AWSで挑むゲノム解析 : 普段使わない技術を知ろう

普段の仕事では触れることのない技術やAWSサービスを知ってみませんか？
このセッションでは、ゲノム解析をAWSでどのように実現するのかを紹介します。
スパコンを使うイメージが強いゲノム解析ですが、AWSを活用する利点や、ゲノム解析に利用可能なAWSサービスについて、具体的な事例を交えて解説します。
明日からすぐに使わない技術にスポットをあてていきます。

Transcript

1. AWSで挑むゲノム解析 普段使わない技術を知ろう 2024.7.5 AWS事業本部 ⼤村 保貴
2. Xへの投稿の際は、 ハッシュタグ #devio2024 でお願いいたします。 2 お願い
3. ⽬次 1. ⾃⼰紹介 2. ゲノム解析ってなんだ？ 3. ゲノム解析のアプリ 4. AWSを活⽤したゲノム解析ソリューション 5. まとめ 3
4. ⾃⼰紹介 4 大村 保貴 クラスメソッド株式会社 AWS事業本部 コンサルティング部 ソリューションアーキテクト 仕事 • エンプラ企業を中心に技術支援 受賞 • 2024 Japan AWS Top Engineers • 2024 Japan AWS All Certifications Engineers 好きな公園 • 中島公園、モエレ沼公園
5. ゲノム解析ってなんだ？ 5
6. ⽣物のソースコード（DNA）を解読し、 機能を解明、仕組みを理解するプロセス 6
7. ⽣物素⼈には疑問があった 7
8. 疑問 どうやってDNAをコンピュータで処理するの？ 8 出典: DNA 二重らせん C © DBCLS TogoTV (CC-BY-4.0) 0111000001100010000 1110000101010001111 1000010101111110100 0001110101011110000
9. ITエンジニア向け 今⽇使うところだけDNA講座 9
10. DNA DNAの⼆重らせん構造 10 出典: DNA 二重らせん C © DBCLS TogoTV (CC-BY-4.0)
11. 4つの塩基 構成する物質は4つ ・Adenine (アデニン) ・Thymine (チミン) ・Guanine (グアニン) ・Cytosine (シトシン) 11
12. 4つの塩基 構成する物質は4つ、ペアは2通り ・Adenine (アデニン) ・Thymine (チミン) ・Guanine (グアニン) ・Cytosine (シトシン) 12
13. 塩基対 2つ物質がペア（対）になっています 13 出典: DNA 二重らせん C © DBCLS TogoTV (CC-BY-4.0)
14. この並びのことを塩基配列と呼びます 塩基配列 14 A T G C G A G ・Adenine (アデニン) ・Thymine (チミン) ・Guanine (グアニン) ・Cytosine (シトシン) 画像の左端のみ利用 出典: DNA 二重らせん C © DBCLS TogoTV (CC-BY-4.0)
15. 復習終了 🎉 15
16. コンピュータで扱うには デジタルデータに変換しないと 話がはじまらない 16
17. この並びを文字列情報として扱いたい ⽂字列データへ変換 17 A T G C G A G 画像の左端のみ利用 出典: DNA 二重らせん C © DBCLS TogoTV (CC-BY-4.0)
18. 文字列情報に変換できる専用マシンがある シーケンシング 18 A T G C G A G 前処理 出典: 次世代シーケンサー8_1 © DBCLS TogoTV (CC-BY-4.0) 出典: ナノポアDNAシーケンシングの原理 © DBCLS TogoTV (CC-BY-4.0)
19. FASTQ形式のテキストファイルが手に入る ⽂字列データへ変換 19 .fastq
20. これらと同じくらいよく見かける拡張子 ⽂字列データへ変換 20 .txt .xls .pdf .json .zip .csv .jpg
21. ⽂字列データへの変換 21 素人が読み取るには難しい
22. DNAの塩基配列がテキストファイルになった ⽂字列データへ変換 22 A T G C G A G .fastq 画像の左端のみ利用 出典: DNA 二重らせん C © DBCLS TogoTV (CC-BY-4.0)
23. コンピュータの出番だ 23
24. ゲノム解析のアプリ 24
25. 解析アプリは多様多種 25
26. バイオインフォマティクス 26 出典: nf-core/rnaseq © nf-core(CC-BY-4.0) 適材適所でいろんなアプリを実⾏します
27. バイオインフォマティクス アプリケーションはOSSのことが多いです 27
28. アプリの実⾏環境構築が⼀苦労 28
29. バイオインフォマティクス 29
30. しかし、それでも⼤変 30
31. コンテナだ 31
32. バイオインフォマティクス 32 Apptainer 出典: Docker icons created by Freepik - Flaticon
33. バイオインフォマティクス 実はECRからも提供されています 33
34. ⼀例を紹介 34
35. ゲノムアセンブリ 35 コピー シュレッダー シュレッダー 細切れになった （.fastq）
36. ヒトゲノムの場合 36 A T G C G A G 出典: DNA 二重らせん C © DBCLS TogoTV (CC-BY-4.0) … 約30億文字続く
37. 細かく切っていた 37 画像トリミング 出典: DNA 二重らせん C © DBCLS TogoTV (CC-BY-4.0)
38. ゲノムアセンブリ 38 コピー シュレッダー シュレッダー 重複した紙の断⽚ 元の紙へ復元を試みる
39. 他にもいろいろあります 39
40. AWSを活⽤した ゲノム解析ソリューション 40
41. AWSのサービス 41 AWS ParallelCluster AWS Batch AWS HealthOmics Amazon EC2 ゲノム解析に使いやすいサービスは4つ
42. AWSのサービス 42 Amazon Genomics CLI 2024年5⽉31⽇にEoLを迎えました
43. AWSのサービス 43 AWS ParallelCluster AWS Batch AWS HealthOmics Amazon EC2 汎用 特化 HPC（スパコン）
44. AWSのサービス 44 AWS ParallelCluster AWS Batch AWS HealthOmics Amazon EC2 Self-service Managed
45. AWSのサービス 45 AWS ParallelCluster AWS Batch AWS HealthOmics Amazon EC2 スケールできない スケールできる
46. AWSのサービス 46 AWS ParallelCluster AWS Batch AWS HealthOmics Amazon EC2 コンテナも動かせる コンテナ必須
47. AWSのサービス 47 AWS ParallelCluster AWS Batch AWS HealthOmics Amazon EC2 Apptainer コンテナも動かせる Docker コンテナのみ対応
48. AWSのサービス 48 Amazon EC2 Pros ・導入がお手軽 Cons ・スケールしたかったら自前で実装 汎用
49. AWSのサービス 49 AWS ParallelCluster Pros ・オンプレのスパコンライクな使用感 ・EC2なのでカスタマイズ可能 ・Apptainer コンテナ実行も対応可 Cons ・EC2インスタンスの管理が発生 HPC（スパコン）
50. AWSのサービス 50 AWS Batch Pros ・モダンな設計になったスパコン ・ユーザーが管理するリソースが少ない Cons ・アプリは Docker コンテナ化必須 ・Apptainer 非対応 HPC（スパコン）
51. AWSのサービス 51 AWS HealthOmics Pros ・研究者などの現場の方に優しい設計 ・AWSの学習コストを下げるために抽象化 Cons ・アプリは Docker コンテナ化必須 ・Apptainer 非対応 ・スポットインスタンス非対応 ・東京リージョン非対応 特化
52. まとめ 52
53. まとめ ・DNAは文字列情報になるのでコンピュータで処理可能 ・ゲノム解析アプリはOSSが多い ・EC2の様なサーバーか、コンテナが動けば解析できる 53
54. やる気になればできる 54
56. 参考 • https://www.env.go.jp/chemi/rhm/h29kisoshiryo/h29kiso-03-02-02.html • https://www.jst.go.jp/pr/announce/20070310/index.html • https://www.megabank.tohoku.ac.jp/genome/archives/447 56