Upgrade to Pro
— share decks privately, control downloads, hide ads and more …
Speaker Deck
Features
Speaker Deck
PRO
Sign in
Sign up for free
Search
Search
アジャイルな開発チームでテスト戦略の話は誰がする? / Who Talks About Tes...
Search
akihisa1210
February 28, 2025
Technology
1
1.3k
アジャイルな開発チームでテスト戦略の話は誰がする? / Who Talks About Test Strategy?
サイボウズ x SmartHR アジャイル文化醸成への挑戦 ~ 実践と学び ~
https://cybozu.connpass.com/event/340151/
akihisa1210
February 28, 2025
Tweet
Share
More Decks by akihisa1210
See All by akihisa1210
推し書籍📚 / Books and a QA Engineer
ak1210
0
190
Four Keysに基づくリリースプロセス改善とその成果 / Release process improvement based on the Four Keys and its results
ak1210
0
1.5k
独立したQA担当者か開発チームか? あるプロダクトチームのQA体制の変遷 / Independent QA or Dev Team
ak1210
0
1.6k
ソフトウェアテスト 2022 / Software Testing 2022
ak1210
1
8.4k
E2E自動テスト導入・運用をめぐる先入観と実際に起きたこと / Preconceptions and What Happened with E2E Testing
ak1210
7
3.1k
テストコードを書きたいけどテスト対象がない。どうする? / What to do to write test?
ak1210
2
1.1k
ここからはじめるスクラムQA(増補改訂版) / Getting started with QA in Scrum (revised)
ak1210
2
1k
ここからはじめるスクラムQA / Getting started with QA in Scrum
ak1210
2
1.3k
「開発チーム」とQA /"Development Team" and QA
ak1210
1
8.9k
Other Decks in Technology
See All in Technology
Zephyr(RTOS)にEdge AIを組み込んでみた話
iotengineer22
1
340
現場の壁を乗り越えて、 「計装注入」が拓く オブザーバビリティ / Beyond the Field Barriers: Instrumentation Injection and the Future of Observability
aoto
PRO
1
380
Azureコストと向き合った、4年半のリアル / Four and a half years of dealing with Azure costs
aeonpeople
1
280
SCONE - 動画配信の帯域を最適化する新プロトコル
kazuho
1
370
Azure Well-Architected Framework入門
tomokusaba
1
110
頭部ふわふわ浄酔器
uyupun
0
110
Dify on AWS 環境構築手順
yosse95ai
0
120
AIプロダクトのプロンプト実践テクニック / Practical Techniques for AI Product Prompts
saka2jp
0
110
Building a cloud native business on open source
lizrice
0
180
20251027_findyさん_音声エージェントLT
almondo_event
1
360
Okta Identity Governanceで実現する最小権限の原則 / Implementing the Principle of Least Privilege with Okta Identity Governance
tatsumin39
0
170
難しいセキュリティ用語をわかりやすくしてみた
yuta3110
0
390
Featured
See All Featured
Documentation Writing (for coders)
carmenintech
75
5.1k
Cheating the UX When There Is Nothing More to Optimize - PixelPioneers
stephaniewalter
285
14k
Helping Users Find Their Own Way: Creating Modern Search Experiences
danielanewman
30
2.9k
GitHub's CSS Performance
jonrohan
1032
470k
XXLCSS - How to scale CSS and keep your sanity
sugarenia
249
1.3M
実際に使うSQLの書き方 徹底解説 / pgcon21j-tutorial
soudai
PRO
190
55k
Principles of Awesome APIs and How to Build Them.
keavy
127
17k
Agile that works and the tools we love
rasmusluckow
331
21k
GraphQLの誤解/rethinking-graphql
sonatard
73
11k
How GitHub (no longer) Works
holman
315
140k
Into the Great Unknown - MozCon
thekraken
40
2.1k
The Cost Of JavaScript in 2023
addyosmani
55
9.1k
Transcript
アジャイルな開発チームで テスト戦略の話は誰がする? サイボウズ株式会社 小山晃久 2025-02-28 サイボウズ x SmartHR アジャイル文化醸成への挑戦 ~
実践と学び ~ 1
自己紹介 小山晃久(@akihisa1210) サイボウズ株式会社 開発本部 Garoon開発チーム(QAマネージャー) 品質・テスト・CI/CD・アジャイル・マネジメント 読書・コーヒー 2
Garoonについて 3
アジャイルな開発チームでテスト戦略の話は誰がする? 4
1. 課題意識 アジャイルな開発チームにおいては、ソフトウェア品質はチーム全体の関心ごと となるはず 一人一人が品質について考えているとき、各々の活動の向きをそろえるにはどう すればよいのか? 事例として「テスト戦略」を取り上げる ここでいう「テスト戦略」は、開発プロセス内のいつ・どこでどのようなテスト を実施することで狙った品質を実現をするのか、の戦略というくらいの意味 5
2. 1つの事例: チーム体制の変遷 6
2-1. 受け渡し型:アプリエンジニアチーム → QAエンジニアチーム 初期の構成 アプリエンジニアチームが機能を作り、QAチームがテスト分析~テスト実行 をする 一通りの機能のテストが終わったらリグレッションテストを行い、リリース 良かった点 役割分担が明確(テスト戦略はQAチームのリーダーが作る)
課題 テストやリリースのフィードバックループの長さが不確実性を増大させ る 受け渡し後にようやくQAエンジニアが動き出す(負担増、チーム間の分 断) 7
2-2. アジャイル導入:アプリエンジニア + QAエンジニア混在チー ム スクラムを導入し、5~8人のチームを複数編成 アプリエンジニアとQAエンジニアが同じチームで開発 良かった点 QAが開発プロセスの早期から関与できる フィードバックループを縮められる(シフトレフト)
職能間の距離が縮まる 課題 チーム単位でのプロセスの最適化は進んだが、プロダクト全体でのテスト戦 略に手が回りにくい 8
具体例: 新しく追加された領域のリグレッションテスト戦略 製品に新しい種類の外部API群が搭載されることになった 開発の初期段階からリグレッションテストを作成し、維持したい APIは初期は2チームで開発し、将来的にはどのチームでも開発できるようにする 想定 APIの初期開発に関わるチームの中のQAエンジニアが、個々のAPIの開発・テスト に携わりつつ、も新しいリグレッションテスト導入をリードした 9
2-3. QA専任チームも追加 従来のアプリエンジニアとQAエンジニアが混在する開発チームをベースとしつ つ、 QAエンジニアのみで構成されるチームを新設 イテレーション横断のテスト戦略や、プロダクト全体に関わる課題に対応 良かった点 スプリントを横断して(全体感をもって)考慮が必要なテスト戦略に集中し やすい アプリエンジニアとQAエンジニアが混在する開発チームも残っているので、
フィードバックループの短さも維持できる 10
完? 11
3. それでも残る課題 業務量の問題には対処できたが、それだけで万事OKとはならない 12
3-1. 製品戦略とのアラインメントという課題 テスト・品質保証という領域だけでの全体感は考慮できそう しかし、それが製品戦略につながっているかはわからない 力を入れる部分は適切? これまでそうやってきたからこれからもそうする? 13
3-2. 他の技術戦略とのアラインメントという課題 テスト戦略と他の技術戦略との間で、方向の食い違いや意図しない重複・抜け漏 れがないかわからない 例えば、CI/CDやリリースの戦略とテスト戦略は密接に関係する テストだけで問題を解決しようとしていない? 14
3-3. 開発チームや個々人の理想のアラインメントという課題 開発にかかわるメンバーが、テストや品質保証に関して同じ方向を向けているの かわからない テスト戦略に従った活動ができているのか追跡できていない 作ったら使われるというものではない 15
4. 現在取り組もうとしていること 事業戦略に紐づいた技術戦略の1つとして、テスト戦略を立てようとしている 事業戦略とそこからブレークダウンされた製品戦略に照らし合わせて、テストの 現状と理想のギャップを明らかにする 少し無理があっても紐づけてみることで、アラインメントを維持したまま全 体像を把握できるようにする 優先順位を考慮して、理想に向かっていくための施策を打つ 16
5. アジャイルな開発チームでテスト戦略の話は誰がする? チーム全員がテスト戦略について話すことと、個々人の向いている向きがバラバ ラにならないことを両立したい 皆が話すための議論の土台として、事業戦略に紐づいたテスト戦略を作る 各々がテスト戦略を参照して話をする 「テスト戦略に照らすとこう動きべきだよね」 「今のテストのやり方とテスト戦略と合ってないよね」 安心してHowに取り組める What、Whyの問いを生み出し、フィードバックループを回す
17