Upgrade to Pro
— share decks privately, control downloads, hide ads and more …
Speaker Deck
Features
Speaker Deck
PRO
Sign in
Sign up for free
Search
Search
AWSのProductのLifecycleについて
Search
Takuya Shibata
PRO
September 26, 2025
Technology
0
270
AWSのProductのLifecycleについて
2025年9月26日に行われたDevelopersIO 2025 Sapporoで発表した内容です。
https://classmethod.connpass.com/event/366068/
Takuya Shibata
PRO
September 26, 2025
Tweet
Share
More Decks by Takuya Shibata
See All by Takuya Shibata
アップデート紹介:AWS Data Transfer Terminal
stknohg
PRO
0
460
CloudFrontの継続的デプロイを試してみたはなし
stknohg
PRO
0
1.4k
Snapshot & Backup
stknohg
PRO
0
4k
AWSエンジニアのためのActive Directory入門
stknohg
PRO
1
3.3k
EC2 Image Builder
stknohg
PRO
0
470
Windows on AWS の “基礎”
stknohg
PRO
0
820
Azure Dedicated Host と2019年10月1日からのライセンス改定のはなし
stknohg
PRO
0
520
Windows on AWS 入門
stknohg
PRO
0
570
普通の人が普通にブログを継続するためにやっていること
stknohg
PRO
0
800
Other Decks in Technology
See All in Technology
フルカイテン株式会社 エンジニア向け採用資料
fullkaiten
0
9k
そのグラフに「魂」は宿っているか? ~生成AI全盛期におけるデータ可視化手法とライブラリ比較~
negi111111
2
810
Pythonによる契約プログラミング入門 / PyCon JP 2025
7pairs
4
2.1k
Geospatialの世界最前線を探る [2025年版]
dayjournal
2
430
非エンジニアのあなたもできる&もうやってる!コンテキストエンジニアリング
findy_eventslides
3
830
サプライチェーン攻撃に学ぶModuleの仕組みと セキュリティ対策
kuro_kurorrr
3
740
AIが書いたコードをAIが検証する!自律的なモバイルアプリ開発の実現
henteko
1
220
AI×Data×SaaS×Operation
sansantech
PRO
0
100
CData MCP ナイト!「CData × Oracleで実現する新しいデータ活用 ― 国産SaaS 連携から MCP Server for Oracle Database まで」
shisyu_gaku
0
180
「技術負債にならない・間違えない」 権限管理の設計と実装
naro143
31
9.2k
stupid jj tricks
indirect
0
7.3k
SOC2取得の全体像
shonansurvivors
1
320
Featured
See All Featured
How to Create Impact in a Changing Tech Landscape [PerfNow 2023]
tammyeverts
53
3k
Principles of Awesome APIs and How to Build Them.
keavy
127
17k
Agile that works and the tools we love
rasmusluckow
330
21k
Making the Leap to Tech Lead
cromwellryan
135
9.5k
実際に使うSQLの書き方 徹底解説 / pgcon21j-tutorial
soudai
PRO
188
55k
Rails Girls Zürich Keynote
gr2m
95
14k
A better future with KSS
kneath
239
17k
Understanding Cognitive Biases in Performance Measurement
bluesmoon
29
2.6k
Chrome DevTools: State of the Union 2024 - Debugging React & Beyond
addyosmani
7
880
Done Done
chrislema
185
16k
Building Adaptive Systems
keathley
43
2.8k
Let's Do A Bunch of Simple Stuff to Make Websites Faster
chriscoyier
507
140k
Transcript
AWSのProductの Lifecycleについて Takuya Shibata クラウド事業本部コンサルティング部
自己紹介 2 ⚫ 2018年12月入社 ⚫ Japan All AWS Certifications Engineer
(2025) ⚫ Japan AWS All Certifications Engineer (2023, 2024) ⚫ ex-APN AWS Top Engineer (2020, 2021) ⚫ ex-Microsoft MVP (2016 – 2022) ⚫ 自称クラスメソッドで一番AWSサービスの終了を 追い続けている男 Takuya Shibata
自己紹介 3 それなりにサービス終了ブログを書いてます
諸行無常
どんなサービスも必ずいつか終了する 5 ⚫ 2022年ごろからサービスの新規利用停止や終了が目立つ様に ⚫ 増加に至る具体的な理由は明言されていない ✓ 当時の時代感としては「コロナ」や「レイオフ」 ✓ AWS内部でサービス整理を行うに至る下地は十分にあったと思われる
⚫ 旧バージョンの廃止や類似サービスの統廃合による終了もあり、 サービス終了は必ずしもネガティブな要素だけではない ✓ 時代に合わせてサービスが刷新されることは利用者にとってもメリット かつて『AWSはサービスを終了しない』と言われてきたが…
AWSサービスの新規利用停止・終了 6 2021年以前、時期不明 時期 サービス 内容 特記事項 不明 Amazon Lumberyard
提供終了 GitHubリポジトリは2022年10月4日に アーカイブ済み 2021年? Amazon Machine Learning 新規利用停止 ドキュメント履歴を見る限り2021年に 停止した模様 2021年 AWS Mobile Hub AWS Amplifyに移行 2019年ごろから両者の統合が行われ ていた模様 ドキュメント履歴によれば2021年10月 末に移行されている ※調査で判明している分のみ記載しています
AWSサービスの新規利用停止・終了 7 2022年 ※調査で判明している分のみ記載しています 時期 サービス 内容 特記事項 2022年3月? Amazon
Macie Classic サービス終了 現行Macie(macie2)が利用可能 2022年4月 Amazon WorkLink サービス終了 (Amazon WorkSpaces Secure Browserに移行した模様) パブリックなアナウンスは確認で きず 2022年11月 AWS IoT Things Graph AWS IoT TwinMakerに移行 2022年12月 CloudEndure Migration GovCloudおよび中国リージョン 以外のリージョンでサービス終了 2024年11月に完全終了済み
AWSサービスの新規利用停止・終了 8 2023年 (1/2) ※調査で判明している分のみ記載しています 時期 サービス 内容 特記事項 2023年2月
Amazon Sumerian サービス終了 2023年3月 AWS IoT EduKit サポート終了 ハードウェアの提供はその後も 継続 2023年3月 AWS Server Migration Service サービス終了 2023年4月 AWS Simple Monthly Calculator 提供終了 2020年の予告から3年かけて 終了 2023年5月 Alexa for Business サービス終了
AWSサービスの新規利用停止・終了 9 2023年 (2/2) ※調査で判明している分のみ記載しています 時期 サービス 内容 特記事項 2023年8月
EC2-Classic サービス終了 2021年の予告から2年かけて 終了 2023年9月 Amazon WorkSpaces Application Manager サービス終了 2023年10月 Amazon GameSparks (Preview) サービス終了 プレビューのまま終了
AWSサービスの新規利用停止・終了 10 2024年 (1/5) ※調査で判明している分のみ記載しています 時期 サービス 内容 特記事項 2024年1月
AWS DeepLens サービス終了 2024年3月? AWS IoT RoboRunner サービス終了 2024年3月? AWS Snowmobile 提供終了 2024年4月の報道で判明 報道によると3月に終了した 様に見えるが断定できず 2024年3月 CloudEndure Disaster Recovery GovCloudおよび中国リ ージョン以外のリージョ ンでのサービスを終了 2026年8月に完全終了予定 2024年4月 Amazon Honeycode (Beta) サービス終了 ベータ版のまま終了
AWSサービスの新規利用停止・終了 11 2024年 (2/5) ※調査で判明している分のみ記載しています 時期 サービス 内容 特記事項 2024年4月?
Amazon Elastic Inference サービス終了 2024年5月 AWS OpsWorks サービス終了 2024年3月から段階的に終了 2024年6月? AWS Backup Storage サービス終了 特定顧客向けサービス 2024年7月 AWS CodeStar サービス終了 AWS CodeStar Connectionsは影響を受けず AWS CodeConnectionsに改名 2024年7月 AWS Data Pipeline 新規利用停止 以前からメンテナンスモードだったが2024年7 月に正式に新規利用停止
AWSサービスの新規利用停止・終了 12 2024年 (3/5) ※調査で判明している分のみ記載しています 時期 サービス 内容 特記事項 2024年7月
AWS CodeCommit 新規利用停止 2024年7月 Amazon CloudSearch 新規利用停止 2024年7月 AWS Cloud9 新規利用停止 2024年7月 S3 Select, Glacier Select 新規利用停止 2024年7月 Amazon Forecast 新規利用停止
AWSサービスの新規利用停止・終了 13 2024年 (4/5) ※調査で判明している分のみ記載しています 時期 サービス 内容 特記事項 2024年7月
Amazon SimpleDB 新規利用停止 2024年9月 AWS Application Cost Profiler サービス終了 2024年10月 Amazon Nimble Studio サービス終了 2024年10月 Amazon Lookout for Equipment 新規利用停止 2024年10月 Amazon FSx File Gateway 新規利用停止
AWSサービスの新規利用停止・終了 14 2024年 (5/5) ※調査で判明している分のみ記載しています 時期 サービス 内容 特記事項 2024年10月
Amazon Monitron 新規利用停止 デバイスの販売は2025年7月まで (5年サポート付き) 2024年11月 AWS Snowcone 提供終了 同時にSnowball Edgeの旧モデルも提供終了 2024年11月 CloudEndure Migration サービス終了 GovCloud等の残リージョンの終了 2024年12月 AWS IoT 1-Click サービス終了
AWSサービスの新規利用停止・終了 15 2025年 : 予定含む (1/5) ※調査で判明している分のみ記載しています 時期 サービス 内容
特記事項 2025年2月 東京リージョンのAZ apne1-az3 運用終了 AZの終了だが記載 相当昔から新規利用停止状態だった 2025年3月 Amazon FinSpace Dataset Browser サービス終了 2025年4月 Amazon WorkDocs サービス終了 2025年5月 AWS DataSync Discovery サービス終了 2025年5月 AWS Private 5G サービス終了
AWSサービスの新規利用停止・終了 16 2025年 : 予定含む (2/5) ※調査で判明している分のみ記載しています 時期 サービス 内容
特記事項 2025年6月 Amazon Timestream for LiveAnalytics 新規利用停止 2025年7月 Amazon Quantum Ledger Database (QLDB) サービス終了 2025年9月 AWS RoboMaker サービス終了 2025年9月 Amazon Lex V1 サービス終了 現行Amazon Lex V2が利用可能 2025年9月 AWS WAF Classic サービス終了 現行AWS WAF V2が利用可能
AWSサービスの新規利用停止・終了 17 2025年 : 予定含む (3/5) ※調査で判明している分のみ記載しています 時期 サービス 内容
特記事項 2025年9月 AWS DeepComposer サービス終了 サービス終了後もデバイスは普通のMIDI キーボードとして利用可能 2025年9月 NICE EnginFrame 提供終了 厳密にはサービスでなくソリューションだ がAWSブログで案内されているため記載 2025年10月 Amazon ECR Basic Scan (CLIAR) 提供終了 新バージョンのBasic Scan (AWS_NATIVE)が利用可能 2025年10月 Amazon Lookout for Metrics サービス終了 2025年10月 Amazon CloudWatch Evidently サービス終了
AWSサービスの新規利用停止・終了 18 2025年 : 予定含む (4/5) ※調査で判明している分のみ記載しています 時期 サービス 内容
特記事項 2025年10月 AWS IoT Device Management Fleet Hub サービス終了 2025年10月 Amazon Lookout for Vision サービス終了 2025年11月 AWS Elemental MediaStore サービス終了 2025年11月 Amazon Elastic Transcoder サービス終了 2025年11月 AWS Application Discovery Service Discovery Connector 提供終了
AWSサービスの新規利用停止・終了 19 2025年 : 予定含む (5/5) ※調査で判明している分のみ記載しています 時期 サービス 内容
特記事項 2025年11月 Amazon RDS Performance Insights 提供終了 2025年11月 Amazon CodeGuru Security (Preview) サービス終了 プレビュー版のまま終了 2025年12月 AWS IoT Analytics サービス終了 2025年12月? AWS DeepRacer サービス終了 予定がアナウンスされたものの、 正式な時期は確定していない
AWSサービスの新規利用停止・終了 20 2026年予定 (1/3) ※調査で判明している分のみ記載しています 時期 サービス 内容 特記事項 2026年1月
Amazon Kinesis Data Analytics for SQL サービス終了 2026年2月 Amazon Chime サービス終了 Amazon Chime SDKは対象外 2026年5月 AWS IoT Events サービス終了 2026年5月 AWS SimSpace Weaver サービス終了 2026年5月 Amazon Inspector Classic サービス終了 現行Amazon Inspector (v2)が利用 可能
AWSサービスの新規利用停止・終了 21 2026年予定 (2/3) ※調査で判明している分のみ記載しています 時期 サービス 内容 特記事項 2026年5月
Amazon Connect Voice ID サービス終了 2026年5月 AWS DMS Fleet Advisor サービス終了 2026年5月 AWS Panorama サービス終了 2026年5月 AWS IQ サービス終了 2026年9月 AWS App Mesh サービス終了 猶予期間2年
AWSサービスの新規利用停止・終了 22 2026年予定 (3/3) ※調査で判明している分のみ記載しています 時期 サービス 内容 特記事項 2026年10月
Amazon Pinpoint サービス終了 一部機能はAWS End User Messagingに分離済み
傾向と対策
終了サービスの傾向 24 1. 旧バージョンの廃止 ✓ 例) AWS WAF Classic →
AWS WAF V2 2. 既存サービスの統廃合 ✓ 例) AWS Server Migration Service (SMS), CloudEndure Migration → AWS Application Migration Service (MGN) 3. ビジネス上の判断 ✓ 大抵のサービスはこのパターン (『慎重に検討した結果』) ✓ AWSサービスで代替できない事もそれなりに 最初の2つは移行パスが明確だが、多くの場合で個別の対応が必要
終了までの猶予期間 25 ⚫ 多くのサービスで1年間の猶予期間がある ✓ ちょうど1年前にサービス終了の通知 + 同時に新規利用停止 ⚫ 必ず1年というわけでもない
✓ AWS App Meshの場合は2年の猶予期間 ✓ 後になって延長が入ることも 例) EC2-Classic ⚫ プレビュー、ベータ版サービスの場合猶予期間は短め ✓ 規約上はプレビュー、ベータ版は即終了しても良い決まり ✓ 直近の例だとAmazon CodeGuru Security (猶予3ケ月) GA済みサービスの場合十分な猶予期間が与えられる傾向にある
終了の通知 26 ⚫ 既存の利用者に対する通知は行ってる ✓ 基本Personal Health Dashboardに通知するっぽい ✓ 「利用者」の判定はサービスによってまちまち
⚫ 利用者以外への通知は全然されてこなかった ✓ あってもこっそりドキュメントやブログに追記される程度 ⚫ 2024年7月以降は利用者以外への通知も増え改善気味 ✓ サービスによってはブログでの案内もされる様に ✓ 公にされる情報がだいぶ増えた 終了の通知はかなり意識しないと気づけない可能性が高い
2024年7月? あんな大事になるとは…本当に予想外の事態でした…
サービス終了に向けた対策 28 1. 基本的にはケースバイケース ✓ 利用者自身が何らかの方法で移行しなければならない ✓ 自動移行されるケースは少ない 2. AWSに代替サービスが無いこともそれなりに
✓ 例) Amazon WorkDocs → DropboxやBoxなど 3. AWSから移行ツールの提供などのサポートがある場合も ✓ 例) AWS WAF Classic → AWS WAF v2 移行ツール ✓ 例) Amazon WorkDocsからDropboxへ移行する際の特別割引の提供 サービス毎、環境ごとに個別の対応が必要
AWS Product Lifecycle
AWS Product Lifecycle https://aws.amazon.com/products/lifecycle/ AWSオフィシャルのまとめページ (2025年5月公開)
AWS Product Lifecycle 31 1. 残念ながらすべてのサービス終了が記載されていない ✓ 2024年以前の終了情報が無い + 2024年以後も網羅率は低め
2. 現状AWSブログのまとめサイトに過ぎない ✓ 前述の通りブログでの通知はレアケース 3. Productの名は付くがあくまでもサービスレベルの情報のみ ✓ OS/ディストリビューションのEOS情報は載っていない ✓ RDSエンジンやLambdaランタイム等のEOS情報も載っていない 4. サービス改名が含まれていない ✓ 地味にAWSはサービス改名が多い リリースしてくれたことは評価したいが…
まとめ (利用者としての心構え)
利用者としての心構え 1. いまはAWSでも普通にサービス終了が起こり得る 2. AWSからの通知を逃さずチェックする必要あり 3. サービス終了に際し代替サービス(AWSに限らない)と 十分な猶予期間が与えられることが多いので決して 慌てない 4.
サービス終了だけでなくOS/ディストリビューショ ン、RDS、Lambdaなどのサポート終了にも注意
None