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フィードバックの伝え方、受け身のココロ / The Way of Feedback: Word...

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July 14, 2025

フィードバックの伝え方、受け身のココロ / The Way of Feedback: Words and the Receiving Heart

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Aki

July 14, 2025
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Transcript

  1. © Kumu Inc. 『The Great ScrumMaster』共同翻訳 『Everyday Rails - RSpecによるRailsテスト入門』共同翻訳

    • スクラムギャザリング東京実行委員会理事 • 日本Rubyの会理事 • スクラムフェス大阪実行委員(代表) • スクラム道関西ファウンダー • ほか色々 Aki (spring_aki) Catalyst, Coach • 組織変容コーチ • 関係性そのものを扱うコーチ (ORSC® システム・コーチング®) • エグゼクティブコーチ • リーダーシップ・サークル・プロファイル/集 合的リーダーシップアセスメント 認定プラク ティショナー(LCP/CLA) • パーソナルコーチ (Co-Active® Coaching) • スタートアップ支援、PoC支援 • Management 3.0 ファシリテータ • LEGO® SERIOUS PLAY® メソッドと教材活用ト レーニング修了認定ファシリテータ • Certified Scrum Professional(CSP)
  2. フィードバック 学習と達成に
 おいて最も強力な影響力 一つだが、
 そ 効果 正にも負にも作用しうる
 
 フィードバック 中心的役割

    “現在 学習 状態と目標と ギャップ(ズレ)を縮めること
 The Power of Feedback John  Hattie, Helen Timperley, Review of Educational Research,2007 

  3. © Kumu Inc. ① 事実を伝える
 具体的な行動・機能・場面を明示する 「◦◦画面で"次へ"を押したあと…」
 ② 感じたことを伝える
 率直な印象を述べる(ポジネガどちらでもOK)「どこに進む

    か不安になりました」
 ③ 期待とずれた点を伝える
 自分 想定や他 体験と比較する「以前使ったXアプリで すぐ確認画面に移りました」
 ④ 理由や文脈を説明する
 なぜそう感じたか、自分 状況も開示 「私 視覚的なヒントがないと迷いやすい傾向がありま す」
 ⑤ 提案や問いを含める
 改善 糸口・新しい視点を提示 「画面下に説明があると安心かも。どう思いますか?」
 フィードバック 

  4. © Kumu Inc. 課題:ボタン 配置が適切でないと感じたケース 
 🔴「ボタン、なんか使いづらいです」
 👉 「なんとなく」「使いにくい」「ダサい」など、主観的で曖昧な表現。相手に伝わりづらい。
 


    🟡 「ボタンが一番下にある って変じゃないですか?」
 👉 配置 指摘していて場所 ヒント あるが、いつどう困る か理由や影響が不明瞭。
 
 🟢 「送信ボタンがスクロール 一番下にあって、入力が終わってもすぐに押せず迷いました」
 👉 実際 操作・観察内容が具体的で、問題が明確に伝わる。
 
 

  5. © Kumu Inc. 🟢 Good よかった点「こ ポイント いい ー」 


    「フォーム全体がシンプルで、入力項目が整理されていてとても分かりやすかったです。
 とくにボタン ラベルが「送信」で なく「申し込む」になっている点が、アクション 意図 を明確にしていてよかったです。」
 
 💡 More よくするために 「さらに言うと〜 」 
 「送信ボタンがページ 一番下にあり、入力後にスクロールしないと見えないため、少し 戸惑いました。
 入力後すぐにアクションできるように、ボタンを画面 下部に固定表示 したり、入力完了 と同時にボタンが自然に表示されるような設計 にすると、もっとスムーズな操作体験に なると思います。」
 

  6. © Kumu Inc. フィードバック チェック観点 (一例) 
 🎯 目標に結びついているか: 目的や基準が明示されているか


    🧠 学習プロセスに焦点があるか: 結果だけでなく、やり方・考え 方へ 言及があるか
 🚀 次 行動につながるか:「次にどうするか」が具体的か
 🔄 自分で気づける支援になっているか: 自己調整力を育む問い やフィードバックになっているか
 ❤ 適切な距離感・言葉選びか: 相手が安心して受け止められる 伝え方か。考えられる余地があり成長に繋がる伝え方か

  7. © Kumu Inc. フィードバック チェック観点 (具体例) 
 🎯 目標に結びついているか 


    目的や基準が明示されているか? 
 「こ 画面 “初めて使うユーザーが迷わずに登録できること”が目的で すよ 。そ 点で、手順 見通し 立ちやすくなっていると思います。た だ、もう少し“次に何が起こるか”が予測できる工夫があると、ゴールにさ らに近づけるかもしれません。」
 ✔ 目的と照らして具体的な評価・提案がなされています。
 

  8. © Kumu Inc. フィードバック チェック観点 (具体例) 
 🧠 学習プロセスに焦点があるか 


    結果だけでなく、やり方・考え方へ 言及があるか? 
 「こ 並び順 、ユーザーが自然に読み進められるように設計したんで すよ ?そ 意図が伝わってきました。実際に手を動かしながら確認し たプロセスが活かされています 。」
 ✔ 単なる「良い/悪い」で なく、プロセスや判断へ 関心とリスペクト を示し ています。
 

  9. © Kumu Inc. フィードバック チェック観点 (具体例) 
 🚀 次 行動につながるか

    
 「次にどうするか」が具体的か? 
 「たとえ “次へ”ボタン 位置をもう少し下げて、スクロールに合わせて 常時表示させる設計もありかもしれません。次回 ユーザーテストで試 してみ もいいかも ?」
 ✔ 「次にどうすれ よいか」を実行可能なレベルで示している 点が重要です。
 

  10. © Kumu Inc. フィードバック チェック観点 (具体例) 
 🔄 自分で気づける支援になっているか 


    自己調整力を育む問いやフィードバックになっているか? 
 「こ 構成って、ど 順番が一番スムーズだと当初感じてましたか?もし ユーザーが途中で戻ったとき、どこに戸惑いそうだと思いますか?」
 ✔ 指摘で なく問いかけによって内省を促している で、学習を自律的に支 援しています。
 

  11. © Kumu Inc. フィードバック チェック観点 (具体例) 
 ❤ 適切な距離感・言葉選びか 


    安心して受け止められ、成長につながる伝え方か? 
 「全体としてすごく丁寧に作られている が伝わってきました。そ 上 で、“こ ボタンって誰にとって自然?”といった視点を持つと、さらに良く なると思います。初期段階でここまで整理できている 本当にすごい と思います。」
 ✔ リスペクトを伝えたうえで、余白 ある表現で否定で なく提案にとどめて いるため、防御的反応を生みにくくなります。
 

  12. © Kumu Inc. ① も に関するフィードバック (プロダクト 、資料、コード…)
 ② やり方に関するフィードバック

    (プロセス、方法、判断…)
 ③ 人・関係に関するフィードバック (チーム、関係性…)
 ④ 思考や意図へ フィードバック (意図、目的意識…)
 ⑤ 組織的な構造・文化へ フィードバック (文化、制度…)
 何に対して フィードバックな か 

  13. © Kumu Inc. プロセスに対してフィードバック 
 自分達 プロセスにフィードバックをかける
 • 周囲から 観察結果を取り入れることも大事


    • 自分達で他 人達に わからない活動や感情をふりかえる (自分達 良いところもうまくいってないところも全部認知して 場に出してみよう。まず 認識するところから)
 • より良いフィードバック 出し方、受け取り方もふりかえって、 もっとうまくなれるとイイネ !!

  14. © Kumu Inc. 1. 🎯「これ 私 意見/プロダクト」だけど「これ 私そ も 」で

    ない 
 フィードバック あなた個人に対してで なく、意見やプロダクトに向けら れたも です。
 • あなたが心を込めて作ったも に意見がつくと、つい「自分が否定された」 と感じてしまうことがあります。
 
 • でも、そ 意見 あくまで次 改善可能性へ ヒント です。
 
 • 自分とプロダクトを切り離して考える ことで、冷静に、前向きに受け取るこ とができます。
 
 • 「自分が悪い」と決めつける必要 ありません。まず 「ふーん。そう見え るんだな」と受けとめることから。
 󰩓 「なるほど、そう見えてたんです 。ちょっと考えてみます」

  15. © Kumu Inc. 2. 🧠 「役に立つ部分」を選んで拾え いい 
 すべてを真に受ける必要 ありません。自分にとって、プロダクトにとっ

    て役立つ部分 を選び取る意識が大切です。
 
 • 意見が全部正しいわけで ありません。矛盾していることだって結構あ る
 
 • フィードバック 「取り入れるべき指示」で なく、「より良くするため 視点が増えるということ」
 
 • 「確かにここ 見直してみよう」「こ 点 今 優先度を下げよう」など、 自分たちで判断して使え いいよ 
 

  16. © Kumu Inc. 3. 🙏 受け取りが難しい時 「ありがとう」で受け取ってみよう 
 フィードバックに対する第一声 、「なるほど」や「ありがとう」で十分です。


    • すぐに答えを出したり、弁明したりしなくてOK。フィードバックをより良く 知る為 問いかけ どんどんしよう
 
 • 一度受け止めて、自分やチームで整理して、あとから活かせる形で反 映するかどうか決めれ いい
 

  17. © Kumu Inc. 4. 💬 うまく言えてないフィードバック 中にも宝があるかも...? 
 表現がぎこちなくても、そこにユーザー視点(他者視点) ヒント

    が眠っ ているかもしれません(直感を信じて探索してみよう)
 • 「使いづらい」「違和感ある」という声 中に 、直感的な重要な気づき が含まれていることがあります。
 
 • 表面 言葉に反応せず、「どこでそう感じた か?」「なぜそう見えた か?」を一緒に探っていく姿勢が大切です。
 
 

  18. © Kumu Inc. フィードバック 、自分 可能性を広げてくれる「鏡」や「地図」 ようなも 。
 • 落ち込むためで

    なく、自分 力を磨くため 素材 だと考えてみましょ う。
 
 • 「怖いも 」から「役に立つかもしれないも 」へ。そう考えられるように なると、どんな環境でも学び続けられる力になります。
 
 • ここまでできているヒト こ モードも試してみて 
 6. 💡 自分 “可能性モード”をONにする