  29. 30
    振り返ってメンタルによかったことを共有。
    💕 プロダクトやユーザーへの愛を思い出す
    🧭 ビジョンを見返して、方向性の正しさを再確認する
    🤝 味方になってくれそうな理解者を増やして定期的に会話する
    🗻 視座を上げることで自信を持って正しく意思決定する
    Point: 会社としてどうかを考える : 所属するチーム目標とずれていても・依頼されたチームや人と
    衝突があっても構わない。
    折れない心を作るために

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  30. 32
    ステークホルダーが多い中でも顧客価値を追求するために必要なこと
    ● 実際の例からのステークホルダーマネジメントの学び
    ○ カオスになりがちなホーム画面はまずビジョンを明確にする
    ○ 依頼対応に終始せず改善を進めるための工夫をする
    ○ 一定レベルの意思決定はいち PMではできない
    ○ ステークホルダーとコミュニケーションプランを明確にする
    ● 折れない心のコツ
    ○ 💕 プロダクトやユーザーへの愛を思い出す
    ○ 🧭 ビジョンを見返して、方向性の正しさを再確認する
    ○ 🤝 味方になってくれそうな理解者を増やして定期的に会話する
    ○ 🗻 視座を上げることで自信を持って正しく意思決定する
    まとめ

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