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12 keywords of Data Dashboard

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February 22, 2026

12 keywords of Data Dashboard

ダッシュボードにまつわる12のキーワード

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Hikaru Kashida

February 22, 2026
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  1. 早稲⽥⼤学 理⼯学研究科(物性物理)6 年 あまり深く考えずに通っていた. データやExcel に馴染めたのは良かった. 外資系戦略コンサルティングファーム(経営戦略コンサル)4 年 事業の仕組みに触れる仕事は⾯⽩い. グローバルメンバーと働くうちにデータの強さに気付く.

    データサイエンス専業会社(Data Scientist )2 年 プログラミングや統計モデルに触れる. 楽しかったが、それ⾃体が⾃身のコアでないことも理解. フリマアプリスタートアップ(Head of Data Analyst )4 年 様々なデータ分析の経験. 会社の環境的にもデータの仕事としても最高に楽しい4 年間. ある意味でひとつのキャリアハイ ⽇本政府 デジタル庁(政策ダッシュボード)3 年 / To be continued なんの縁か政府の仕事をしている Speaker - Hikaru Kashida Hikaru Kashida
  2. 民間企業での経験(2016-2020 ) https://seleck.cc/1201 (2018 ) データの仕事は楽しい。 ここでの経験によってデータに対する姿勢や哲学が形成 された. データはうまく使えば、会社やチームを強くす るための強⼒な武器になるという確信

    分析の⼿法の高度さや巧拙以外の要素のほうが、事業に 与える直接的なインパクトは⼤きい. タイミングと着眼点、仮説構築、周囲との対話、データ の⾒せ方、指標設計のセンス 等.
  3. 民間企業での経験(某フリマアプリスタートアップ) 分析タスクジャンル データの⽬的 データで答えるべき問い(⼀例) ⽤いられる方法論 Feature Evaluation アプリ機能の改善評価 ・商品⼀覧のUI は2

    列 or 3 列でどちらが優れているか? ・どのような検索アルゴリズムが購買に好影響か? 機能のA/B テスト(RCT ) User Interface, 新機能, 検索アルゴリズム, etc. CRM Planning / Evaluation 新規顧客の獲得、 および顧客価値の最⼤化 ・5%/8% offのどちらのほうがビジネスに優位か? ・1000ptプレゼントはLTVベースでPay-Backしうるか? インセンティブ設計(推算) ・評価(RCT ) LTV Impact Estimate Business Planning/ Estimation 事業計画 ・どういった計画モデルが運営上で最適か? ・あるKPI の想定下でYoY 成長率はどうなるか? 事業計画のモデル化とKPI とのAlignment, KPI の感応度の分析・シナリオ分析 KPI Design 重要な事業計数(KPI )の 設計・浸透 ・事業の状況を理解するための最適なKPI の分解は? ・どういった事業数値を誰がいつ⾒るべきか? KPI モニタリング(ダッシュボード等) KPI 流通チャネルの設計 User Segmentation 最適なユーザ分類方法の 設計と事業適⽤ ・数百万いるユーザをどう分類するべきか? ・各セグメントごとにどういったCRM が最適か? ユーザセグメンテーション策定、運⽤ Strategic Insight 戦略・企画の方向性の材料と なる数値根拠の提供 ・利用の継続率 / 出品率を上げるために何が必要か? ・成長のための今後注力すべきカテゴリ/ 顧客区分は? 相関の分析、セグメントごとの数値評価 等 Investigation ⼀時的なトピックの分析 (多くはネガティブチェック) ・今週の売上が減少している理由はなにか? ・カテゴリAの優先度を下げた場合の売上毀損規模は? 単純な時系列分析、カテゴリ定量化 等 Exploration / Knowledge Base 施策の種となる⾃由な分析 / 過去の分析のメタ整理 ・迅速に購入が決定されるジャンルの特徴とは? ・売れやすい商品の特徴とは? イシューによって様々 1 5 3 7 2 6 4 8 継続的な タスク 瞬間的な タスク
  4. 1 語源 Origin 対比 Comparison 前提 Constraint 2 特徴 Specification

    恩恵 Benefit 代替 Alternative 3 限界 Limitation ⼆項対立 Dichotomy 限界の克服 Overcome Limitation 4 哲学 Philosophy 現実 Reality 思想 Ideology ダッシュボードの[ ] ー 12 のKeywords.
  5. Origin ダッシュボードの語源 データ・ダッシュボード もともとのダッシュボード(⾺⾞) ⾞のダッシュボード もともとの語源 = ⾺⾞ Dash +

    board Dash = ⾺⾞が勢いよく⾛る Board = 勢いよく⾛ることで跳 ね上がる泥などがぶつかる板 ⾞を運転する際の計器系がある 前⾯部分 = ダッシュボード 運転に必要な情報が集約されて いるボード
  6. ⾞の運転においてダッシュボードはどの程度重要か? 速度計: スピードが出過ぎていないか? 給油: 燃料は⼗分か? アラート:故障している箇所はないか? ナビ:⽬的地への方向・距離は?所要時間は? ビジネスでもおおよその状況は相似 売上: 順調か?⽬的は達成できるか?

    ⾏動率:異変はないか? 顧客継続率: 離反が起きていないか? etc.. Comparison ダッシュボードの対比(⾞ vs. 事業) 運転に必要となる情報 → 適宜の判断(短期・長期) 経営に必要となる情報 → 適宜の判断(短期・長期) ただし、ビジネスのほうが、状況が幾分複雑
  7. 1. 組織の複雑性 ⾞の運転はひとり↔事業運営は組織. 組織の構成員はそれぞれの情報量や モチベーションが異なることが普通. e.g. Principle−Agent Problem 事業成果のために組織構成員の 意識統⼀機能が求められる

    多様な人間が、少ない説明で咀 嚼可能であることを要請される 2. 事業の複雑性 ⾞の運転に必要な情報は定型的 ↔ 事業運営の場合は多様で流動的 事業の構造やフェーズ等によって必 要な情報は多岐にわたり、かつ優先 度も入れ替わる。 必要な情報の吟味と厳選が必須 掲載する情報の定期的な⾒直しと 柔軟な更新が要請される 3. 情報捕捉 ⾞の運転では必要情報は⽬で⾒える ↔ 事業はそうとは限らない ⾞は視覚を始めとして、運転に要す る情報が五感で補えるものが多い ⼀方で、事業は人に話を聞くなどの 定性情報だけでは不⼗分なことも。 事業判断に役立つ情報をデータ として確実に集める必要がある Constraint ダッシュボードの前提(要請) → 事業が持つ前提が、ダッシュボードに⼀定の条件を要請する
  8. Specification ダッシュボードの特徴 → これらの特徴によってビジネス実務での有⽤性が説明される 更新性 数値が逐次で更新される 経過を追うことができる 統合的 複数の情報が集約される 多⾓的な情報分析

    ⼀貫性・反復性 常に同じものが⾒れる 定義が⼀貫している 過去との比較が可能 選択的 数多くの選択肢の中から、 重要度が高い情報を掲載 共有性 複数人で同じ情報を⾒る 情報を得るコストが低い 対話的 ⾒たいものを適宜深堀り 可能 可視化・直感的 グラフや色などを使った、 視覚的な情報を提供
  9. 更新性・統合的・共有 複眼的な視点で、傾向や異変に気付ける → ①組織としての問題発⾒ / 学習 選択的・⼀貫性・共有・直感的 組織の構成員(複数人)で、選抜された情報に反復的に触れる → ②組織としての価値観、⽬的意識の統⼀.

    更新性・直感的(・共有) 現実と理想のギャップを明⽰的に視覚化 → ③問題解決意欲の喚起 対話的・統合的 気になる箇所を深堀りできる、様々な情報を複眼的に⾒ることができる → ④問題と原因の特定(深堀りにより分析、カテゴリ間の比較など) Benefit ダッシュボードの恩恵 → 前⾴の各特徴の組み合わせによって、下記のようなダッシュボードの利点が現出する いずれもビジネスの 成功に重要な要素
  10. Alternative ダッシュボードの代替 → 前⾴の恩恵が重要でないシーンでは、強いてダッシュボードという⼿法を⽤いずとも良い ダッシュボード ↔ アドホック分析(⼀回性の分析) 例) 変化に乏しく、逐次的に⾒ていく必要がない情報 体重

    → ダッシュボードが適す / アレルギー検査 → ⼀度やれば、数年は必要ない 変化はしうるが、現状↔⽬的 の関係が薄く、数値の把握が何にも結びつかないもの 体調管理の⽬的があるのであれば、摂取カロリーのトラッキングや家計管理は意味がある が、⽬的意識がなく家計簿を付ける人は意味がない → 継続的・反復的なデータのトラッキングは⼀定のコストがかかる。 ⼀回きりの分析による情報で満⾜できないか、吟味をすべき。
  11. ダッシュボードは便利だが、万能でもなければ無限でもない. 特に情報量には⼀定の抑制が求められる. 1. 紙幅が限定される 2. デジタルであっても、技術・デザイン・閲覧者の認知的な限度はある 3. 複数の人間が⾒てわかることが求められる 指標の数、カテゴリの数、色の数、指標の定義 など

    可能な限りシンプルにしな ければ、やがて⾒なくなる また、本質的で重要で、本当に⾒たい情報がなければ、⾒られない そうなると、ダッシュボードの特徴である「更新性」や「共有性」は意味を失う Limitation ダッシュボードの限界 データ ダッシュボード 栄養バランス 弁当箱のキャパを加味 適切な調理 盛り付け、映え
  12. 情報量 情報量 情報量 吸収率 吸収率 吸収率 A. ⼀定規模の組織(e.g. スタートアップ) 適度な情報量が⾯積を最⼤化する

    B. 規模が⼤きく多様な構成員の組織(e.g. 国) 情報量の増加に対する吸収率の劣化が強い C. 情報処理能⼒が極めて高い存在(e.g. AI ) むしろトレードオフが存在しない 情報過多 ⼀定以上の複雑な情報 は咀嚼できない 過度な単純化 最適な情報圧縮 シンプルな情報が最適解となる 情報量が多ければより文脈を 踏まえた推論が可能 ※ ここで提⽰した関数形は概念図であり、なんら厳密なものではない Dichotomy ダッシュボードの⼆項対立
  13. 入⼿が可能な 全ての情報範囲 重要な情報 かつ咀嚼可能な分量 情報を前提にした 人間による判断 アクション 情報の適切な取捨選択が 要される 吸収率を高めるための

    適切な表現が要される (指標、グラフ表現等) 吸収率が規定される 1 2 3 4 1 →2 2 →3 Overcome Limitation ダッシュボードの限界の克服
  14. Overcome Limitation ダッシュボードの限界の克服①意味のある指標に絞り込む → 指標の作成と選択は、経営とデータの複数の視点から複雑な条件によって決まる。経験値が要される世界。 → よってここでは、指標/ ⽬標策定の⼀般的なフレームワーク「SMART 」を紹介するに留める。 Specific

    具体的に。抽象的ではなく、誰が⾒ても明確で具体的なもの Measurable 測定可能な。数量的に表せるもの Achievable 達成可能な。数値として現実的に到達しうる⽬標と、それを表わす指標を選ぶ。 Relevant 関連する。最終的なゴールに関連の深い⽬標を選ぶこと Time-Bounded 重要な情報は事業のフェーズ等によって変化することが⼗分にありえる
  15. Filtering : 不要データの除去、取捨選択 Aggregation : 平均や中央値などの集約・要約処理 Labeling : データやカテゴリーへの名称の付与 Structuring

    :階層化、分類などの構造化 Visualization :グラフ・チャートなどの視覚情報の活⽤ Comparison :比較による⽰唆 Contextualization :文脈・前提・⽬的との関連付け 情報を絞り集約する 人間の頭で認識しやすく・覚えやすくする 意味を⾒出しやすくする Eppler の「情報構造化操作(Information Structuring Operations ) 」理論 − 7 つの操作 人間は処理できる情報量に限界があり、構造化された提⽰がなければ理解・判断・⾏動につながらない この前提のもと、各操作は「人間がより正確に、速く、持続的に理解し、記憶し、活⽤する」ための補助的プロセス Overcome Limitation ダッシュボードの限界の克服②意味のある情報に近づける操作(Eppler ) → 指標の作成と選択は、経営とデータの複数の視点から複雑な条件によって決まる。経験値が要される世界。
  16. ー原泰久『キングダム』 (集英社、2017 年)46 巻より引⽤。 漫画『キングダム』のワンシーン。 秦の法家である李斯が、文官である昌文君に対し 「“ 法” とは何だ?」と尋ねます。これに対し昌文君は、 「刑罰をもって人を律し治めるものだ」と答える。

    李斯は「刑罰とは⼿段であって法の正体ではない」と切 り返します。そこで、昌文君が「では、法とは何なのだ」 と李斯に問い返し、李斯が答えた場⾯です。 Philosophy ダッシュボードの哲学
  17. Philosophy ダッシュボードの哲学 ダッシュボードで追うかもしれない数字の例 体重・体脂肪 理想の体型や健康状 態を⼿に入れたいと いう願いがある 貯金額 ある経済状況に到達 したいという⽬標

    企業の売上 より影響⼒のある会 社になりたい スコア より高い(⽬標の) 得点を取りたい e.g. テスト、スポーツ 等 無条件に価値があるものではなく、 「xx な状態のほうが良い」という価値判断を含むもの。 ⾃分のなりたい姿を投影したもの。つまり、 「願い」でしかない
  18. Reality ダッシュボードの現実:事業の役に立つか? Yes 下記は代表的な3 つの効⽤ 1 2 3 2 共有認識

    事業として何を⽬指しているか、 何を重視しているかの組織内意識の 統⼀に非常に⼒を発揮する 重要な指標・顧客の分類など、 ある⾒方を組織全体で⾒ていく中で ⾃然と意識が統⼀される e.g. 顧客セグメント 1 課題発⾒ 組織内の多様な構成員の⽬に数値 が晒されることで、複眼的な視点 で事業の問題点やリスクを指摘 事業のメンバーは、その職責や 専⾨性によって持っている情報や 着眼点が違う 多⾯的な視点で事業を俯瞰する e.g. 売上の急増 3 ⽬標達成 数値が逐次で更新され、⽬標(Tobe ) と現実(As-Is )の差分を可視化するこ とで⽬標達成意識の強度を高める ⽇々客観的な情報(数値)を追うこと で、⽬標到達に対する意識が高まる e.g. OKR マネジメント
  19. Ideology ダッシュボードの思想:言葉や数字が世界を形作る 虹は誰にとっても7 色か? 認識論における議論 花の名前を区別して⽣きているか? 五⽉⾬という英語はあるか? カテゴリ別売上か、顧客数× 単価か? ロイヤルユーザ

    は存在するのか? 言葉が人の世界の⾒方を形作るように、 数字が事業を形作る。 特に、数字について反復・共有・⼀貫・選択的に⾒ ていくことが有効 = ダッシュボード