Upgrade to Pro
— share decks privately, control downloads, hide ads and more …
Speaker Deck
Features
Speaker Deck
PRO
Sign in
Sign up for free
Search
Search
OSSへの貢献をはじめたきっかけ、貢献で得たもの、やりたい人へのアドバイス(改)
Search
Satoru Takeuchi
PRO
December 28, 2023
4
200
OSSへの貢献をはじめたきっかけ、貢献で得たもの、やりたい人へのアドバイス(改)
以下動画のテキストです
https://youtu.be/foAtXOUxN7g
Satoru Takeuchi
PRO
December 28, 2023
Tweet
Share
More Decks by Satoru Takeuchi
See All by Satoru Takeuchi
マルチスレッドの実現方法 ~カーネルスレッドとユーザスレッド~
sat
PRO
2
39
共有メモリ
sat
PRO
3
47
マルチスレッドプログラム
sat
PRO
3
40
Linuxのブートプロセス initramfs編
sat
PRO
2
47
Linuxのブートプロセス
sat
PRO
6
140
シェルのジョブ
sat
PRO
1
28
常駐サービスを実現するデーモンプロセス
sat
PRO
0
35
絶対殺すSIGKILLシグナルと絶対死なないプロセス
sat
PRO
3
120
シェルのセッション
sat
PRO
2
36
Featured
See All Featured
Exploring the Power of Turbo Streams & Action Cable | RailsConf2023
kevinliebholz
32
5.3k
Imperfection Machines: The Place of Print at Facebook
scottboms
267
13k
A Modern Web Designer's Workflow
chriscoyier
693
190k
[Rails World 2023 - Day 1 Closing Keynote] - The Magic of Rails
eileencodes
34
2.2k
ピンチをチャンスに:未来をつくるプロダクトロードマップ #pmconf2020
aki_iinuma
119
51k
RailsConf & Balkan Ruby 2019: The Past, Present, and Future of Rails at GitHub
eileencodes
135
33k
Responsive Adventures: Dirty Tricks From The Dark Corners of Front-End
smashingmag
251
21k
Become a Pro
speakerdeck
PRO
27
5.3k
What's in a price? How to price your products and services
michaelherold
245
12k
ReactJS: Keep Simple. Everything can be a component!
pedronauck
666
120k
Documentation Writing (for coders)
carmenintech
69
4.7k
The MySQL Ecosystem @ GitHub 2015
samlambert
251
12k
Transcript
オープンソースへの貢献を始めた きっかけ、貢献で得たもの、 やりたい人へのアドバイス(改) Dec. 24th, 2023 Satoru Takeuchi twitter: satoru_takeuchi
はじめに • これまでオープンソースの世界に入り浸ってきた私がこれまでの経験を共有 • はなすこと ◦ 貢献をはじめたきっかけとその後 ◦ 貢献によって得たもの ◦
OSSに貢献したい人へのアドバイス • 見てほしい人 ◦ OSSに貢献していいことがあるのか知りたい人 ◦ OSSに貢献してみたい人 ▪ とくに個人として貢献したい人
Who am I? • sat(武内 覚) • 会社員 ◦ オープンソースを活用したストレージシステムを開発、運用
◦ Cloud Native Computing Foundation(CNCF)公式プロジェクトRookのメンテナ • 副業 ◦ Linuxカーネルなどの低レイヤ技術を中心に IT技術の普及活動中 ◦ 書籍(「Linuxのしくみ」)を書いたりSoftware Designなどに連載したり単発記事を書いたり ◦ zennで無償記事を公開したり https://zenn.dev/satoru_takeuchi ◦ youtubeで動画作ったり https://www.youtube.com/channel/UCgrUyRFiHhV607Orhriau6w • 昔は… ◦ 大手IT企業でLinuxカーネルの開発とかサポートとか
貢献をはじめるまでの流れ • quiltという名前のパッチ管理ツールのユーザだった ◦ https://savannah.nongnu.org/projects/quilt • あるサブコマンドが正しく機能しなかった • ソースが非常に小さくて扱いそうだった ◦
当時全体で数千行、 1サブコマンド1ファイル、1ファイル数百行程度 • 手元で直して動くようにした(1行修正とかだったような) • これは公式にフィードバックしたら喜ばれるのではと思ってやってみた
初回貢献の成果 • 無事マージされた! • マージされた事実も、ありがとうといわれたことも嬉しかった • 他の人も助かるという達成感もあった
その後 • 癖になってquiltにいくつかパッチを送るようになった • そのうち信用されてメンテナにならないかと言われたのでやることに • この経験をきっかけに「OSSに貢献する」ことに対する壁がなくなった • 癖になったので他のOSSについても似たようなことをするようになった ◦
バグを見つけたらレポート ◦ 場合によってはPR送る • こういうのが身体に染みついて今に至る
OSSの貢献によって得たもの • コードの読み書き能力が上がった ◦ 人のソースを見て書いて …を繰り返すので勝手にできるようになる • 人にものを伝えるのがうまくなった ◦ 利害関係がない知らない人に言いたいことを伝えられるようになった
• 英語力が上がった ◦ 得意ではないが技術的な最低限のやりとりはできる程度に • 仕事に役立った ◦ 上記の技術はOSSやるやらないにかかわらず仕事に大いに役立つ • すごい人をたくさん知った ◦ とんでもない速度ですごいコードを量産する世界トップレベルの技術者たちに遭遇できた
OSSに貢献したい人へのアドバイス • 自分が使っているものに貢献しよう ◦ 使ってもないものに何かしようとしても興味が続かない • ソースが短くて単純なものに貢献しよう ◦ でかくて難しいとデバッグなどのためにソース見るのがつらい •
「最初の一歩」を踏み出すと後はどんどん先に進める傾向にある ◦ githubなどをROMって雰囲気を掴んだり貢献者のためのドキュメントを読むとよい ◦ 場合によってはやったことある人に手伝ってもらおう • 自分の意思をごり押ししないようにしよう ◦ 「お客さん」ではなく「一緒にコミュニティをよくする人」としてふるまうとよい • 貢献しなきゃ、と、肩肘はらないようにしよう ◦ 使命感、義務感でやると燃え尽きてしまう
おわり • happy hacking!