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UZABASE創業期から10年いるエンジニアから見た「BtoB SaaSのUI/UXってなんだ...
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Hideyuki Takeuchi
October 11, 2018
Business
1
760
UZABASE創業期から10年いるエンジニアから見た「BtoB SaaSのUI/UXってなんだろう?」
2018/10/11のUX Bridge vol.7で発表した資料です。
広義の意味でのUXについて話してみました。
Hideyuki Takeuchi
October 11, 2018
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Transcript
UZABASE 創業期から10 年いる エンジニアから見た 「BtoB SaaS のUI/UX って何だろう?」 たけうち ひでゆき
@chimerast @chimerast 1
自己紹介 たけうち ひでゆき @chimerast 株式会社ユーザベース 社内ニート チーフテクノロジスト 全方位型エンジニア 物理レイヤーからフロントエンドまで 全職種の人と大体話を合わせられる
@chimerast 2
だいたい金から逆算して考える人間 @chimerast 3
一応会社紹介 株式会社ユーザベース ( 東証3966) ユーザベースは、「経済情報で、世界を変える」ことをミッションに掲 げ、2008 年に設立しました。 「世界中のビジネス情報をテクノロジーと専門家の力で整理し、ビジネ スパーソンの生産性を高め、創造性を解放する事で世界に変革を起こし たい」という志をもって、企業・業界情報プラットフォーム
「SPEEDA 」と、ソーシャル経済メディア「NewsPicks 」、日本最大級 のスタートアップデータベース「entrepedia 」、B2B マーケティング プラットフォーム「FORCAS 」など を開発・運営しています。 @chimerast 4
UZABASE でのお仕事遍歴 その1 過去 CTO 的ななにかとしてプロダクト立ち上げ担当 SPEEDA をゼロから作る NewsPicks をゼロから作る
FORCAS をゼロから作る @chimerast 5
UZABASE でのお仕事遍歴 その2 現在 CIO 的ななにかとして プロダクトや会社の整理整頓後始末 社内のIT による業務改善 内部統制・セキュリティ関連
ベンチャーキャピタリスト UB Ventures @chimerast 6
エンジニア / UI(?) / UX(?) 遍歴 小学校1 年生の時に親にPC-8801 を与えられN88-BASIC で遊ぶ
高校1 年生の頃(90 年代後半) 、DTP に目覚め 学校のお金を使って運動会・文化祭のパンフレットを作り 同高校として初めてデジタル入稿して業者を困らせる 組版の話とか分かる 高校2 年生の頃、本格的にプログラムを作る事に目覚める 修士1 年生の頃、受託開発会社を起業してBtoB 、BtoC 、IoT 等々 多数のプロダクトをゼロから作る仕事をする 修士4 年生の時にUZABASE 創業期に参画 @chimerast 7
いわゆるパソコン大好き少年でした @chimerast 8
今日のお話 1. BtoB SaaS におけるUI/UX って何だろう? 2. 社員も知らないUZABASE UI/UX 以前裏話
@chimerast 9
第一部 BtoB SaaS における究極の UI/UX ってなんだろう? 副題: UI/UX 以前のお話し (
広義でのUX) @chimerast 10
BtoB SaaS において 顧客は何に対してお金を払ってるか? @chimerast 11
便利な機能? 使いやすいインターフェース? かっこいいインターフェース? @chimerast 12
便利な機能? 使いやすいインターフェース? かっこいいインターフェース? @chimerast 13
時間を買っている 情報・知見を買っている @chimerast 14
UZABASE の プロダクトにおける例 @chimerast 15
企業・業界情報プラットフォーム「SPEEDA 」 SPEEDA は、ビジネスパーソンの情報収集・分析における課題を解決す る最先端のプラットフォームです。世界中の企業情報、業界レポート、 市場データ、ニュース、統計、M&A などあらゆるビジネス情報をカバ ーしています。 @chimerast 16
@chimerast 17
@chimerast 18
@chimerast 19
@chimerast 20
@chimerast 21
創業者 梅田・新野のお言葉 高い給料をもらってる投資銀行の新人達が ただ情報を集めてExcel/PowerPoint 作ってるの ほんとお金と時間の無駄だと思うんだよねー @chimerast 22
@chimerast 23
ソーシャル経済メディア「NewsPicks 」 NewsPicks は、経済ニュースを業界人や専門家のコメントとあわせて読 むことができるサービスです。国内外100 メディアのニュースのほか、 NewsPicks 編集部が作成するオリジナル記事も配信しています。 @chimerast 24
@chimerast 25
@chimerast 26
@chimerast 27
創業者 梅田のお言葉 なんかもっと気軽に専門家の ダイレクトな意見が聞きたいなー そんな場所を作りたいんだよねー @chimerast 28
@chimerast 29
BtoB SaaS における 究極のUX を考えてみる @chimerast 30
ボタンを押したら 仕事が全て終わっている @chimerast 31
簡単にはとれない情報がそこにある @chimerast 32
@chimerast 33
@chimerast 34
1. ボタンを押したら仕事が全て終わっている 2. 簡単にはとれない情報がそこにある この二つのどちらかが満たされていれば 顧客はお金を払ってくれる @chimerast 35
BtoB SaaS ではUI/UX を考える時に この二つの条件はすごく大事 @chimerast 36
第二部 UZABASE 社員も知らない UZABASE UI/UX 以前の裏話的事例 @chimerast 37
事例1 SPEEDA には非常に長い間 デザイナーはいなかった @chimerast 38
SPEEDA にデザイナーはいなかった 2008 年創業以来2015 年2 月まで SPEEDA にはデザイナーはいなかった エンジニアやプロダクト企画がお気持ちで デザインをやっていた
注意 一応、自己紹介でも書いたとおり、僕は組版の話とかわかるレベル 別のエンジニアもデザインルールの勉強はしていた @chimerast 39
ここで得た知見(???) 条件を満たしていれば、プロフェッショナル向けBtoB SaaS は多少UI がアレでも売れる SPEEDA は、1 アカウントを十数万円/ 月で 昔からほぼ同じ価格値引き無しで絶賛販売中
@chimerast 40
待望のデザイナ採用 とはいえ、プロフェッショナル以外に対しては、 わかりやすいUI/UX が必要 2015 年2 月にUX Bridge vol.1 に登壇した
広田が入社してくれてSPEEDA が綺麗になった プロではない事業会社向けに拡販のタイミング @chimerast 41
プロフェッショナル向けと それ以外は求められるUI/UX が違う プロフェッショナル以外はシンプルなUI が必要 それこそボタンを押したら答えが返ってくる プロフェッショナルは、複雑な使い方をしたいので 様々な項目が必要 @chimerast 42
@chimerast 43
@chimerast 44
事例2 NewsPicks は足で営業して 初期コアユーザ獲得をしていた @chimerast 45
NewsPicks は足で営業していた 初期プロダクトは実はiPad 版しかなかった 梅田の考えた初期ペルソナが朝食を食べながら 優雅にソファーで新聞を読む層 梅田はiPad を担いで業界著名人に 使ってPick してくれとお願いしに行っていた
人によってはiPad そのものをプレゼントしてた @chimerast 46
でも実はとても重要なこと 忙しい人はそれくらい熱意を持って営業しないと 使ってくれない NewsPicks は業務で活躍している忙しい人に コメントをたくさんして欲しかった ちなみにSPEEDA というプロダクトがあったから、 その忙しい人たちに話に行けたという事実は、 今の社員はほとんど知らない(
と思う) 梅田も忘れてる @chimerast 47
ここで得た知見(???) UI/UX 改善だけに頼りすぎない UI/UX 以外も獲得や継続率を上げる方法は沢山ある コミュニティ形成は対面も非常に重要 ちなみに初期iPhone 版NewsPicks も エンジニアが考えた奇抜なデザインだった
でもそこでしかとれない情報があったので コアユーザは使い続けてくれた @chimerast 48
事例3 最終的なUX を上げるために 一時的にUX を下げる @chimerast 49
NewsPicks 実名登録 サービス開始から2 年半ほどたった、2016 年2 月、NewsPicks で自分 のコメントを人に読んでもらうのに 実名を登録確認する作業を追加 当然UX
に大きく影響を与えるのは認識していた 様々な肯定的・否定的なご意見もいただいた @chimerast 50
それでもなぜ踏み切ったか ビジネスの世界は誰が何を言っているのかが 非常に重要な世界 長い目でユーザの体験を考えると 全員実名でコメントしてもらうことが 良い結果になると判断した 今の状態を見るに正しい決断だったと思う @chimerast 51
ここで得た知見(???) プロダクトが最終的にどういう世界を 目指したいのかを考えることはとても重要 その世界でしか得られない体験は何かを考える @chimerast 52
本質的に伝えたかったこと @chimerast 53
「あったら便利」ではなく 「ないと困る」体験の設計を目指す @chimerast 54
「ないと困る」サービスは それが必要なユーザは離脱しない @chimerast 55
「ないと困る」は 当事者になると見つけやすい @chimerast 56
ご静聴ありがとうございました @chimerast 57