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IoTとデータの力で移動のDXを実現する、LUUPの挑戦
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Naomichi Okada
October 08, 2021
Technology
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IoTとデータの力で移動のDXを実現する、LUUPの挑戦
2021/10/08 BIT VALLEY 2021 #04 Power of Digital『最新DX事情〜デジタルの力でより豊かに〜』における登壇資料です。
Naomichi Okada
October 08, 2021
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Transcript
IoTとデータの力で 移動のDXを実現する、 LUUPの挑戦 株式会社Luup 共同創業者 Software Development部 CTO 岡田 直道
Luup, Inc. - Confidential and Proprietary 2 自己紹介 岡田 直道(おかだ
なおみち) 株式会社Luup 共同創業者 Software Development部 CTO 2018年、東京大学大学院工学系研究科在籍中に株式会社Luupを共 同創業。創業以来CTOとしてソフトウェアエンジニア組織の構築や LUUPのアプリケーション開発・社内システム整備を管掌。 創業初期から約1年半の間はハードウェア開発も含めた 技術・開発領域全体を所管しており、DIYでの車体の改造から、海外 のベンダーへの発注業務含め幅広く何でも屋。 最初の出身はiOSエンジニア。 【CTO岡田インタビュー】「人類を進化させるようなインフラ事業に」 LUUPの挑戦 - note https://note.com/luup/n/na6d0b854c726
Luup, Inc. - Confidential and Proprietary 3 LUUPの事業について
Luup, Inc. - Confidential and Proprietary 4 Luupについて 企業名 株式会社Luup(Luup,
Inc.) 代表取締役 岡井 大輝 設立年月 2018年7月(創業4年目) 所在地 東京都渋谷区千駄ヶ谷5-27-5 リンクスクエア新宿 16F 事業概要 電動マイクロモビリティの シェアリングサービス『LUUP』の 企画・開発・運営 所属団体 マイクロモビリティ推進協議会
Luup, Inc. - Confidential and Proprietary 5 電動マイクロモビリティを、スマホひとつで、好きな場所で借りて好きな場所に返せるサービス 電動マイクロモビリティのシェアリングサービス「LUUP」とは 電動マイクロモビリティ
スマートフォンアプリ ポート(LUUP専用の駐輪場) 電動アシスト自転車 電動キックボード 新事業特例制度を用いた実証実験中 ヘルメット着用任意・最高速度15km/h
Luup, Inc. - Confidential and Proprietary 6 Luupのミッションと創りたい未来 小型電動アシスト自転車 電動キックボード
未来の機体 ユニバーサルモデル 街じゅうを「駅前化」するインフラをつくる
Luup, Inc. - Confidential and Proprietary 7 Luupのこれまで マイクロモビリティ推進協議会設立 Luup代表岡井が会長に就任
規制のサンドボックス制度の初認定を取得 横浜国立大学にて実証実験を開始 2018年7月 電動キックボードの シェアリングサービスを開始 (新事業特例制度を用いた ヘルメット任意の公道実証) 電動キックボードの規制の適正化に向けた活動とシェアリングサービスの開発・運営を両輪で推進 2019年5月 株式会社Luup設立 2019年10月 2020年5月 電動アシスト自転車の シェアリングサービスを 東京(渋谷)でローンチ その後も政府との 対話を継続 大阪でも サービス開始 2021年4月
Luup, Inc. - Confidential and Proprietary 8 LUUPは...移動のDX! 所有・アナログ 🚲
🚶 従来のマイクロモビリティや徒歩移動 LUUP 定置場所(家など) 移動先 🚲 🚶 ・ユーザーはモビリティの置き場所の確保や管理が必要 ・移動データはどこにも蓄積されない ・モビリティは1人の移動のためだけに存在 シェア・デジタル ・ユーザーはスマホで移動手段を探して使うだけ ・移動データはスマホとIoTを通じて全て蓄積 ・モビリティはデータを用いて最適にシェア・有効活用 🚲 🏢 🏠 街じゅうのポート x スマホ・IoT 🏥 🏪 🏢 🏠 🏥 🏪 🚲 🚲 🚲 📱 💻
Luup, Inc. - Confidential and Proprietary 9 LUUPの技術的挑戦 #01 IoTでハードとソフトをつなぐ
Luup, Inc. - Confidential and Proprietary 10 ユーザーアプリから車体を動作させるまで、2種類のサーバーを経由 LUUPの技術的挑戦 #01
- IoTでハードとソフトを繋ぐ LUUPのシステム構成全体像 Mobility IoT API Server App Server User App モビリティ車載のIoTデバイスがSIMを通じてサーバーと通信できるようになっており、 IoTデバイス制御用のAPIサーバーからアプリのバックエンドサーバーにレスポンスを送っている。
Luup, Inc. - Confidential and Proprietary 11 IoTデバイスを通じた遠隔制御が、サービス実現の肝になっている LUUPの技術的挑戦 #01
- IoTでハードとソフトを繋ぐ 何ができるようになるのか? 車体への走行制御 • 利用者のライド開始/終了時に、 遠隔で車体のロックが解錠/施錠される • 走行中の車体に対して、走行速度の 変更を緩やかに遠隔で掛けられる etc.. 車体からの情報取得 • バッテリー残量やGPSによる位置情報など、 車体の現在の状態を遠隔で把握できる • バッテリーの充放電回数や電圧など、 細やかな情報を取得し故障検知に役立てる etc.. IoTデバイスを通じた車体とサーバーの通信により、 「アプリからモビリティを選び、鍵を開けて乗車する」 という根幹の体験が実現されている!
Luup, Inc. - Confidential and Proprietary 12 車体の遠隔制御を活用して、利用者が安全に走行するための機構に取り組んでいる LUUPの技術的挑戦 #01
- IoTでハードとソフトを繋ぐ 取り組み①:走行エリアによる速度制御 • 交通量が多かったり、危険のあるエリアを Geofenceで囲う • 利用者が進入したことを GPSで検知し、速度変更コマンドを送信 • ユーザーがエリアに入った瞬間、遠隔で速度を落としたり 緩やかに走行を停止させたりすることが可能 • 今後、様々な地理的・文化的制約を含むエリアへの展開のために検証を行い、 今後のサービス内での実用化を目指している 車体(ハードウェア)が IoTデバイスによる通信を通じて アプリ/サーバー(ソフトウェア)と繋がっていることで、 ユーザーの街中での安全な行動を遠隔で制御可能。
Luup, Inc. - Confidential and Proprietary 13 市場に置かれている機体を一斉に遠隔でアップデートすることで、改良サイクルを高速化 LUUPの技術的挑戦 #01
- IoTでハードとソフトを繋ぐ 取り組み②:OTAアップデートによる改善 • デバイス側の機能アップデートや API改修などの変更が都度発生する • その度に1台ずつ接続してアップデートするわけにはいかない • OTAアップデート機能を搭載して、遠隔で一斉に IoTファームウェアの アップデートを行えるよう環境を整備 • IoT側の改良を低コストで回せるようになり、取得データ等も柔軟にアプデ ソフトウェアプロダクトに比べて開発期間が長く、 要件の変更が効きにくい IoTデバイス側の機能を 細かに改善していくことができる環境を整えた。
Luup, Inc. - Confidential and Proprietary 14 LUUPの技術的挑戦 #02 データでサービスを改善する
Luup, Inc. - Confidential and Proprietary 15 街中のポートに車体を設置してサービス提供するためには、様々なステークホルダーが存在 LUUPの技術的挑戦 #02
- データでサービスを改善する LUUPサービスを取り巻く業務モジュール ユーザー 車体 ポート データ マーケティング チーム 営業 チーム オペレーション チーム カスタマーサポート チーム 工場
Luup, Inc. - Confidential and Proprietary 16 各業務モジュールのアウトプットを、データの力を使って最大化することができる LUUPの技術的挑戦 #02
- データでサービスを改善する 何ができるようになるのか? オペレーション ポート間の車体の配置や 車体の充電残量等の情報、 ユーザー動向の把握により、 車体の再配置業務や バッテリー交換業務における 最適な巡回ルートを算出。 効率的なオペレーションにより 人件費削減も可能。 営業(ポート開拓) アプリ上のユーザーデータを 詳細に分析し、ユーザーがよく 利用する場所や潜在的に利用 したい場所を割り出すことで、 利用率の高い場所に絞った ポート獲得戦略を練ることが できる。 カスタマーサポート ポートや車体の状態、 問い合わせのあったユーザーのデー タに適切にアクセスできる こと、過去の対応データを蓄積し 分析することで、 速やかに効率の良いカスタマー サポート業務が可能に。 マーケティング ユーザーの時間帯別、地域別等様々 な切り口での分析を行い、 コアユーザーやライトユーザー等 それぞれのセグメント毎に適した 効果 的なマーケティング施策を 行うことができる。 他にも、様々な部署にデータが活用されサービスの改善に役立っています。
Luup, Inc. - Confidential and Proprietary 17 オペレーションコストを掛けなくても自動的に市場の車体配置が均整化される取り組み LUUPの技術的挑戦 #02
- データでサービスを改善する 取り組み①:Dynamic Pricingによる配置制御 課題 • ポートによって車体が過密、過疎になる偏りが生じる ◦ 例えば、駅近のポートに車体が集まるなど • 乗りたいポートに車体がない、降りたいポートが満タンなどの問題が発生 ソリューション • ダイナミックプライシングを導入 ◦ 過密ポート => 過疎ポートへのライドを安く ◦ ユーザーのライドルートを間接的に制御 ◦ 結果、ポート間の車体の偏りが自動的に解消されることを目指す
Luup, Inc. - Confidential and Proprietary 18 街中に置かれる車体は、様々な要因でエラーやロストが発生しうる LUUPの技術的挑戦 #02
- データでサービスを改善する 取り組み②:位置情報のずれとの戦い 街中で実際に起こること • 電波状況やバッテリー、配線の問題など 様々な理由で通信エラーが発生する => 車体の状態把握ができず、場所が不明に。 • 一部エリアではGPSの精度が上がらず、 位置情報がずれた位置に記録されることも => ポートとの位置情報紐付けに不具合が発生 ひどい場合は車体の場所が不明に。 LUUPの取った解決策 • デバイスの現在の状態だけでなく、 ポート側からの紐付け、最終ライド履歴など 多面的なデータ参照により現在地を特定 => 社内用ツールとして開発、 捜索オペレーションをSlack上で自動化。 • GPSモジュール自体の精度向上のため、 車載IoTデバイスの改良についても メーカーと協力して開発を行う データ分析の力やそれを自動化するソフトウェア技術、 さらにはハードウェア側の改良も含めて両面から改善を行っています。
Luup, Inc. - Confidential and Proprietary 19 まとめ
Luup, Inc. - Confidential and Proprietary 20 LUUPは、IoTとデータの力に支えられて「移動のDX」に挑戦していきます まとめ 難しさ
• ハードウェアの開発期間の長さ・不可逆性 • 電波や充電などによる不具合の多様さ 面白さ • 遠隔走行制御によるユーザーの行動制御 • データ分析を用いたサービスの最適化 街じゅうを「駅前化」するインフラをつくる、というミッションに向かって、 LUUPは移動のDXを実現するためのサービスづくり・拡大を進めていきます。 その鍵となるのが、IoTとデータを利用した事業開発の "ソフトウェア的加速"です。
Luup, Inc. - Confidential and Proprietary 21 こんな方にとって、難しくも面白いと思ってもらえる会社です! => Luup採用情報
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