Upgrade to Pro
— share decks privately, control downloads, hide ads and more …
Speaker Deck
Features
Speaker Deck
PRO
Sign in
Sign up for free
Search
Search
組織拡大でカルチャー崩壊を防ぐためにできること
Search
urahiroshi
March 13, 2025
Technology
0
410
組織拡大でカルチャー崩壊を防ぐためにできること
[CTOとEMが語る 事業成長を支えるエンジニア組織とは](
https://connpass.com/event/344613/
) のLT登壇資料です。
urahiroshi
March 13, 2025
Tweet
Share
More Decks by urahiroshi
See All by urahiroshi
プロダクトのスケールによって顕在化しうるリスクをどう管理するか?
urahiroshi
9
6.4k
Mercari_Frontend_CircleCI.pdf
urahiroshi
2
2.7k
SET活動のすすめ.pdf
urahiroshi
1
1.6k
Node Security Platform, nsp, npm audit @roppongi.js#3
urahiroshi
1
960
Other Decks in Technology
See All in Technology
技術の総合格闘技!?AIインフラの現在と未来。
ebiken
PRO
0
250
Design and implementation of "Markdown to Google Slides" / phpconfuk 2025
k1low
1
400
AIを前提に、業務を”再構築”せよ IVRyの9ヶ月にわたる挑戦と未来の働き方 (BTCONJP2025)
yueda256
1
330
3年ぶりの re:Invent 今年の意気込みと前回の振り返り
kazzpapa3
0
210
明日から真似してOk!NOT A HOTELで実践している入社手続きの自動化
nkajihara
1
190
大規模プロダクトで実践するAI活用の仕組みづくり
k1tikurisu
1
340
Rubyist入門: The Way to The Timeless Way of Programming
snoozer05
PRO
6
380
やり方は一つだけじゃない、正解だけを目指さず寄り道やその先まで自分流に楽しむ趣味プログラミングの探求 2025-11-15 YAPC::Fukuoka
sugyan
1
590
Introducing RFC9111 / YAPC::Fukuoka 2025
k1low
1
230
Quarkusで作るInteractive Stream Application
joker1007
0
120
こんな時代だからこそ! 想定しておきたいアクセスキー漏洩後のムーブ
takuyay0ne
4
560
探求の技術
azukiazusa1
7
1.8k
Featured
See All Featured
Code Reviewing Like a Champion
maltzj
527
40k
Speed Design
sergeychernyshev
32
1.2k
Intergalactic Javascript Robots from Outer Space
tanoku
273
27k
Designing for Performance
lara
610
69k
Evolution of real-time – Irina Nazarova, EuRuKo, 2024
irinanazarova
9
1k
Raft: Consensus for Rubyists
vanstee
140
7.2k
Designing Dashboards & Data Visualisations in Web Apps
destraynor
231
54k
Building Flexible Design Systems
yeseniaperezcruz
329
39k
Side Projects
sachag
455
43k
Reflections from 52 weeks, 52 projects
jeffersonlam
355
21k
A Tale of Four Properties
chriscoyier
162
23k
Building Adaptive Systems
keathley
44
2.8k
Transcript
© 2025 Dinii Inc. 組織拡⼤で カルチャー崩壊を防ぐために できること
株式会社 ダイニー © 2025 Dinii Inc. 浦⼭裕史 [@urahiroshi](https://x.com/urahiroshi) - 株式会社ダイニー
Engineering Manager - セコム => IIJ => メルカリ => ダイニー - Web, インフラ, マネジメント系の活動が中⼼ - メルカリWebのマイクロサービス化、その4年 - プロダクトのスケールによって顕在化しうるリスクをどう管理するか - スタートアップでセキュリティを改善していくための⼿順書 - 2024年のダイニーのエンジニア組織の変化と、2025年の展望 - 成果と副作⽤の両⽅に、⼀つのチームが責任を持つ 自己紹介
株式会社 ダイニー © 2025 Dinii Inc.
株式会社 ダイニー © 2025 Dinii Inc. - ⾷事の場で、エンジニア、セールス、PMなど職種をまたがったメン バー同⼠でプロダクトについて熱く語っている -
開発チームが「顧客価値」をベースに Spring Goal を議論している - 信頼性向上などを担う Platform Team も顧客⽬線で、プロダクトがど う使われるかを理解してインシデント対応を⾏っている ⼊社時にカルチャーを感じたポイント
株式会社 ダイニー © 2025 Dinii Inc. 守りたい、このカルチャー
株式会社 ダイニー © 2025 Dinii Inc. しかし、これから予定している急速な組織拡大
株式会社 ダイニー © 2025 Dinii Inc. 1. 短期間で多くの社員が⼊社する 2. 「カルチャーが変わった」と感じ、メンバーの不満がたまる
3. メンバーの退職が増え、更に元のカルチャーがなくなっていく - チーム間の交流がない - 「⾔われたことをやればよい」という意識が強くなる - 顧客に関⼼がない - etc... 組織拡⼤における最⼤のリスク: カルチャー崩壊
株式会社 ダイニー © 2025 Dinii Inc. - ダイニーのこれまでの環境はカルチャーを維持しやすい要因があった - 事業のアーリーフェーズを経験している
- 会社全体が⼩規模で、様々な職種のメンバーと交流がある - 創業者と⼀緒に働く時間も⻑く、創業者の背中を⾒ている - これらの要因は組織の成⻑‧拡⼤によって失われていく => 何もしなければ、カルチャーは絶対に維持できない カルチャーをどう維持するか
株式会社 ダイニー © 2025 Dinii Inc. 1. カルチャーを体現している 2. カルチャーに共感している
3. カルチャーに対して無関⼼ 採⽤でカルチャーマッチを⾒ている前提の場合、体験的に⼤多数の⽅が ⼊社時点では 2 (カルチャーに共感している) の状態。 ⼊社後に 1 (カルチャーを体現) となるか 3 (無関⼼) となるかは⼊社後の 状況によるため、採⽤だけでなく社内の環境が重要。 個⼈ごとのカルチャーマッチ度合い
株式会社 ダイニー © 2025 Dinii Inc. 1. カルチャーを意識する機会がない - ⾃分や他のメンバーの⾏動がカルチャーに合っているかどうか考
える機会がない 2. ⽇々の業務とカルチャーが紐づいていない - カルチャーについて理解していても、⽇々の業務でそれを⽤いる ことがない‧むしろ逆⾏しているように感じる 3. カルチャーを体現しているメンバーがいない - 多数のメンバーの雰囲気に流されてしまう - 根本的には上2つの要因があり、その結果から更に無関⼼になる 要因が⽣まれるという構造 (ただし逆も⾔える) カルチャーに対して無関⼼になる要因
株式会社 ダイニー © 2025 Dinii Inc. - Values を定義し、「Do」「Don’t」 を記載したパンチラインを作成
- All Hands の場で Values を体現している活動を紹介 以前から⾏っている取り組み (1)
株式会社 ダイニー © 2025 Dinii Inc. - エンジニアのオンボーディングで商談に参加する機会を作る - 社内イベント‧飲み会でのビジネスチームとの交流機会の多さ
- 従業員が飲⾷店で⼀⽇働く「シフトイン」 以前から⾏っている取り組み (2)
株式会社 ダイニー © 2025 Dinii Inc. カルチャーを意識する機会がないか? - 👍 [Good]
All Hands の場で Values を体現している活動を紹介 - 🔥 [More] 話を聞いて⾃分や他のメンバーの活動について能動的に振 り返られるかは⼈それぞれ これでカルチャーは維持できるか?
株式会社 ダイニー © 2025 Dinii Inc. ⽇々の業務とカルチャーが紐づいているか? - 👍 [Good]
Values を定義し、”Do”, “Don’t” を記載したパンチラインを 作成 - 🔥 [More] ⽇々の開発業務にまで紐づけられていない - 👍 [Good] オンボーディングで商談に参加、ビジネスチームとの交流 機会 - 🔥 [More] ⼊社時のみの活動や⾃発的な活動のため、誰もが⽇々意識 できるようにするためには追加の取り組みが必要 これでカルチャーは維持できるか?
株式会社 ダイニー © 2025 Dinii Inc. エンジニア個⼈の⽬標をプロダクトチーム共通の成果⽬標と⼀致させる - 🙅 [Bad]
“XXX の機能をリリースする” - [Good] “問い合わせが XX 件減る” - [Good] “XXX の機能をリリースし、店舗の売上を XX 円以上上げる” => ⽇々の開発業務と顧客志向のカルチャーが紐づいた状態になっている (⼀⽅で、エンジニアにとってコントロールできない要素は増えるため、⽬ 標の達成度を機械的に評価に使わない) 追加のアクション (1) ⽬標設定
株式会社 ダイニー © 2025 Dinii Inc. - どういった⾏動がダイニーのエンジニアとして価値を持つかを “Dinii Engineering
Values” として定義 - 評価において、Dinii Engineering Values に基づいたフィードバックを ⾏う - 360度評価も⾏い、他のメンバーの活動が Values を体現しているかど うかを考える機会とする => 全員がカルチャーを意識し、フィードバックループが回る状態に 追加のアクション (2) 評価制度
株式会社 ダイニー © 2025 Dinii Inc. Dinii Engineering Values の例
株式会社 ダイニー © 2025 Dinii Inc. - エンジニアがカジュアル⾯談に参加し、カルチャーや会社が⽣み出し ている価値について説明する =>
⾃ら語る経験を持つことが、カルチャーを意識する機会にもなる 採⽤活動への参加もGood
株式会社 ダイニー © 2025 Dinii Inc. 今まさに組織拡⼤中であり、この組織拡⼤の結末がわかるのはこれからです。 気になる⽅はぜひダイニーの中に⼊って、「組織が急拡⼤してもカルチャーは 維持できる」という事例を⼀緒に作っていきましょう 💪
組織拡⼤の結末は?