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Linuxのブートプロセス initramfs編

Linuxのブートプロセス initramfs編

以下動画のテキストです。
https://youtu.be/Rx9XPkDclkY

Satoru Takeuchi

March 15, 2025
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Transcript

  1. はなすこと • マシンの電源投入からinitramfsを使った場合にinitが起動するまでの流れ ◦ 使わない場合は前回の動画「 Linuxのブートプロセス」を参照 ◦ Secure Bootは省略(後日別動画で説明するかも )

    • 前回との差分を中心に紹介後、改めてinitramfs込のブートの流れを説明 • 環境 ◦ CPUアーキテクチャ: x86_64 ◦ ファームウェア: UEFI BIOS ◦ ブートローダ: GRUB ◦ ディスクが1台あり、GRUBとLinuxをインストールしている ▪ ディスクのドライバはカーネルモジュールとして持つ ▪ カーネルモジュールは rootfsに存在する 2
  2. カーネル機能の提供方法についてのジレンマ • カーネル機能は本体に組み込むか外付けのカーネルモジュールとして提供可能 • カーネル本体のサイズはなるべく小さくしたい ◦ メモリ使用量が減らせる ◦ カーネルのロードが速くなる →起動が速くなる

    • なるべく多くのカーネル機能を使いたい ◦ とくにユーザのハードウェア環境がわからない&なるべく多くの環境で動かせるようにしたいディストリビュータに当て はまる • カーネルが提供する機能を多くして、ほとんどをカーネルモジュールで提供すればいいとこどり できる 3
  3. 課題と解決方法 • rootfsをmountするまではカーネル本体に組み込まれた機能のみ使用可能 1. カーネルモジュールはディスクのファイルシステム上に存在する 2. モジュールをロードするには rootfs上のmountが必要 3. それにはrootfsがあるディスクのドライバ、

    rootfsのファイルシステムドライバなどが必要 4. これらの機能をモジュールとして提供しているとドライバが読めない ▪ 📝 boot中に”VFS: Unable to mount root fs”というログが出る場合、この問題に遭遇してい るの可能性が高い • そこでinitramfsですよ ◦ ブート時に必要なカーネルモジュールを含む仮の rootfs用をcpioで固めて圧縮したファイル ◦ 展開後の仮のrootfsもinitramfsと呼ぶ 4
  4. initramfsを考慮したブート処理の流れ 1. 人間がマシンの電源を入れる 2. マシン上のUEFI BIOSが起動 3. UEFI BIOSがハードウェアを初期化 4.

    UEFI BIOSがGRUBをロードして実行 5. GRUBがvmlinuzファイルとinitramfsをメモリ上にロード 6. GRUBがカーネル展開コードを実行 7. 展開コードがカーネルをロードして実行 8. カーネルがシステムを初期化 9. initramfsを仮のrootfsとしてmountして仮のinitを動かす 10. rootfsを仮のものから真のものに切り替える 9
  5. マシン上のUEFI BIOSが起動 • マシンは電源を入れると特定アドレス(0xFFFFFFF0)上に存在するUEFI BIOSプロ グラムを動かすようになっている • UEFI BIOSはマシンの不揮発性メモリ上に存在しており、システム起動時に物理ア ドレス空間の上述のアドレスにマップされている

    ◦ 📝 つまり物理アドレスが物理メモリ以外のデータを指すことがある ◦ 📝 UEFI BIOS以外にも物理アドレス空間にマップされるデータは他にもあるが、本動画では以下 のようなイメージを持っていればいい 10 物理アドレス空間 0 0xFFFFFFF0 不揮発性メモリ上の UEFI BIOS 物理メモリ 物理メモリ
  6. UEFI BIOSがハードウェアを初期化 • CPUの動作確認、初期化 ◦ ブート直後は機能制限されていて、 UEFI BIOSが制限を外すというイメージ • メモリの動作確認、初期化

    ◦ これをする前は物理メモリにアクセスできない! • ディスクなどのその他ハードウェアを初期化 • どこの領域にどんなデータがマップされているかを記録 ◦ 📝 後でカーネルが使う 11
  7. UEFI BIOSがGRUBをロードして実行 1. GPT形式のパーティションテーブルでフォーマットされたディスクを探す 2. ESP(EFI System Partition)というGUIDを持つパーティションを見つける a. 📝

    このパーティションは FAT32ファイルシステムでフォーマットされている 3. ESPから「UEFIアプリケーション」と呼ばれる実行ファイルを見つける a. 📝 UEFIアプリケーションを実行するのは LinuxではなくUEFI BIOS 4. UEFI BIOSはUEFIアプリケーションであるGRUBをロード&実行 a. 通常はGRUBがデフォルトで動作するように設定されている 12 UEFI BIOS 物理アドレス空間 disk (1)(2)(3)GRUBを見つける GRUB (4) GRUBをロード&実行
  8. GRUBがvmlinuzファイルをロード(前提知識) • ESPはLinux動作時に通常(“/boot/efi/”)にマウントされている ◦ GRUB EFIアプリケーションのファイル名は通常 ”/boot/efi/EFI/BOOT/BOOTX86.EFI” • vmlinuzとinitramfsは通常ブートパーティション(“/boot/”)に存在する ◦

    📝 GRUBはLinuxの一部のファイルシステム (e.g. ext4, XFS)を読み出せる ▪ “/boot”はGRUBが読み出せるファイルシステムでなければならない • カーネル圧縮イメージのフォーマット(bzImage形式と呼ばれる): 13 setup header カーネル展開コード カーネル圧縮イメージ カーネル展開コードやカーネルの ロード先メモリアドレス、エントリポイ ントを保持
  9. GRUBがvmlinuzファイルとinitramfsをメモリ上にロード • vmlinuzとinitramfsは通常ブートパーティション(“/boot/”)に存在 • 処理の流れ 1. 設定に基づきシステムに存在するカーネルの一覧を取得し、カーネルと initramfsをブートパラメタで 指定する(“root”,”initrd”パラメタ) 2.

    vmlinuzファイルとinitramfsをメモリ上にロード 14 物理アドレス空間 カーネル展開 コード カーネル圧縮 イメージ disk GRUB (1) vmlinuzとinitramfsを読み出し (2) ロード * スペースの都合でsetup headerは省略 initramfs