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エンジニアリングマネージャーの仕事

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 エンジニアリングマネージャーの仕事

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YuheiNakasaka

March 18, 2026
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  1. EMの仕事が説明しづらい理由 見えやすい仕事だけでも広い 進捗確認や意思決定 1on1や評価フィードバック 技術判断や障害対応 採用や配置調整 見えにくい仕事も多い 会議体や運営ルールの設計 育成と後継者づくり 技術負債や基盤投資の計画

    ロードマップや投資判断への参加 EMの仕事は、現場を前に進める仕事 と あとから効いてくる仕事 が同時に存在するため、 「何をしている人か」を 一言で言いづらい。 5
  2. 影響範囲 短期 × 個人 今の案件や特定メンバーの詰まりを取り、その場の成 果を前に進める。時には自分が開発を行う。 短期 × 組織 複数人・複数チームが同時に動くための運営、可視

    化、同期をつくる。 長期 × 個人 特定メンバーや特定チームの将来価値を高める。 長期 × 組織 組織の再現性、採用力、技術継続性をつくる。 目の前で忙しく見える仕事ほど 短期 に寄りやすい。 一方で、EMの価値は 長期 と 組織 に効く仕事をどう積み上げるかでも決まる。 8
  3. 業務カテゴリ x 影響範囲の具体例 影響範囲 プロジェクト プロダクト ピープル テクノロジー 短期 ×

    個人 進捗確認 ブロッカー除去 合意形成 仕様レビュー MVP調整 リリース判断 1on1 フィードバック コンフリクト対応 技術レビュー 環境改善 属人化解消 短期 × 組織 可視化 レポーティング 横断調整 KPI起点の改善提案 投資対効果の説明 配置最適化 制度運用 エンゲージメント施策 監視運用 障害運営 生産性計測 長期 × 個人 計画設計 依存関係整理 実現可能性評価 課題抽出 育成計画 OJT 後継者育成 技術選定 アーキテクチャ方針 負債返済計画 長期 × 組織 運営ルール改善 ポートフォリオ設計 ロードマップ参加 技術投資方針 採用広報 評価制度 カルチャー形成 技術方針 標準化 CI/CD改善 9
  4. 短期 × 個人に現れやすい仕事 カテゴリ 典型的な仕事 現場の具体例 プロダク ト 仕様レビュー、MVP範囲調整、品質水 準の調整

    UI仕様に抜けている権限、監査ログ、通知条件を実装観点で詰め る プロジェ クト 進捗確認、遅延要因の特定、ブロッカ ー除去 他部署承認が止まっている案件で、関係者を集めてその日のうち に意思決定を取る ピープル 1on1、行動改善フィードバック、悩み 相談対応 他職種との認識ずれで疲弊しているメンバーに論点整理や同席支 援を行う テクノロジ ー 技術的意思決定のレビュー、開発環境 改善 ライブラリ導入案を、将来の運用負荷まで含めてレビューする 目の前の詰まりを取る仕事。未熟な組織/チーム/プロダクト・ジュニアなEMはここに時間が寄りやすい。 10
  5. 短期 × 組織に現れやすい仕事 カテゴリ 典型的な仕事 現場の具体例 プロダク ト KPI起点の改善提案、投資対効果の説明 新機能追加より、入力途中離脱率の高い画面改善を優先す

    ると説明する プロジェ クト 開発状況の可視化、会議運営、横断調整 完了率ではなく、残論点・リスク・次の意思決定ポイント を1枚で共有する ピープル 人員配置の最適化、制度運用、エンゲージメ ント施策 案件特性に合わせて、新規開発に強い人と運用改善に強い 人を組み替える テクノロ ジー 監視運用、障害対応プロセス、DORAなどの 指標の運用改善 変更失敗率が高いため、レビュー強化ではなく段階リリー スと自動化を優先する 複数人が同時に動くための運営の仕事。現場の安定度に直結する。 11
  6. 長期 × 個人に現れやすい仕事 カテゴリ 典型的な仕事 現場の具体例 プロダク ト 実現可能性評価、課題抽出、開発コス ト見積もり

    将来のマルチテナント化を見据え、今の認可設計のままでは崩れ ると伝える プロジェ クト 開発計画、マイルストーン設計、依存 関係整理 4か月後の大型リリースに向けて、工程を週単位で引いて着地条 件をそろえる ピープル 目標設定支援、育成計画、後継者育成 レビュー同席 → 小規模設計主担当 → 設計レビュー主導の順で 育成計画を組む テクノロ ジー 技術選定、アーキテクチャ方針、技術 負債返済計画 全面刷新ではなく、認証 → テスト → バッチ監視の順で四半期ご との改善計画を引く 将来価値を作る仕事(計画作り)。緊急度が低く見えやすいが、先送りすると後で効く。 12
  7. 長期 × 組織に現れやすい仕事 カテゴリ 典型的な仕事 現場の具体例 プロジェク ト 運営ルール改善、ポートフォリオ調 整

    「着手条件を満たさない案件はスプリント投入しない」など運営ル ールを定める プロダクト ロードマップ参加、技術投資方針 新規事業展開を見据えて、共通会員基盤や権限基盤への投資を提案 する ピープル 採用要件定義、評価制度、カルチャ ー形成 「Ruby経験者」ではなく、曖昧な要件下で設計判断できる人と要 件を定義する テクノロジ ー 技術方針、技術標準、CI/CD改善 新規画面はTypeScript必須、APIはOpenAPIで管理、のような標 準を定める 組織の再現性を作る仕事。短期の成果だけでは測りにくいが、組織の差が出やすい領域。 13
  8. 1つの仕事が複数象限にまたがることもある 仕事 目先で効く先 長く効く先 会議体の設計と運 営 短期 × 組織: 情報同期、意思決定、ブロッカー

    共有 長期 × 組織: 運営ルールとして再現性が残る 心理的安全性の醸 成 短期 × 組織: 相談や障害共有がしやすくなる 長期 × 組織: チーム文化として定着する 技術負債の返済計 画 長期 × 個人: 特定チームの変更容易性が上がる 長期 × 組織: 全体の保守性や基盤投資方針に波及 する 唯一の正解に厳密に分類するというより、主作用がどこにあるか を置き、 必要なら副作用先もあわせて見ると扱 いやすい。 14
  9. 16

  10. 17

  11. このツールの用途 1. 週次の棚卸し 自分の時間が短期 × 個人に寄りすぎていないかをチ ェックする。 2. チーム課題の診断 問題を「人の頑張り不足」ではなく、どのカテゴリ・

    どの象限が弱いかで見る。 3. 役割分担 TL、PdM、EMでどの領域を誰が主に持つかを会話し やすくする。 4. 育成と評価 EM候補に何を経験してもらうか、どこが不足してい るかを具体化する。 18
  12. まとめ EMの仕事はプロジェクト/プロダクト/ピープル/テクノロジー の4カテゴリで整理できる さらに、短期 〜 長期 と 個人 〜 組織

    の影響範囲で見ると、仕事の性質が見えやすくなる 目先の仕事から長期×組織に効く仕事をどう積み上げるかが職位の違いになりそう EM Work Visualizerを使った。これを使えばEMとして現在地の把握や他の役職の人たち とのコミュニケーションにも使える(かも)。 19