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ソフトウェア開発現代史: 55%が変化に備えていない現実 ─ AI支援型開発時代のReboot...

ソフトウェア開発現代史: 55%が変化に備えていない現実 ─ AI支援型開発時代のReboot Japan #agilejapan

Agile Japan 2025 Day2

AI支援型開発時代を迎えた今、日本の多くの組織はその土台づくりに出遅れています。現場の実態には大きなギャップがあり、ファインディがIT従事者798名を対象に行った調査では、開発フレームワークについて「よくわからない」18.2%、「ウォーターフォール」36.8%と、あわせて55%が変化に柔軟に対応できない現実が明らかになりました。さらにVSSやSVNなど旧来のバージョン管理を使う組織も約3割にのぼります。これはAI支援型開発の波に乗り遅れ、将来的に大きな生産性格差を生むリスクを意味します。本セッションでは、ソフトウェア開発現代史を手がかりに「なぜ変われないのか」を整理し、今年ファインディのカンファレンスでケント・ベックやジーン・キムが語った内容を踏まえて「何を取り戻すべきか」を再考します。アジャイルとDevOpsの文化を基盤に、AI時代に日本の開発をRebootする道筋を提示します。

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Hiroyuki TAKAHASHI

November 14, 2025
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  1. ◆ 1989年 株式会社ジェーシーイ ◆ 1993年 フリーランス ◆ 1995年 株式会社メイテック ◆

    1996年 日立通信システム株式会社(現・株式会社日立情報通信エンジニアリング) ◆ 2002年 ソニーデジタルネットワークアプリケーションズ株式会社 コンシューマ向けカメラ開発、組織横断型プロセス改善(SEPG)に従事 ◆ 2013年 ウイングアーク1st株式会社 プロセス改善コーチ兼アジャイルコーチとして活動。2018年よりソフトウェアプロセス& 品質改善部部長、製品品質管理責任者、オープンソース管理責任者を務める。 ◆ 2021年 株式会社ビズリーチ プロセス改善コーチ兼アジャイルコーチとして活動。QAとプロセス改善部門のマネジャー として、DevOpsアプローチによる開発透明性向上とDORA(Four Keys)メトリクスを用いた 開発生産性による改善活動を実施。SODA(Software Outcome Delivery Architecture) 構想を立案し、プロダクトの事業影響を定量化・可視化する組織変革をリード。 ◆ 2024年 ファインディ株式会社 ソフトウェアプロセス改善コーチ兼アジャイルコーチとして活動。 エンジニア組織への新技術・方法論導入支援のイネーブルメントを担当。 1989年より組込みエンジニアとして、電話網の交換機開 発携わり国産OS CTRONをスクラッチで開発。また、 BSD UNIXベースのTCP/IPプロトコル開発に従事。その 後、メーカーでRTOSや組込みLinuxを基盤としたテレビ、 デジタルカメラ、ビデオカメラなどの開発に16年携わる。 2005年からソフトウェア開発で起きるさまざまな問題に 向き合うことを決意しSPI(ソフトウェアプロセス改善) の専門家へ転身。 問題を抱える開発チームに向き合いながら、計測エビデ ンスをもとにしたケイパビリティモデルに基づくプロセ ス改善活動を得意とする。 Findy Tech Blog 編集長。 高橋 裕之/ Hiroyuki Takahashi ファインディ株式会社 CTO室 Staff Engineer (Engineering Excellence), SPI Coach, Agile Coach @Taka_bow takabow hiroyukitakah
  2. ※記載の商標・登録商標は各権利者に帰属します Portfolio 3 https://speakerdeck.com/takabow/ji-hua- hashu-kufalsedehanakuli-terumofalse https://speakerdeck.com/takabow/wen-hua-de-fu-zhai- tofalsezhan-i-lao-pu-sohutoueakai-fa-hui-she- deaziyairubian-ge-woshi-gua-keta8nian-jian https://speakerdeck.com/visional_engineering_and_desig n/number-rsgt2023

    https://speakerdeck.com/visional_engineering_and_desig n/devopsdays-tokyo-2024 技術翻訳レビュー https://speakerdeck.com/takabow/zhi-zao-ye- tosohutoueahaben-dang-nigong-cun-dekiteitanoka-pin- zhi-tosupidowowen-izhi-su-dc76f0ad-2d4c-4f2a-bf4d- cecbceb7eb5e
  3. 会社概要 © 2024 Findy Inc. 挑戦するエンジニアの プラットフォームをつくる。 ビジョン つくる人がもっとかがやけば、 世界はきっと豊かになる。

    経営理念 会社名 ファインディ株式会社 / Findy Inc. 代表取締役 山田 裕一朗 設立 2014 年 2 月 ※ 本格的な事業開始は2016年7月 社員数 376 名 資本金 27億5,386 万円 ※ 資本準備金含む 住所 東京都品川区大崎1-2-2 アートヴィレッジ大崎セントラルタワー 5階 事業許可番号 13-ユ-308478 サービス ・IT/Webエンジニアの転職サービス「Findy」 ・ハイスキルなフリーランスエンジニア紹介サービス「Findy Freelance」 ・経営と開発現場をつなぐAI戦略支援SaaS「Findy Team+」 ・開発ツールのレビューサイト「Findy Tools」 ・テックカンファレンスのプラットフォーム「Findy Conference」 ・顧客価値を追求する、AI時代の製品開発マネジメント「Findy Insights」等 投資家 グローバル・ブレイン、ユナイテッド、SMBCベンチャーキャピタル、KDDI、 JA三井リース、みずほキャピタル、博報堂DYベンチャーズ、Carbide Ventures、等
  4. ※記載の商標・登録商標は各権利者に帰属します 挑戦するエンジニアに最新のナレッジを 8 ⚫ 日本に居ながら海外カンファレンス体験を! ⚫ 開発生産性Conference / アーキテクチャConference /

    Data Engineering Summit / 内製開発Summit etc... ⚫ AI Engineering Summit Tokyo Dr. Nicole Forsgren (開発生産性Conference 2024) Gene Kim (開発生産性Conference 2025) Kent Beck (開発生産性Conference 2025)
  5. ※記載の商標・登録商標は各権利者に帰属します ソフトウェア開発現代史シリーズ https://speakerdeck.com/takabow 12 DATE タイトル 概要 イベント 2024/8/8 モダンソフトウエアエンジニアリングとは(非公開)

    モダンなソフトウェアエンジニアリングを導入することの具体 的なメリットを把握する お客様向け講演 2025/1/29 ソフトウェア開発現代史: 製造業とソフトウェアは本当に共 存できていたのか?品質とスピードを問い直す 戦後日本の製造業とソフトウェアエンジニアリングの歴史を振 り返り、世界と日本の進化になぜ差ついたのかを理解する 【ヤマハ発動機×SUBARU×三菱電 機】今こそ考えたい「開発プロセス の品質視点」 2025/3/28 ソフトウェア開発現代史: なぜ日本のソフトウェア開発は 「滝」なのか?製造業の成功体験とのギャップ なぜ日本のソフトウェア開発は「ウォーターフォール」を受け 入れ続けているのか?の謎に迫る JaSST’25 Tokyo Day2 2025/4/15 ソフトウェア開発現代史: "LeanとDevOpsの科学"の「科学」と は何か? - DORA Report 10年の変遷を追って - DevOpsが未定着な日本の謎とDORA10年の歴史を振り返り、ソ フトウェア開発マネージメントに持ち込まれた「科学的」とは 何か?を解説 DevOpsDays Tokyo 2025 Day 1 2025/7/4 ソフトウェア開発現代史: 日本のソフトウェア工学が直面す る、ハードウェアの進化に隠された「二重停滞」 CDの先駆者デイヴィッド・ファーリーは「ソフトウェア産業は 学ぶことも進化することもなかなかできないで苦闘している」 と指摘。この問題は日本においてさらに深刻です 開発生産性Conference 2025 2025/11/6 ソフトウェア開発現代史: 内製化はなぜ難しいのか ─ ウォー ターフォールから生成AIまでに失われた土台 日本のIT業界では、多重請負構造を背景に、アジャイルや DevOpsといった“土台”を十分に築かないまま生成AI時代へ突入 しました。そのため内製化の試みは、スケールや定着の壁に直 面しやすい状況にあります Qiita Conference 2025 Autumn 2025/11/7 ソフトウェア開発現代史: 選任QAの昔と今 ─「私 vs あなた」 から共に担う品質へ かつてソフトウェア開発の現場では、「私(QA) vs あなた (開発)」 という構図が当たり前でした。QAはゲートキーパ ーとして品質を守り、ときには開発者の背後に立ち作業を監視 するような雰囲気すら存在していました 開発をリードする品質保証 - Findy Online Conference - ※本日※ ソフトウェア開発現代史: 55%が変化に備えていない現実 ─ AI 支援型開発時代のReboot Japan AI支援型開発時代を迎えた今、日本の多くの組織はその土台づ くりに出遅れています。これはAI支援型開発の波に乗り遅れ、 将来的に大きな生産性格差を生むリスクを意味します。 Agile Japan 2025
  6. ※記載の商標・登録商標は各権利者に帰属します ソフトウェア開発現代史 -Beginning- 22 ⚫ 戦後、日本のものづくりは「安かろう悪かろう」 ⚫ これを打破するため、先人たちは2人の人物に教えを請いました ⚫ 1950年

    統計学の専門家であったW.E.Deming博士が日本科学技術連盟 (JUSE)の招きにより初来日 ⚫ PDCA=デミング・サイクル ⚫ 日本の経営者に品質管理の考え方や統計的手法を伝える ⚫ 「品質の統計的管理8日間コース」セミナー ⚫ 「経営者のための品質管理講習会1日コース」セミナー ⚫ 1954年アメリカの品質管理コンサルタントであるJoseph M. Juran博士 が初来日 ⚫ パレートの法則 ⚫ ジュランのトリロジー ⚫ 品質計画・品質管理・品質改善 ⚫ TQM(Total Quality Management:全社的品質管理)の理論的基盤を築く ⚫ これにより、日本製造業は飛躍的な品質向上を遂げます W. Edwards Deming (ウィリアム・エドワーズ・デミング、1900-1993) Joseph M. Juran (ジョセフ・M・ジュラン、1904-2008)
  7. ※記載の商標・登録商標は各権利者に帰属します 23 ソフトウェア開発現代史 -Beginning- ⚫ 1960年頃、日本のものづくりは「品質」という武器を手に入れ躍進。日本製品が世界中で人気となる ⚫ 1979年、米ハーバード大学のエズラ・ヴォーゲル教授が出版した『Japan as Number

    One: Lessons for America』がベストセラーに “ウォークマン” 1号機 TPS-L2 (1979) Toyota Corolla Liftback SR5 001 (1980〜) ソニートリニトロンシリーズ (1968〜) Vogel, E. F. (1979). Japan as number one: Lessons for America. Cambridge, MA: Harvard University Press. 世界初のポータブル CDプレーヤー D-50(1984)
  8. ※記載の商標・登録商標は各権利者に帰属します 24 ソフトウェア開発現代史 -Beginning- ⚫ 1960年頃、日本のものづくりは「品質」という武器を手に入れ躍進。日本製品が世界中で人気となる ⚫ 1979年、米ハーバード大学のエズラ・ヴォーゲル教授が出版した『Japan as Number

    One: Lessons for America』がベストセラーに “ウォークマン” 1号機 TPS-L2 (1979) Toyota Corolla Liftback SR5 001 (1980〜) ソニートリニトロンシリーズ (1968〜) Vogel, E. F. (1979). Japan as number one: Lessons for America. Cambridge, MA: Harvard University Press. 世界初のポータブル CDプレーヤー D-50(1984) 品質管理と品質保証 「品質」が日本の強い成功体験となる
  9. 10年前 20年前 30年前 40年前 50年前 2018: マイクロソフト、GitHub を 75 億ドルで買収

    2001/2/11: アジャイルソフ トウェア開発宣言 2005/10 1991〜: バブル崩壊「失われた◦◦年」 1988〜: 日本を含む諸外国へ「通商法スーパー301条」発動 ソフト ウェア開発現 代史年表 Ver2.09 © 2025 ファ インデ ィ株式 会社. All rights reserved. (写真 および 他社ロ ゴを除 く) 本資 料はフ ァイン ディ株 式会社 が独自 に編集 ・作成 したも のです (一部 、パブ リック ドメイ ン素材 を含み ます) 。 Findy およ び Team+ はフ ァイン ディ株 式会社 の商標 です。 使用 されて いる写 真や他 社ロゴ は、各 権利者 に帰属 し、説 明目的 でのみ 使用し ていま す。そ の他の 商品名 やロゴ は、各 社の商 標また は登録 商標で す。 1974 2024 1976 1978 1980 1982 1984 1986 1988 1990 1992 1994 1996 1998 2000 2002 2004 2006 2008 2010 2012 2014 2016 2018 2020 2022 Linux 0.01 リリース UNIXが商業化・断片化していく中、 Linuxはオープンソースの力で 統一的な開発基盤となり、 世界中の技術革新を支えた (1991/9/17) CVS 誕生 (1990) Subversionリリース (2000) (2005) GitHub リリース (2008) Bugzilla リリース (2000) Jira リリース (2002) AWS サービス開始 (2006) Jenkins 誕生 (2011) GitHub Actions (2018) ChatGPT 一般公開 (2022/11/30) GitHub Copilot (2021/6/29) Java v1.0 正式リリース Javaはオブジェクト指向と 仮想マシン技術を普及させ、 後の言語設計にも影響を与えた (1996) 1980年代後半〜1990年代前半: UNIX戦争 1970〜1980年代: 多くの企業や政府機関が「ウォーターフォールモデル」を公式な開発プロセスとして採用。 同時に、Royceの思惑と違う、誤解された「ウォーターフォール」が広まる Azure サービス開始 (2010) 1990〜2000: 第一次ブラウザ戦争。Internet Explorerの躍進、 Netscape Navigatorの消滅 2009〜2020: 第二次ブラウザ戦争 Google Chromeの躍進、 Internet Explorerの衰退 (2018) (2004) Google Cloud サービス開始 (2008) 欧州の自動車メーカ が中心となって公開(2005) (2011) 1985〜1990: 国家プロジェクト 「Σ計画」が頓挫 (2006) (2004) 1975 1999 2018/11/22 2004/11/16 2006/10/19 1977 1986 2002 1995 2010〜 2017/6/22 1994/10/31 1989 2024/7/11 1987 1970 1989/02/01 1982 1979 2019/9/17 1992/3/13 1996/4/1 2010/10/12 2011/7/16 2022/12/17 2011/10/18 2021/3/15 2001/5/18 1996/8 1979 2004/7/16 2013/8/1 2014/4/22 2019/9/30 2021/12/10 1978 2024/9/13 1972 2026 1997〜2010年代: 米国防総省(DoD)が CMMレベル3以上を防衛関連のソフトウェア調達 条件として要求し始める。 2000年代〜: 米国を中心にでアジャイル手法が急速に広まり、ウォーターフォールは特にWeb系・スタートアップ企業ではほぼ使われなくなる。 1990年代: ウォーターフォールのリスクを軽減する開発手法が次々 と誕生(インクリメンタル、スパイラル、RUP など) 1980年後半〜1990年前半: 米国防総省(DoD)の発注したソフトウェアに問題が多発。 米会計局でも多くの遅延/途中での挫折が発生 主 な 出 来 事 ソ フ ト ウ ェ ア 関 連 の 論 文 ・ 文 献 2010年〜: 米国議会は2010会計年度国防権限法(NDAA 2010)において「迅速なITシステム獲得のための新たな取得プロセス の実施」(第804条)をDoDに命じ、事実上アジャイル型開発の原則を法制化* 1980年〜: 米国防総省(DoD) がウォーターフォールを採用 初代iPhone発表 (2007/1/9) PC/AT互換機が誕生(1981〜) ワークステーションの時代: Sun SPARCstation (1989〜1994) Windows95 リリース コンシューマ向けOSに TCP/IPが標準搭載され ワークステーション並みに (1995) 初代iMac (1998〜) Apple Macintosh (1984〜) 家庭向けADSL・FTTHの普及、 ブロードバンド時代に突入 (2001〜) ICT の 進 化 メインフレーム時代: IBM System 360とVT100(1970〜1980) MacBook Pro M4 Max (2024) 2018/3/27 2000/12/1 2010/7/27 2016/10/6 2005/10/7 1990/10/10 1978/5/1 1988/3/1 1984 2021/8/1 1995/10/1 2003/9/1 1976 リリース (2004/2) Point: 米国防総省(DoD)が与えた影響 1981 2021/12/1 2025/1/3: Agile AllianceがPMBOK などを策定するPMIに加盟 Claude 1 (2023/3/14) Team+ (2021/10) Gemini 1 (2023/12/6) Devin (2024/3/12) Cline (2024/7) 2021〜: AI(GenAI)が前提の時代へ 2000年代〜: 日本は大企業を中心に、ウォータフォールモデルを採用し続ける。 2018/4/1 数字送信の開始による ポケベルブーム(日本) (1992〜1996) F501i HYPER iモード開始 (1999/2/22) テレホーダイ (1995〜2023) PC-9800シリーズ(1982〜2003) 初代iPad発表 (2010/4/3) Samsung Galaxy S II (2011/5/2) 2020/3〜2023/5: COVID-19 ARMアーキテクチャのSoC Apple M1 生産(2020) 1970年代後半〜1980年代末: 日本車と家電がアメリカ市場を席巻。これが、徐々に日米貿易摩擦の火種に…… "ウォークマン” 1号機 TPS-L2 (1979) 世界初のポータブル CDプレーヤー D-50(1984) Toyota Corolla Liftback SR5 001 (1980〜) “トリニトロン” 日本製品が欧米で人気 1979〜: 日本の製造業の高品質、ものづくりの強さを研究。 2024/12/25 2013/1/10 2014/8/18 2023/11/21 2000/3〜: ITバブル崩壊 パソコン通信 携帯電話・PHSの普及、インターネット黎明期 携帯電話の多機能化、ブロードバンド時代 スマートフォン普及時代(2010年、モバイル端末利用率がパソコン利用率を超える) 1974年: 「TCP/IP」の最初の仕様がRFC 675として公開 1982年〜: 米国防総省(DoD)は全ての軍用コンピュータ網のためにTCP/IP標準を作成。その後、コンピューター産業に開放され、4.2 BSD UNIXを皮切りにほとんどの商用OSにTCP/IPが実装された。 2017/10/14 2003/9/1 2002/11/8 2009: Flickrのエンジニアである John AllspawとPaul Hammondが初めてDevOpsに繋がる伝説的な講演を行う 2000年代後半〜: クラウドファースト・クラウドネイティブ時代に突入 2008/9〜: リーマンショック 2010年以降〜: 日本のスタートアップはクラウドファーストで事業を立ち上げ、初期からアジャイル手法を採用 ★ピアソンショック(2013年8月1日) 2012/3/15 2009/11/27 2008/12/30 2023/11/28 西 暦 Netflixが日本に上陸(2015/9/2) ※ では2007/1にサービスイン © T he Deming In stitute 2025/6/25
  10. 10年前 20年前 30年前 40年前 50年前 2018: マイクロソフト、GitHub を 75 億ドルで買収

    2001/2/11: アジャイルソフ トウェア開発宣言 2005/10 1991〜: バブル崩壊「失われた◦◦年」 1988〜: 日本を含む諸外国へ「通商法スーパー301条」発動 ソフト ウェア開発現 代史年表 Ver2.09 © 2025 ファ インディ株式 会社. All rights reserved. (写真およ び他社ロゴ を除く) 本資 料はフ ァイン ディ株式 会社が独自に編集・作成した もので す(一部、パブ リック ドメイン素材を含みま す)。 Findy およ び Team+ はフ ァイン ディ株式 会社の商標です。 使用されて いる写真や他社ロゴ は、各権 利者に帰属し、説明 目的での み使用していま す。その他の商品 名やロ ゴは、各社の商標また は登録 商標です。 1974 2024 1976 1978 1980 1982 1984 1986 1988 1990 1992 1994 1996 1998 2000 2002 2004 2006 2008 2010 2012 2014 2016 2018 2020 2022 Linux 0.01 リリース UNIXが商業化・断片化していく中、 Linuxはオープンソースの力で 統一的な開発基盤となり、 世界中の技術革新を支えた (1991/9/17) CVS 誕生 (1990) Subversionリリース (2000) (2005) GitHub リリース (2008) Bugzilla リリース (2000) Jira リリース (2002) AWS サービス開始 (2006) Jenkins 誕生 (2011) GitHub Actions (2018) ChatGPT 一般公開 (2022/11/30) GitHub Copilot (2021/6/29) Java v1.0 正式リリース Javaはオブジェクト指向と 仮想マシン技術を普及させ、 後の言語設計にも影響を与えた (1996) 1980年代後半〜1990年代前半: UNIX戦争 1970〜1980年代: 多くの企業や政府機関が「ウォーターフォールモデル」を公式な開発プロセスとして採用。 同時に、Royceの思惑と違う、誤解された「ウォーターフォール」が広まる Azure サービス開始 (2010) 1990〜2000: 第一次ブラウザ戦争。Internet Explorerの躍進、 Netscape Navigatorの消滅 2009〜2020: 第二次ブラウザ戦争 Google Chromeの躍進、 Internet Explorerの衰退 (2018) (2004) Google Cloud サービス開始 (2008) 欧州の自動車メーカ が中心となって公開(2005) (2011) 1985〜1990: 国家プロジェクト 「Σ計画」が頓挫 (2006) (2004) 1975 1999 2018/11/22 2004/11/16 2006/10/19 1977 1986 2002 1995 2010〜 2017/6/22 1994/10/31 1989 2024/7/11 1987 1970 1989/02/01 1982 1979 2019/9/17 1992/3/13 1996/4/1 2010/10/12 2011/7/16 2022/12/17 2011/10/18 2021/3/15 2001/5/18 1996/8 1979 2004/7/16 2013/8/1 2014/4/22 2019/9/30 2021/12/10 1978 2024/9/13 1972 2026 1997〜2010年代: 米国防総省(DoD)が CMMレベル3以上を防衛関連のソフトウェア調達 条件として要求し始める。 2000年代〜: 米国を中心にでアジャイル手法が急速に広まり、ウォーターフォールは特にWeb系・スタートアップ企業ではほぼ使われなくなる。 1990年代: ウォーターフォールのリスクを軽減する開発手法が次々 と誕生(インクリメンタル、スパイラル、RUP など) 1980年後半〜1990年前半: 米国防総省(DoD)の発注したソフトウェアに問題が多 発。米会計局でも多くの遅延/途中での挫折が発生 主 な 出 来 事 ソ フ ト ウ ェ ア 関 連 の 論 文 ・ 文 献 2010年〜: 米国議会は2010会計年度国防権限法(NDAA 2010)において「迅速なITシステム獲得のための新たな取得プロセス の実施」(第804条)をDoDに命じ、事実上アジャイル型開発の原則を法制化 * 1980年〜: 米国防総省(DoD) がウォーターフォールを採用 初代iPhone発表 (2007/1/9) PC/AT互換機が誕生(1981〜) ワークステーションの時代: Sun SPARCstation (1989〜1994) Windows95 リリース コンシューマ向けOSに TCP/IPが標準搭載され ワークステーション並みに (1995) 初代iMac (1998〜) Apple Macintosh (1984〜) 家庭向けADSL・FTTHの普及、 ブロードバンド時代に突入 (2001〜) ICT の 進 化 メインフレーム時代: IBM System 360とVT100(1970〜1980) MacBook Pro M4 Max (2024) 2018/3/27 2000/12/1 2010/7/27 2016/10/6 2005/10/7 1990/10/10 1978/5/1 1988/3/1 1984 2021/8/1 1995/10/1 2003/9/1 1976 リリース (2004/2) Point: 米国防総省(DoD)が与えた影響 1981 2021/12/1 2025/1/3: Agile AllianceがPMBOK などを策定するPMIに加盟 Claude 1 (2023/3/14) Team+ (2021/10) Gemini 1 (2023/12/6) Devin (2024/3/12) Cline (2024/7) 2021〜: AI(GenAI)が前提の時代へ 2000年代〜: 日本は大企業を中心に、ウォータフォールモデルを採用し続ける。 2018/4/1 数字送信の開始による ポケベルブーム(日本) (1992〜1996) F501i HYPER iモード開始 (1999/2/22) テレホーダイ (1995〜2023) PC-9800シリーズ(1982〜2003) 初代iPad発表 (2010/4/3) Samsung Galaxy S II (2011/5/2) 2020/3〜2023/5: COVID-19 ARMアーキテクチャのSoC Apple M1 生産(2020) 1970年代後半〜1980年代末: 日本車と家電がアメリカ市場を席巻。これが、徐々に日米貿易摩擦の火種に…… "ウォークマン” 1号機 TPS-L2 (1979) 世界初のポータブル CDプレーヤー D-50(1984) Toyota Corolla Liftback SR5 001 (1980〜) “トリニトロン” 日本製品が欧米で人気 1979〜: 日本の製造業の高品質、ものづくりの強さを研究。 2024/12/25 2013/1/10 2014/8/18 2023/11/21 2000/3〜: ITバブル崩壊 パソコン通信 携帯電話・PHSの普及、インターネット黎明期 携帯電話の多機能化、ブロードバンド時代 スマートフォン普及時代(2010年、モバイル端末利用率がパソコン利用率を超える) 1974年: 「TCP/IP」の最初の仕様がRFC 675として公開 1982年〜: 米国防総省(DoD)は全ての軍用コンピュータ網のためにTCP/IP標準を作成。その後、コンピューター産業に開放され、4.2 BSD UNIXを皮切りにほとんどの商用OSにTCP/IPが実装された。 2017/10/14 2003/9/1 2002/11/8 2009: Flickrのエンジニアである John AllspawとPaul Hammondが初めてDevOpsに繋がる伝説的な講演を行う 2000年代後半〜: クラウドファースト・クラウドネイティブ時代に突入 2008/9〜: リーマンショック 2010年以降〜: 日本のスタートアップはクラウドファーストで事業を立ち上げ、初期からアジャイル手法を採用 ★ピアソンショック(2013年8月1日) 2012/3/15 2009/11/27 2008/12/30 2023/11/28 西 暦 Netflixが日本に上陸(2015/9/2) ※ では2007/1にサービスイン © T he Deming In stitute 2025/6/25 戦後日本は愚直に学び、 品質を鍛え抜いて世界を驚かせた。 そして50年が経った・・・
  11. 27

  12. 10年前 20年前 30年前 40年前 50年前 2018: マイクロソフト、GitHub を 75 億ドルで買収

    2001/2/11: アジャイルソフ トウェア開発宣言 2005/10 1991〜: バブル崩壊「失われた◦◦年」 1988〜: 日本を含む諸外国へ「通商法スーパー301条」発動 ソフト ウェア開発現 代史年表 Ver2.09 © 2025 ファ インディ株式 会社. All rights reserved. (写真およ び他社ロゴ を除く) 本資 料はフ ァイン ディ株式 会社が独自に編集・作成した もので す(一部、パブ リック ドメイン素材を含みま す)。 Findy およ び Team+ はフ ァイン ディ株式 会社の商標です。 使用されて いる写真や他社ロゴ は、各権 利者に帰属し、説明 目的での み使用していま す。その他の商品 名やロ ゴは、各社の商標また は登録 商標です。 1974 2024 1976 1978 1980 1982 1984 1986 1988 1990 1992 1994 1996 1998 2000 2002 2004 2006 2008 2010 2012 2014 2016 2018 2020 2022 Linux 0.01 リリース UNIXが商業化・断片化していく中、 Linuxはオープンソースの力で 統一的な開発基盤となり、 世界中の技術革新を支えた (1991/9/17) CVS 誕生 (1990) Subversionリリース (2000) (2005) GitHub リリース (2008) Bugzilla リリース (2000) Jira リリース (2002) AWS サービス開始 (2006) Jenkins 誕生 (2011) GitHub Actions (2018) ChatGPT 一般公開 (2022/11/30) GitHub Copilot (2021/6/29) Java v1.0 正式リリース Javaはオブジェクト指向と 仮想マシン技術を普及させ、 後の言語設計にも影響を与えた (1996) 1980年代後半〜1990年代前半: UNIX戦争 1970〜1980年代: 多くの企業や政府機関が「ウォーターフォールモデル」を公式な開発プロセスとして採用。 同時に、Royceの思惑と違う、誤解された「ウォーターフォール」が広まる Azure サービス開始 (2010) 1990〜2000: 第一次ブラウザ戦争。Internet Explorerの躍進、 Netscape Navigatorの消滅 2009〜2020: 第二次ブラウザ戦争 Google Chromeの躍進、 Internet Explorerの衰退 (2018) (2004) Google Cloud サービス開始 (2008) 欧州の自動車メーカ が中心となって公開(2005) (2011) 1985〜1990: 国家プロジェクト 「Σ計画」が頓挫 (2006) (2004) 1975 1999 2018/11/22 2004/11/16 2006/10/19 1977 1986 2002 1995 2010〜 2017/6/22 1994/10/31 1989 2024/7/11 1987 1970 1989/02/01 1982 1979 2019/9/17 1992/3/13 1996/4/1 2010/10/12 2011/7/16 2022/12/17 2011/10/18 2021/3/15 2001/5/18 1996/8 1979 2004/7/16 2013/8/1 2014/4/22 2019/9/30 2021/12/10 1978 2024/9/13 1972 2026 1997〜2010年代: 米国防総省(DoD)が CMMレベル3以上を防衛関連のソフトウェア調達 条件として要求し始める。 2000年代〜: 米国を中心にでアジャイル手法が急速に広まり、ウォーターフォールは特にWeb系・スタートアップ企業ではほぼ使われなくなる。 1990年代: ウォーターフォールのリスクを軽減する開発手法が次々 と誕生(インクリメンタル、スパイラル、RUP など) 1980年後半〜1990年前半: 米国防総省(DoD)の発注したソフトウェアに問題が多 発。米会計局でも多くの遅延/途中での挫折が発生 主 な 出 来 事 ソ フ ト ウ ェ ア 関 連 の 論 文 ・ 文 献 2010年〜: 米国議会は2010会計年度国防権限法(NDAA 2010)において「迅速なITシステム獲得のための新たな取得プロセス の実施」(第804条)をDoDに命じ、事実上アジャイル型開発の原則を法制化 * 1980年〜: 米国防総省(DoD) がウォーターフォールを採用 初代iPhone発表 (2007/1/9) PC/AT互換機が誕生(1981〜) ワークステーションの時代: Sun SPARCstation (1989〜1994) Windows95 リリース コンシューマ向けOSに TCP/IPが標準搭載され ワークステーション並みに (1995) 初代iMac (1998〜) Apple Macintosh (1984〜) 家庭向けADSL・FTTHの普及、 ブロードバンド時代に突入 (2001〜) ICT の 進 化 メインフレーム時代: IBM System 360とVT100(1970〜1980) MacBook Pro M4 Max (2024) 2018/3/27 2000/12/1 2010/7/27 2016/10/6 2005/10/7 1990/10/10 1978/5/1 1988/3/1 1984 2021/8/1 1995/10/1 2003/9/1 1976 リリース (2004/2) Point: 米国防総省(DoD)が与えた影響 1981 2021/12/1 2025/1/3: Agile AllianceがPMBOK などを策定するPMIに加盟 Claude 1 (2023/3/14) Team+ (2021/10) Gemini 1 (2023/12/6) Devin (2024/3/12) Cline (2024/7) 2021〜: AI(GenAI)が前提の時代へ 2000年代〜: 日本は大企業を中心に、ウォータフォールモデルを採用し続ける。 2018/4/1 数字送信の開始による ポケベルブーム(日本) (1992〜1996) F501i HYPER iモード開始 (1999/2/22) テレホーダイ (1995〜2023) PC-9800シリーズ(1982〜2003) 初代iPad発表 (2010/4/3) Samsung Galaxy S II (2011/5/2) 2020/3〜2023/5: COVID-19 ARMアーキテクチャのSoC Apple M1 生産(2020) 1970年代後半〜1980年代末: 日本車と家電がアメリカ市場を席巻。これが、徐々に日米貿易摩擦の火種に…… "ウォークマン” 1号機 TPS-L2 (1979) 世界初のポータブル CDプレーヤー D-50(1984) Toyota Corolla Liftback SR5 001 (1980〜) “トリニトロン” 日本製品が欧米で人気 1979〜: 日本の製造業の高品質、ものづくりの強さを研究。 2024/12/25 2013/1/10 2014/8/18 2023/11/21 2000/3〜: ITバブル崩壊 パソコン通信 携帯電話・PHSの普及、インターネット黎明期 携帯電話の多機能化、ブロードバンド時代 スマートフォン普及時代(2010年、モバイル端末利用率がパソコン利用率を超える) 1974年: 「TCP/IP」の最初の仕様がRFC 675として公開 1982年〜: 米国防総省(DoD)は全ての軍用コンピュータ網のためにTCP/IP標準を作成。その後、コンピューター産業に開放され、4.2 BSD UNIXを皮切りにほとんどの商用OSにTCP/IPが実装された。 2017/10/14 2003/9/1 2002/11/8 2009: Flickrのエンジニアである John AllspawとPaul Hammondが初めてDevOpsに繋がる伝説的な講演を行う 2000年代後半〜: クラウドファースト・クラウドネイティブ時代に突入 2008/9〜: リーマンショック 2010年以降〜: 日本のスタートアップはクラウドファーストで事業を立ち上げ、初期からアジャイル手法を採用 ★ピアソンショック(2013年8月1日) 2012/3/15 2009/11/27 2008/12/30 2023/11/28 西 暦 Netflixが日本に上陸(2015/9/2) ※ では2007/1にサービスイン © T he Deming In stitute 2025/6/25
  13. 31 ウォーターフォール? ⚫ Winston W. Royce による“Managing the Development of

    Large Software Systems(1970)” Winston W. Royce (ウィンストン・W・ロイス) https://dl.acm.org/doi/10.5555/41765.41801
  14. 32 ウォーターフォール? ⚫ Winston W. Royce による“Managing the Development of

    Large Software Systems(1970)” 図3 顧客に引き渡すための大規模プログラムを 開発するための実現ステップ 図4 反復(後戻り)は隣り合うステップに限定されない https://dl.acm.org/doi/10.5555/41765.41801
  15. 「ウォーターフォール」と名付けた人物と広めた人物 Bell, T. E., & Thayer, T. A. (1976). Software

    requirements: Are they really a problem? Proceedings of the 2nd International Conference on Software Engineering (ICSE '76), 61–68. https://dl.acm.org/doi/10.5555/800253.807650
  16. 「ウォーターフォール」と名付けた人物と広めた人物 ⚫ T.E. BellとT.A. Thayerの1976年論文「Software Requirements: Are They Really a

    Problem?」では、Winston W. Royceの1970年論文を参照し、 「開発活動のウォーターフォール(滝)」という表現を使用してソフトウ ェア開発プロセスを説明しました。 ⚫ BellとThayerは、Royceの1970年の論文を正確には理解していなかったよ うです(読んだの?というレベル)。Royceの論文にはBellとThayerの Figure 1に似た図が含まれていましたが、彼はそのモデルについて「上記 の実装は失敗を招く」と記述しています。 ⚫ しかし、BellとThayerは要件の不備が設計や実装段階での失敗につながる と述べ、「トップダウン型で進む厳密なプロセス」の必要性を主張しまし た。この主張が間接的にウォーターフォールの誤解を促進したのです。 ⚫ さらに、Barry Boehm氏が1981年の著書「Software Engineering Economics」でRoyce氏のモデルをウォーターフォール型として紹介した ことで、この誤解が業界全体に定着しました。 ⚫ そして、彼らの図(Figure 1)は、USA DoD(米国国防総省)に受け入れ られ、DOD-STD-2167A (1988) に組み込まれ、ミッションクリティカルな ソフトウェア開発にデフォルトとして要求されるようになります。 Bell, T. E., & Thayer, T. A. (1976). Software requirements: Are they really a problem? Proceedings of the 2nd International Conference on Software Engineering (ICSE '76), 61–68. https://dl.acm.org/doi/10.5555/800253.807650 “一連の要求仕様書に対する同じトップダウンアプローチが、 専門的な軍事用語を使わずに、Royce [5] の優れた論文で説明 されている。彼は開発活動の「ウォーターフォール」という概 念を導入した。このアプローチでは、ソフトウェアは図1に示 される規律正しい活動の順序で開発される。”
  17. ※記載の商標・登録商標は各権利者に帰属します 35年前に痛い目にあっている 40 ⚫ 1970〜1980年代: 多くの企業や政府機関が「ウ ォーターフォールモデル」を公式な開発プロセスと して採用。同時に、Royceの思惑と違う、誤解され た「ウォーターフォール」が広まる ⚫

    1980年〜: 米国防総省(DoD)がウォーターフォー ルを採用 ⚫ 1980年後半〜1990年前半: 米国防総省(DoD)の発 注したソフトウェアに問題が多発。米会計局でも多 くの遅延/途中での挫折が発生 1992/3/13 ※ただ自慢したい写真 Edward Nash Yourdon "Decline & Fall of the American Programmer" 「アメリカン・プログラマー 没落の危機」 これはエドワード・ギボンの古典的名著「ローマ帝国衰亡 史」(The History of the Decline and Fall of the Roman Empire, 1776-1788)にかけたタイトルと思われる。
  18. ところが、4年ほどで復活宣言 43 ⚫ 1970〜1980年代: 多くの企業や政府機関が「ウォーターフォールモデル」を公式な開発プロセスとして採 用。同時に、Royceの思惑と違う、誤解された「ウォーターフォール」が広まる ⚫ 1980年〜: 米国防総省(DoD)がウォーターフォールを採用 ⚫

    1980年後半〜1990年前半: 米国防総省(DoD)の発注したソフトウェアに問題が多発。米会計局でも多くの 遅延/途中での挫折が発生 ⚫ 1990年代: ウォーターフォールのリスクを軽減する開発手法が次々と誕生(インクリメンタル、スパイラ ル、RUP など) ソフトウェアで復活を遂げたアメリカ 1992/3/13 1996/4/1 僅か4年後 アメリカ人プログラマーの台頭と復活 アメリカン・プログラマー 没落の危機
  19. 復活するアメリカ 44 ソフトウェアで復活を遂げたアメリカ 1992/3/13 1996/4/1 僅か4年後 アメリカ人プログラマーの台頭と復活 研究しつくされる日本の製造業 1990/10/10 1988/3/1

    1979 米国は、日本製造業の良いところを、ソフトウェア開発にも応用した アメリカン・プログラマー 没落の危機
  20. ※記載の商標・登録商標は各権利者に帰属します ラショナル・ユニファイドプロセス(RUP) 47 ⚫ 1998年、ウォーターフォールの欠点を補うべく生ま れたのがRational software社のRational Unified Process(RUP) ⚫

    後にIBMに買収され統合(2003年) ⚫ Rational software社にはUMLを生み出した“3アミー ゴ”が所属していたことも有名 ⚫ RUPはソフトウェア開発のためのプロセスフレーム ワークであり、特に大規模で複雑なソフトウェアプ ロジェクトに適しています。RUPは、反復的(イテ レーション)かつインクリメンタルな開発をサポー トし、プロジェクトのリスクを早期に発見し、対応 することを目的としています。
  21. ※記載の商標・登録商標は各権利者に帰属します 48 ⚫ ウォーターフォールの提唱者 Winston Walker Royce の息子はWalker Royceは、IBMでRUPの発展の中心人物 ⚫

    彼は(当時)IBMのRational部門のチーフソフトウェアエコノミストであり、「Software Project Management, A Unified Framework」の著者であり、IBM Rational Unified Process(RUP)における管理哲学においてボードメンバー であった。 米IBMソフトウェアグループ、 ラショナルブランドサービスバイスプレジデント(2003年当時) Walker Royce氏(長男) https://japan.cnet.com/article/20059853/ 親子 Winston W. Royce (ウィンストン・W・ロイス) ラショナル・ユニファイドプロセス(RUP)
  22. ※記載の商標・登録商標は各権利者に帰属します プロセスやツールよりも⋯⋯ 49 私たちは、実際にソフトウェアを開発し、他の人々が それを実践するのを助けることによって、より良い開 発方法を発見しています。 この作業を通じて、次のような価値を見出しました。 ⚫ プロセスやツールよりも個人と対話 ⚫

    包括的なドキュメントよりも動作するソフトウェア ⚫ 契約交渉よりも顧客との協力 ⚫ 計画に従うことよりも変化への対応 つまり、左側の項目にも価値はありますが、私たちは 右側の項目により価値を置きます。 ※公式の日本語訳とは別バージョンです https://agilemanifesto.org/iso/en/manifesto.html
  23. ※記載の商標・登録商標は各権利者に帰属します 50 ラショナル・ユニファイドプロセス(RUP) ⚫ 当時のIBMは、RUP(プロセス)を中核に添えてツールを売りたかった ⚫ Rational Rose: UMLベースのソフトウェア設計およびモデリングツール。 ⚫

    Rational Software Architect (RSA): モデル駆動型開発のための包括的な設計およびモデリングツール。 ⚫ Rational RequisitePro: 要件収集、管理、および追跡のためのツール。 ⚫ Rational DOORS: 大規模なシステムやソフトウェアプロジェクトのための要件管理ツール。 ⚫ Rational ClearCase: バージョン管理、構成管理、およびソフトウェアビルドのためのツール。 ⚫ Rational Synergy: 構成管理および変更管理ツール。 ⚫ Rational ClearQuest: バグ追跡および変更管理のためのツール。 ⚫ Rational Application Developer (RAD): JavaおよびWebアプリケーションの開発のための統合開発環境。 ⚫ RUPは、複雑さと導入コスト高さにより徐々に衰退する ⚫ RUPはその包括的な性質ゆえに非常に複雑であり、完全に導入するためには多くのトレーニングと管理が必要です。こ の複雑さが、多くの組織にとって導入のハードルとなりました。 ⚫ RUPを効果的に導入・運用するためには、専用のツールやコンサルティングが必要であり、これが高いコストを伴いまし た。特に中小企業にとっては、コストの問題が大きな障害となりました。
  24. ターニングポイント 米国で起きたこと(1990年代) ⚫ 1990年代のアメリカでは、ウォーターフォール開発のリスクを軽減するための新たな開発手法が 次々と登場した。 ⚫ 代表的なものに、 ⚫ インクリメンタルモデル(小さく作って段階的に完成させる) ⚫

    スパイラルモデル(Boehm, 1988/リスク駆動で反復的に進める) ⚫ RUP(Rational Unified Process)(統制された反復開発、ユースケース駆動) などがある。 ⚫ これらはいずれも、ウォーターフォールの欠点を補うための工学的進化であり、のちに登場する アジャイル開発の基盤となった。 ⚫ すなわち1990年代は、「リスクを小さく刻む文化」への転換期であったと言える。
  25. 20年前にあった有識者からの警告 日経bizTech『日本のソフトウエア産業、衰退の真因』2005年10月 ⚫ 松原友夫氏(トム・デマルコ本の翻訳でおなじみ)による寄稿 ⚫ https://xtech.nikkei.com/it/article/COLUMN/20070306/264055/ ⚫ 要約 ① 背景と警告

    1990年代、アメリカではエド・ヨードンがソフトウェア産業の危機を警告し、日本を模範的な存在として称賛しましたが、その後、アメ リカはオブジェクト指向やアジャイルなどの新しい開発手法により復活を遂げました。 ② 日本の遅れ 日本は、90年代においてメインフレームからクライアントサーバーへの移行に乗り遅れ、ソフトウェア開発における国際競争力を失いま した。また、技術伝承の断絶や不十分なプロジェクト管理が原因で、開発の質が低下しました。 ③ 産業構造の問題 日本のソフトウェア産業には多重下請け構造が蔓延し、派遣プログラマーに依存する状況が問題視されています。これにより、ソフト ウェア開発の品質と効率が損なわれ、さらに低賃金の海外労働力に仕事が流れる懸念が高まっています。 ④ 提言 日本のソフトウェア産業の再生には、「自立」が必要であると述べています。これは、ソフトウェア企業や技術者が自主的に技術と経営 の自立を目指し、プロジェクトマネジメント力を高めることで達成されるべきです。また、政府やユーザー企業も、この自立を支援する 役割を果たすべきであると提案しています。 松原友夫氏 (写真)http://www.kumikomi.net/archives/2005/02/04jasst.php
  26. ※記載の商標・登録商標は各権利者に帰属します ハードウェアのとてつもない進化 58 指標 IBM System/360 MacBook Pro M4 Max(2024-2025)

    比較結果 登場年 1964年 2024年11月 約60年の差 用途 メインフレーム、企業や政府の大規模データ処理 ポータブルコンピュータ、プロフェッショナル用途 - 処理速度 34,500命令/秒(Model 30)〜16.6 MIPS(Model 91) 数千億命令/秒以上 約100,000 倍以上 CPU 8〜64KB メモリのシステム 16コアCPU(12 Performanceコア + 4 Efficiencyコア)、最大 4.5GHz 最新の3nmプロセス GPU なし(専用グラフィックス処理なし) 40コアGPU、ハードウェアレイトレーシング、Dynamic Caching 革新的グラフィックス処理 Neural Engine なし 16コアNeural Engine(38兆回/秒の演算) AI処理専用ハードウェア メモリ 8KB〜1MB(モデルにより異なる) 最大128GB ユニファイドメモリ<br>メモリ帯域幅: 546GB/s 約128,000倍 ストレージ 数MB〜数GB(磁気ドラム・磁気テープ) 最大8TB NVMe SSD 約8,000倍以上、超高速アクセス サイズ 非常に大きく、専用のコンピュータルームが必要(数トン) 厚さ1.68cm、重さ2.16kg 持ち運び可能 消費電力 数キロワット〜数十キロワット 約100W(最大時) 約1/100以下 コスト $2,200,000〜$12,500,000(当時の価格、モデルにより異なる) $3,499〜(基本構成)、最大構成で約$7,500+ 大幅な低価格化と高性能化の両立 ディスプレイ なし(コンソールパネルとランプのみ) 16.2インチ Liquid Retina XDR、3456×2234ピクセル SDR 1000nits、HDR 1600nits 高輝度・高解像度、統合ディスプレイ カメラ なし 12MP Center Stage カメラ (自動フレーミング機能付き) ビデオ会議対応 接続性 専用チャネル、パンチカードリーダー、磁気テープ Thunderbolt 5×3、HDMI 2.1、Wi-Fi 6E、Bluetooth 5.3、 MagSafe 3 最大120Gb/s転送速度、無線・有線統合 バッテリー なし(常時AC電源接続) 最大24時間のバッテリー駆動 完全なモバイル環境 AI機能 なし Apple Intelligence統合、オンデバイスAI処理 プライバシー保護AI メインフレーム時代 IBM System 360 at USDA 1970 ロイスの論文
  27. ※記載の商標・登録商標は各権利者に帰属します ハードウェアのとてつもない進化 59 ⚫ トランジスタ数(ムーアの法則) の推移 ⚫ オックスフォード大学系のデータサ イトOur World

    in Dataでは、1970年 代以降のマイクロプロセッサ上のト ランジスタ数を示すグラフが公開さ れています ⚫ このグラフは縦軸を対数スケールで プロットしており、約2年ごとにチッ プ上のトランジスタ数が2倍になるム ーアの法則が、50年以上にわたって ほぼ一貫して成立してきたことを示 しています https://ourworldindata.org/moores-law#moore-s-law-has-held-true-for-more-than-half-a-century 1976 WFを広めた論文 1970 ロイスの論文
  28. ターニングポイント 日本はこの時期から(米国以上に)立ち往生している⋯⋯ (2000年代) ⚫ 一方、日本ではこの過渡期の開発手法の発展にほとんど取り組まなかった。 理由はいくつか考えられる。  製造業モデルの成功体験 • 日本のソフトウェア開発は、製造業における工程管理や品質保証の発想をそのまま取り入れた。

    • 本来のトヨタ生産方式は、現場での小さな試行と改善を重ねて品質を高める“学習の仕組み”であった が、ソフトウェア産業ではその思想が十分に継承されず、形式的な標準化や事前設計の徹底だけが強 調された。 • 結果として、「最初に正しく設計すること」が理想とされる文化へと傾いていった。  ベンダー構造(多重下請け) • 要求定義と実装が分断されており、反復的に学習するサイクルを回すことが難しかった。 • RUPのように開発プロセスを段階的に検証しながら体系的に進めるモデルは、構造的に根付きにくか った。  リスク文化の違い • 「失敗を前提に改善する」よりも「最初から失敗しないように設計する」ことが重視された。 • スパイラルやインクリメンタルのように“試行錯誤を制度化する”発想は受け入れられにくかった。 ⚫ これらの停滞は、ハードウェアのとてつもない進化によって見えなくされてしまった。
  29. ※記載の商標・登録商標は各権利者に帰属します 当時の様子(2006年ごろ) ⚫ 日経IT Pro「記者の目」2006.11.02 https://xtech.nikkei.com/it/article/OPINION/20061031/252274/ ⚫ 「ソフトウエア・ファクトリーは「バズワード」か?」 • 日本のソフトウェア産業は、標準化や自動化が進まず、「家内制手工業(=家の中で家族が手作業で物を作るような昔な

    がらの非効率な生産方式)」 に例えられる状態にある。 • プロジェクトごとにツール・プロセスがバラバラで、定量データもなく改善が難しい。 • 多重下請け構造と人月工数主義が根深く、経産省も「改革が必要」と指摘。 • 改革の手段として注目されているのが 「ソフトウエア・ファクトリー」(工場型の開発方式)。 • Microsoft が2004年に発表した「Software Factories」が流行のきっかけ。 • その中心思想は、共通部品を基に派生製品を効率的に作る ソフトウェア・プロダクトライン開発。 • DSLやテンプレート、自動生成ツールなどを組み合わせる方法論が紹介されている。 • 懐疑的な見方(「販促目的では?」など)もあるが、筆者は「バズワードではない」と主張。 • (1) 日本の製造業の工場モデルは強く、手本にすべき • (2) 日本には1970年代にすでに東芝府中事業所などで「ソフトウエア工場」があった • (3) オープン化で一度難しくなったが、今なら再び可能 • ソフトウエア・ファクトリーは、日本のソフトウェア産業の競争力強化に有力な選択肢である。
  30. ※記載の商標・登録商標は各権利者に帰属します ソフトウェア開発3つの真実 65 ソフトウェア開発3つの真実 1. プロジェクトの開始時点にすべての要求を集めることはできない 2. 集めたところで、要求はどれも必ずといっていいほど変わる 3. やるべきことはいつだって、与えられた時間と資金よりも多い

    Jonathan Rasmusson.(2010). The Agile Samurai: How Agile Masters Deliver Great Software アジャイルサムライ−達人開発者への道−. (西村 直人, &角谷 信太郎, &近藤 修平, &角掛 拓未, Trans). Japan:オーム社 別名:“ソフトウェアを知らない製造業の人”が理解に苦しむ真実
  31. ※記載の商標・登録商標は各権利者に帰属します ソフトウェア開発における「開発生産性」に関する実態調査レポート ⚫ 調査対象: ソフトウェア開発(組み込み開発を含 む)に直接関わるエンジニア、プロダクトマネージ ャー、プロジェクトマネージャー、エンジニアリン グマネージャー、開発責任者など ⚫ 調査方法:

    インターネット調査 ⚫ 調査期間: 2025年4月2日(水)〜2025年5月21日(水) ⚫ 調査主体: ファインディ株式会社 ⚫ 実査委託先: GMOリサーチ&AI株式会社 ⚫ 有効回答数: 798名 ※本調査はファインディ株式会社の利用ユーザーに 対する調査ではないことをご留意ください。 ファインディ株式会社 (2025). 「ソフトウェア開発における『開発生産性』に関する実態調査」.CC BY-SA 4.0. 75
  32. ※記載の商標・登録商標は各権利者に帰属します 開発フレームワーク利用状況 開発フレームワーク 回答者数 利用率 統計的有意性 分類 ウォーターフォール 294名 36.8%

    p < 0.001 従来型手法 開発フレームワークはよくわからない 145名 18.2% p < 0.001 組織課題 ウォーターフォールとアジャイルのハイブリッド 105名 13.2% p < 0.001 混合手法 【アジャイル開発】決まったフレームワークはない 105名 13.2% p < 0.001 アジャイル系 【アジャイル開発】スクラム 54名 6.8% p < 0.001 アジャイル系 【アジャイル開発】XPのプロセス 30名 3.8% p < 0.001 アジャイル系 【アジャイル開発】大規模スクラム:LeSS 19名 2.4% p < 0.05 アジャイル系 【アジャイル開発】大規模スクラム:SAFe 10名 1.3% p < 0.05 アジャイル系 【アジャイル開発】大規模スクラム:Nexus 10名 1.3% p < 0.05 アジャイル系 【アジャイル開発】大規模スクラム:Scrum@Scale 6名 0.8% n.s. アジャイル系 【アジャイル開発】大規模スクラム:その他 6名 0.8% n.s. アジャイル系 リーン 3名 0.4% n.s. アジャイル系 カンバン 2名 0.3% n.s. アジャイル系 その他 8名 1.0% n.s. その他 78 ファインディ株式会社 (2025). 「ソフトウェア開発における『開発生産性』に関する実態調査」.CC BY-SA 4.0.
  33. ※記載の商標・登録商標は各権利者に帰属します 従来型ツールの利用による技術的制約とは ◼ API仕様の違いによる機能制限 • Visual SourceSafe: COM APIベースのアクセス方式(2005年設計のため、現代的なREST API仕様には非対応)

    • Subversion: WebDAV/HTTP APIを実装(一部のJSON形式APIには対応しているが、現代的なWebhook機能は制限的) → 結果: AIツールによるプログラム的なアクセスにおいて、一部機能が制限される場合があります ◼ メタデータ構造の違いによるAI学習への影響 • 従来型ツール: ファイル変更履歴を中心とした情報構造(コミット単位の情報は限定的) • モダンツール: コミット意図、レビュー履歴、イシュー関連付けなどの豊富なコンテキスト情報を構造化 → 結果: AIによるコードコンテキストの理解において、活用できる情報量に制約が生じる場合があります ◼ 開発エディタとの統合における制約 • VS Code、JetBrains IDEs: Git統合を前提とした拡張機能エコシステムが充実 • Cursor: Gitリポジトリ構造に最適化されたAI機能を提供 → 結果: 従来型ツールでは最新の開発環境の一部機能を十分に活用できない場合があります 81
  34. 10年前 20年前 30年前 40年前 50年前 2018: マイクロソフト、GitHub を 75 億ドルで買収

    2001/2/11: アジャイルソフ トウェア開発宣言 2005/10 1991〜: バブル崩壊「失われた◦◦年」 1988〜: 日本を含む諸外国へ「通商法スーパー301条」発動 ソフト ウェア開発現 代史年表 Ver2.09 © 2025 ファ インデ ィ株式 会社. All rights reserved. (写真 および 他社ロ ゴを除 く) 本資 料はフ ァイン ディ株 式会社 が独自 に編集 ・作成 したも のです (一部 、パブ リック ドメイ ン素材 を含み ます) 。 Findy およ び Team+ はフ ァイン ディ株 式会社 の商標 です。 使用 されて いる写 真や他 社ロゴ は、各 権利者 に帰属 し、説 明目的 でのみ 使用し ていま す。そ の他の 商品名 やロゴ は、各 社の商 標また は登録 商標で す。 1974 2024 1976 1978 1980 1982 1984 1986 1988 1990 1992 1994 1996 1998 2000 2002 2004 2006 2008 2010 2012 2014 2016 2018 2020 2022 Linux 0.01 リリース UNIXが商業化・断片化していく中、 Linuxはオープンソースの力で 統一的な開発基盤となり、 世界中の技術革新を支えた (1991/9/17) CVS 誕生 (1990) Subversionリリース (2000) (2005) GitHub リリース (2008) Bugzilla リリース (2000) Jira リリース (2002) AWS サービス開始 (2006) Jenkins 誕生 (2011) GitHub Actions (2018) ChatGPT 一般公開 (2022/11/30) GitHub Copilot (2021/6/29) Java v1.0 正式リリース Javaはオブジェクト指向と 仮想マシン技術を普及させ、 後の言語設計にも影響を与えた (1996) 1980年代後半〜1990年代前半: UNIX戦争 1970〜1980年代: 多くの企業や政府機関が「ウォーターフォールモデル」を公式な開発プロセスとして採用。 同時に、Royceの思惑と違う、誤解された「ウォーターフォール」が広まる Azure サービス開始 (2010) 1990〜2000: 第一次ブラウザ戦争。Internet Explorerの躍進、 Netscape Navigatorの消滅 2009〜2020: 第二次ブラウザ戦争 Google Chromeの躍進、 Internet Explorerの衰退 (2018) (2004) Google Cloud サービス開始 (2008) 欧州の自動車メーカ が中心となって公開(2005) (2011) 1985〜1990: 国家プロジェクト 「Σ計画」が頓挫 (2006) (2004) 1975 1999 2018/11/22 2004/11/16 2006/10/19 1977 1986 2002 1995 2010〜 2017/6/22 1994/10/31 1989 2024/7/11 1987 1970 1989/02/01 1982 1979 2019/9/17 1992/3/13 1996/4/1 2010/10/12 2011/7/16 2022/12/17 2011/10/18 2021/3/15 2001/5/18 1996/8 1979 2004/7/16 2013/8/1 2014/4/22 2019/9/30 2021/12/10 1978 2024/9/13 1972 2026 1997〜2010年代: 米国防総省(DoD)が CMMレベル3以上を防衛関連のソフトウェア調達 条件として要求し始める。 2000年代〜: 米国を中心にでアジャイル手法が急速に広まり、ウォーターフォールは特にWeb系・スタートアップ企業ではほぼ使われなくなる。 1990年代: ウォーターフォールのリスクを軽減する開発手法が次々 と誕生(インクリメンタル、スパイラル、RUP など) 1980年後半〜1990年前半: 米国防総省(DoD)の発注したソフトウェアに問題が多発。 米会計局でも多くの遅延/途中での挫折が発生 主 な 出 来 事 ソ フ ト ウ ェ ア 関 連 の 論 文 ・ 文 献 2010年〜: 米国議会は2010会計年度国防権限法(NDAA 2010)において「迅速なITシステム獲得のための新たな取得プロセス の実施」(第804条)をDoDに命じ、事実上アジャイル型開発の原則を法制化 * 1980年〜: 米国防総省(DoD) がウォーターフォールを採用 初代iPhone発表 (2007/1/9) PC/AT互換機が誕生(1981〜) ワークステーションの時代: Sun SPARCstation (1989〜1994) Windows95 リリース コンシューマ向けOSに TCP/IPが標準搭載され ワークステーション並みに (1995) 初代iMac (1998〜) Apple Macintosh (1984〜) 家庭向けADSL・FTTHの普及、 ブロードバンド時代に突入 (2001〜) ICT の 進 化 メインフレーム時代: IBM System 360とVT100(1970〜1980) MacBook Pro M4 Max (2024) 2018/3/27 2000/12/1 2010/7/27 2016/10/6 2005/10/7 1990/10/10 1978/5/1 1988/3/1 1984 2021/8/1 1995/10/1 2003/9/1 1976 リリース (2004/2) Point: 米国防総省(DoD)が与えた影響 1981 2021/12/1 2025/1/3: Agile AllianceがPMBOK などを策定するPMIに加盟 Claude 1 (2023/3/14) Team+ (2021/10) Gemini 1 (2023/12/6) Devin (2024/3/12) Cline (2024/7) 2021〜: AI(GenAI)が前提の時代へ 2000年代〜: 日本は大企業を中心に、ウォータフォールモデルを採用し続ける。 2018/4/1 数字送信の開始による ポケベルブーム(日本) (1992〜1996) F501i HYPER iモード開始 (1999/2/22) テレホーダイ (1995〜2023) PC-9800シリーズ(1982〜2003) 初代iPad発表 (2010/4/3) Samsung Galaxy S II (2011/5/2) 2020/3〜2023/5: COVID-19 ARMアーキテクチャのSoC Apple M1 生産(2020) 1970年代後半〜1980年代末: 日本車と家電がアメリカ市場を席巻。これが、徐々に日米貿易摩擦の火種に…… "ウォークマン” 1号機 TPS-L2 (1979) 世界初のポータブル CDプレーヤー D-50(1984) Toyota Corolla Liftback SR5 001 (1980〜) “トリニトロン” 日本製品が欧米で人気 1979〜: 日本の製造業の高品質、ものづくりの強さを研究。 2024/12/25 2013/1/10 2014/8/18 2023/11/21 2000/3〜: ITバブル崩壊 パソコン通信 携帯電話・PHSの普及、インターネット黎明期 携帯電話の多機能化、ブロードバンド時代 スマートフォン普及時代(2010年、モバイル端末利用率がパソコン利用率を超える) 1974年: 「TCP/IP」の最初の仕様がRFC 675として公開 1982年〜: 米国防総省(DoD)は全ての軍用コンピュータ網のためにTCP/IP標準を作成。その後、コンピューター産業に開放され、4.2 BSD UNIXを皮切りにほとんどの商用OSにTCP/IPが実装された。 2017/10/14 2003/9/1 2002/11/8 2009: Flickrのエンジニアである John AllspawとPaul Hammondが初めてDevOpsに繋がる伝説的な講演を行う 2000年代後半〜: クラウドファースト・クラウドネイティブ時代に突入 2008/9〜: リーマンショック 2010年以降〜: 日本のスタートアップはクラウドファーストで事業を立ち上げ、初期からアジャイル手法を採用 ★ピアソンショック(2013年8月1日) 2012/3/15 2009/11/27 2008/12/30 2023/11/28 西 暦 Netflixが日本に上陸(2015/9/2) ※ では2007/1にサービスイン © T he Deming In stitute 2025/6/25
  35. ※記載の商標・登録商標は各権利者に帰属します プログラミング・パラダイムシフト(1) - アセンブリ言語からC言語へ 86 org 100h msg: db 'Hello,

    World!$', 0 start: ld de, msg call print ret print: ld c, 9 int 21h ret #include <stdio.h> int main() { printf("Hello, World!\n"); return 0; } Z80 アッセンブリ C言語 K&R版 C言語(1978) 1970年代の終わりから1980年代にかけて、プログラミ ングはCPUごとに命令体系が異なるアセンブリ言語か ら、構造化と移植性を備えたC言語へと進化した。 CはUNIXの開発を通じて普及し、ハードウェアに依存 しないソフトウェア開発を実現。 この抽象化の進展が、後のオブジェクト指向やモダン 言語の基盤となった。
  36. ※記載の商標・登録商標は各権利者に帰属します プログラミング・パラダイムシフト(2) - オブジェクト指向プログラミング 87 #include <stdio.h> #include <string.h> //

    "クラス"構造体の定義 typedef struct { char message[50]; void (*print)(struct HelloWorld*); // メソッドを指す関数ポインタ } HelloWorld; // メソッド関数の定義 void printMessage(HelloWorld *self) { printf("%s\n", self->message); } // "コンストラクタ"関数 void HelloWorld_init(HelloWorld *self, const char *msg) { strncpy(self->message, msg, sizeof(self->message) - 1); self->message[sizeof(self->message) - 1] = '\0'; // 文字列終端の確保 self->print = printMessage; } int main() { // オブジェクトの生成と初期化 HelloWorld hw; HelloWorld_init(&hw, "Hello, World!"); // メソッドの呼び出し hw.print(&hw); return 0; } C言語 class HelloWorld { private String message; public HelloWorld(String message) { this.message = message; } public void print() { System.out.println(message); } public static void main(String[] args) { HelloWorld hw = new HelloWorld("Hello, World!"); hw.print(); } } Java 1980年代後半〜1990年代にかけて、ソフトウェア開発 は「手順を組む」手続き型から、「現実世界をモデル 化する」オブジェクト指向へと転換した。 Smalltalk(1970年代)や C++(1983年)で芽生えた 思想が、Java(1996年リリース)の登場によりWeb時 代の標準へ。 データと振る舞いを一体化し、再利用性・保守性・拡 張性を重視する設計が主流となった。
  37. ※記載の商標・登録商標は各権利者に帰属します The state of AI in 2025 (McKinsey /2025.11) ⚫

    生成AIツールの導入が人工知能の新時代を引き起こしてから3年が経過し、調査回答者 の10人中9人近くが、自社が定期的にAIを使用していると答えている。しかし、進歩の ペースは依然として不均一である。 ⚫ AIツールは今や一般的になっているものの、ほとんどの組織は、重要な企業レベルの 利益を実現するために、ワークフローやプロセスに十分深く組み込んでいない。 ⚫ 最新のMcKinseyグローバル調査は、エージェント型AIの普及を含む広範な使用と、パ イロットからスケールした影響への移行がほとんどの組織で進行中である頑固な成長 痛の両方によって定義される状況を明らかにしている。
  38. ※記載の商標・登録商標は各権利者に帰属します 2025 DORA State of AI-assisted Software Development Report ⚫

    AI導入はほぼ普遍的になった ⚫ 調査回答者の大多数(95%)が現在AIに依存しており、80%以上が生産性が向上したと信じて いる。しかし、注目すべきことに、30%は現在AIが生成したコードにほとんどまたは全く信頼 を持っておらず、重要な検証スキルの必要性を示している。 ⚫ AI導入は現在、ソフトウェアデリバリースループットを改善している ⚫ これは昨年からの重要な変化であう。しかし、依然としてデリバリーの不安定性を増加。これ は、チームがスピードに適応している一方で、その基盤となるシステムはまだAI加速開発を安全 に管理するように進化していないことを示唆している。 ⚫ バリューストリームマネジメント(VSM) ⚫ アイデアから顧客までの作業の流れを可視化、分析、改善する実践は、AIの力の乗数として機能 し、局所的な生産性向上がチームと製品パフォーマンスの測定可能な改善に確実に変換される ようにる。 ⚫ 組織の90%がプラットフォームエンジニアリングを採用 ⚫ 高品質な内部プラットフォームがAI成功のための不可欠な基盤となってる。
  39. ※記載の商標・登録商標は各権利者に帰属します 2025 DORA State of AI-assisted Software Development Report ⚫

    重要なポイント: AIは増幅器(amplifier) ⚫ DORAの調査には、100時間を超える定性データと、世界中の約5,000人の技術専門家からのアン ケート回答が含まれています。 ⚫ ソフトウェア開発におけるAIの主な役割は、増幅器としての役割です。AIは、高パフォーマンス 組織の強みと、苦戦している組織の機能不全を拡大します。 ⚫ AI がソフトウェア開発を加速するものの、その加速によって下流で弱点が露呈する可能性があ ります。 ⚫ 強力な自動テスト、成熟したバージョン管理プラクティス、迅速なフィードバック ループなど の堅牢な制御システムがない場合、変更量の増加は不安定につながります。 ⚫ フィードバック ループが高速な疎結合アーキテクチャで作業するチームは成果を上げます。 ⚫ 一方、密結合システムと遅いプロセスに制約されるチームはほとんど、またはまったくメリット がありません。
  40. ※記載の商標・登録商標は各権利者に帰属します 2025 DORA State of AI-assisted Software Development Report ⚫

    クラスター分析によって、7つのチームのアーキタイプが判明 ⚫ クラスター1「基本的な課題」グループは、サバイバル モードに陥っており、プロセスと環境に 大きなギャップがあるため、パフォーマンスが低く、システムの安定性(変化しにくさ)が高 く、燃え尽き症候群や摩擦のレベルが高い状態。 ⚫ クラスター7「調和のとれた高パフォーマンス」は、チームのウェルビーイング、プロダクトの 成果、ソフトウェア デリバリーなど、複数の分野で優れた成果を上げている。
  41. ※記載の商標・登録商標は各権利者に帰属します 技術的発展の階層構造 ⚫ foundation 1: WFのリスク軽減手法(1990年代〜) ⚫ インクリメンタル、スパイラル、RUP ⚫ 継続的インテグレーション(CI)

    ⚫ 短いイテレーション、継続的フィードバック 102 継続的フィードバック 継続的インテグレーション 自動化 継続的デリバリー AI駆動開発 アジャイル 短いイテレーション 1 DevOps文化
  42. ※記載の商標・登録商標は各権利者に帰属します 技術的発展の階層構造 ⚫ foundation 2: アジャイル(2000年代〜) ⚫ クリスタル、Extreme Programming、Scrum ⚫

    アジャイルソフトウェア開発宣言(Agile Manifesto) ⚫ foundation 1: WFのリスク軽減手法(1990年代〜) ⚫ インクリメンタル、スパイラル、RUP ⚫ 継続的インテグレーション(CI) ⚫ 短いイテレーション、継続的フィードバック 103 継続的フィードバック 継続的インテグレーション 自動化 継続的デリバリー AI駆動開発 アジャイル 短いイテレーション 1 2 DevOps文化
  43. ※記載の商標・登録商標は各権利者に帰属します 技術的発展の階層構造 ⚫ foundation 3: DevOps文化(2010年代〜) ⚫ アジャイルを土台に、開発(Dev)と運用(Ops)の協力 ⚫ 自動化を中心とした継続的デリバリー(CD)

    ⚫ フロー、フィードバック、継続的学習と実験 ⚫ foundation 2: アジャイル(2000年代〜) ⚫ クリスタル、Extreme Programming、Scrum ⚫ アジャイルソフトウェア開発宣言(Agile Manifesto) ⚫ foundation 1: WFのリスク軽減手法(1990年代〜) ⚫ インクリメンタル、スパイラル、RUP ⚫ 継続的インテグレーション(CI) ⚫ 短いイテレーション、継続的フィードバック 104 継続的フィードバック 継続的インテグレーション 自動化 継続的デリバリー AI駆動開発 アジャイル 短いイテレーション 1 2 3 DevOps文化
  44. ※記載の商標・登録商標は各権利者に帰属します 技術的発展の階層構造 ⚫ foundation 3: DevOps文化(2010年代〜) ⚫ アジャイルを土台に、開発(Dev)と運用(Ops)の協力 ⚫ 自動化を中心とした継続的デリバリー(CD)

    ⚫ フロー、フィードバック、継続的学習と実験 ⚫ foundation 2: アジャイル(2000年代〜) ⚫ クリスタル、Extreme Programming、Scrum ⚫ アジャイルソフトウェア開発宣言(Agile Manifesto) ⚫ foundation 1: WFのリスク軽減手法(1990年代〜) ⚫ インクリメンタル、スパイラル、RUP ⚫ 継続的インテグレーション(CI) ⚫ 短いイテレーション、継続的フィードバック 106 継続的フィードバック 継続的インテグレーション 自動化 継続的デリバリー AI駆動開発 アジャイル 短いイテレーション 1 2 3 DevOps文化
  45. ※記載の商標・登録商標は各権利者に帰属します 継続的フィードバック 継続的インテグレーション 自動化 継続的デリバリー AI駆動開発 アジャイル 短いイテレーション 技術的発展の階層構造 ⚫

    foundation 4: AI駆動開発(2020年代〜) ⚫ 人間とAIの協働で、ソフトウェアを効率的に創る ⚫ DevOpsの土台があって初めて効果を発揮 ⚫ foundation 3: DevOps文化(2010年代〜) ⚫ アジャイルを土台に、開発(Dev)と運用(Ops)の協力 ⚫ 自動化を中心とした継続的デリバリー(CD) ⚫ フロー、フィードバック、継続的学習と実験 ⚫ foundation 2: アジャイル(2000年代〜) ⚫ クリスタル、Extreme Programming、Scrum ⚫ アジャイルソフトウェア開発宣言(Agile Manifesto) ⚫ foundation 1: WFのリスク軽減手法(1990年代〜) ⚫ インクリメンタル、スパイラル、RUP ⚫ 継続的インテグレーション(CI) ⚫ 短いイテレーション、継続的フィードバック 1 2 3 4 107 DevOps文化
  46. ※記載の商標・登録商標は各権利者に帰属します 継続的フィードバック 継続的インテグレーション 自動化 継続的デリバリー AI駆動開発 アジャイル 短いイテレーション 技術的発展の階層構造 ⚫

    foundation 4: AI駆動開発(2020年代〜) ⚫ 人間とAIの協働で、ソフトウェアを効率的に創る ⚫ DevOpsの土台があって初めて効果を発揮 ⚫ foundation 3: DevOps文化(2010年代〜) ⚫ アジャイルを土台に、開発(Dev)と運用(Ops)の協力 ⚫ 自動化を中心とした継続的デリバリー(CD) ⚫ フロー、フィードバック、継続的学習と実験 ⚫ foundation 2: アジャイル(2000年代〜) ⚫ クリスタル、Extreme Programming、Scrum ⚫ アジャイルソフトウェア開発宣言(Agile Manifesto) ⚫ foundation 1: WFのリスク軽減手法(1990年代〜) ⚫ インクリメンタル、スパイラル、RUP ⚫ 継続的インテグレーション(CI) ⚫ 短いイテレーション、継続的フィードバック 1 2 3 4 108 DevOps文化 技術というより、文化や作法 これらは積み重ね 一足飛びには手に入らない
  47. Manufactur ing Industry in Japan The New New Product Developm

    ent Game (1986) SCRUM Development Process (1995) XP Explained : Embrace Change (1999) アジャイル ソフトウェア 開発宣言 (2001) The Scrum Guide (2010〜) Agile DevOps (2009〜) GenAI (2021〜)
  48. ※記載の商標・登録商標は各権利者に帰属します 測定は必要。だが、制御のためではない “私が指標に懐疑的なことを言うと誰かがこう返 しました。 「あなたはただ何も測りたくないだけでしょう」 それは100万%違います。 私は自分のソフトウェア開発プロセスを測定して います。 開発を始めてからずっとです。 そして非常に価値があると思っています。

    自分がやっていることを数値化して分析して解釈 できるのですから。” 開発生産性Conference 2025 基調講演:【開発生産性測定のトレードオフ「グッドハートの 法則」はもっと悲観的に捉えるべきだった】より Kent Beck Kent Beck (開発生産性Conference 2025)
  49. ※記載の商標・登録商標は各権利者に帰属します 【2024 DORA Report】 4つのソフトウェアデリバリーのパフォーマンスレベル ⚫ ソフトウェアデリバリーパフォーマンス 1. ソフトウェアデリバリースループット (Software

    delivery throughput) 2. ソフトウェアデリバリーの不安定性 (Software delivery instability) 1. ソフトウェアデリバリースループット a. 変更のリードタイム (Change lead time) b. デプロイ頻度 (Deployment frequency) c. 失敗したデプロイメントの復旧時間(Failed deployment recovery time) 2. ソフトウェアデリバリーの不安定性 a. 変更失敗率 (Change failure rate) b. リワーク率 (Rework rate) DevOpsによる ソフトウェア開発の現状 観察 測る クラスター分析
  50. ※記載の商標・登録商標は各権利者に帰属します 【2025 DORA Report】7つのチームアーキタイプのパフォーマンスレベル 1. ソフトウェアデリバリースループット (Software delivery throughput) a.

    変更のリードタイム (Change lead time) b. デプロイ頻度 (Deployment frequency) c. 失敗したデプロイメントの復旧時間 (Failed deployment recovery time) 2. ソフトウェアデリバリーの不安定性 (Software delivery instability) a. 変更失敗率 (Change failure rate) b. リワーク率 (Rework rate) 3. チームパフォーマンス (Team performance) 4. プロダクトパフォーマンス (Product performance) 5. 個人の有効性 (Individual effectiveness) 6. 価値ある仕事(Valuable work) 7. 摩擦(Friction) 8. 燃え尽き症候群(Burnout) クラスタ1: 基本的な課題 クラスタ2: レガシーのボトルネック クラスタ3: プロセスによる制約 クラスタ4: 高い影響、低いケイデンス クラスタ5: 安定して計画的 クラスタ6: 実用的なパフォーマー クラスタ7: 調和のとれた高パフォーマンス 観察 測る AI支援による ソフトウェア開発の現状 ⚫ ソフトウェアデリバリーパフォーマンス 1. ソフトウェアデリバリースループット (Software delivery throughput) 2. ソフトウェアデリバリーの不安定性 (Software delivery instability) ⚫ AIの導入(AI adoption) ⚫ プロセスと実践 (Processes and practices) ⚫ 個人の特性(Individual traits) ⚫ 環境および組織の特性 (Environmental and organizational traits) ⚫ サービスの特性(Service traits) ⚫ 組織のパフォーマンス (Organizational performance) ⚫ チームのパフォーマンス (Team performance) ⚫ プロダクトのパフォーマンス (Product performance) ⚫ 個人の成果(Individual outcomes) クラスター分析
  51. ※記載の商標・登録商標は各権利者に帰属します AI支援型開発時代の Reboot Japan:失われた土台を取り戻すために 長い歴史の中で、日本は「品質」を武器に世界を席巻しました。 しかしソフトウェア・ファーストの時代に移る中で、その強みを支える “文化や作法、計測に根ざしたプロセス” を十分に育てられずにきました。 そして今、AIが開発を加速させる時代においても、 実に55%の組織が変化に備えられていません。

    これは、こうした土台が一足飛びには手に入らないことを示しています。 ツールは、この土台の上でこそ最大の力を発揮します。 だからこそ私たちが取り戻すべきは、 “自分たちの開発を正しく理解し・測定し・改善するための土台” です。 この土台をもう一度、自分たちの手で築き直すこと。 それこそが、“AI支援型開発時代の Reboot Japan” なのだと思います。