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人財育成は社会を救う~最速でアジャイルなQA人財を育てる仕組み~

 人財育成は社会を救う~最速でアジャイルなQA人財を育てる仕組み~

JaSST'24 Kansai(https://www.jasst.jp/symposium/jasst24kansai.html
アジャイルサービス部アジャイルサービス2グループ
福田 麻樹

SHIFT EVOLVE

June 21, 2024
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Transcript

  1. 5 自己紹介 ◼ 名前:福田 麻樹(Maki Fukuda) ◼ 所属:株式会社SHIFT ◼ 役割:QAリード

    兼 スクラムマスター ◼ 信念:楽しくなければアジャイルじゃない
  2. 11 人材育成を行うにあたって代表的な課題 ◼ 人材育成に十分な時間をかけられない「時間」 -入社して研修中でも給与が発生します、長く育成に時間をかけること、デメリットが多いため手厚く時間を取ることは難しい ◼ 育成する側の指導力不足「能力不足」 -現場での仕事と育成では毛色が違う業務で専門性を要します、育成する側の指導能力を身につけることは難しい ◼ 育成における仕組みや育成自体を評価する基準が無い「仕組み/基準」

    -育成される側の評価(育成は十分だったか?)、指導する側も適正であったか?を評価する仕組みがなく持続可能性がない ◼ QAの業界では「失敗できない」 -人は失敗から学ぶと良くいいますが品質は時に人生や人命まで左右されることもあるため、失敗が許されるケースは少なく失敗か ら学ぶときには時すでに遅しというパターンも。。。
  3. 14 育成スキームを考案する際に意識した点 ◼ 学習定着率の向上 ~学習しても定着しないのでは本末転倒、学習定着率を高めるスキーム考案~ アメリカ国立訓練研究所の研究によると、学習方法と 平均学習定着率の関係は「ラーニングピラミッド」と いうピラミッドのような図で表すことができます。 そしてラーニングピラミッドのなかでもより能動的な「他者 と議論する」「実践による経験・練習」「他人に

    教える」の3点を重視した勉強方法であるアクティブ ラーニングを重視することで定着率の向上を図りました。 講義 読書 視聴覚 デモンストレーション グループディスカッション 自ら体験する 他の人に教える 5% 10% 20% 30% 50% 75% 90% 学習定着率 ラーニング・ピラミッド アクティブ・ラーニング
  4. 15 育成スキームを考案する際に意識した点 ◼ 学習定着率の向上 [学ぶ] = [自ら手を動かす]+[自ら説明/アウトプット] 講義 読書 視聴覚

    デモンストレーション グループディスカッション 自ら体験する 他の人に教える 5% 10% 20% 30% 50% 75% 90% 学習定着率 ラーニング・ピラミッド ここを意識! この形式を意識することで、飛躍的に学習定着率が向上! 平均値だと90%の定着率を見込め最速の教育スキームができ るのではないかと、仮説を立て、検証を行うことにしました。
  5. 16 各課題へのアプローチ ◼「時間」 1日1時間かつ1週間(アジャイル開発を意識) (合計で5時間!!) ◼ 「能力不足」 ◼ 「仕組み/基準」 ◼「失敗できない」

    育成スキームと同時並行で受講生を講師側に育成 SHIFTではすでに人が人によい影響を与える活動に関して、評価へと還元される 安全になぜか転ぶ仕組みで解決策を自ら導き出す
  6. 17 各課題へのアプローチ ◼ 教育に要する「時間」 実際に教えるとなると講師側と受講側の双方の時間(工数)が必要になります。 特に講師側は普段通常業務もあるため、時間を大きく割くことは難しい現状が考えられます。 また受講側もアサインされないまま勉強をつづけることもできずに中途半端な学習状況でアサインもありう る。 「時間」の問題を上記と踏まえ、1日1時間かつ1週間(アジャイル開発を意識)と定め実証する こととしました。(合計で5時間ほど、少しハードルを上げすぎたかな?)

    イメージするならビリーズブートキャンプのような形です。(知らないかたもいるかも) また、学習する際時間が限られている以上、1対多数だと学習スピードが遅い人は取り残されてしまうため 個々に合わせられるよう1on1での学習スタイルが最適としました。 ※ブートキャンプとはアメリカ合衆国で「新兵訓練施設」を意味する口語表現です
  7. 25 最速の教育スキーム爆誕 ◼ 用意するもの ➢ 講師 : 1名~2名(的確に鋭い抜け目のないお客様役と講師の帽子を被りわけてもらいます) ➢ 受講生

    : 1名 ➢ テスト対象 : 自社内の社員のみ閲覧可能なWebサイト ➢ 環境 : 自由にお絵描きできる環境(Miroを使いました) ➢ テスト観点一覧:SHIFTのナレッジが蓄積された観点一覧を使用 ➢ フォーマット類 超簡易的なテスト設計書のフォーマット ハイレベルテスト設計書のフォーマット(概要レベル) ローレベルテスト設計フォーマット
  8. 26 最速の教育スキーム爆誕 ◼ 大きな流れ ➢ テスト対象のWebサイト (セキュリティ観点やパターン数過多が折り込まれている)を用意 ➢ マインドマップを書いてもらいテスト対象の体系的/潜在的な正体を暴く ➢

    簡易的なテスト計画を立て、仮想のお客様へのレビュー体験 (フィードバック厳しめ) ➢ 改善ポイントを伝え再チャレンジ ➢ テスト設計を完了させるまでを疑似体験
  9. 27 最速の教育スキーム爆誕 ◼ カリキュラム内容(概要) ➢ LESSON① マインドマップでテスト対象の正体を暴こう ~テスト対象から何のために使うもので、何ができていないといけないのかを書き出します。ここでどんな観点のテストをする必要があるのかまで考えてもらいます~ 狙い:テスト対象の正体を知ることの大事さと下地を育みます、実際マインドマップでなくてもよいが今回はマインドマップで洗い出します ➢

    LESSON② テスト計画(簡易)を書いてみよう ~なぜ?どこで?どの環境で?やらない環境は?なんでやらないの?などを書き出しエビデンスを作成してもらいます~ 狙い:テスト設計での合意形成のエビデンス化の下地を育みます、やれない箇所や環境が記載されているか?なぜやらないか?に対しての説明力がつきます ➢ LESSON③ ハイレベルテスト設計(概要設計)を書いてみよう ~SHIFTの標準観点を用いて観点を洗い出し、観点と簡易的な手順並びに期待結果を書き出してもらいます~ 狙い:実践形式でテスト設計力を育みます、SHIFT標準観点を用いて使用感になれる狙いとテスト対象と観点の結節を短時間で行うトレーニングです ➢ LESSON④ ローレベルテスト設計を書いてみよう ~実際のテストフォーマットに落とし込みパターン表などを構築します~ 狙い:最終的にハイレベルテストケースからローレベルに落とし込む作業を行い、案件へのアサインが行えるようにします
  10. 28 最速の教育スキーム爆誕 ◼ スキーム 1日目 2日目 3日目 4日目 最終日 受講生選出

    (基本1ユーザー1人) 講師割り当て 講師割り当て 日程調整 趣旨/概要説明 講師⇒受講生 教材の受け渡し/説明 環境(Miro)/対象URL/各種 フォーマット/標準観点 Miroでマインドマップ書いて みる (環境の操作方法を軽く教 授しマインドマップの書き方を 伝えて書いてもらう、説明後は 非同期) 残りは宿題 フィードバックReview (同期) 説明をしてもらい、な ぜ?を指摘し改善を促 しその場で再Reviewま でを終わらせる テスト計画(簡易)を 書いてみよう 趣旨の説明後、なぜ? どこで?どの環境で?や らない環境は?なんで やらないの?などの書き 出しエビデンスを作成 説明後は非同期 残りは宿題 フィードバックReview (同期) 説明をしてもらい、顧客 になりきり指摘後、改善 を促しその場で再 Reviewまでを終わらせ る 特に以下を指摘 ・テスト環境/網羅性 /期間/マッチング ハイレベルテスト設計 (概要設計)を書い てみよう 趣旨の説明後、以下の 内容を考えてもらう ・各観点とケースの組み合わせ ・データパターン ・大まかなテスト手順 説明後は非同期 残りは宿題 フィードバックReview (同期) 説明をしてもらい、顧客 になりきり指摘後、改善 を促しその場で再 Reviewまでを終わらせ る 特に以下を指摘 ・テスト計画との差異/ 網羅性/期間/マッチ ング ローレベルテスト設計 を書いてみよう 趣旨の説明後、以下の 内容を意識してもらう ・データパターンが多い部や 重点的つくること ・空いている時間でよい、量が多い ので途中まででも可 説明後は非同期 残りは宿題 フィードバックReview (同期) 説明をしてもらい、顧客 になりきり指摘後、改善 を促しその場で再 Reviewまでを終わらせ る ・データパターンの網羅 性について、全数網羅 はできない旨とその対 処法(手法)の伝授 (簡単にPICTなどの 紹介もしておく) 卒業
  11. 31 最速の教育スキーム爆誕 ◼ LESSON③ ハイレベルテスト設計(概要設計)を書いてみよう SHIFTの標準観点を用いて観点を洗い出し、観点と簡易的な手順並びに期待結果を書き出してもらいます。 狙い:実践形式でテスト設計力を育みます、SHIFT標準観点を用いて使用感になれる狙いとテスト対象と観点の結節を 短時間で行うトレーニングです 大項目 中項目

    小項目 ヒトログ_メンバー選択画面 UI 写真表示 - 画面表示し確認 写真表示に問題がない事(自分の写真で確認) 写真ない場合は男性アイコン/女性アイコンが性別通りに表示されている事 ※※※ ヒトログ_メンバー選択画面 機能テスト マウスオーバー - 各メンバー写真(アイコン)にマウスオーバーを行い確認 マウスオーバー時にメンバーの概要が表示される メンバーの概要表示に不備がない事を確認 ※※※ ヒトログ_メンバー画面 非機能テスト インフォメーションボタン 連打 外面内に表示されているインフォメーションボタンを連打 連打を行っても動作に問題がない事を確認 ※※※ テスト対象画面 確認観点 期待結果 操作概要 備考 トレース用観 点No 以下の例図のようにExcelファイルを用いて記載してもらいます ・基本的にはSHIFT標準観点表を用いて書き出してもらう。 ・トレースが追えるようにIDも控える(福田推奨) ・簡単な操作概要、期待結果を記載する ・ここに書いたものを基本的にローレベルにそのままコピペし広げると完成できるレベルで書いてもらう ※できるところまでで完璧は求めない(時間の都合上)
  12. 32 最速の教育スキーム爆誕 ◼ LESSON④ ローレベルテスト設計を書いてみよう 実際のテストフォーマットに落とし込みパターン表などを構築します 狙い:最終的にハイレベルテストケースからローレベルに落とし込む作業を行い、案件へのアサインが行えるようにします。 実際のテストシートフォーマットを利用しリアルに設計してもらいます ・更新履歴の記載 プロジェクト名

    テストレベル テストタイプ プロダクト名 サブ名 ドキュメント名 テスト設計書 作成日 2020/3/1 最終更新日 2020/8/27 更新日 バージョン 更新者 更新内容 2018/3/1 1.0.0 ◦◦◦ 初期バージョン作成 テスト設計書名 結合テスト設計書_IT001_◦◦◦◦◦機能 作成者 ◦◦◦ 更新者 △△△ XXXXXXXXXXXX ◦◦◦◦◦検証 ◦◦◦テスト ◦◦◦◦◦テスト 確 認 項 目 No テスト対象 (テスト区分1) テスト対象 (テスト区分2) テスト対象 (テスト区分3) テスト対象 (テスト区分4) テスト実行手順 PTN テスト観点 確認項目 期待値 備考 要件ID (任意) 実施 要否 Excel 集計用 実行結果 1 2 3 4 ・テスト設計 ・実行パターン表入力