Upgrade to Pro
— share decks privately, control downloads, hide ads and more …
Speaker Deck
Features
Speaker Deck
PRO
Sign in
Sign up for free
Search
Search
統計学入門講座 第7回スライド
Search
TechmathProject
August 11, 2025
Science
0
7
統計学入門講座 第7回スライド
てくますプロジェクトで行った統計学入門講座の第7回スライドです。
実施:2025/01/27
TechmathProject
August 11, 2025
Tweet
Share
More Decks by TechmathProject
See All by TechmathProject
統計学入門講座 第5回スライド
techmathproject
0
10
統計学入門講座 第6回スライド
techmathproject
0
7
統計学入門講座 第8回スライド
techmathproject
0
6
統計学入門講座 第4回スライド
techmathproject
0
170
統計学入門講座 第3回スライド
techmathproject
0
120
統計学入門講座 第2回スライド
techmathproject
0
170
統計学入門講座 第1回スライド
techmathproject
0
420
線形代数学入門講座 第1回スライド
techmathproject
0
100
線形代数学入門講座 第2回スライド
techmathproject
0
72
Other Decks in Science
See All in Science
コンピュータビジョンによるロボットの視覚と判断:宇宙空間での適応と課題
hf149
0
260
機械学習 - 授業概要
trycycle
PRO
0
220
メール送信サーバの集約における透過型SMTP プロキシの定量評価 / Quantitative Evaluation of Transparent SMTP Proxy in Email Sending Server Aggregation
linyows
0
990
Agent開発フレームワークのOverviewとW&B Weaveとのインテグレーション
siyoo
0
310
局所保存性・相似変換対称性を満たす機械学習モデルによる数値流体力学
yellowshippo
1
300
MCMCのR-hatは分散分析である
moricup
0
410
A Guide to Academic Writing Using Generative AI - A Workshop
ks91
PRO
0
120
データベース04: SQL (1/3) 単純質問 & 集約演算
trycycle
PRO
0
970
Ignite の1年間の軌跡
ktombow
0
140
KH Coderチュートリアル(スライド版)
koichih
1
44k
データマイニング - ウェブとグラフ
trycycle
PRO
0
150
データマイニング - ノードの中心性
trycycle
PRO
0
250
Featured
See All Featured
For a Future-Friendly Web
brad_frost
179
9.9k
The Success of Rails: Ensuring Growth for the Next 100 Years
eileencodes
46
7.6k
Being A Developer After 40
akosma
90
590k
Why You Should Never Use an ORM
jnunemaker
PRO
58
9.5k
Improving Core Web Vitals using Speculation Rules API
sergeychernyshev
18
1.1k
Designing for humans not robots
tammielis
253
25k
Large-scale JavaScript Application Architecture
addyosmani
512
110k
Unsuck your backbone
ammeep
671
58k
Distributed Sagas: A Protocol for Coordinating Microservices
caitiem20
332
22k
Intergalactic Javascript Robots from Outer Space
tanoku
272
27k
Music & Morning Musume
bryan
46
6.7k
Bash Introduction
62gerente
614
210k
Transcript
統計学入門講座 第7回 母分散, 母比率の検定 てくますプロジェクト
てくますプロジェクトについて • てくますプロジェクトは, 「考える楽しさを探そう!」が合言葉の, 数学と情報科学の学習コミュニティです. • 数学や情報科学は, 誰にとっても役立ち, 趣味としても楽しめるものです. その魅力を伝えるために,
私たちは活動しています. • 輪読会や講座の実施, 記事などのコンテンツ制作を行っています. • X などで宣伝いただけると大変嬉しいです. (#てくますプロジェクト) • 講師はゆっきん(桑原)が担当します. ◦ 数学教師→システムエンジニア→プログラミング講師 ◦ 数学, プログラミング, ボードゲームが好きです. ◦ てくますプロジェクトやボードゲームコミュニティの運営を 行っています.
本講座について • 本講座は統計学を初めて学ぶ方や, 学び直したい方を対象としています. 本講座の前半は高校数学レベル, 後半は大学教養レベルです. 統計検定2級を目指す方にも適した内容です. • 本講座は各回, 前半で知識のインプット,
後半で問題演習を行います. • 高校や大学以外で数学を学ぶことのできる貴重な場です. 数学を学びたい人たちが集まっていますので, ぜひ交流してください! • 本講座作成にあたり, 特に参考にした本を 右に挙げておきます. 2冊ともオススメです. • 後ろから顔が映らないように写真を撮ることがあります. ご了承ください.
スケジュール 第1回 データの整理 2024/10/07 第4回 確率分布 2024/12/02 第3回 確率の基本 2024/11/18
第2回 データの散らばり 2024/10/28 第5回 検定の枠組み 2024/12/16 第8回 2標本t検定 2025/02/10 第6回 母平均の検定 2025/01/06 第7回 母分散, 母比率の検定 2025/01/27 本講座は全8回です. 各回の内容は以下の通りです.
目次 1. 母比率の検定 母比率を検定する方法を学びます. ベースはこれまでに学んできた検定と同様です. 2. 母分散の検定 分布を導入し, 母分散を検定する方法を学びます.
母比率の検定
投票に行く予定の人数 は二項分布に従います.(平均値は , 分散は ) 試行回数 が大きい場合には, 二項分布は正規分布で近似できます. よって, 標本比率 の分布は
• 平均値: • 分散: の正規分布として考えることができます. ある地域の住民1000人を対象に投票の意向を調査しました. その結果, 600人が「次回の選挙で投票に行く予定がある」と回答しました. 母比率 の95%信頼区間を求めなさい. 母比率の区間推定 今回の問題の場合 • 試行回数 • 母比率 ←調べたい • 標本比率
を標準化します. ある地域の住民1000人を対象に投票の意向を調査しました. その結果, 600人が「次回の選挙で投票に行く予定がある」と回答しました. 母比率 の95%信頼区間を求めなさい. 母比率の区間推定 試行回数 が大きい場合には, 分母の を
にしても問題ないことが知られています. よって, ゆえに, 母比率 の95%信頼区間は となります. 今回の問題の場合 • 試行回数 • 母比率 ←調べたい • 標本比率
ある地域の住民1000人を対象に投票の意向を調査しました. その結果, 600人が「次回の選挙で投票に行く予定がある」と回答しました. 母比率 が0.5であるか検定しましょう. 有意水準は 5%(両側検定)とします. 母比率の検定 0.5 は母比率 の95%信頼区間
に入っていません. よって, 母比率 が0.5である仮説は棄却されます. ※母比率の検定は, 第1回でガイダンスとして行った「表が出やすいコインか」の検定(二項検定)と 似ていますね. 二項分布を使って検定するか, 正規分布近似で検定するかの違いです. 標本サイズが大きい今回のような場合は, 正規分布を使った方が簡単に計算できます.
母分散の検定
分布とは 標準正規分布(平均値0, 標準偏差1の正規分布)からデータをn個観測したとします. これらのデータをそれぞれ2乗して足し合わせた値 は, 自由度 n の 分布
に従います. この 分布を用いて, 母分散の検定を行います. 自由度 分布は正規分布や t 分布と異なり, 左右非対称です. 左側と右側に2.5%ずつ棄却域を設ける場合は, 0.975と0.025の列の値を使いましょう.
ある生物学の実験で, 5匹の実験動物の体重を無作為に収集した. 得られたデータは以下の通りです. 55, 62, 59, 60, 64 母平均 は未知とし,
母集団は正規分布に従うと仮定します. 母分散 の95%信頼区間を求めましょう. 母分散の区間推定 はいずれも標準正規分布上のデータと考えられます. よって, は自由度 5 の 分布に従います. しかし, 母平均 が未知であることから, この方法では, 母分散 の信頼区間を求めることができません. そのため, 母平均 を標本平均 で代用することを考えます. は自由度 5 - 1 = 4 の 分布に従います!
ある生物学の実験で, 5匹の実験動物の体重を無作為に収集した. 得られたデータは以下の通りです. 55, 62, 59, 60, 64 母平均 は未知とし,
母集団は正規分布に従うと仮定します. 母分散 の95%信頼区間を求めましょう. 母分散の区間推定 が自由度 4 の 分布に従うので, ゆえに, 母分散 の95%信頼区間は となります.
ある生物学の実験で, 5匹の実験動物の体重を無作為に収集したところ, 標本分散は 11.5 でした. 母平均 は未知とし, 母集団は正規分布に従うと仮定します. 母分散 の95%信頼区間を求めましょう.
母分散の区間推定 なお, 個々のデータの値が分かっていなくても, 標本分散が分かっていれば, 母分散は推定できます. の式は, 分母の を に書き換えると, 標本分散 を求める式になります. つまり, 一般的に以下の式が成り立ちます. 整理をして, この式を使うことで, となります. 以降は先ほどと同様です.
まとめ • 母比率の区間推定: が標準正規分布に従うことを利用しましょう. • 母分散の区間推定 ◦ 母平均が既知の場合 が自由度 n
の 分布に従うことを利用しましょう ◦ 母平均が未知の場合 が自由度 n-1 の 分布 に従うことを利用しましょう.
演習問題を解こう!