Upgrade to PRO for Only $50/Year—Limited-Time Offer! 🔥
Speaker Deck
Features
Speaker Deck
PRO
Sign in
Sign up for free
Search
Search
概念モデル→論理モデルで気をつけていること
Search
sunnyone
September 08, 2025
Programming
3
420
概念モデル→論理モデルで気をつけていること
sunnyone
September 08, 2025
Tweet
Share
More Decks by sunnyone
See All by sunnyone
multirange 型(多重範囲型)の活用
sunnyone
0
50
開発者とのコミュニケーションのはじめかた
sunnyone
0
37
印象に残ったLLMの使い方5選
sunnyone
0
22
シンプルじゃないテーブルの見つけ方
sunnyone
1
350
Next.js App Router登場後の話
sunnyone
0
74
はやい開発のためのJSONデータ型の活用
sunnyone
0
160
フロントエンドトレンドのふりかえりと事業に合わせた選択
sunnyone
0
110
メタプログラミングとは
sunnyone
0
2.4k
RustからPythonを呼び出す
sunnyone
1
4.5k
Other Decks in Programming
See All in Programming
FluorTracer / RayTracingCamp11
kugimasa
0
170
モデル駆動設計をやってみよう Modeling Forum2025ワークショップ/Let’s Try Model-Driven Design
haru860
0
220
Combinatorial Interview Problems with Backtracking Solutions - From Imperative Procedural Programming to Declarative Functional Programming - Part 1
philipschwarz
PRO
0
120
sbt 2
xuwei_k
0
150
手が足りない!兼業データエンジニアに必要だったアーキテクチャと立ち回り
zinkosuke
0
250
Integrating WordPress and Symfony
alexandresalome
0
110
MAP, Jigsaw, Code Golf 振り返り会 by 関東Kaggler会|Jigsaw 15th Solution
hasibirok0
0
200
TypeScript 5.9 で使えるようになった import defer でパフォーマンス最適化を実現する
bicstone
1
840
Micro Frontendsで築いた 共通基盤と運用の試行錯誤 / Building a Shared Platform with Micro Frontends: Operational Learnings
kyntk
1
1.9k
チーム開発の “地ならし"
konifar
8
6.8k
AWS CDKの推しポイントN選
akihisaikeda
1
230
AIコードレビューがチームの"文脈"を 読めるようになるまで
marutaku
0
260
Featured
See All Featured
Testing 201, or: Great Expectations
jmmastey
46
7.8k
Side Projects
sachag
455
43k
Let's Do A Bunch of Simple Stuff to Make Websites Faster
chriscoyier
508
140k
Visualization
eitanlees
150
16k
Large-scale JavaScript Application Architecture
addyosmani
514
110k
What’s in a name? Adding method to the madness
productmarketing
PRO
24
3.8k
Refactoring Trust on Your Teams (GOTO; Chicago 2020)
rmw
35
3.3k
Building an army of robots
kneath
306
46k
Balancing Empowerment & Direction
lara
5
780
Building Adaptive Systems
keathley
44
2.9k
10 Git Anti Patterns You Should be Aware of
lemiorhan
PRO
659
61k
Build The Right Thing And Hit Your Dates
maggiecrowley
38
3k
Transcript
概念モデル→論理モデルで気をつけていること @_sunnyone / 2025-09-13 at 中国地方DB 勉強会 1
自己紹介 Yoichi Imai (@_sunnyone) / Web アプリケーションエンジニア フロントエンド、DB 、インフラ DB
ユーザー歴: PostgreSQL 7.4, 8 〜9.6 くらい、12 くらい、14 〜 MySQL 5.7 Oracle のことは忘れました 2
宣伝 mcp-postgres-dump-schema を作りました。 https://zenn.dev/sunnyone/articles/7a138fc004731b 3
今日話すこと 目次 データモデル(概念、論理、物理)について 概念モデルを論理モデルに落とすステップ Tips ActiveRecord パターンに親しんだアプリケーション開発者をターゲ ットにしたRDB の設計の話です 4
データモデルの抽象度 階層 概要 概念データ モデル 業務の「ものごと」と関係の洗い出し、言葉合わせ。 論理データ モデル RDB に載せられる形への整理。主キー/
外部キー、一意 性、正規化等、多重度の明確化等。 物理データ モデル 実装に配慮した構造の調整 5
概念モデルを論理モデルに落とすステップ 6
概念(しかも雑な状態)の例 例えば、日毎に読書本数を記録する例が概念モデルの中にあったとす る。 読書本数 ユーザーID: 整数 観測⽇: ⽇付 本数: 整数
7
イベントを見出して分離する たいていリソースからイベントが見出されてないので、イベントを見 出す。イベントとリソースのイメージを作る。 8
読書本数の例 読書本数の場合、何冊読んだかの情報を入力するというイベントが考 えられる。これが妥当な場合、以下のように分割できる。 読書本数 ユーザーID: 整数 観測⽇: ⽇付 本数: 整数
読書本数⼊⼒ 9
ライフサイクルの違いを確認する 読書本数は今回の前提から日毎。一方で、読書本数の入力は日に1 回 と限らない(訂正したり、一気に入力したりする) 読書本数 ユーザーID: 整数 観測⽇: ⽇付 本数:
整数 読書本数⼊⼒ ユーザーID: 整数 ⼊⼒⽇時: ⽇時 10
実際に必要な項目を埋める・分割する 論理構造まで考え始めると、記録する箇所が足りないことがある。今 回の例では、読書本数の入力が日の単位ではないので、読書本数とは 別のテーブルが必要になる。 読書本数 ユーザーID: 整数 観測⽇: ⽇付 本数:
整数 読書本数⼊⼒ ユーザーID: 整数 ⼊⼒⽇時: ⽇時 読書本数⼊⼒_本数 観測⽇: ⽇付 本数: 整数 足したものは、リソースの場合とイベントの場合がある。 11
イベントとリソースの関連を検討する データ量やイベントの重要度によって、リソースとイベントの関連の させ方が異なる。 イベントの項目をID でポイントする ビューを作ってイベントを見る 重複保存する 12
Tips 13
単一責任に配慮して分割する 概念モデルの段階では複数の責務がひとつのクラスにある場合がある ので、このタイミングで分割する。 例えば、家庭の消耗品{ティッシュ残量,洗剤残量}のようなモデル が雑にあった場合、ティッシュの残量と洗剤の残量を同一テーブルと して記録するのが適切でない可能性がある。 14
データのライフサイクルの違いを意識して分割 する ライフサイクルの違いも配慮して分割する。 例えば、ざっくり概念で睡眠記録{入眠時刻,起床時刻}があったと する。このままが適切な場合もあるが、寿命が異なる場合がある(例 えば入眠時刻のみ先に記録など)ので、適切に対処する。 15
イベント→リソースの参照はおかしいことが多 い イベントは特性上消えないことが多いが、リソースは消えたり更新さ れたりするので、イベント→リソースの参照は不適切なことが多い。 16
命名でリソース側かイベント側かわかるように する リソースかイベントかでざっくり違った配慮が出てくる。 例えば、イベントは追記で削除しない等。 配慮の違いを認識しやすいので、同一のリソースを扱うためのテーブ ルは、イベントのくくりなのかリソースのくくりなのか名前でわかる ようにしておくと便利。 例えば、 「本」と「本_ 売却」など。
17
階層を混乱させる命名はしない リソースの名前に修飾されることが多くなるので、命名がどうしても 長くなりがち。 しかし、下手に省略すると階層が変わってしまうことがあり、後の解 読に影響を及ぼすので注意する。 木をたどるような命名、例えばa_b_c のようなつけかたをするケース で、a_c のように名付けると c
がa の子のように誤認してしまう。 18
Key やFK が変なときはテーブルに過不足がある 関連を考える際に、適切なリレーションが張れない場合、必要なテー ブルが足りなかったり、変な階層に存在していたりすることが多い。 過不足や階層の整理が不十分であることを疑う。 19