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統合報告書2024

 統合報告書2024

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ディップ株式会社

October 05, 2022
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  1. 私たちディ ップを突き動かしてきたのは、 dipの社名に刻まれた 「夢 (dream) アイデア (idea) 情熱 (passion) 」

    です。 これまで、 dream idea passion を原動力に幾多の困難を乗り越えて 大きな成長を遂げてきました。 AI・ ロボティクスの進化により労働市場が大きく変化している中で、 私たちは“新時代”の到来を待つのではなく、 新たな夢を自ら描き、 時代を 「創っていく」 存在でありたいと考えています。 今こそ世の中に 「InnoVation」 を起こし、 新時代を創ることで、 誰もが働く喜びと幸せを感じられる社会の実現を目指してまいります。 dipのロゴは、 PCやスマートフォン上の表記を指でなぞると、 光が飛びか い元の形に戻るインタラクティ ブロゴとなっています。 ロゴカラーは白で、 デジタルメディア上の光を生む三原色、 青、 緑、 赤が混じり合って生まれる 色です。 dreamを青、 ideaを緑、 passionを赤とし、 様々な光の粒と色は、 多様性に富んだ社員を表し、 その躍動感を伝えています。 そして様々に 形を変えることに、 dipの変化対応力の強さが表現されました。 世界的に 著名なウルトラテク ノロジス ト集団 「チームラボ」 が手掛けた作品です。 2 1 dip Integrated Report 2024
  2. CONTENTS マネジメントメッセージ 11 CEO MESSAGE 19 COO MESSAGE 25 CFO

    MESSAGE 35 マテリアリティ マテリアリティ 29 価値創造プロセス 31 価値創造の根幹にあるdipのフィロソフィー 33 フィロソフィーの体現による価値創造 価値創造プロセス 49 日本における有期雇用労働者に関する今後の需給動向とそれを規定する要因 51 中期経営計画「dip30th」の全体像 53 中期経営計画「dip30th」 2025年2月期~2027年2月期 57 事業戦略 65 人的資本戦略 69 財務戦略 成長戦略 Introduction 05 フィロソフィーにもとづく経営 07 事業概要 09 価値創造のあゆみ ガバナンス 73 コーポレート・ガバナンス ―社外取締役メッセージ― データセクション 87 財務・非財務データ 89 外部格付け・認証一覧 / 会社情報・株式情報 91 SPECIAL PAGE ―dip ブランドアンバサダー 大谷翔平選手― • 将来見通しに関する特記 本統合報告書で記載している業績予想ならびに将来見通しは、 本報告書発行時点で入手可能な 情報に基づき当社が判断した予測であり、 実際の業績などは社会情勢や経済状況などの様々な 要因により大き く異なる可能性があることをご承知おき ください。 統合報告書2024発行にあたって dipの統合報告書は、 価値創造の根幹である 「フィロソフィー」 を軸に、 これまでの歴史の中で培われてきたビジネスモデル における強みにより社会に提供してきた様々な価値、 「目指す社会」 の実現に向けた取り組みについてまとめています。 統合報告書2024では、 AI ・ テク ノロジーの進化により 「人間の意義 ・ 意味 ・ 価値」 が問い直されている時代において、 社会の 変化に機敏に対応し、 新たな挑戦で進化するdipの企業価値向上のス トーリーや取り組みをお伝えしています。 「価値創造プロセス」 のパートでは、 「フィロソフィーで結びつく人的資本」 が価値創造の源泉としてどのような役割を果たし、 価値を生み出すかを解説しています。 「マテリアリティ」 のパートでは、 「目指す社会」 の実現に向けた課題解決のため、 フィロソフィーを軸に取り組んでいる内容 をお伝えしています。 「成長戦略」 のパートでは、 イノベーションを起こして高い成長を実現するための道筋である中期経営計画について説明し ています。 「ガバナンス」 のパートでは、 持続的な企業価値向上に向けたコーポレート ・ ガバナンス体制と取り組みについて記載してい ます。 本統合報告書をもとに、 多様なステークホルダーの皆様との対話をさらに重ねてまいりたいと考えています。 法令にもとづく開示を適切に行うことに加え、 会社の意思決定の透明性 ・ 公正性を確保し、 実効的なコーポ レート ・ ガバナンスを実現していく観点から、 主体的な情報発信に努めています。 情報開示 の体系 非 財 務 情 報 将来に向けた情報 現在までの情報 財 務 情 報 当社ウェブサイ ト 統合報告書 (本誌) コーポレー ト ガバナンス 報告書 ESG データブ ック 有価証券 報告書 決算 説明会 決算短信 中期経営計画資料 当社ウェブサイ ト https://www.dip-net.co.jp/ IR情報 https://www.dip-net.co.jp/ir 中期経営計画 https://www.dip-net.co.jp/ir/G006 サステナビリティ https://www.dip-net.co.jp/esg 4 3
  3. Introduction マ ネ ジ メ ン ト メ ッ セ

    ー ジ 価 値 創 造 プ ロ セ ス マ テ リ ア リ テ ィ 成 長 戦 略 ガ バ ナ ン ス デ ー タ セ ク シ ョ ン dip Integrated Report 2024 フィロソフィーにもとづく経営 フィロソフィーは、 dip の挑戦の歴史の中で培われ、 様々な苦難を乗り越える過程で生まれた 経営の根幹であり、 全ての役員、 社員が常に立ち返る原点です。 このフィロソフィーが、 dip の急成長を生み出し、 多くのイノベーションをもたらしています。 Labor force solution company 人材サービスとDXサービスの提供を通して、 労働市場における諸課題を解決し、 誰もが働く喜びと幸せを感じられる 社会の実現を目指します。 One to One Satisfaction 一人ひとりに寄り添う、 「ユーザーファースト」 な サービスを追求します。 私たちのビジネスに関わる全ての人々にと って、 「満足度No.1」 を実現します。 「人が全て、 人が財産」 の信念のもと、 「社員幸福度No.1」 を目指します。 私たちdip は 夢とアイデアと情熱で 社会を改善する存在となる dream 自ら夢を持ち、 語り、 夢の実現に努力する。 私は決して途中で諦めない。 idea アイデアは成長、 発展の源である。 多様性に溢れた自由闊達な社風をつく り、 イノベーターとして価値あるサービスの創造を追求する。 passion まず自らが熱くなり、 周りを熱く する。 惜しげなく誉め、 共に喜び、 悩み、 励まし、 語り合う。 チームワークとリーダーシップで一致団結して勝利を勝ち取る。 1 ピンチはチャンス どんな困難も、 “発想の転換”でチャンスに変える。 たとえチャンスであっても、 油断はしない。 ものごとをあらゆる角度から俯瞰し、 自ら道を切り拓く。 2 チャレンジし続ける どんな状況下でも、 失敗を恐れず、 果敢に挑戦し続ける。 ベンチャー精神のもと、 イノベーターとして、 社会の問題点を解決する。 3 最後まで諦めない 強い意志と行動力で、 途中で決してあきらめない。 やり遂げることで失敗しても、 そこから学び、 より大きな成果を出す。 4 期待を超える 言われたことをただ受け入れるだけでなく、 “考え抜き”、 価値ある アイデアを創造し、 周囲の期待を超え、 自ら高い成長を実現する。 5 仕事、 人生を楽しむ 仕事もプライベートも楽しみ、 心身ともに充実した、 幸せな人生を送る。 6 自らが dip を創る 理念のもとに集まる社員一人ひとりが、 強い主体性を発揮し、 新しいdip の未来を築いてゆく。 企業 理念 ビジョン ブランドステートメント dip WAY (行動規範) ファウンダーズスピリット (行動哲学) 6 5
  4. dip Integrated Report 2024 Introduction マ ネ ジ メ ン

    ト メ ッ セ ー ジ 価 値 創 造 プ ロ セ ス マ テ リ ア リ テ ィ 成 長 戦 略 ガ バ ナ ン ス デ ー タ セ ク シ ョ ン 事業概要 “Labor force solution company” ビジョン 人材サービスとDX サービスの提供を通して、 労働市場における諸課題を解決し、 誰もが働く喜びと幸せを感じられる社会の実現を目指します。 人材サービス事業 DX 事業 Human work force solution Digital labor force solution 企業 求職者 求人情報 応募 求人情報/転職支援 応募 転職支援 応募 掲載料 (掲載課金※1 ) 求人広告掲載 掲載料 (掲載課金/ 応募課金※2/採用課金※3) 求人広告掲載 人材紹介手数料※4 人材紹介 人材サービス事業 ※1 掲載課金…弊社運営サイ トへの掲載期間に応じて、 求人広告掲載料をお支払いいただく モデル ※2 応募課金…弊社運営サイ トへ無料で掲載、 応募があったタイミングで掲載料をお支払いいただく モデル ※3 採用課金…弊社運営サイ トへ無料で掲載、 採用できたタイミングで掲載料をお支払いいただく モデル ※4 人材紹介手数料…弊社人材紹介サービスを通じて採用が決定し、 就業したタイミングで手数料をお支払いいただく モデル ESG 経営への評価 「年金積立金管理運用独立行政法人 (GPIF) 」 が採用する ESG投資指数全ての構成銘柄に選定 ※2020年2月期は連結決算を行っていないため、 単体決算での数値です。 注 : 2022年2月期以前の実績は収益認識基準を適用した数値 (試算値) を記載しております。 財務 ・ 非財務ハイライト 収益構造 ・ 売上構成 ビジネスフロー 求人情報 ・人材紹介サービスの提供を通じて、 企業活動の根幹を支える人材採用 ・ 活用を 支援し ています 中堅 ・ 中小企業のDX化に貢献するため、 導入が容易でシンプルな機能のSaaS型の DX商品 「コボッ ト」 を提供しています メディアサービス (求人広告) エージェントサービス (人材紹介) 売上高 収益構造 売上構成比 営業利益・営業利益率 ��� ��� ��� ��� ��� (億円) ����年 �月期 ����年 �月期 ����年 �月期 ����年 �月期 ����年 �月期 ����年 �月期 ����年 �月期 ����年 �月期 ����年 �月期 ����年 �月期 ��� �� ��� �� ��� ��.�% ��.�% ��.�% ��.�% ��.�% (億円) ����年 �月期 ����年 �月期 ����年 �月期 ����年 �月期 (人) �,��� �,��� �,��� �,��� �,��� ��.�% ��.�% ��.�% ��.�% ��.�% 従業員数 女性比率 ����年 �月期 ROE 自己資本比率 ��.� ��.� ��.� ��.� ��.� (%) ����年 �月期 ����年 �月期 ����年 �月期 ����年 �月期 ����年 �月期 (%) ����年 �月期 ����年 �月期 ����年 �月期 ����年 �月期 ����年 �月期 ��.� ��.� ��.� ��.� �.� 親会社株主に帰属する 当期純利益 ����年 �月期 ����年 �月期 ����年 �月期 ����年 �月期 ����年 �月期 ��� � �� �� �� (億円) 従業員数 (契約社員 ・ アルバイト含む) ����年�月期 ����年�月期 ����年�月期 ����年�月期 ����年�月期 売上原価 売上高 人件費 その他販管費 営業利益 広告宣伝費・販売促進費 営業利益率 ��.�% ��� ��� (��.�%) ��� (��.�%) ��� (��.�%) ��� (��.�%) ��� (��.�%) �� (��.�%) �� (��.�%) ��� ��� (��.�%) �� (�.�%) ��� �� (��.�%) �� (��.�%) �� �� (��.�%) �� (��.�%) �� �� (��.�%) ��(��.�%) ��� ��� ��� ��� ��� ��.�% ��.�% ��.�% ��.�% �� (�.�%) �� (��.�%) �� (��.�%) �� (��.�%) �� (��.�%) (億円) DX事業 �� 億円 ��% 人材サービス事業 ���億円 ��% ����年�月期 売上高 ���億円 メディアサービス ��� 億円 ��% エージェント サービス �� 億円 �% 求人情報 応募 紹介手数料 求人広告掲載 サービス利用料 DX サービス DX 事業 8 7
  5. dip Integrated Report 2024 Introduction マ ネ ジ メ ン

    ト メ ッ セ ー ジ 価 値 創 造 プ ロ セ ス マ テ リ ア リ テ ィ 成 長 戦 略 ガ バ ナ ン ス デ ー タ セ ク シ ョ ン 1997年〜 時代背景 • インターネッ トの普及 : インターネッ トが急速に普及し始め、 企業のオンラインプレゼンスが重要視されるようになる • ITバブル : IT業界の急成長に伴い、 求人市場も活性化する -- 1999年 : 労働者派遣法改正 (対象業種を原則自由化) 社会ニーズの対応 ・ 提供価値 紙媒体による求人情報が主流だった時代に、 インターネッ ト による情報サービスを始め、 求職者に必要十分な情報量 をいち早く届ける dipの出来事 1997年3月  ディ ップ株式会社設立 1998年1月   IBMとのコンテンツパートナー契約を締結 1999年2月   日本IBMより本年度最優秀コンテンツとして       表彰を受ける 1999年8月  中小企業総合事業団        (現 : 中小企業基盤整備機構) より新規事業創        業助成金の認定を受ける 2000年2月   丸の内フロンティア ・ メンバー        企業第一号に認定 2000年10月  「はたらこねっと」 開始 2001年2月   アルバイ ト ・ 請負情報の提供を開始 2013年〜 時代背景 • アベノミクス :アベノミクスの一環として、 企業の雇用  を支援する政策や労働市場改革が行われる。 特に女性  やシニア世代の労働参加率が向上する -- 2014年: パートタイム労働法改正 (正社員と差別的取り     扱いが禁止される対象範囲の拡大など) 2018年 : 働き方改革関連法成立 (長時間労働の上限規制、     正規と非正規の不合理な待遇差の是正など) 社会ニーズの対応 ・ 提供価値 「バイトル社員」 を 「バイトル NEXT」 にリブランドして、 アルバイトの方の次のステージへの挑戦を応援する dipの出来事 2013年12月 東証一部上場 2014年9月  「はたらこindex」 開始 2016年5月   「バイ トル社員」 を 「バイ トルNEXT」 に変更 2016年6月   「AINOW (エーアイナウ) 」 開始 2017年3月  設立20周年/本社オフィスを六本木 グランドタワーへ移転 2018年3月   「しごと体験 ・ 職場見学」 リリース 2001年〜 時代背景 • 有期雇用労働者の増加 : 有期雇用労働者が全体の労働  者の3割以上になる。 正規社員と有期雇用労働者の間で  賃金格差や待遇格差が深刻化する -- 2003年 : 労働基準法改正 (有期労働契約の上限を1年から3年になど) 2007年 : パートタイム労働法改正 (均等 ・ 均衡待遇の導入) 社会ニーズの対応 ・ 提供価値 モバイルインターネット利用者が増加する中、 全携帯 キャリアに 「バイトル」 「はたらこねっと」 を公式サイトに 掲載させ、 仕事選びを効率化させる dipの出来事 2001年11月  ヤフー株式会社と業務提携 2002年10月  「バイトル」 開始 2003年12月 ヤフー株式会社からの提携解消通告 2004年4月  携帯電話3社の公式サイトに掲載 2004年5月   東証マザーズ上場 2004年10月  「ジョブエンジン」 開始 2006年4月   新卒大型採用スタート 2019年〜 時代背景 • 労働力不足 : 少子高齢化による労働力不足が一層深刻化する  新型コロナウイルス :緊急事態宣言に伴う経済活動の停止  により多くの企業が雇用調整を行い、 失業率は3.1%となる 社会ニーズの対応 ・ 提供価値 労働力不足が深刻化する中、 人材採用の支援に加えて、 DX サービスの提供を開始し労働市場の諸課題の解決に貢献する dipの出来事 2019年4月 AI ・ RPA領域で新事業開始 2019年4月  「Labor force solution company」 を       新たにビジョンとして掲げる 2019年9月  「コボッ ト」 提供開始 2020年3月 新型コロナウイルス感染症による休業時の       経済支援を有期雇用のユーザー向けに開始 2021年5月   「バイ トルPRO」 開始 2021年7月   「dip BATTLES (ディ ップ バトルズ) 」 設立 2021年7月   「ワクチンインセンティ ブプロジェク ト」 開始 2021年11月 「ディ ップ ・ インセンティ ブ ・ プロジェク ト」 開始 2023年2月   「応募時の年齢入力の任意制」 開始 2023年4月  「AI エージェント事業」 開発を開始 2023年4月  「ディ ップ技術研究所」 設立 2023年12月  ブランドアンバサダーに大谷翔平選手が就任 2024年1月  「闇バイトチェックAI」 を導入開始 2009年〜 時代背景 • リーマン ・ ショック : リーマン ・ ショ ックが日本経済に深刻  な影響を与え、 失業率は過去最悪の5.5%となる。 有期  雇用労働者の待遇の悪さや不安定さが浮き彫りとなり社  会問題に発展する -- 2012年8月:高齢者雇用安定法改正 (65歳までの雇用       確保義務化など) 社会ニーズの対応 ・ 提供価値 看護師専門の人材紹介サービスを開始し、 今後さらに社 会的なニーズが高まっている医療 ・ 介護の分野の人手不足 に取り組む dipの出来事 2009年1月  「バイトル社員 (現バイトル NEXT) 」 開始 2009年9月   「ナースではたらこ」 開始 2010年6月   「動画情報サービス」 搭載 2010年8月   「応募バロメーター」 搭載 2013年5月   「レイズ ・ ザ ・ サラリーキャンペーン」 開始 2024年〜 時代背景 • 新型コロナウイルスの影響 : パンデミックによりリモート ワークが普及し、 新しい働き方の形が模索される • 生成 AI の急速な進化と普及 : 生成 AI が多くの職業の生 産性を向上させるとの期待が高まる。 一方で、 セキュリ ティ リスク、 倫理的問題への対策も急務となる 社会ニーズの対応 ・ 提供価値 求人サイトに訪問した人が採用に至る率が数%という 課題に対して、 生成 AI を活用した 「dip AI」 で採用率を 大幅に高めることを目指す dipの出来事 2024年5月  「dip AI」 開始 2024年10月  「スポッ トバイトル」 開始 1998年 2月期 1999年 2月期 2000年 2月期 2001年 2月期 2002年 2月期 2003年 2月期 2004年 2月期 2005年 2月期 2006年 2月期 2007年 2月期 2008年 2月期 2009年 2月期 2010年 2月期 2011年 2月期 2012年 2月期 2013年 2月期 2014年 2月期 2015年 2月期 2016年 2月期 2017年 2月期 2018年 2月期 2019年 2月期 2020年 2月期 2021年 2月期 2022年 2月期 2023年 2月期 2024年 2月期 2025年 2月期 (業績予想) 0 100 200 300 400 500 600 売上高 (億円) 1997.03 ディ ップ株式会社設立 パソナグループ代表 南部氏 (写真右) と代表の冨田 (写真左) 2000.10  「はたらこねっと」 開始 2002.10 「バイ トル」 開始 2009.09 「ナースではたらこ」 開始 2021.05  「バイ トルPRO」 開始 草創期 1997-2000 発展期 2001-2008 変革期 2009-2012 展開期 2013-2018 進化期 2019-2023 革新期 2024年~ 価値創造のあゆみ WEB ▶ https://www.dip-net.co.jp/company/history 価値創造のあゆみ詳細 夢 (dream) とアイデア (idea) と情熱 (passion) 。 この3つを原動力にして、 働く人たちのために働き、 社会をより良く していきたいとの思いが dipの始まりです。 以来、 インターネットによる求人情報の提供を通じ、 顧客企業の人材採用とその活用を支援するとともに、 求職者一人 ひとりが活き活きと働く ことができる社会を創っていきたいと事業に取り組んできました。 今では、 人がもっと豊かに働けるように、 企業の DXを支援する事業も行っています。 草創期 発展期 変革期 展開期 進化期 革新期 2024.10  「スポッ トバイ トル」 開始 2019.09  「コボッ ト」 提供開始 2024.05  「dip AI」 開始 10 9
  6. 「フィロソフィー」 をもとに イノベーションを生み出し、 持続的かつ高い企業成長を実現する 私が創業した1997年は、 インターネッ トの普及率が18% とIT黎明期で、 紙の求人情報媒体が主流でした。 私は

    「イ ンターネッ トによる求人情報サービスによ ってイノベーシ ョンを起こしたい」 という思いで、 求人広告業界で初めて となるポータルサイトを立ち上げました。 それから27年 が経ち、 dipのサービスはインターネッ ト専門の求人情報 サイトとして日本最大級となり、 私一人で創業した会社 は3,000人以上の仲間が集う企業へと成長しました。 そ の過程で多くのイノベーションを生み出し、 急成長を支え てきたのは、 経営の根幹であり会社の魂ともいえる 「フィ ロソフィー」 です。 フィロソフィーは、 企業理念である 「私たちdipは夢と アイデアと情熱で社会を改善する存在となる」 、 「Labor force solution company」 というビジョン、 そして、 ブラ ンドステートメン ト 「One to One Satisfaction」 、 全社員 の行動規範である 「dip WAY」 と、 行動哲学 「フ ァウンダー ズスピリ ッ ト」 で構成されています。 フィロソフィーは、 全ての役員や社員が常に立ち返る 原点です。 一人ひと りがこのフ ィ ロソ フ ィ ーを軸に、 ユーザー や企業、 さらには社会の課題に向き合ってきた結果、 強 い信頼関係やロイヤリティ、 そしてブランド力が育まれて きました。 また、 フィロソフィーの体現を通じて、 多様な個 性を持つ社員一人ひとりがその力を磨き、 最大限に発揮 することで、 ユーザーや顧客企業への貢献を実感し、 やり がいや幸せを感じることができています。 3,000人を超える企業へと成長した今、 その重要性は さらに増しています。 フィロソフィーがあるからこそ組織 の一体感が高まり、 その中で個々の持つ力が発揮され、 それが掛け合わされて、 成長の大きな原動力となるのです。 だからこそ、 フィロソフィーの浸透が創業者である私の重 要な責務と考えています。 そのため、 全社員が一堂に会し、 私が経営方針を直接 伝える社員総会をはじめ、 毎四半期末に行われる締め会、 新サービス ・ プロモーションなどの社内発表会、 新卒/管 理職研修、 社内SNSでのメッセージ発信、 社員との食事 会など、 多様な機会を通じて社員一人ひとりに向き合い、 心を込めて語りかけるとともに、 社員の声に直接耳を傾 けています。 こうした社員との対話を通して、 社員一人ひ とりの日々の行動にフ ィ ロソ フ ィーがより深く根ざすことで、 イノベーションを創出 ・ 実現する大きな力が生み出され、 持続的かつ高い企業成長が実現でき るものと考え ています。 ▶ フィロソフィーにもとづく経営P5 CEO MESSAGE - 誰もが働く喜びと幸せを感じられる社会を目指して - イノベーションで新時代を創る 冨田 英揮 代表取締役社長 兼 CEO (最高経営責任者) ▲新卒研修での社長講話の様子 12 11 dip Integrated Report 2024
  7. 多様なユーザーのニーズに応えるとともに、 働く人のモ チベーション向上、 有期雇用労働者の待遇 ・ 地位向上に つなげていく ことができます。 これらの挑戦は、 dipが掲げるマテリアリティへ対応し、

    dipとユーザー ・ 顧客企業が 「つながり続ける世界」 を実 現し、 事業の可能性を広げていきます。 だからこそ、 今期 を 「第二の創業」 と位置づけ、 創業以来の大きな変革に 全社員一丸となって挑んでいます。 挑戦その1  「dip AI」   「dip AI」 の世界観 -自分で仕事を探す時代からAIと対話しながら 最適な仕事に出会える時代へ- 求人情報の歴史は、 新聞の 「求人欄」 に始まり、 求人専門 誌を経て、 インターネッ ト、 スマートフ ォ ンへと進化しました。 インターネッ トの普及により、 情報量が飛躍的に増え、 多 様な職種や条件が提供されるようになり、 仕事探しは便 利になりました。 そのテク ノロジーの進化の中で、 最も私 たちの生活に影響を与えるのが 「AI」 と言われています。 そこでdipは、 1つ目のイノベーシ ョン 「dip AI」 をリリー スしました。 「dip AI」 は、 従来の 「大量の求人情報から 検索する ・ 選ぶ」 という仕事選びのあり方を大き く転換さ せ、 AIが求職者に寄り添い、 対話を通じて、 一人ひとりの 潜在的ニーズや将来の夢、 特技、 性格に合った仕事を提 案するサービスを実現します。 私たちが手掛ける人材サービスには、 「バイ トル」 「はた らこねっと」 など、 サイ ト上で求職者と採用企業をマッチ ングさせる求人広告 (メディ ア) と、 「ナースではたらこ」 「介 護ではたらこ」 など、 キャリアアドバイザーが介在し求職 者の仕事選びをサポートする人材紹介 (エージェント) の 2つのモデルがあります。 一般に、 求人広告より人材紹介 の方がきめ細かなサービスを提供できることから、 正社 員の転職領域では、 求人広告から人材紹介へ移行しつつ あります。 一方、 アルバイ トなど有期雇用労働者を対象と する領域においては採用単価の低さを理由に、 「人」 が介 在する人材紹介の実現は困難でした。 しかし、 「人」 の代 わりに 「AI」 がユーザーに寄り添い、 対話することで、 そ の人の潜在的なニーズや将来の夢、 特技、 性格などに合 dipが取り組む社会課題 日本は、 少子高齢化の進展で本格的な人口減少局面に 突入し、 構造的な労働力不足の課題に直面しています。 また、 平均賃金※1は主要先進国を下回り、 OECD (経済協 力開発機構) 平均にも及ばない状況が続いており、 格差 や貧困がより深刻な問題となっています。 こうした労働市場の課題を解消するため、 多様な就業 機会を創り出し、 雇用のミスマッチの解消を推進するとと もに、 テク ノロジーの活用により、 企業が採用した人材の エンゲージメントとスキルを高め、 経済生産性を向上さ せる支援に取り組んでいます。 また、 多様な年齢、 性別、 国籍、 バックグラウンドを持つ人々がいきいきと働ける環 境の整備も重要です。 これらをマテリアリティとして掲げ、 誰もが働く喜びと幸せを感じられる社会の実現を目指し、 全力を注いで事業に取り組んでいます。 ▶ マテリアリティP35 これまでdipは労働市場の課題を解決するため、 「ユー ザーファースト」 にもとづき、 独自のサービスや機能を展 開してきました。 私が特にこだわって取り組んできたのは、 「有期雇用労働者の待遇改善」 です。 フィロソフィーに共 感する営業社員が、 採用企業に時給アップを働きかけた 結果、 時給がアップした求人※2は100万件を超え、 サイ ト 掲載案件の平均時給は他の求人サイ トをしのいで 「No.1」 となっています。 採用企業にとっては人材の確保や定着 率の向上を通じて採用力の強化につながっています。 さらに、 「年齢バイアスの撤廃」 にも強力に取り組んで きました。多様性とアイデンティティを尊重する DEI (Diversity, Equity & Inclusion) 推進の観点から、 求人 に応募する際の年齢入力を任意にすることに踏み切りま した。 これによ って採用時の属性バイアスが解消され、 シ ニア層など多様な世代が活躍するチ ャ ンスが広がりました。 企業にと っても幅広い世代の人材活用を考えるき っかけ になっています。 また、 中堅 ・ 中小企業の生産性向上を目指し、 2019年 には 「DX事業」 を開始しました。 大企業に比べてDX化 が進んでいない中堅 ・ 中小企業向けにパッケージ化した DXサービスの 「コボッ ト」 を開発し、 すでに1万3,000社 を超える企業が導入しています。 近年では、 中堅 ・ 中小企 業の 「採用」 だけでなく、 「集客」 も支援し、 顧客企業の生 産性向上に貢献しています。 ▶ 価値創造のあゆみP9 創業以来最大の 「イノベーション」   今期、 大きなイノベーションとなる2つのサービスを開始 しました。 新サービス 「dip AI」 と 「スポッ トバイ トル」 です。 これらのサービスは社会に大きなインパクトを与える可 能性を秘めた、 dipにとっても創業以来最大の挑戦とな ります。 「dip AI」 は、 従来の 「大量の求人情報から検索する ・ 選ぶ」 という仕事選びのあり方を大き く転換させ、 AIが求 職者に寄り添い、 対話を通じて、 一人ひとりの潜在的ニー ズや将来の夢、 特技、 性格に合った仕事を提案するサー ビスを実現します。 「スポットバイトル」 は、 日本初※3の独自機能 「Good Job ボーナス」 を搭載したスポッ トのバイ トサービスです。 「Good Job ボーナス」 は、 就業後に事業主 (企業) から 「Good」 評価を受けたワーカーに対して、 給与とは別に 当社負担でボーナスを支給する独自機能で、 これにより 14 13 dip Integrated Report 2024
  8. った仕事を提案する人材紹介サービスを実現できます。 「dip AI」 によりマッチング精度を高め、 就業率を向上さ せることで、 大きな収益機会を創出することが期待でき ます。 「dip AI」

    の差別化 -対話を重ねてユーザーに寄り添い、 日々の生活の中でつながり続ける- 「dip AI」 は、 東京大学松尾 ・ 岩澤研究室の成果活用型企 業である株式会社松尾研究所と連携し、 最先端の技術 開発を行っています。 AIの効果的な運用には、 学習させるためのデータの量 ・ 品質が非常に重要です。 dip は120万件以上の業界最多 の求人情報を保有しており、 2,000名の営業社員が収集 し蓄積する 「正確かつ豊富な企業側の情報」 を強みとし ています。 また、 dipの求人メディアを通じて職探しを行 うユーザーに関する、 質の高いデータがあります。 これら dip独自の情報 ・ データを活用し、 「dip AI」 でのマッチン グ精度を高めることで、 採用率が大幅に向上し、 企業の 採用難や人手不足の解消に大き く貢献できると考えます。 従来、 dipとユーザーの接点は 「アルバイ トを選ぶ“時 間”」 に限られており、 日々の生活の中で接し続けている わけではありませんでした。 しかし、 「dip AI」 の最大の特 徴は、 仕事選びのときだけでなく、 採用後もユーザーと 対話を続けることが可能になることです。 「アルバイ トを 頑張っ ているね」 と励ましたり 、 「仕事でつらいことはない ? 」 と心配したりするなど、 日常的に寄り添う存在となります。 さらに、 働き方のアドバイスも行えます。 ユーザーに寄り 添い、 つながり続けることができる 「dip AI」 は、 多く の人々 にと っ てかけがえのない存在になるはずです。 「dip AI」 は、 求人媒体が紙からインターネッ トに変わったとき以上の 革命をもたらすと確信しています。 AI アシスタントの進化レベル レベル �:人間超越型 ユーザーを全面的にサポートし、高度にカスタマイズされた提案をします レベル �:人間同等型 人間のエージェント機能と同等の理解力をもち、適切な提案をします レベル �:真相理解型 ユーザーの潜在的なニーズの理解、個別化された提案をします レベル �:対話支援型 ユーザーとの対話を通して、ニーズを理解し、検索技術を活用し具体的な提案を行います レベル �:基本案内型 基本的な情報提供と案内機能を備え、ユーザーの入力に基づいた初歩的な提案を行います ▲ dip AI の将来構想 ▲日本初 対話型バイト選び 「dip AI」 「dip AI」 の可能性 -テクノロジーの進展や独自のアイデアによ って さらなる事業展開も- 今後 「dip AI」 を通じてユーザーのデータが蓄積されてい く と、 「アルバイ ト先に対してどのような気持ちで働いてい るか」 といったことも分析できるようになります。 dipの営 業担当者はそのデータを活用して顧客企業の課題解決 につなげ、 コンサルタントとしての役割をさらに広げるこ とが可能になるのです。 さらに、 ユーザーとの対話から潜 在的な思いや適性を掘り起こし、 就職やキャリアアップを 支援する新サービスも開発できると考えています。 一方で、 AIの進化が思いがけないリスクをもたらすこ とがあるかもしれません。 そこで、 人材領域におけるAI 活用についての議論を深め、 倫理的なAI開発 ・ 運用、 倫 理規範の社会浸透を推進するため、 社外有識者からなる 「AI 外部諮問委員会」 を2024年8月に立ち上げました。 dipの運営するサービス全般や個別のAIプロダク トに関 してあるべき姿や進化を正しい方向にいかに導くかを議 論し、 その指針策定に活用していきます。 挑戦その2 新サービス 「スポッ トバイ トル」 「スポットバイトル」 の世界観 -日本初の独自機能 「Good Job ボーナス」 で、 アルバイトの待遇 ・ 地位向上を図る- 2つ目のイノベーションは 「スポッ トバイ トル」 です。 「スポ ッ トバイ トル」 は、 日本初※3の独自機能 「Good Job ボー ナス」 を搭載したスポッ トのバイ トサービスです。 近年、 スポッ トワークとしての働き方が広がり、 その市 場はさらなる拡大が見込まれています。 「空いた時間を 有効活用したい」 という柔軟な働き方の需要が増加して おり、 その背景には円安や物価高による家計の逼迫など があると考えられています。 また、 スポッ トワーク求人の 時給相場が低いという課題も指摘されています。 そのよ うな課題に対して、 スポッ トワークで働く方の待遇を引き 上げていくため、 「Good Job ボーナス」 を搭載したスポ ッ トのバイ トサービス 「スポッ トバイ トル」 を2024年10月1 日にリリースしました。 「Good Job ボーナス」 は、 就業 後に事業主 (企業) から 「Good」 評価を受けたワーカー に対して、 給与とは別に当社負担でボーナスを支給する ▶ 「dip AI」 サービス概要P55 ▲ Good Job ボーナス (特許出願中) の仕組み 時給1,400円×5h+手数料30%=9,100円 給与 7,000円 手数料30% 2,100円 9,100円 GoodJob ボーナス 700円 既存サービス例 給与 7,000円 手数料30% 2,100円 9,100円 他社 16 15 dip Integrated Report 2024
  9. 夢とアイデアと情熱で新時代を創る -時代の変化を進化に変え、 持続的な成長を実現させる- 現在、 「dip AI」 と 「スポッ トバイ トル」

    、 そして 「ソリューシ ョン営業への進化」 に、 全社をあげて取り組んでいます。 私たちが提供する価値は、 時代とともに進化しなければ なりません。 しかし、 進化の中にも、 確かで変わらない 「軸」 がなければ、 その進化は脆いものとなります。 その軸こそ が 「フィロソフィー」 です。 社員一人ひとりがその体現に真 摯に取り組むことで、 イノベーションを起こし、 持続的な 事業成長と企業価値の向上を実現できると私は確信して います。 私はその先頭に立って、 夢とアイデアと情熱で新時代 を切り拓いていきます。 私たちdipの大きな進化に、 ぜひ ご期待ください。 特許出願中の独自機能です。 「Good Job ボーナス」 によ ってワーカーの働きぶりが評価され、 仕事の質が向上す ることによ って、 スポッ トワークの仕事の幅が広がります。 仕事の質向上はアルバイ トで働く方々の評価、 社会的地 位の向上にもつながっていきます。 まさに 「スポッ トバイ トル」 はdipのフ ィ ロソ フ ィーを体現するサービスなのです。 「スポットバイトル」 の差別化 -シフト/スポット採用を企業にワンストップで提案、 多様な働き方を後押しする- dipには、 すでに15万社の顧客基盤と多様な志向を持つ ユーザーとのつながり、 さらに2,000名を超える直販営業 メンバーをはじめとするdip社員のノウハウとチームワー クがあります。 また、 「シフ ト」 と 「スポッ ト」 の両サービスを提供し、 多 様な志向を持つユーザーのニーズに応え、 企業へワンス トップで提案できるのはdipならではの強みとなります。 独自機能 「Good Job ボーナス」 に加え、 ユーザー ・ 企 業へ幅広い選択肢を提供し、 満足度を向上させ、 スポッ トワークの市場においても確固たるポジションを確保し、 業界No.1を実現してまいります。 「スポットバイトル」 の可能性 -dipがユーザー ・ 顧客企業とつながり続け、 さらなる課題解決につなげる- 従来のシフ トバイト情報が主となる 「バイトル」 では、 通 年採用ではなく年に数回程度の単発契約となる中堅 ・ 中 小の顧客企業が多く、 全ての求人需要が発生するタイミ ングを把握できていないこともありました。 「スポッ トバイ トル」 を利用いただく ことで、 顧客企業とdipがつながり 続け、 様々な求人需要に応えられるようになります。 さら に、 dipはアルバイ トのコミュニケーションアプリ 「バイ ト ルトーク」 を年内にリリースする予定です。 これによりシフ ト調整がアプリ上で完結し、 シフ ト ・ スポッ ト採用の求人 掲載がワンクリ ックで可能となります。 「スポッ トバイ トル」 「バイ トルトーク」 をき っかけと して 「バ イ トル」 を利用いただく企業がさらに増えていく ことが期 待できます。 ▶ 「スポッ トバイ トル」 サービス概要P56 ソリューション営業への進化 「人が全て、 人が財産」 という信念のもと、 「社員幸福度 No.1」 を目指し、 社員一人ひとりが現在に充実感を感じ、 将来に希望と安心感を持てるよう、 様々な取り組みを行 ってきました。 そして今般、 社員が一層高いスキルを身に つけ、 より豊かなキャリアを築けることを目的として、 営 業体制を顧客規模 ・ 地域別の組織から顧客の業種ごとの 営業組織に進化させることと しました。 これにより社員は、 業界ごとの高い専門性を持ち、 そこに採用領域の深い知 識や経験が掛け合わさることで、 市場価値の高い人材へ の成長が加速し、 より豊かなキャリア形成を実現できると 考えます。 これまでのプロダク ト ・ アウトの営業から、 本質的な顧 客課題を解決する 「ソ リ ューシ ョ ン営業」 へと進化する中で、 「dip AI」 と 「スポ ッ トバイ トル」 の2つのサービスでユーザー ・ 顧客企業とつながり続け、 蓄積されたデータを活用する ことで、 ソリューリ ョンの幅が広がり、 顧客への提供価値 を高められます。 このようにして、 ビジョン 「Labor force solution company」 の実現と、 高い社会価値と経済価 値の創出につながっていくのです。 ※1 経済協力開発機構 (OECD) 調べ ※2 時給アップ、 継続勤務ボーナス ・ 入社祝い金の案件の合計 ※3 当社調べ 18 17 dip Integrated Report 2024
  10. COO MESSAGE - イノベーションで社会価値と 経済価値の向上を実現 - 経営戦略実行をリードし、 企業成長を牽引する 働く幸福度を上げて日本を幸せにしたい 私は2019年にdipの独立社外取締役に就任しました。

    dipに加わることを決意したのは、 dipのフィロソフィー に強く共感したことと、 CEO冨田の持つ卓越した経営セ ンスとリーダーシップに強く惹かれたからです。 dipのフ ィロソフィーには、 私の2つの大きな思いが重なりました。 1つ目は、 2019年にdipが掲げた、 労働市場の課題を 解決する 「Labor force solution company」 というビ ジョンへの共感です。 dipが求人メディアから、 AIや先端 テクノロジーを活用して労働市場の課題に挑むこのビジ ョンを聞き、 「面白い ! 」 と感じたとともに、 これまで私が 培ってきたインターネッ トテクノロジーを活用した事業 開発の経験やデータストラクチャー構築のノウハウを活 かせば、 社会に貢献できると確信しました。 2つ目は、 「幸せな人を増やしたい」 という思いです。 長年にわたりテクノロジー業界に身を置き、 多くのデジ タルサービスを立ち上げてきましたが、 それだけでは本 当に幸せな社会を実現することはできないと感じるよう になっていました。 リアルな世界に直接インパク トを与え る事業で、 テクノロジーの力を最大限に活かし、 人々の 幸せに貢献したい。 その思いが強まっていった頃に、 こ のビジョンに出会い、 心の奥深くに響いたのです。 働く こ とは、 多くの人にと って人生の中心にあります。 働くとい うことが幸福であれば、 その人の人生全体に大きな幸せ をもたらすはずです。 このビジョンを実現できたならば、 日本の働く人々の幸福度を上げ社会全体をより幸せに することができると、 とてもワクワクしました。 独立社外取締役就任後、 この2つの思いはさらに大き なものとなりました。 時を同じく して、 社長をはじめとす る執行側から、 経営に直接関与することで力を発揮して ほしいと依頼されたのです。 そこで、 迷うことなく快諾し、 2020年に取締役COOとして新たな挑戦を開始し、 今期 で5期目となります。 サステナビリティ戦略で持続可能な社会へ ビジョンの実現に向けた戦略を語る前に 「労働市場にお ける諸課題」 について、 お伝えします。 日本の労働市場 において、 深刻化する労働不足や先進国と比較して低水 準にある生産性などの課題は多くの方が認識している 通りです。 そこに、 生成AIやロボティクスをはじめとする 新技術の急速な変化が労働の在り方に大きな変化をも たらそうとしています。 このテクノロジーの進展によ って、 新たな機会も生まれており、 生産性や業務効率の大幅 な向上、 新たな職業や職種の創出、 人が付加価値の高 い仕事に従事することで得られる仕事への満足度向上 など、 大きな可能性が広がっています。 一方で、 私たちはその裏に潜むリスクにも目を向けな ければなりません。 AIがもたらす従来の職業の消失や 就業構造の変化に伴う経済格差の拡大といった問題も 懸念されています。 こうしたテクノロジーの進化が日本 の労働市場に与える影響を見据え、 昨年私たちはマテリ アリティを見直し、 中期経営計画 「dip30th」 に反映しま した。 この中期経営計画では、 創出する社会価値を明確 化したうえで、 関連する非財務KPIの目標を設定してい ます。 各KPIにおける推進責任者を明確化し、 目標達成 に向けた取り組みを着実に進めています。 「気候危機への対応」 にも引き続き力を入れていきます。 エネルギーや資源を大量に消費する業態ではない私た ちが 「気候危機」 を重要なテーマとしているのに違和感 を持つ方もいるかもしれません。 これは気候危機が、 世 界が直面する喫緊の課題であり、 製造業 ・ 非製造業関係 なく一丸で取り組む流れに貢献していく、 という意志を示 したものです。事業活動で排出するScope1と2のGHG 排出量は2025年2月期中にカーボンニュートラル※1を実 現し、 目標を達成する見込みです。 また、 Scope3を含め たネッ トゼロ※2の実現に向けての議論も重ねております。 私たちdipは、 事業活動を通じてマテリアリティに取り 組み、 労働市場の課題解決に挑んでいます。 その結果、 高い社会価値と経済価値を生み出し、 より良い未来を切 り拓く ことにつながるはずです。 志立 正嗣 代表取締役 COO (最高執行責任者) 20 19 dip Integrated Report 2024
  11. 2024年2月期 (前年) を振り返って 2024年2月期において、 2024年1月に年度の業績予想 の下方修正を行いました。 株主の皆様、 投資家の皆様、 市場関係者の皆様には、 多大なるご心配をおかけしたこ

    と、 ご期待に添えなかったことを深く お詫び申し上げます。 下方修正の主な要因は、 市場環境の変化による影響 と、 新サービス 「dip AI」 のリリース (2024年5月リリース 済み) に向けた企業広告への積極的な投資を実施した ことによるものでした。 この反省を踏まえ、 2025年2月 期は全社で売上高向上と収益改善に取り組んでいます。 具体的には、 既存事業と新規事業で事業戦略を明確に 分け、 既存事業は利益構造の筋肉質化を目指し、 新規 事業は全社の売上を牽引できる事業に最速で成長させ るために必要な投資を行っています。 なお、 中期経営計 画については、 修正はありません。 中期経営計画 「dip30th」 実現に向けた 着実なあゆみ 中計初年度 (2025年2月期) の進捗 現在、 人手不足が加速している中で、 働く人の価値観や ニーズも多様化しています。 その結果、 ユーザーが仕事 を選ぶ際には多数のサービスと大量の求人情報から自 身のニーズに合ったものを選ぶことになります。 また、 ス ポッ トワーク市場では新興企業が台頭しています。 これ までそういった変化の時こそ、 dipは進化に変えて成長 してきた歴史があります。 フィロソフィーにあるユーザー ファーストのサービスで課題を解決し、 イノベーションを 起こすことで、 自ら新時代を創り出して事業成長を実現 していきます。その道筋を描いたのが、 中期経営計画 「dip30th」 です。 中期経営計画初年度となる今年は、 成 長戦略の柱の1つであり、 創業以来最大のチャレンジで ある 「スポッ トバイトル」 と 「dip AI」 の2つのサービスを リリースするなど、 順調に進捗しています。 以下、 ビジョン 「Labor force solution company」 実現に向けた、 中 期経営計画の成長戦略の3つの柱について説明します。 成長戦略の1つ目の柱 : 「スポットバイトル」 ・ 「dip AI」 による事業構造の転換 dipは、 「ユーザー ・ 企業とつながり続ける」 をコンセプト に、 事業構造の転換を図っています。 両サービスによ って、 仕事選びから、 採用面接、 さらに就業後のシフ ト管理も 含めて、 ユーザー ・顧客企業がdipのサービスとつなが り続けるようになります。 顧客企業が、 dipの各種サービスを統合的に一つの管 理画面で効率的に利用できるようにすることで、 dipの サービス利用機会を増やし、 応募者獲得を加速すること ができ、 また、 業務効率化による経済生産性の向上につ ながります。 そしてdipは、 サービスを通じて蓄積された データを活用することで、 ユーザー ・顧客企業の課題に 対してのソリューション力を高め、 結果、 「Labor force solution company」 と して進化を遂げることができます。 「dip AI」 と 「スポッ トバイ トル」 は、 この事業構造の転換 を実現するうえで肝となるサービスです。 2024年10月1日に東京都23区からスタートした 「スポ ッ トバイ トル」 は、 年内に全国展開することを予定してい ます。 すでにユーザーや顧客からの多くのフィードバック をいただいており、 これらを迅速に取り入れ、 さらに質の 高いサービスに育てています。 こうした取り組みにより、 全国展開に向けた準備を整え、 ユーザー ・ 顧客企業の満 足度向上を図ってまいります。 「dip AI」 については、 中期経営計画期間においてクオ リティ向上のための開発に全力を注ぎます。 目指すのは、 AIとの対話を通じて最適な仕事に出会える 「対話型仕 事選び」 の実現です。 その適用領域は、 既存事業である 有期雇用領域や医療 ・介護 ・福祉分野へと拡大し、 さら に次に適用する領域への道筋をつけることを目指します。 成長戦略の2つ目の柱 : ソリューション営業の進化 「Labor force solution company」 の実現に向けては、 営業活動も進化が必要です。 これまでのサービスを軸と した顧客企業の採用 ・ 採用周りの課題解決の営業から、 業種ごとに顧客課題を把握し、 その解決を目指す 「ソリ ューション営業」 へと進化させていきます。 労働に関する 課題は尽きることがなく、 労働人口減少や働く人の価値 観の多様化、 AI などのテクノロジーの進展によって、 企 業は経営戦略に合わせて人材の獲得や配置、 育成など の人材マネジメント変革の必要に迫られています。 ある いは、 採用の前に、 事業課題の把握や業務プロセスの見 直しが必要なのかもしれません。 業界によって事業 ・競 争環境が異なるため、 業界の特徴や競争環境を踏まえ た課題解決も求められています。 顧客企業とともに課題 22 21 dip Integrated Report 2024
  12. 見直されています。 今後も育児 ・ 介護などの個々の事情 を持つ社員が安心して仕事に取り組める環境を維持し つつ、 出社を原則とする働き方についても進化させ、 より 組織での創造的な学びや成長を実感できるようにしてい きたいと考えています。

    「社員幸福度No.1」 を目指すことは、 単に社員を幸せ にするだけでなく、 ビジネスの成功にも直結しています。 幸せな状態であれば、 社員の集中力、 創造性、 問題解決 力が高まるため、 生産性の向上につながります。 この 「幸 せな状態」 には、 フィロソフィーの体現が深く関わっていま す。 社員一人ひとりが、 日々の業務を通してフィロソフィー を体現することで、 ユーザー ・ 顧客企業への貢献感から喜 びを感じ、 社員の幸福度を高めることを目指していきます。 社員の幸福度向上とフィロソフィーの浸透を促進する ための取り組みの一つとして、 私が全国各地のオフィ スを 訪れ、 直接対話を行う 「職場創りダイアローグ」 があります。 「働きがいを感じるスイッチ」 や 「大切にしたい価値観」 を 社員一人ひとりが振り返るワークを通して、 仲間同士の 理解を深め、 職場の進化につながるアイデアを見つける 場にしています。 毎回、 ダイアローグの後に、 参加者の力 強い決意が伝えられ、 私も大いに励まされています。 「自 らがdipを創る」 という信念のもと、 dipの仕事や職場は、 一人ひとりの思いによ って進化していく と確信しています。 dipの進化をリードし続ける AIなどのテクノロジーの急速な進化により、 これまで解 決が難しかった課題にも解決策が見え始めています。 テ クノロジーは、 便利さは提供できていても、 幸せを生み 出すことにはまだ至っていないと感じます。 しかし、 私の 夢である 「テクノロジーの力で幸せな人を増やす」 という 目標が、 今まさに実現されようとしています。 私はCOO としてリーダーシップをさらに発揮し、 新時代の実現と 中期経営計画 「dip30th」 の達成を成し遂げる覚悟です。 それが実現したとき、 私たちはビジョンである 「誰もが働 く喜びと幸せを感じられる社会」 に大きく近づいている はずです。 dipが起こすイノベーションと、 その絶え間な い進化にどうぞご期待ください。 に向き合い、 パートナーとして解決策を提供する、 総合 的な人材ソリューション営業を目指します。 そのために dipでは、 業界ごとの高い専門性と採用領域における深 い知識や経験を備えた市場価値の高い人材の育成 ・採 用に注力します。 これにより人的資本を強化することで、 生産性の向上を図っていきます。 現在、 役員が中心となり全管理職で課題の洗い出し や必要な施策を検討し、 実現に向けて議論を進めてい るところです。 成長戦略の3つ目の柱 : プロダクト開発の強化 dipとユーザー ・企業がつながり続けることを実現する には、 各種サービスとデータを統合することが重要です。 さらに、 ソリューシ ョン営業への進化に向けて、 ユーザー ・ 顧客企業に価値を素早く提供し、 そのフィードバックをも とに改善を繰り返すことも求められます。 完璧なプロダ クトを求めてリリースに時間が掛かると、 最初に立てた 課題が変わっていたり、 仮説がずれていたことに気付く のが遅くなることもあります。 迅速にサービスを提供し、 ユーザーや顧客企業とともにプロダクトを育てていく。 この考え方は、 真の課題解決につながるだけでなく継続 して利用され、 つながり続けることを可能にしていくと考 えています。 現在、 プロダクト開発の手法 ・体制、 仮説検証の進化 に取り組んでいます。 ユーザー ・ 顧客企業からのフィード バックをもとに改善しやすい最小単位で開発し、 最速で 価値を提供していく スクラムチーム体制や、 プロダク トご とに開発から営業までのプロセスを一体化させた製販 一体でのものづく りを進めています。 また、 仮説検証は、 プロダクト開発者がユーザーや顧客企業の声を直接聴 くのはもちろんのこと、 高速で仮説検証を繰り返し、 再現 性と是正処置が生まれるよう推進しています。 ユーザー ・ 顧客企業にとって最適な価値を迅速に届ける体制を構 築してまいります。 これら3つの成長戦略を達成するには、 まだやるべき ことがありますが、 着実に乗り越えて、 さらなる成長と事 業の進化を目指し、ビジョン 「Labor force solution company」 の実現に向けて挑み続けます。 社員幸福度No.1企業を目指す 最後にdip が 「社員幸福度 No.1」 を目指す理由とその 思いについてお伝えします。 私たちが捉える 「幸福」 とは、 「現在の充実感」 「将来への希望と安心」 「自分の存在が 重要だと感じること」 という3つの柱にもとづいています。 「社員が 『どこよりもdipで働く ことが幸せだ』 と感じられ る会社にしたい」 、 それが私たち経営陣の願いです。 夢とアイデア、 そして情熱をもって社会を変えようとす る仲間が集い、 ともに働く ことで成長し、 充実した日々の 中で自己の存在意義を感じることができます。 dipには、 入社年次や性別を問わず、 仲間の頑張りや成功を称え 合う文化があります。 私たちはこれまでも、 仲間ととも に切磋琢磨し、 多くの挑戦を乗り越えて数々の成果を創 り上げてきました。 大きな目標を成し遂げるとき、 その喜 びを仲間とともに分かち合うことで、 さらに感動が深ま るのです。 そしてその喜びは、 顔を合わせて直接コミュニ ケーシ ョ ンを取ることでより一層大き く なると感じています。 dipでは、 2024年3月にいち早く出社を原則とする働き 方に変更し、 その良さを実感してきました。 最近では、 顔 を合わせるリアルコミュニケーションの重要性が改めて ▲職場創りダイアローグの様子 社会価値 経済価値 社員幸福度の向上 フィロソフィーの体現 フィロソフィーの体現による 価値創造のメカニズム フィロソフィーで結びつく人的資本 ▶ フィロソフィーの体現による価値創造のメカニズムP33 ※1 自社の事業活動を通じて排出される温室効果ガス (Scope1とScope2) の   ゼロを目指す ※2 サプライチェーンで排出される温室効果ガス (Scope1~3) のゼロを目指す 24 23 dip Integrated Report 2024
  13. 成長志向の財務戦略実行によ りエクイテ ィ ・ スプレッドの最大化を目指す。 2025年2月期は、 中期的な成長加速の ための基盤構築に注力 2023年11月、 中期的な利益拡大に伴いキャ

    ッシュ ・ フロー が増加する見通しであることから、 バランスシート ・ マネ ジメントの必要性が増したと考え、 多くの投資家の皆様 とディスカッションを行ったうえで、中期経営計画 「dip30th」 において新たに財務戦略を策定いたしました。 企業価値 ・ 株主価値の向上のためには、 株主の皆様か らお預かりした資本に対して、 株主資本コストを上回るリ ターンを創出 ・ 拡大させ続けることが極めて重要であり、 そのためdipでは、 「ROE (自己資本利益率) の向上」 と 「株主資本コストの低減」 によるエクイティ ・ スプレッドの 最大化を目指しています。 「ROEの向上」 では、 売上高 ・ 営業利益に加え、 ROEの目 標を達成し、 経済価値を向上させるとともに、 マテリアリテ ィにもとづき社会課題の解決に貢献し、 社会価値の持続的 な創出に取り組んでまいります。 「株主資本コス トの低減」 では、 株主資本コス トを10~11%※程度と想定し、 様々な 取り組みをさらに加速させることで、 中期的にβ (市場感応 度) を引き下げてまいります (財務戦略69ページ参照) 。 「InnoVation (イノベーション) 」 を戦略テーマに掲げる 今期は、 既存サービスの利益構造を筋肉質化することで、 より多くのキャ ッシュ ・ フローを生み出し、 それを新サービ スの 「スポッ トバイ トル」 、 「dip AI」 に係る人材投資、 プロ モーション投資、 開発投資に振り向けることで、 中期的な 成長基盤づく りに全力で取り組んでまいります。 環境の変化をチャンスと捉え、 強みを活かして独自の社会価値を創出 アルバイ ト ・ パートの求人広告市場は、 昨年度の後半から、 飲食や製造、 事務などの領域で需要が弱含んだことから、 市場成長率がマイナスで推移しましたが、 足元では、 これら のうち一部の領域で回復の兆しが見えてきています。 日本の人口動態に鑑みると、 生産年齢人口の減少は不 可避であり、 人手不足が深刻化してい く 見通しであることか ら、 市場成長の多少の揺れはありながらも中長期的には市 場は緩やかに拡大し、 当社ビジネスの社会的な意義がさ らに高ま っ てい く ものと考えます。 競争環境については現在、 新規サービス事業者の台頭 が見られるものの、 環境変化はむしろチャンスと捉えてい ます。 もちろん、 これらを脅威と捉え、 十分に分析を行い、 リスクをあぶり出すことは重要であり、 真剣に取り組んで います。 そのうえで、 当社の強みである、 「フィロソフィーで 結びつく人的資本」 、 「高いロイヤリティのユーザー基盤と 顧客基盤」 を活かすことで、 他社にないサービスや機能を 提供し、 市場におけるプレゼンスを向上させ、 「dipだから こそ」 の社会価値を創出していけるものと考えています。 例えば、 バイトルなどの求人メディアでは、 2,000人の 直販の営業社員が集める、 アグリゲーションサイ トにはな い独自のリ ッチなコンテンツが強みです。 また、 営業社員 と顧客企業の間に信頼関係があるからこそ賛同いただい ている 「時給アップの求人案件」 なども差別化ポイン トに なっています。 さらに、 AIを活用したサービスでは、 インプ ッ トする情報の質と量が重要であり、 dipの直販の営業社 員が実際にアルバイ ト現場に行っ て収集する、 職場や仕事、 一緒に働く人たちの魅力といった情報はdipならではの ものです。 こうした情報に支えられているため、 dipのAI エンジンが他社にない価値を提供できるものと考えます。 また、 「スポッ トバイ トル」 の展開においては、 人材ビジ ネスに20年以上向き合う中で蓄積した経験に加え、 2,000人の営業体制、 高いロイヤリティのユーザー基盤、 顧客基盤を活かすことが、 大きな差別化ポイン トと考えま す。 また、 シフ トとスポッ トワークの両方の採用サービスを 提供でき る強みもあり ます。 長年培っ てきた 「ユーザー フ ァー スト」 にもとづく事業ノウハウや独自のリソースを最大限 活かし、 このスポッ トワークの領域においても、 有期雇用 労働者の方々の処遇 ・ 地位向上を実現し、 社会価値の創 出を図ってまいります。 ※株主資本コス トの前提 リスクフリーレート (0.9%) +β (1.4) ×マーケッ ト ・ リスクプレミアム (6~7%) ・ リスクフリーレート : 10年物新発国債金利 (2024年10月平均) ・ β : 5年月次の数値 ・ マーケッ ト ・ リスクプレミアム : 弊社にて算出した長期の期待市場利回りをもとに算出 ▶売上高 ����年 �月期 ����年 �月期 (業績予想) ����年 �月期 (計画) ����年 �月期 ����年 �月期 ����年 �月期 ����年 �月期※ ※ ����年�月期は連結決算を行っていないため、  単体決算での数値になります。 (百万円) ��,��� ��,��� ��,��� ��,��� ��,��� ��,��� ��,��� ~��,��� ▶営業利益 ・ 営業利益率 ����年 �月期 ����年 �月期 (業績予想) ����年 �月期 (計画) ����年 �月期 ����年 �月期 ����年 �月期 ����年 �月期※ (百万円) ��,��� �,��� �,��� ��,��� ��,��� ��,��� ��.�% ��.�% ��.�% ��.�% ��.�% ��.�% ��.�% ~��.�% ��,��� ~��,��� ※����年�月期は連結決算を行っていないため、単体決算での数値です。 ▶キャ ッシュ ・ フロー ����年 �月期 ����年 �月期 ����年 �月期 ����年 �月期 ����年 �月期※ ※����年�月期は連結決算を行っていないため、単体決算での数値です。 ▪営業活動によるキャッシュ・ フロー ▪投資活動によるキャッシュ・ フロー ▪財務活動によるキャッシュ・ フロー -�,��� -�,��� -�,��� �,��� ��,��� ��,��� ��,��� �,��� -�,��� -�,��� -�,��� -�,��� -�,��� -�,��� -�,��� (百万円) ▶ROEの見通し ����年 �月期※ ����年 �月期 ����年 �月期 ����年 �月期 ����年 �月期 ����年 �月期 見込み 中期経営計画 ����年 �月期 ����年 �月期 ��.�% �.�% ��.�% ��.�% ��.�% ��.�% ��.�% ※����年�月期は連結決算を行っていないため、単体決算での数値です。 CFO MESSAGE 〜成長投資と株主還元の両立で イノベーションを実現する〜 持続的な企業価値向上を目指し、 果敢に挑戦 新居 晴彦 執行役員 CFO (最高財務責任者) 経営統括本部長 26 25 dip Integrated Report 2024
  14. 新サービスへの積極投資により、 中期的に営業利益額を高めROEを向上 2024年2月期は、 下半期、 コロナ特需の剥落による事務 派遣 ・ BPO企業向けの売上減少や、 飲食 ・

    製造領域の市 況悪化の影響により、 2024年1月に年度の業績予想を下 方修正いたしました。 これは、 市場環境の変化による影 響だとはいえ、 それを早期に捉えて戦略を転換する機動 力にも課題感を持っており、現在、市場環境分析や、 KPI ・ 業績管理といった事業管理の力を高め、 より機動的 な戦略実行を推進すべく取り組んでいます。 2024年2月期のROEは、 利益率の改善に加え、 自己株 式取得による資本効率向上により、 前年の22.7%を上回 り23.5%となりました。 東証プライム上場企業平均9.6% と比べて高水準であるものの、 中期経営計画の戦略実行 により、 2027年2月期に30%までさらに高めてまいります。 ROE向上には、 利益率を高めるだけでなく、 営業利益 額を中期的に増やすことが重要と考えます。 もちろん、 後 述するキャッシュアロケーション方針にもとづく財務戦略 は着実に実行します。 ただこれはあくまで、 「余剰キャッ シュを保有しない」 という方針であり、 その前提には、 中 長期的な事業成長、 将来キャッシュ ・ フローの拡大のた めの投資を積極的に行っていく ことがあります。 しっかり した事業管理体制のもと、 想定する効果を明確に設定 ・ モニタリングしながら成長投資を実行し、 売上 ・ 営業利益 の拡大につなげ、 ROEを向上させてまいります。 中期経営計画初年度、 課題はありながらも、 おおむね順調に進捗 今期は、 中期経営計画の柱である新サービス 「スポッ ト バイ トル」 「dip AI」 をローンチし、 中計初年度としての第 一歩を順調に進めています。 既存サービスの利益構造の 筋肉質化にも取り組み、 大谷翔平選手のブランドアンバ サダー就任以降、 広告宣伝の効率運用はさらに進められ ています。 また、 既存サービスに係る開発投資はプロジ ェク トを厳選し、 期初の想定よりも投資額を抑制すること ができています。 これらの取り組みの結果、 人材サービス 事業のセグメント利益率は34.3% (2024年2月期上期) から、 37.3% (2025年2月期上期※) と向上しています。 非財務指標はおおむね中計目標に向けて順調に推移 していますが、 課題は退職率です。 2024年2月期は、 前年 度の12.6%に対し、 13.7%と若干の上昇にとどまったも のの、 今期は、 2024年3月に出社前提の方針に切り替え て以降、 一時的に退職者が増加しました。 現在、 様々な 施策を実行し、 フィロソフィーで結びつく人的資本が当社 の強みであり、 社員の幸福度向上や退職率の抑制に今 後も真摯に取り組んでまいります。 本質的な稼ぐ力は、 コロナ禍前から不変 「売上がコロナ禍前の水準を超えているのに、 利益がコ ロナ禍前の水準より少ないのはなぜか」 というご質問を 一部の投資家の方からいただきます。 dipの本質的な利 益創出力に関する重要なご質問ですので、 ここで取り上 げさせていただきます。 現在、 中期経営計画にもとづき、 既存サービスの利益 構造の筋肉質化を進め、 より潤沢なキャッシュ ・ フローを 生み出し、 それを成長投資に充当することで、 中期的な 売上 ・ 利益の高成長を実現することを目指しています。 2025年2月期の営業利益は通期業績予想で134億円 ですが、 下記の成長投資の影響を除けば、 コロナ前の 143億円を超える170億円超 (営業利益率29.5%程度) と 想定されます。 つまり、 本質的な稼ぐ力は、 コロナ前と変 わっておらず、 中計最終年度の2027年2月期にこれらの 成長投資のリターンを創出することで、 売上 ・ 利益の高成 長を実現できるものと考えています。 財務戦略を着実に実行。 企業価値を高めステークホルダーの 皆様の期待に応える 2024年6月、 50億円の自己株式取得を発表いたしました。 成長投資を加味しても今期末時点で50億円程度の余剰 キャッシュが生じる見通しであること、 また、 中期的な業 績拡大を踏まえると株価水準が割安であることからキャ ッシュアロケーション方針を踏まえて実施したものです。 今後も、 キャッシュアロケーション方針を堅持しながら、 現在実行している成長投資が実を結ぶよう、 財務面から リードしてまいります。 ユーザー ・ 顧客企業への提供価値を高め、 社会価値を 創出することを通して企業価値を向上させ、 ステークホ ルダーの皆様の期待に応えてまいります。 引き続き、 皆様 のご支援を賜りますようお願い申し上げます。 ※ 「調整額」 セグメン トの企業広告関連費用加味後の数値をもとに算出 人材投資 プロモーション 投資など �,���~ �,���億円 営業キャ ッシュ ・ フロー (税引後) ���~���億円 ソフ トウェア開発投資 ���~���億円 配当 ���~�0�億円 M&A投資など 中期経営計画にもと づく、 新サービスに係 る成長投資 ◆中期経営計画期間における  キャッシュアロケーション計画 (�年累計) キャッシュアロケー ション方針踏まえ、 余 剰キャッシュがある 場合は、 自己株取得 にて株主に還元 (注) スポッ トバイ トルの給与支払に伴う立替金は、 借入金と両建てする前提で、   上記に含めておりません ◆キャッシュアロケーション方針 基本方針 : 成長投資と株主還元を重視したキャッシュアロケーションを行う 成長投資 • 既 存 事 業の成 長や新 規 事 業 創 出のための投 資 (人材投資、 システム投資、 プロモーション投資 など) • AI など先 端テクノロジーに関する研 究 開 発、 事業に活用するための投資 • 事業成長の加速を目的とした M&A や出資 など 株主還元 • 原 則 、 前 期 配 当 金 額を下 限とし、 配 当 性 向 5 0 %を堅 持 。年 2 回の配 当 実 施   • 総 還 元 性 向 6 5 %を目 安とする • キャッシュポジションなど BS の状 況 、 財 務 目 標の達 成 見 通し、 株 価 水 準 などを総 合 的に勘 案し、 追 加 的 な株 主 還 元 策を検 討   ▶ 事 業 運 営 に必 要 な資 金をマクシマムキャッシュ※とし、 原 則 、 それを超える過 剰 な現 預 金 は 保 有しない。     ただし、 単 年 度では 判 定 せず、 中 期 的 な投 資 機 会を慎 重に見 極 めながら、 過 剰 な現 預 金 がある場 合 は 株 主に還 元   ▶ 仮 に中 期 的 な利 益 目 標の達 成 が困 難 な見 通しの場 合に、 BS の状 況や株 価 水 準 などを     勘 案の上 、 R O E 目 標 に近づけるべく追 加 的 な株 主 還 元を検 討 ※マクシマムキャッシュの考え方「3ヶ月 分の支 払い。この期 間における税 金・配 当 金 支 払いの合 計 額」 (ご参 考) 2 0 2 5 年 2 月 期 は 1 7 0 億 円 ※ (2 0 2 4 年 3 ~ 5 月の支 払い1 1 0 億 円 + 税 金 3 0 億 円 + 配 当 2 7 億 円) 成長投資の内容 (今期への利益影響 ▲40億円程度) 人材投資 2023年4月に600名の新卒社員を採用。 例年は300~400人 であり、 過去最大規模。 新卒社員割合が増えることで、 足元の 全社生産性が低下するものの、 2026年2月期に3年目社員と なり高い生産性が見込まれる (入社1年目年間売上400万円 ⇒3年目/4年目5,900万円) 。 一方、 これらの新卒社員の課題 は、 例年よりも低い生産性。 現在改善傾向にあるので、 引き続 き丁寧なマネジメントに加え、 スポッ トバイ トルをフックにした 提案による営業効率アップやAIツールによる業務効率化など により生産性向上を図る 新サービス への投資 ① 「スポッ トバイ トル」 「dip AI」 、 DXの販促領域商品 「集客 コボッ トfor MEO」 などに係る人材投資 (営業やCS、 企画 人材の採用) 、 開発投資、 プロモーション投資 ② 「AI活用プロジェクト」 に係るツールの開発 ・ 運用 ( 「あ れどこdipperく ん」 (営業の提案業務効率化) 、 「Aipen」 (求 人広告制作の自動化) ) 28 27 dip Integrated Report 2024
  15. 価値創造プロセス dipの価値創造の根幹にあるのは、 フィロソフィーです。 フィロソフィーを軸に、 ビジョン実現に向けて社会課題を解決しつつ 持続的な企業価値向上につながる6つのマテリアリティに、 戦略的に価値創造の源泉を投入し事業活動を通じて取り組みます。 事業活動は、 dipの強みである 「フィロソフィーで結びつく人的資本」

    によ って、 「サービス開発力」 「プロモーション力」 「営業力」 が一体となり価値を創造し、 さらに 「データ ・ テクノロジーの力」 がそのスピードを加速させ、 高い社会価値と経済価値を創 造し続けています。 創出価値 価値創造の源泉 強固な財務基盤 フィロソフィーで結びつく人的資本 多様性に富んだユーザー基盤 関係性の強い顧客基盤 共創を生む外部パートナー 営業ノウハウ/ 独自サービス ・ 機能開発ノウハウ 自己資本比率 77.3% 総資産 507億円 財 務 資 本 人 的 資 本 社 会 ・ 関 係 資 本 知 的 資 本 従業員数 3,116人 新卒採用数 612人 中途採用数 178人 顧客基盤 15万社 特許数 (出願中含) 15件 出資先企業 22社 社会価値 経済価値 ・ 仕事と働き方やキャリアの選択肢を増やし、 多様な人材の就業機会を増大 ・ 仕事で自らの力を発揮し、 やりがいをもって 幸福度高く働く就業者の増加 ・ 働く人のエンゲージメン トやスキルアップによる 人材力強化 ・ 企業の生産性向上による、 就業者の処遇改善と 働きがいの創出 ・ AI ・ DXによる業務の効率化、 イノベーションの推進 ・ ジェンダー平等の推進、 障がい者 ・ シニアの 雇用率の増加 ・ 人権侵害を受けている労働者の減少 ・ 気候危機の抑制、 再生可能エネルギー割合の拡大 ・ 気候危機により災害を受けた人々の就業機会損失の 低減 事業活動 価値創造のしくみ →P51 フィロソフィーで 結びつく人的資本 dream idea passion サービス開発力 データ ・ テ クノ ロ ジ ーの力 プロ モ ー ション力 営業力 人材サービス 事業 DX事業 新規事業 マテリアリティ • 事業におけるマテリアリティ →P35 • 経営基盤におけるマテリアリティ 多様な就業機会の創出 雇用ミスマッチの解消 DEIの推進 人権の尊重 人材力 ・ 経済生産性の向上 働きがいのある職場づく り 気候危機への対応 フィロソフィーで結びつく 人的資本の強化 ガバナンスの強化 (2027年2月期) 売 上 高 780億円〜850億円 営業利益 200億円〜250億円 R O E 30% 価値創造の根幹にあるdipのフィロソフィー →P31 30 29 dip Integrated Report 2024 Introduction マ ネ ジ メ ン ト メ ッ セ ー ジ 価 値 創 造 プ ロ セ ス マ テ リ ア リ テ ィ 成 長 戦 略 ガ バ ナ ン ス デ ー タ セ ク シ ョ ン
  16. 価値創造の根幹にあるdip のフィロソフィー 価値創造プロセスの根幹にあるのものが 「フィロソフィー」 です。 創業以来、 dipはフィロソフィーを軸にした経営、 そして 「人 が全て、

    人が財産」 という経営姿勢を貫いてきました。 フィロソフィーは 「企業理念」 「ビジョン」 「ブランドステートメント」 「dip WAY」 「ファウンダーズスピリ ッ ト」 という要素によ って構成されています。 このフィロソフィーは、 dipにと っての経営哲学であり、 dipで働く社員にと っての行動指針でもあります。 全社員とフィロソフィーを共有することで、 高い志を持った従業員がイノベー ションの源泉となり、 持続的な企業価値向上の原動力となっています。 企業理念の主語は 「dip」 ではなく 「私たちdip」 です。 dipの強みは、 社員一人ひとりの 「夢 とアイデアと情熱」 がビジョンの実現、 そして 「社会を改善する」 という最終目的に向けられ ていることです。 ビジョンは、 社員の熱意を呼び起こし、 様々な新しい事業やサービスのアイ デアを生み出す土壌となっています。 また、 社会課題を積極的に解決していこうとするdip の姿勢は、 ユーザーやクライアン トからの信頼と支持を得ており、 長期的なロイヤリティを築 く礎となっています。 さらに、 社会的使命を重視する企業風土は、 優秀な人材を引き寄せ、 社員の定着率を向上させています。 私たちdipは、 テク ノロジーと社会の変化を捉えながら、 企業理念 ・ ビジョンのもと、 社会に対して有益な事業とサービスを提供し続けます。 社会はテク ノロジーの急進により絶えず変化しています。 このダイナミ ックな環境の中で企業は、 過去の成功体験を PDCA (計画、 実行、 検証、 改善) のサイクルにもとづいて繰り返すだけでは、 新しいチャンスを捉えることが難し くな ります。 dipは、 この変化を敏感に捉え、 既存の枠を超えた事業やサービスを創出しています。 私たちdipのアプロー チは、 「夢とアイデアと情熱」 をもとに、 新しい可能性を追求することです。 例えば、 2019年には、 既存の求人情報サー ビス事業の範囲を拡大し、 DX (デジタルトランスフォーメーション) 事業に進出しました。 今後の深刻な労働力不足を 見越し 「Labor force solution company」 という新しいビジョンを掲げ、 これまでの人材ビジネスに加えて、 新たに DX事業を開始しました。 「人の作業」 を自動化するサービスを提供する新たな事業を立ち上げました。 サービス dip WAY ・ ファウンダーズスピリ ッ トは、 dipの創業者冨田が創業時より様々な困難を社員たちと共に乗り越える中で培われてきた 行動規範であり、 行動哲学です。 価値の高い事業やサービスを生み出し、 実現し続けるためには、 大小様々な困難と対峙し、 試行 と反省を繰り返して乗り越えていく必要があります。 dipがこれまで多くの困難を乗り越えてこられたのは、 社員全員にdip WAY ・ ファウンダーズスピリ ッ トが確固として根ざしているからにほかなりません。 この共有された行動哲学と行動規範は、 個々の社員だ けでなく、 dip全体の進歩と成長を推進し、 dipの継続的な発展を実現してきた不可欠な要素となっています。 そして、 これからも dip WAY ・ ファウンダーズスピリ ッ トの存在は、 社員たちを、 日々の困難へのチャレンジを通じてさらなる高みへと導いていきます。 「One to One Satisfaction」 にもとづき、 ユーザーとの対話やクライアン トへの営業活動を 通じて、 労働市場の課題を深く理解し共感します。 そして、 事象を整理し、 社会的に解決が 求められる重要課題を特定した上で、 「ユーザーファース ト」 な視点で事業やサービスのアイ デアを練り上げていきます。 dipの強みは、 クライアン トを巻き込み、 共同でユーザー価値の 高いサービスや事業を実現する点にあります。 その結果として、 ユーザーとクライアントを 引き寄せ、 好循環を生み出しています。 これにより、 クライアン トからの課金による売上が増 加し、 経済価値が創出されると同時に、 社会課題の解決を通じて社会価値も創出されます。 こうしたdipの事業 ・ サービスは、 dipの企業理念の具現化と言えます。 dipの事業は、 ユー ザー、 クライアント、 そして社会全体に対して価値を同時提供し、 全ての人々にと っての 「満 足度No.1」 を実現することを目指しています。 また、 社員に対してもブランドステートメント の中で、 「人が全て、 人が財産」 という信念、 「社員幸福度No.1」 を目指す姿勢を掲げていま す。 これがdipが持続的な成功を達成している要因となっています。 ブランド ステートメント One to One Satisfaction 一人ひとりに寄り添う、 「ユーザーファースト」 なサービスを追求します。 私たちのビジネスに関わる全ての人々にと って、 「満足度No.1」 を実現します。 「人が全て、 人が財産」 の信念のもと、 「社員幸福度No.1」 を目指します。 私たちdipは 夢とアイデアと情熱で 社会を改善する存在となる 企業理念 ビジョン Labor force solution company 人材サービスとDXサービスの提供を通して、 労働市場における諸課題を 解決し、 誰もが働く喜びと幸せを感じられる社会の実現を目指します。 dip WAY (行動規範) 自ら夢を持ち、 語り、 夢の実現に努力する。 私は決して途中で諦めない。 アイデアは成長、 発展の源である。 多様性に溢れた自由闊達な社風を作り、 イノベーターとして価値あるサービスの想像を追求する。 まず自らが熱くなり、 周りを熱く する。 惜しげなく誉め、 共に喜び、 悩み、 励まし、 語り合う。 チームワークとリーダーシップで一致団結して勝利を勝ち取る。 dream idea passion ファウンダーズ スピリット (行動哲学) どんな困難も、 “発想の転換”でチャンスに変える。 たとえチャンスであっても、 油断はしない。 ものごとをあらゆる角度から俯瞰し、 自ら道を切り拓く。 どんな状況下でも、 失敗を恐れず、 果敢に挑戦し続ける。 ベンチャー精神のもと、 イノベーターとして、 社会の問題点を解決する。 強い意志と行動力で、 途中で決してあきらめない。 やり遂げることで失敗しても、 そこから学び、 より大きな成果を出す。 言われたことをただ受け入れるだけでなく、 “考え抜き”、 価値ある アイデアを創造し、 周囲の期待を超え、 自ら高い成長を実現する。 仕事もプライベートも楽しみ、 心身ともに充実した、 幸せな人生を送る。 理念のもとに集まる社員一人ひと りが、 強い主体性を発揮し、 新しいdipの未来を築いてゆく。 1 ピンチはチャンス 2 チャレンジし続ける 3 最後まで諦めない 4 期待を超える 5 仕事、 人生を楽しむ 6 自らがdipを創る 32 31 dip Integrated Report 2024 Introduction マ ネ ジ メ ン ト メ ッ セ ー ジ 価 値 創 造 プ ロ セ ス マ テ リ ア リ テ ィ 成 長 戦 略 ガ バ ナ ン ス デ ー タ セ ク シ ョ ン
  17. 社員幸福度 やりがいの実感 相関係数r=0.51 自己効力感の実感 相関係数r=0.53 適職感の実感 相関係数r=0.49 成長感の実感 相関係数r=0.45 �

    � � � � フィロソフィーへの共感が高い社員の生産性 フィロソフィーへの共感が低い社員の生産性 �年目 �年目 �年目 �年目 (百万円) (人) ����年 �月期 ����年 �月期 ����年 �月期 ����年 �月期 ����年 �月期 �,��� �,��� �,��� �,��� �,��� (人) ����年 �月期 ����年 �月期 (見込み) ����年 �月期 ����年 �月期 ����年 �月期 ����年 �月期 ��� �� ��� ��� ��� ��� ��� ��� �� �� �� �� 新卒採用 中途採用 ����年 �月期 ����年 �月期 ����年 �月期 ����年 �月期 �.�� �.�� �.�� �.�� ※指数(最高�) フィロソフィーの体現と社員幸福度の関係 社員幸福度をESサーベイ (従業員満足度調査) の項目と突き合わせてみると、 社員幸福度を高める要素が見えてきます。 「やりがいの実感」 「自己効力感の実感」 「適職感の実感」 「成長感の実感」 が最も強い影響を与えています。 dipの社員は、 フィロソフィーに共鳴し、 夢とアイデ アと情熱で社会を改善したいと強い思いを持って入社を決めています。 そして、 仕事を通じてフィロソフィーを体現することは、 社会への貢 献を実感してやりがいを感じることであり、 自らの成長を実感することでもあります。 フィロソフィーの体現が社員幸福度につながっている ことはESサーベイの結果からも明らかです。 主に以下の4つが社員幸福度を高める要素になっている • 社員幸福度を高める要素 フィロソフィーへの共感が高い社員のほうが高い生産性を生み 出している • フィロソフィーと月次生産性の関係 社会価値 経済価値 フィロソフィーで結びつく人的資本 フィロソフィーの体現 社員幸福度の向上 フィロソフィーの体現による価値創造 フィロソフィーの体現による価値創造のメカニズム dipが人材採用で重視しているのは、 価値創造の根幹であるフィロソフィーへの共感です。 一人ひとりが日々の業務を通じてフィロソフィー を体現することで、 社会的 ・ 経済的な価値を創造しています。 また、 フィロソフィーの体現を通じて働く喜びと幸せを感じ、 それが社会価値 の創出につながる実感を得ることでさらに幸福度が高まります。 この循環によ ってフィロソフィーの体現がより加速し、 経済価値の拡大とと もに人的資本への投資が進み、 組織の基盤は強化されていきます。 dipは 「人が全て、 人が財産」 という信念のもと、 経営の核心として人材への深い関心と投資を続けています。 この土台には、 創業者冨田 の長年にわたる試練と挑戦を社員とともに乗り越えてきた 「フィロソフィー」 があります。 これは経営哲学でもあり、 社員にと っての行動指 針でもあります。 社員一人ひとりがフィロソフィーに共鳴し、 行動し、 体現することが社会 ・ 経済価値の実現、 そして 「社員幸福度 No.1」 へ とつながり、 この連鎖がdipの人的資本経営の骨格を形成しています。 価値創造の基盤である社員数は 順調に拡大している • 社員数推移 フィロソフィーに共感した人材を 着実に採用できている • 採用数推移 働く喜びと幸せを感じる幸福度は 年々向上している • 社員幸福度の推移 社員の幸福度 No.1を目指すことは、 社員を幸せにするというdipのブランドステートメントに示された義務を果たすだけでなく、 ビジネス の成功にも深く関連しています。 幸福な状態で人は最大のパフォーマンスを発揮できます。 オックスフォード大学の研究によると、 幸せな社 員は不幸な社員に比べて13%も生産性が高いとの結果が出ています。 dipにおいても同じ傾向にあります。 幸せな状態であれば、 社員は 集中力を持ち、 創造性が増し、 問題解決能力も高まるため、 これが生産性の向上につながります。 フィロソフィーの体現によって社員幸福度 No.1を実現する 34 33 dip Integrated Report 2024 Introduction マ ネ ジ メ ン ト メ ッ セ ー ジ 価 値 創 造 プ ロ セ ス マ テ リ ア リ テ ィ 成 長 戦 略 ガ バ ナ ン ス デ ー タ セ ク シ ョ ン
  18. Introduction マ ネ ジ メ ン ト メ ッ セ

    ー ジ 価 値 創 造 プ ロ セ ス マ テ リ ア リ テ ィ 成 長 戦 略 ガ バ ナ ン ス デ ー タ セ ク シ ョ ン dip Integrated Report 2024 マテリアリティ マテリアリティ dipはフィロソフィーを軸にビジョン実現に向けて、 社会課題を解決しつつ持続的な企業価値向上につながる重要項目としてマテリアリテ ィを特定しました。 フィロソフィーを基に全社員が一丸となって、 マテリアリティに取り組むことで、 高い社会価値と経済価値を生み出し、 持 続的な企業価値向上の実現を目指します。 サステナビリティ推進体制 代表取締役COOを議長とし、 全執行役員から構成さ れる 「サステナビリティ推進会議」 を設置し、 持続可能 な社会の実現に向けた取り組みを行っています。 サステナビリティ推進会議では、 取締役会で決定さ れたサステナビリティ方針や重要事項にもとづき、 戦略 および施策を策定して、 四半期に一度、 進捗を評価して います。 また、 同会議の議論内容および施策の進捗状 況については、 取締役会が定期的に同推進会議より報 告を受け、 目標に対する進捗の監督を行うとともに、 必 要に応じて指示を行っています。 マテリアリティの特定 ・ 見直しプロセス dipは、 2023年2月期にマテリアリティを特定しました。 以降、 国際社会の動向やステークホルダーからのご意見等を踏まえ、 継続的に見 直しを実施しています。 2024年2月期には、 日本の労働市場に対するAIなどのテク ノロジーの進化の影響を踏まえ、 マテリアリティの見直 しを行い、 中期経営計画 「dip30th」 に組み入れています。  前回の見直しでは、 AIなどのテクノロジーの進化が、 労働市場、 ユーザー ・ 顧客、 自社に与える影響について評価し議論を重ねました。 結果、 マテリアリティ項目に変更はありませんでしたが、 マテリアリティ詳細に議論の結果を反映し取り組みを開始しています。 事業におけるマテリアリティ 経営基盤におけるマテリアリティ 多様な就業機会の創出 雇用ミスマッチの解消 人材力 ・ 経済生産性の向上 働きがいのある職場づく り フィロソフィーで結びつく 人的資本の強化 DEIの推進 人権の尊重 ガバナンスの強化 気候危機への対応 誰もが働く喜びと幸せを感じられる社会の実現 Labor force solution company ビジョン 取締役会 事業を通じた 社会貢献 分科会 社員幸福度 No1.分科会 環境 分科会 社内外発信 分科会 NPO 分科会 サステナビリティ推進会議 議長 : 代表取締役COO メンバー : 執行役員 報告 監督 ・ 指示 合同会社持続可能 CEO 兼 サステナビリティ経営デザイナー 川井 健史様 dipのマテリアリティの特徴は、 本業を通じて取り組む事業マテリアリティに 「DEI」 「人権」 「気候危機」 を掲げ ている点です。 本来、 こうしたテーマは、 守りの要素の強い経営基盤マテリアリティとして取り組むケースが多 いのですが、 dipでは敢えて攻めの要素が強い事業マテリアリティとして位置づけ、 経済価値の創出および中 長期的な企業価値向上につなげようとしています。 これは極めて野心的なマテリアリティ選定コンセプトだと 言えます。 外部有識者のコメント Step 1 社会課題の抽出 国際的なガイドラインや各専門分野のマクロトレンド、 ESG評価機関からの要請、 フィロソフィー、 有識者の意見などを参考にしながら社会課題をリス トアップし、 機会とリスク分析を実施しました。 有識者とのダイアローグを実施 マテリアリティ案 (見直し案) について、 有識者とのダイアローグを行い、 妥当性を確認しました。 取締役会決議 マテリアリティ案 (見直し案) を中期経営計画へ反映し、 サステナビリティ推進会議で議論、 取締役会での決議を経てマテリアリティを決定しました。 課題項目の評価と特定 dipのフィロソフィーを軸に、 「社会のサステナビリティの観点 での重要度」 と 「dipのサステナビリティの観点での重要度 (財 務面) 」 から重要度を評価し、 ステークホルダーの意見を踏ま えつつ、 マテリアリティ案 (見直し案) を策定しました。 なお、 現状 「dipのサステナビリティの観点での重要度 (財務面) 」 が限 定的であっ ても 「社会のサステナビリ テ ィ の観点での重要度」 が高い 「気 候変動」 については、 マテリアリティ案の候補として残すことといたし ました。 dipのサステナビリティの 観点での重要性 (財務面) 高 マテリアリティ 高 低 社 会 の サ ス テ ナ ビ リ テ ィ の 観 点 で の 重 要 性 Step 2 Step 3 Step 4 36 35
  19. Introduction マ ネ ジ メ ン ト メ ッ セ

    ー ジ 価 値 創 造 プ ロ セ ス マ テ リ ア リ テ ィ 成 長 戦 略 ガ バ ナ ン ス デ ー タ セ ク シ ョ ン dip Integrated Report 2024 マテリアリティ マテリアリティ詳細 マテリアリティに関連する機会 マテリアリティに関連するリスク 創出する社会価値 関連するSDGs 多様な就業機会の創出 雇用ミスマッチの解消 AIなどのテク ノ ロジーの力で、 多様な人材の就業と様々 な働き方を創出し、 人材の流動性を高めつつ、 採用時 のミスマッチを解消することを通じて、 個々人が力を 最大限に発揮し、 より良く処遇されることで、 働く喜び と幸せを感じる就業者を増やします • 労働参加率の向上 (職業 ・ 職種の誕生、 働き方の多様化など) • マッチングの向上 • 労働者のキャリアアップ ・ スキルアップ • 労働者に対するセーフティネッ トの拡充 • 新たなサービスの誕生 • 膨大な個人データが収集されることによる 情報管理リスクの増大 • 既存のビジネスモデルのディ スラプト • 仕事と働き方やキャリアの選択肢を増やし、 多様な人材の就業機会を増大 • 仕事で自らの力を発揮し、 やりがいをもって 幸福度高く働く就業者の増加 人材力・ 経済生産性の向上 働きがいのある職場づく り テクノロジーの活用で、 採用した人材のエンゲージメ ントとスキルを高め生産性とイノベーションの力を上 げることで、 企業の収益力を 向上し、 働く人の処遇の 改善と働きがいに溢れた職場づく りを支援します • 企業の経済生産性向上への取り組み加速 • 労働者の処遇 ・ 待遇向上と労働安全衛生の  必要性の高まり • AI ・ ロボティクス活用による仕事への  満足度向上 • 人材力 ・ 生産性向上への取り組みが遅れること による企業の競争力低下、 収益性の悪化 • 人材 ・ 組織マネージメン トやエンゲージメン ト における難易度の上昇 • データ ・ テク ノロジーの活用度による 企業間競争力格差の増大 • 働く人のエンゲージメン トや スキルアップによる人材力強化 • 企業の生産性向上による、 就業者の処遇改善と働きがいの創出 • AI ・ DXによる業務の効率化、 イノベーションの推進 DEI の推進 人権の尊重 様々な個性を持つ人々が、 互いを認め合い協働する 職場、 環境づくりを進め、 ユーザー、 顧客企業をはじ めとした、 ビジネスに関わる全ての人々の人権が尊重 される事業活動を行います。 AI活用によるデータの誤 活用を防ぎ、 多様性を尊重した公平性の高いマッチン グを推進します • 多様な就業機会の増大 • 人権が尊重された職場環境の整備 • 企業の対応遅れによる競争力低下、 収益性の悪化 • 人権が尊重されない職場環境下での 生産性の低下 ・ 離職の増加 • ジェンダー平等の推進、 障がい者 ・ シニアの 雇用率の増加 • 人権侵害を受けている労働者の減少 気候危機への対応 気候危機を抑制するために、 サプライチェーン全体で のCO2 排出量削減に取り組みます。 気候危機による災 害や事故にあった方々の就業支援に取り組みます • 脱炭素社会実現への貢献 • 気候危機により災害を受けた方への 就業機会の提供 • 気候変動に伴う異常気象 ・ 災害による物理的損害 • 気候危機に対応しないことによる レピュテーションの発生 • 炭素税の導入などの政策 ・ 法規制等の 実施 ・ 変更に伴うコス ト増大 • 気候変動に伴う対応の遅れによる 事業機会の逸失 • 気候危機の抑制、 再生可能エネルギー割合の 拡大 • 気候危機により災害を受けた人々の 就業機会損失の低減 フィロソフィーで結びつく 人的資本の強化 フィロソフィーに共感する人材の採用 ・ 育成、 マネージ メントにテクノロジーを駆使し、 そのエンゲージメント とロイヤリティ、 幸福度を高めることで、 一人ひとりの 力が遺憾なく発揮されるように努めます • 優秀な人材確保と育成による人的資本の拡大 • 新事業や新サービス創出 • 労働生産性の向上、 モチベーションの向上 • 変化やビジネスチャンスへの対応力強化 • 対応不十分による優秀な人材の流出、 社員エンゲージメン トの停滞 ・ 低下、 労働生産性の低下 • イノベーションを創出できる人材の不足 ガバナンスの強化 社会価値と経済価値を創出し、 持続的かつ高い成長 を続けるために、 経営の透明性と健全性を確保しつつ、 さらなる意思決定および業務執行の迅速化を図ります。 特に、 ビジネスにAIなど最新のテクノロジーを活用す ることで生まれるリスクを正しく捉え、 コンプライアン スの遵守/リスクマネジメン トの強化を推進します • 社会的信用 ・ 資本市場からの信頼の獲得 • 変化への適切な対応、 強固な成長基盤の確立 • 意思決定の透明性と健全性の確保 • 意思決定および業務執行の迅速化 • コーポレート ・ ガバナンス機能不全に伴う 事業継続リスク • 社会的信用 ・ 資本市場からの信頼の低下 (失墜) • AIの誤活用による信用 (レピュテーション) の毀損 マテリアリティ詳細 ビジョン 「Labor force solution company~誰もが働く喜びと幸せを感じられる社会の実現~」 に向け、 事業における4項目のマテリアリティと経営基盤における2項目のマテリアリティに取り組みます。 38 37
  20. Introduction マ ネ ジ メ ン ト メ ッ セ

    ー ジ 価 値 創 造 プ ロ セ ス マ テ リ ア リ テ ィ 成 長 戦 略 ガ バ ナ ン ス デ ー タ セ ク シ ョ ン dip Integrated Report 2024 マテリアリティ 非財務KPI 実績 目標 2022年2月期 2023年2月期 2024年2月期 2025年2月期 2027年2月期 多様な就業機会の創出 雇用ミスマッチの解消 多様な職業 ・ 職種、 様々な働き方へのニーズに応える質の高い求人数※1 116万件*1 133万件*1 139万件*1 業界No.1を維持 168万件*1 シニア歓迎求人数 21万件*1 31万件*1 38万件*1 40万件*1 45万件*1 育児 ・ 介護中でも働きやすい求人数 − 51万件*1 61万件*1 - 80万件*1 外国人 ・ 留学生の求人数 − 14万件*1 17万件*1 - 30万件*1 高校生歓迎の求人数 − 9万件*1 13万件*1 - 15万件*1 医療 ・ 福祉業界の就業者数※2 − 1万人 2.3万人 - 2.5万人 人材力・経済生産性の向上 働きがいのある職場づく り 採用 ・ 人事、 販促領域でDX導入 ・ 課金社数 − 1.2万社*1 1.4万社*1 - 3万社*1 時給アップ等の処遇改善を実現した求人数※3 85万件*1 99万件*1 109万件*1 100万件*1 125万件*1 DEI の推進 人権の尊重 採用時の年齢バイアスがない求人数 (年齢入力任意求人数) − 13万件*1 41万件*1 - 65万件*1 障がい者雇用の求人 単発でキャンペーンを実施 単発でキャンペーンを実施 単発でキャンペーンを実施 通年でキャンペーンを実施 通年でキャンペーンを実施 優良募集情報等提供事業者認定 制度開始前 取得 継続 取得 ・ 継続 取得 ・ 継続 労働法規に違反する案件数 0件 0件 0件 0件を継続 0件を継続 人権侵害と思われる案件の掲載禁止 実施済 実施済 実施済 実施を継続 実施を継続 気候危機への対応 全オフィ スとデータセンターのGHG排出量 567.7t-CO2e/年 334.2t-CO2e/年 175.3t-CO2e/年 Scope1+2とデータセンター実質ゼロ*2 Scope1+2とデータセンター実質ゼロ*2 フィロソフィーで結びつく 人的資本の強化 エンゲージメント指数※4 3.82 3.84 3.96 4.0 4.2 新卒社員から管理職に昇格した社員における女性比率 41.3% 43.5% 45.2% 50% 50% 女性の管理職比率 33.2% 34.4% 36.2% 40% 40% 女性の育児休業取得率 100% 98.2% 100.0% 100% 100% 女性の育児休業復職率 100% 100% 98.0% 100% 100% 男性の育児休業取得率*3 61.1% 92.5% 100% 100% 100% 障がい者の雇用率 2.6%*4 3.0%*4 2.2%*4 法定雇用率*4以上 法定雇用率*4以上 有給休暇取得率 56.6% 59.4% 72.5% 80% 80% 平均所定外労働 25.4時間/月 23.0時間/月 19.8時間/月 20時間以下/月 20時間以下/月 離職率 15.2% 12.6% 13.7% 10% 10% 研修時間 新卒研修 326時間 326時間 326時間 継続的に拡充 継続的に拡充 新任管理職研修 36時間 52時間 52時間 次世代リーダー育成研修 143時間 143時間 150時間 ガバナンスの強化 独立役員の割合 50%*5 2/3*6 2/3*7 2/3以上 2/3以上 女性取締役比率 1/3*5 55.6%*6 55.6%*7 50% 50% 重要な法令違反件数 0件 0件 0件 0件を維持 0件を維持 コンプライアンス研修 ・ テスト受講率 100% 100% 100% 100%を維持 100%を維持 投資家面談数 245件/年 367件/年 393件/年 500件/年 550件/年 中期経営計画 「dip30th」 で創出する社会価値に係る非財務 KPIと進捗 ※1 : 動画やしごと体験機能、 dipさんからのメッセージなどを掲載。 さらに質を高める施策を実施 ※2 : エージェン トサービスの決定人数とメディアサービスからの就業者数 (自社推計) の合計 ※3 : 時給アップ、 継続勤務ボーナス ・ 入社祝い金の案件 ※4 : 当社ES (Employee Satisfaction) サーベイにおける指数 (最高5) *1 : 2月末 *2 : Scope1とScope2(全オフィスの都市ガスと電気が対象。 2023年2月期より算定範囲 に保養所 ・ データセンターを含む) *3 : 育児 ・ 介護休業法にもとづき、 育児 ・ 介護休業法施行規則第71条の4第2号における育 児休業等および育児目的休暇の取得割合を算出しております。 *4 : 6月1日現在 (厚生労働省 障害者雇用状況報告時点) 民間企業の法定雇用率2.5% (2024年4月改定) *5 : 2022年5月末時点 *6 : 2023年5月末時点 *7 : 2024年5月末時点 40 39
  21. Introduction マ ネ ジ メ ン ト メ ッ セ

    ー ジ 価 値 創 造 プ ロ セ ス マ テ リ ア リ テ ィ 成 長 戦 略 ガ バ ナ ン ス デ ー タ セ ク シ ョ ン dip Integrated Report 2024 第二回フィロソフィーコンテストファイナリスト 西原 華奈|メディア 事業本部 私が担当する観光業の企業様では、 コロナ禍で従業員が一時期半数にまで減少したものの、 需要の回復に伴い、 人材確保が急務でした。 しかし、 人数を優先した採用によりミスマッチが発生していました。 そんな状況で、 当社に100名の採用目標を託していただきました。  私は現場に足を運び、 ミスマッチ採用の根本的な原因は、 採用担当者様の業務ひっ迫であると考え、 何よりもまず 「受け入れ体制の 整備が必要です」 と提案しました。 さらに、 採用担当者様だけでなく現場の従業員様にも採用活動に協力いただくために、 応募対応 ・ 面接 ・ 育成の業務細分化、 SNSを活用したコミュニケーションの活発化をご提案しました。 はじめは、 現場の方々に採用活動へのご理 解を得るのは難しかったです。 しかし、 何度も現場へ通い、 私の熱い想いを伝え続けることで、 従業員の皆さん一人ひとりが“自分ごと” として考える意識が芽生え、 協力していただけるようになり、 職場の雰囲気まで明るくなりました。 その結果として、 目標としていた採用 人数を達成することができました。 また、 採用担当者様から 「次は採用活動をブランディングにつなげる夢ができた」 とおっしゃ っていた だき、 私も嬉しく思いました。  仕事をする上で、 私が常に大切にしているのは 「ユーザーと企業の幸せマッチング」 です。   「なんとなく働く」 や 「シフ トを埋める」 ではなく、 双方がやりがいを感じながら幸せに働いてほしいと思い顧客企業様と向き合っていま す。 そのために、 日々現場を駆け回り、 働く人の声に耳を傾け続けています。 唯一無二のパートナーとして、 伴走できること。 AIと共存す る新時代において、 人間の介在価値はここにあると信じています。 Episode 1 顧客企業の職場を 「見る ・聞く ・話す」 で幸せマッチングを生む 事業におけるマテリアリティの主な取り組み dipは、 多様な個性と能力を持つ人材がそれぞれ、 人ならではの価値を生み出せるベストな仕事に就き、 夢を抱き、 様々な工夫を凝らしな がら、 情熱を持って働く ことを支援します。 「誰もが働く喜びと幸せを感じられる社会」 へと改善されていく ことを企業理念に掲げ、 ビジョン である 「Labor force solution company」 の実現を目指しています。 小学生 キャリア教育 協力 企業 依頼 ・ 連携 人材サービス事業を通じて培ってきた仕事に関 するノウハウを活かし、 未来を担う子どもたちに 将来の仕事について考える機会を作り、 働く こと の意義 ・ やりがいを伝えるとともに、 「希望ある将 来を創造できる」 「望むキャリアに挑戦できる」 よう、 小学生向けのキャリア教育支援として 「バイトル Kidsプログラム」 を実施しています。 当社社員に 加え、 協力企業の社員から仕事の特徴、 社会的役割、 やりがいなどを伝えることで、 子どもた ちが多様な働き方を知る機会とし、 仕事に対する考え方や価値観の育成に貢献することを目 指し、 取り組んでいます。 • 小学生向けキャリア教育支援 「バイトルKidsプログラム」 ユーザー 参加 イベン ト実施 自治体 提携企業 委託 募集 地方では中堅 ・中小企業における人手不足感が 強まる一方で、 大都市圏では若年層を中心に多 くの不本意有期雇用の就労者が存在しています。 dipは、 移住 ・ 定住を伴う就労意欲の高い求職者 と地域企業および地方自治体とのマッチング促 進に向けたサービス提供などを通じて、 ユーザー に多様な働き方やキャリアの選択肢を提案する とともに、 地方の労働力不足の解消に取り組んでいます。 • 移住 ・ 定住を伴う就労意欲の高い求職者と地域企業および地方自治体とのマッチング促進      〜地方創生の取り組み〜 多様な就業機会の創出 / 雇用ミスマッチの解消 多様な人材、 様々な働き方のニーズに応える質の高い求人案件数の拡大 dipは、 多様な人材が様々な働き方を選択できるように、 新鮮かつ豊富な情報量を持つ求人案件数を拡大してきました。 また、 職場紹介 動画、 応募バロメーターをはじめとする独自の機能やサービスを提供し、 就業時のミスマッチの解消に取り組んでいます。 働き方の価値 観が多様化する中で、 誰もが働きたい時にやりたい仕事に就ける。 望むキャリアに挑戦できる。 そしてやりがいを持って、 自分の力を十分 に発揮し、 より良く処遇されることで、 全ての人が働く喜びと幸せを感じられる社会を目指し、 引き続き求人案件数を拡大するとともに、 ユー ザーファーストな機能の開発、 マッチング精度を高める取り組みを推進します。 ▪ 「dip AI」 サービス 生成AIを活用した対話型バイ ト探しサービス AIとの自然な対話で夢を叶える仕事との出会いをサポートいたします。 AIエージェントは単にあなたに仕事を紹介するだけの存在ではありません。 あなた自身も気づか なかった仕事選びのこだわりを引き出したり、 探した後の面接のサポート、 他にも仕事探しに疲れ た時の雑談まで親友のように優し く寄り添います。 ▪ 職場紹介動画 文字や写真だけでは伝えき れ ない、 職場の雰囲気や仕事内 容を動画でわかりやす く紹介。 求人案件に掲載された動画で、 ユーザーと仕事のマッチング 精度を高めています。 ▪ dipさんからのメッセージ dip の営業社員が、 仕事と職 場の魅力 ・ リアルな情報を客 観的視点で伝えるメッセージ を掲載します。 より良い仕事 選びと、 ミスマッチの解消 ・早 期離職防止につなげます。 ▪ 職場環境バロメーター 年齢層や男女の割合だけでな く、 曖昧さのある職場環境 ・ 雰 囲気についても一目でわかる 仕様でマッチングのズレを削 減します。 ▪ しごと体験・職場見学機能 応募前の段階で仕事を体験 し、 働く職場をリアルに体感。 ミスマッチの防止に効果を発 揮しています。 42 41
  22. Introduction マ ネ ジ メ ン ト メ ッ セ

    ー ジ 価 値 創 造 プ ロ セ ス マ テ リ ア リ テ ィ 成 長 戦 略 ガ バ ナ ン ス デ ー タ セ ク シ ョ ン dip Integrated Report 2024 dipはこれまで、 ユーザーに対する新型コロナウイルス罹患による休業時の経済支援策、 ワクチンを接種したユーザーに時給アップやワク チン手当の支給を働きかけるプロジェク トなど、 様々な施策を実行してきました。 これからも、 生産性向上により企業の収益力を向上し、 働く人のさらなる処遇の改善と働きがいに溢れた職場づく りに貢献します。 ▪ ディップ ・ インセンティブ ・ プロジェクト 2021年11月より、 営業社員が顧客企業に、 時給の引き上げや採用時の お祝い金の支給などを提案しdipの求人サイ ト上に掲載する 「ディ ップ ・ インセンティ ブ ・ プロジェク ト」 を開始しました。 少子高齢化による労働 人口の減少により、 これから深刻な労働力不足に陥っていく中で、 採用 力強化 ・ 人材の定着につながると、 多く の企業から賛同を得ています。 ▪ 年齢バイアスの撤廃 労働力不足の解消のためには、 待遇の見直しに加え、 採用条件の 見直しにより雇用と働き方の多様化を進める取り組みも重要です。 そこで、 募集 ・ 採用時の年齢によるバイアスを解消し、 個々のスキ ルや適性にもとづいた採用を促進する取り組みを推進しています。 顧客企業が dipの求人サイ トに求人情報を掲載する際、 応募時 「年 齢 (= 生年月日 )」 入力の必須 ・ 任意設定が選べるようにしています。 2024年9月時点で、 年齢を入力しないで応募できる求人案件数は 41万件以上となっており、 多くの企業から支持を得ています。 ▪ dip DEIプロジェクト dipは、 さまざまな個性を持つ人たちが働き方の選択肢を広げ、 自分らし く働ける社会の実現を目指しています。 年齢や 性別、 国籍など先入観で判断するバイアスを無く し、 多様な就業機会を増やすことで、 企業も働く人も活き活きと過ごせる 社会が実現できると考えています。 「働く人のために、 働いていく。 」 dipはその思いとともに、 これからも活動を続けます。 �� �� ��� ����年�月期 ����年�月期 ����年�月期 (万件) 応募を諦めた 応募をするか 悩んだ経験 ��.�% 「気にしたことがない」 ��.� 「ある」 ��.� 「悩んだ経験がある」 ��.� 応募意欲が 高まる ��.�% 「高まる」 ��.� 「変わらない」 ��.� 「下がる」 �.� 「年齢」 を気にして 応募しなかった経験はありますか? 年齢にこだわらない採用を推進している 企業への応募意欲は高まりますか? 人材力・ 経済生産性の向上 / 働きがいのある職場づく り DEI の推進 / 人権の尊重 dipは、 多様な人材が自分らし く働き 、 活躍できる社会の実現を目指し、 dip DEI (Diversity, Equity & Inclusion) プロジェク トをはじめ、 様々 な取り組みを推進しています。 顧客企業と共創しながら、 女性、 高齢者、 障がい者の方々が活躍できる職場環境を整備し、 雇用の促進と就 労の安定に取り組んでいます。 有期雇用労働者の待遇向上の実現 多様な人材が自分らしく働き、 活躍できる社会の実現 中堅 ・ 中小企業のDX導入を支援し、 生産性を向上させるとともに、 働く人がそれぞれの能力を発揮できる仕事に取り組めるようになるこ とで、 誰もが働く喜びと幸せを感じられる社会の実現を目指します。 さらに、 業務効率化により捻出された時間をリスキリング等にあてるこ とで、 スキルアップによる人材力の強化を通じて、 さらなる働きがいの創出に貢献します。 中堅 ・ 中小企業のDX化への貢献 第一回フィロソフィーコンテスト最優秀賞 山崎 健司|メディア 事業本部 担当している飲食系の企業様では、 慢性的な人手不足に加え、 定着率に課題がありました。 店長は接客や面接に追われ、 既存スタッフ のフォローに手が回らず、 退職者も多く出ていました。 本社の人事 ・ 労務担当者様も、 事務作業に時間を要し、 根本的な課題の解決策 を考えられない状況でした。  そこで私が提案したのは 「人事労務コボッ ト※1」 の導入です。 状況調査を行ったところ、 作業時間の約90%を削減できることが判明し ました。 当初は担当者様も、 「自身の業務負担軽減のために予算をかけるなんて…」 と後ろ向きでしたが、 捻出した時間で人材の定着 やサービスの向上などに取り組み、 本来の任務に専念するメリッ トを何度もお伝えして、 ようやく導入に至りました。 導入後は私が想定 していた通り、 作業時間を90%削減することができ、 店長はスタッフ育成や店舗サービス向上に時間を確保できるようになり、 人事 ・ 労 務担当者様は、 新たな評価制度の立案等、 よりよい就業環境の改善に尽力されるようになりました。 「自身の仕事に意義を感じられる ようになり、 会社の未来を考えながら、 日々ワクワクしている」 と、 営業人生に深く刻まれるお言葉もいただきました。  お客様の課題解決は容易ではありませんが、 今後も企業の発展を支援するため、 お客様と並走していきたいと思います。 Episode 2 DXを推進し顧客企業が仕事の意義と働きがいを感じられるように ※1 人事労務コボッ ト:アルバイ ト ・ パートの入社 ・ 労務管理をペーパーレスで完結するサービス 第一回フィロソフィーコンテスト最優秀賞 森 侑佳|メディア事業本部 看護師を募集している企業の担当者様は、 ご契約当初 「採用したいのは若手。 それ以外は任せる」 というスタンスでした。 お客様とは 二人三脚で取り組みたいと考えている私は、 まず採用活動に対する意識を共有していただく ことから始めることにしました。 担当者様 と粘り強く向き合い続けた結果、 採用活動や従業員の皆さんに対する本音を打ち明けていただけるまでになりました。  看護師採用の市場動向を鑑みて、 ターゲッ トを 「第二の人生に挑戦する即戦力シニア」 とする提案の際も、 当初は困惑されていまし たが、 何度も説得を重ねてようやく納得して掲載いただきました。 しかし、 掲載開始直後は、 シニアの方からの応募があってもなかなか 踏み切れないご様子でした。 その時も、 何度も連絡を取ってシニアの方の応募に対して後押しをさせていただく ことで、 応募者との面談 に至りました。 結果的に、 経験豊富な52歳、 63歳の方を採用することができ、 現在でも最前線でご活躍されています。 シニアの方を迎 えるにあたり職場環境の見直しもされ、 職場の雰囲気もよくなり、 以降の退職者はゼロになったそうです。 担当者様も今では 「年齢は 関係ない」 と胸を張るほどです。  担当者様自身が持つ 「年齢バイアス」 を解消できた体験は、 私にと っても大きな自信になりました。 今後もユーザー ・ 企業、 双方の新 たな可能性を広げるお手伝いができるよう、 努力していきます。 Episode 3 年齢バイアスの撤廃に妥協なく挑み、 誰もが働きやすい職場環境に ▪ DX サービス 「コボットシリーズ」 の特徴 導入から保守 ・ 運用までワンストップで提供 ~先入観で可能性が否定されない多様性のある職場づく りを応援~ ▶ ユーザーの声 ・ バイ トル、 バイ トルNEXT、 バイ トルPRO、 はたらこねっとを通じて就職した方のインタビューより (2023年5月~8月) 東京都 60代 女性 シニア歓迎の職場で 長期的に安定して 働く ことができています 神奈川県 50代 性別非公開 年齢入力任意のお仕事で 年齢の壁を越えた働きやすい 職場に出会えました 東京都 20代 男性 幅広い年代の方が 働く職場で、 のびのびと 頑張ることができています シンプルな機能 導入が容易 中堅 ・ 中小企業向けの 価格設定 従来のDXサービス dipのDXサービス 時給ア ッ プ等の処遇改善を実現した求人数 44 43
  23. Introduction マ ネ ジ メ ン ト メ ッ セ

    ー ジ 価 値 創 造 プ ロ セ ス マ テ リ ア リ テ ィ 成 長 戦 略 ガ バ ナ ン ス デ ー タ セ ク シ ョ ン dip Integrated Report 2024 ▪ 人権啓発推進体制 代表取締役 COOを議長とする 「人権啓発推進会 議」 を設置し、 当社の人権方針に則り、 人権に関す る取り組みの審議 ・決定を行っています。 また、 同 会議の議論内容および取り組みの進捗状況につい ては、 取締役会が定期的に同会議より報告を受け、 取り組みに対する監督を行うとともに、 必要に応じ て指示を行っています。 ▪ ガバナンス dipでは、 気候変動問題を含めた環境方針および関連する重要事項について、 取締役会で審議 ・ 決議しています。 代表取締役COOを議長とし全執行役 員から構成されるサステナビリティ推進会議において、 気候変動に関するリスクと機会の特定を行い、 対応策と目標を設定し、 その進捗を評価しています。 また、 同推進会議が気候変動に関連する施策の推進を担い、 取締役会が監督を行う体制としています。 取締役会は、 気候変動に関するリスクと機会、 対 応策の進捗状況について定期的に報告を受け、 目標の進捗に対する監督を行うとともに、 適宜対応を指示しています。 ▪ リスク管理 dipでは、 「サステナビリティ推進会議」 で、 気候変動リスク ・ 機会の再検討、 ならびに評価 ・ 分析を行っています。 この内容は、 年一回実施されるリスクマ ップの見直し内容に反映され、 全社的なリスクマネジメン トへの統合を図っています。 また、 「サステナビリティ推進会議」 は、 特定されたリスクについて、 対応策を検討し、 取締役会への報告を実施しています。 ▪ 人権デューデリジェンス 国連の 「ビジネスと人権に関する指導原則」 に則り、 人権に関する専門家と 連携を行いながら人権デューデリジェンスを始めています。 dipのバリュー チェーン全体における人権に関するリスクを特定し、 そのインパクトや重要 度を分析 ・ 評価した上で、 予防 ・ 是正措置の計画と実行、 モニタリング、 情報 開示を継続的に行っていきます。 また、 社内外のステークホルダーに対し、 人権方針に違反した、 あるいは違反する恐れがある行為について、 通報でき る窓口を設けています。 ▪ 主要取引先・関係会社を対象に人権アンケートを実施 企業の社会的責任を果たす一環として、 取引先および関係会社が人権を尊重し、 適切な労働環境を提供しているかどうかを確認し、 人権侵害のリスク を予防することを目的に、 2024年1月にアンケートを実施いたしました。 このアンケートでは、 ①人権に対する基本姿勢 ・ 取り組み、 ②労働環境、 ③ハラ スメン ト、 ④差別の4つの項目について調査を行いました。 アンケートの結果にもとづき、 改善策を検討し、 取引先および関係会社との協力関係を強化し 続けていきます。 また、 社内外のステークホルダーに対し、 人権方針に違反した、 あるいは違反する恐れがある行為について、 通報できる窓口を設けています。 ▪ 人権リスクマップの策定 事業活動において負の影響を受ける可能性のある 人権課題を洗い出し、 その影響度と発生可能性に もとづき優先順位付けを行っています。 優先度の高 い人権リスクについては、 緩和 ・ 防止策の計画と実 施、 モニタリングを行います。 これらの取り組みの 進捗状況については、 取締役会が定期的に人権啓 発推進会議より報告を受け、 必要に応じて指示を 行っています。 なお、 マッピング項目については継 続的に見直しを行う予定です。 ※ 当社リスク評価基準にもとづき策定 人権啓発推進会議 議長 : 代表取締役COO メンバー : 執行役員 取締役会 役員 ・ 従業員 分科会 出資先 分科会 顧客企業 ・ 代理店 分科会 ビジネス パートナー 分科会 ユーザー 分科会 報告 監督 ・ 指示 ( 影 響 度 ) 優先度の高い 人権リスク 当社グループに関するリスク 顧客企業に関するリスク 取引先に関するリスク (発生可能性) プライバシー テクノロジー・AIに関する人権問題 過重労働 差別、 LGBTQ+の労働者の権利 知的財産権、 消費者の安全と知る権利 ハラスメント ハラスメント 賃金未払い 労働安全衛生 労働安全衛生 過重労働 強制労働 社会保障を 受ける権利 賃金未払い 気候危機への対応 気候変動によって自然災害の発生頻度、 激しさが増し続けると、 安心 ・ 安全に働く ことができ ないだけでなく、 就業機会の損失にもつながる可能性があります。 dipは、 気候危機への対応 を重要な経営課題として捉え、 事業活動で生じる環境負荷の低減とともに、 事業機会の拡大 に向けた取り組みをしてまいります。 シナリオ分析における想定 リスク 機会 気温上昇に 歯止めがかからない シナリオ 〈想定〉 産業革命前に比べて4℃程度の上昇 〈分析に用いたシナリオ〉 ・RCP8.5 ・SSP5 平均気温の上昇に歯止めがかからず、 自然災害の発生頻度が高まると ともに、 激甚化する。 また、 温暖化により感染症のリスクが 高まる。 〈物理的リスク〉 自然災害の発生 システム障害の発生 感染症の拡大 気候危機により災害を受けた方への 就業機会の提供 気温上昇抑制 シナリオ 〈想定〉 産業革命前に比べて2℃未満の上昇 〈分析に用いたシナリオ〉 ・RCP2.6 ・SSP1  ・IPCC 「1.5℃特別報告書」 平均気温の上昇を抑制するために、 政策・規制が強化される。 これにより、 平均気温の上昇が 抑えられ、 自然災害も現在より 大きく増えることはない。 〈政策および法的リスク〉 GHG排出量抑制、 政策の強化 〈市場リスク〉 低炭素社会への移行 〈レピュテーションリスク〉 レピュテーションリスクの発生 ・政府のグリーン成長戦略に係る産業間の 労働移動に伴う人材サービスの提供機会の 拡大 ・上記成長戦略に係るベンチャー企業への 出資の拡大 ・GHG 排出抑制政策強化によるペーパーレス 化の促進に伴い、 DXサービスの導入機会の 拡大 ・上記政策の強化に伴い、 dip が出資している 環境課題を解決するベンチャー企業の企業 価値の向上 ▪ 戦略 企業理念 「私たちdipは夢とアイデアと情熱で社会を改善する存在となる」 にもとづき、 多様 な個性、 バックグラウンドを持つ人々が互いを尊重し合い、 年齢、 性別、 人種、 雇用形態などに よる不合理な処遇差や、 無意識、 暗黙の偏見がない職場環境の整備に取り組んでいます。 また、 ビジネスに関わる全ての人々の人権を尊重し、 その責務を果たすための指針として人権方針 を定め、 人権尊重の取り組みを全社で推進しています。 気候危機のリスク ・ 機会に関する取り組み (TCFD提言にもとづく情報開示) 人権 デューデリジェンス 人権リスクの 特定・評価 緩和・防止策 の実施 モニタリング 見直し 情報開示 人 権 方 針 の 策 定 苦 情 処 理 メ カ ニ ズ ム の 構 築 人権への取り組み https://www.dip-net.co.jp/esg/ environment/E003 環境方針 https://www.dip-net.co.jp/esg/ society/S006 人権方針 46 45
  24. Introduction マ ネ ジ メ ン ト メ ッ セ

    ー ジ 価 値 創 造 プ ロ セ ス マ テ リ ア リ テ ィ 成 長 戦 略 ガ バ ナ ン ス デ ー タ セ ク シ ョ ン dip Integrated Report 2024 ����年�月期 見込み ����年�月期 実績 ����年�月期 基準年度 �% ���% ���.� t-co�e ���.� t-co�e ��%削減 ���%削減 ▪ 削減目標と削減に向けた取り組み dipでは、 2025年2月期までに、 全オフィス (Scope1+2) とデータセンターの GHG 排出量の100% 削減を目標として掲げ、 再生可能エネルギーの活用な どの取り組みを行ってまいりました。 2025年2月期中には、 Scope1と2のカー ボンニュートラルを達成する見込みです。 また、 Scope3のGHG 排出量の削 減目標についても議論を重ねており、 開示できるタイミングで速やかに開示 いたします。 ▪ 再生可能エネルギーへの転換 再生可能エネルギー由来の電力を積極活用するとともに、 各オフィ スにおいて省電力化 ・ 省エネルギー化を推進しています。 2024年2月期は、 事業活動 に伴うエネルギー消費量 (Scope1+2) の78.7% を再生可能エネルギーへと転換しました。 ▪ 森林クレジットの活用 dipでは、 Scope1のGHG排出量に関しCO2 吸収だけではないコベネフィ ッ トを持つ森林クレジッ トの活用を進めています。 これにより、 温室効果ガスの 中で最大量を占めるCO2 の吸収を促進し、 地球温暖化の防止に貢献しています。 ▪ 紙資源の削減 ペーパーレス化 インターネッ トに特化した求人情報サービスを運営することで、 紙資源を使用しないサービスを推進しています。 また、 申込書や請求書、 契約書等の電 子化を進めるとともに、 タブレッ ト式 PC を営業活動に活用するなど、 ペーパーレス化の促進による紙資源の削減に努めています。 ▪ 水資源の保全 「LIMEX (ライメックス) 」 の使用 2019年から株式会社 TBM に出資し、 同社が開発 ・ 製造 ・ 販売を行うプラスチック、 紙製品の代替品である 「LIMEX」 を名刺に使用しています。 「LIMEX」 名刺は紙で作られた名刺と比較し、 1箱 (100枚) で約10リ ッ トルの水の保全に 貢献できます。 また、 不要になった名刺を回収し、 株式会社 TBM にて再資源化を行うことで、 循環型社会の実現に も貢献しています。 ▶ 石灰石を主原料とする 「LIMEX名刺」 環境負荷低減への主な取り組み dipでは、 生態系等の環境保全ならびに生物多様性の維持 ・ 保全に向けた方針 ・ 取り組みについて議 論を始めています。 2024年11月に実施した三重県尾鷲市への寄付を通じて森林保全活動を支援し、 森林保全の活動を通じて森林における生物多様性保全への取り組みを行いました。 2026年2月期には、 TNFD (自然関連財務情報開示タスクフ ォース) にもとづく開示を行う予定です。 生物多様性への取り組み 当社がNPOとともに、 マテリアリティに沿った新たな社会課題の解決に取り組むため、 2023年9月より 「dip-NPO 協働プログラム」 を開始しました。 本プログラムのアドバイザーとして、 公益財団法人 日本非 営利組織評価センター理事長である佐藤大吾氏を迎え、 43団体の公募の中から選考を進め、 協働を決定 した1団体 (下記 「協働先NPO一覧」 ) と協働を模索していく4団体の合計5団体と、 新たな社会課題解決 に向けた取り組みを進めていく ことを決定いたしました。 • dip-NPO協働プログラム 「dip-NPO協働プログラム」 アドバイザー 佐藤 大吾 氏 団体名称 主な活動内容 特定非営利活動法人 ピースウィンズ・ジャパン 紛争地や大規模災害の被災地など困難な現場へいち早く駆けつけ、 救助・救命活動を展開する医療を軸とした人道・災害支援 協働先 NPO 一覧 その他、 4団体と協働に向けた取り組みを開始 令和6年能登半島地震を受け、 いち早く被災地に駆けつけ被災地支援を行っているピースウ ィ ンズ ・ ジャパンへの先行寄付1,000万円を行いました。 また、 ピースウィ ンズ ・ ジャパンのみ ならず、 あらゆる取り組みを行うNPOとの連携を進めてまいります。 人材サービスとDXサー ビスの提供を通して労働市場における諸課題の解決に取り組んできた当社は、 今後もNPO との協働を通じて新たな取り組みを推進し、 多様な働き方を創出し、 誰もが働く喜びと幸せ を感じられる社会の実現を目指します。 「SDGs CONNECT」 は、 企業の強みを活かしたSDGsへの取り組みを紹介し、 社会とSDGs をつなぐ情報サイ トです。 100社以上の事例や1万件以上のニュースを掲載し、 企業担当者や 投資家、 学生が2030年の目標達成に向けて行動できるよう支援しています。 • 社会と SDGs をつなぐ 「SDGs CONNECT」 の運営 Scope1&2の削減目標と進捗 森林保全活動を支援〜三重県尾鷲市へ寄付〜 dipは、 2050年までにカーボンニュートラルを達成することを目指す三重県尾鷲市に対し、 1,000万円の寄付を行 いました。 これは、 持続可能な森林経営および海洋資源の保全を目的と し、 CO2吸収量の増加や生物多様性の回復 ・ 向上、 木材の利活用 (炭素固定) や再生可能エネルギーの活用を推進するための地域内のゾーニングやガイドライ ンの整備を支援するものです。 さらに今後は、 森林保全活動の担い手不足の課題に対しても、 尾鷲市を実証フィー ルドとして、 dipが保有するプラッ トフ ォームを利用した取り組みができないか等の検討も進めてまいります。 column 強さと情熱あふれるダンスで人々に 「夢を与 える」 チームでありたいという思いを込め、 2021年にプロダンスチーム 「dip BATTLES (デ ィ ップバトルズ) 」 を結成しました。 ダンスを通 じて、 観る人に感動や元気 ・ 勇気を与えられる よう、 日本発のプロダンスリーグ 「D.LEAGUE」 へ参戦しています。 また、 企業理念である 「社 会を改善する存在となる」 を目指し、 顧客企 業の社員総会やイベントでのパフォーマンス、 ダンスを活用したチームビルデ ィ ング研修など、 働きがいのある職場づく りに貢献しています。 未来世代である子どもたちには、 心からダン スを楽しめる環境を提供するため、 2024年か らは小学校を訪問し、 「プロダンサー」 の仕事 紹介やダンスレッスンを実施しています。 さらに、 dip社員に向けては 「健康意識の向上」 を目的に、 dip BATTLESメンバーによる社員限 定のダンスレッスンを定期的に開催しています。 web▶https://www.dip-battles.com/ • プロダンスチーム 「dip BATTLES (ディ ップバトルズ) 」 算定した排出量の正確性 ・ 信頼性を確保するため、 株式会社サステナビリティ会計事務所による第三者保証を受けております。 第三者保証 web▶https://www.dip-net.co.jp/files/2031 web▶https://sdgs-connect.com/ 48 47
  25. dip Integrated Report 2024 Introduction マ ネ ジ メ ン

    ト メ ッ セ ー ジ 価 値 創 造 プ ロ セ ス マ テ リ ア リ テ ィ 成 長 戦 略 ガ バ ナ ン ス デ ー タ セ ク シ ョ ン 労働力需給推計 労働力人口は、 一人当たりゼロ成長に近い経済状況のもと、 労働参加が 2022年と同水準で推移した場合 (一人当たりゼロ成長 ・労働参加現状シナ リオ) では、 2022年の6,902万人から、 2030年に6,556万人、 2040年に 6,002万人に減少すると見込まれます。  これに対し、 経済 ・ 雇用政策を講じ、 成長分野の市場拡大が進み、 女性お よび高齢者等の労働市場への参加が進展する場合 (成長実現 ・労働参加進 展シナリオ) では、 2030年に6,940万人と増加した後、 2040年に6,791万 人と減少するが、 一人当たりゼロ成長 ・労働参加現状に比べ減少幅が縮小 することが見込まれます。  なお、 経済 ・雇用政策を講じ、 経済成長と女性および高齢者等の労働市 場への参加が一定程度進む場合 (成長率ベースライン ・労働参加漸進シナ リオ) では、 2030年に6,886万人、 2040年に6,536万人となることが見込ま れます。 出典 : 独立行政法人 労働政策研究 ・ 研修機構 「2023 年度版 労働力 需給の推計」 日本における有期雇用労働者に関する今後の需給動向と それを規定する要因 2040 年を視野に入れた労働環境の変化とは? 労働人口が減少する中、 企業の経営戦略が変化し、 それに応じたスキルやマインドを持つ人材が求められるようになりました。 一方、 働く人のキャリアに 関する価値観が多様化するとともに転職のハードルは下がり、 流動化が加速しています。 こうした中で、 企業には経営戦略を実現するための明確な人 材ポートフ ォリオと、 多様な人材の“全員戦力化”が求められていると言えます。  人材ポートフォリオの設計においては、 業務をタスクレベルに分解し、 どのタスクを誰に担ってもらうかを明確にすることが重要です。 例えば、 恒常的 に必要としない専門的な業務がそこにあれば、 有期雇用者や業務委託に委ねることで生産性を高められます。 重要なのは 「この業務は正社員にしかで きない」 という思い込みを外し、 有期雇用者を単なる安価な労働力と捉えず、 それぞれの人材がどんなバリ ューを発揮できるかを考えて引き出すことです。  多様な働き方や価値観による集団を束ねるには、 パーパスを明確にして共鳴する人材を募ることが第一です。 そして掲げた目標への登り方は多様で あっていいという考え方を取り、 採用やマネジメントは各現場に任せる。 人事はそれを実現できるように現場マネージャーの支援をすることが重要にな ります。 企業の人材戦略の課題と有期雇用の在り方 学習院大学経済学部 教授 守島 基博氏 外国人の入国超過数は2023年に32万人と空前のペースで増加しており、 このトレンドは年金問題などを抑制するインパク トがあります。 「円安の日本では稼げないから外国人労働者は減る」 という議論もありますが、 実際はそうなっ てはいません。 その要因は、 「途上国が経済発展すると学習 機会が増えて視野が広がり、 先進国に行きたいとの意欲を持つとともに、 経済的にも余力を持つことで出国者が増加する」 というモデルなどで説明できます。  受け容れる日本企業としては、 大手企業は外国人として特別に意識することはなくなる一方、 地方の中小企業は人手不足と採用難で、 特定技能制度 などを利用して外国人を雇用する流れが一般化してきています。  今後の有期雇用市場における外国人労働者の動向としては、 試験ルートの特定技能外国人や、 特定技能2号の帯同家族という派生的な外国人材市 場の拡大が注目されるでし ょ う。  日本企業として外国人労働者を長期的に雇用したいと考えても、 評価やキャリアパスの曖昧さにより転職されてしまうリスクがあります。 その点は日 本人と同様であり、 人的資源の管理における大きな課題であると言えると思います。 外国人労働者の動向 国立社会保障 ・ 人口問題研究所 国際関係部 部長 是川 夕氏 生成AIは、 高度で複雑な処理ができる万能さをもつと同時に、 簡易なUIによ って万人に対する親和性の高さをもち合わせます。 音声入力やタッチパネ ルはPCスキルも不要で、 豊富なデータに裏打ちされたAIは、 熟練の経験をも時に凌駕します。 このことは働く時間に制約のある有期雇用や、 スキルは なく ても経験豊富なシニア世代にと って、 これまでにない新たなチャンスとなり得ます。 これからAIに代替可能なタスクを見極め、 本当に人にしかできな い高度なタスク ・ 複雑な仕事にシフ トする 「タスク ・ トランスフォーメーション」 が重要です。 そうして生まれた新たな専門性には付加価値があり、 “専門性 のある有期雇用”となれば、 無期雇用との待遇格差是正も期待できます。  こういった変化を実現するには、 何より有期雇用のマインドチェンジが重要です。 企業には、 マインドチェンジの先にある希望的な未来を積極的に示 すことを期待したい。 またアートや家庭や旅行など、 生活の中心を仕事以外にもっている有期雇用の多様性を企業がうまく活用できれば、 今までにない アイデアが生まれる可能性もあります。 生成AIによる業務変革は、 有期雇用の新たな可能性を生む契機であると言えるでし ょ う。 有期雇用にAI がもたらす影響とは 慶應義塾大学商学部 教授 山本 勲氏 労働力人口が不足する中で、 企業は人材確保のためにタスクを細分化し、 有期雇用や業務委託などの外部労働力市場を取り込みやすく すると考えられ ます。 日経連がかつて 「雇用ポートフォリオ」 という概念を打ち出したのは、 企業の内部労働力市場の直下に外部労働力市場をつなげる動きと読み解く ことができます。 人材不足が続く今後は、 両市場の結合が進み 「総契約社員化」 といった動きに発展すると見ています。 この流れにおいて、 有期雇用と無 期雇用の待遇格差が改善され、 男女間の格差も是正されていく と考えられます。  こうした状況から、 企業の女性に対する有期雇用のニーズは増加していく トレンドにあると言えます。 育児などで時間的制約の多い女性にと っても有 期雇用は整合的です。 有期雇用の安定化のためには、 職場を変えても就労期間として通算され、 それに見合った保障が得られるといった社会保障強化 策などを検討する必要があります。  一方、 日本においては過去の経緯や歴史によ って決められた仕組みや出来事にしばられる 「経路依存性」 が強く、 ジェンダーバイアスがなかなか改善 されません。 このことにより女性が男性と同様に働く ことを阻害する要因となり続けることに注意が必要です。 女性の労働市場と有期雇用の動向 武庫川女子大学経営学部 教授 本田 一成氏 1980年の時点で就業者の21.5%を占めていた20歳代は、 少子化の中で2020年には13.5%まで減少しています。 その傾向は今後も続くと予測でき、 20 歳代は“マイノ リティ”な存在になりつつあると言えます。  労働人口の減少で人手不足も続く と すれば、 希少なマイノ リテ ィ である若年層の無期雇用、 いわゆる“正規社員”と しての就業は進展すると考えられます。 し かしながら、 「リーマン ・ シ ョ ック」 のような経済変動や大震災、 M&Aなど不可抗力的な事象により雇用環境が大き く 変動し、 無期雇用であっ ても安泰であると は言い切れないとの認識は浸透しています。 若年層としても、 仕事は二の次でプライベートでやりたいことを最重視する人が増えています。 そのため、 長時間 労働を強いられることには否定的で、 「いつでも転職できる」 という意識が強い。 つまり 、 無期雇用に対するこだわりは、 上の世代に比べて希薄と言えるでし ょ う。 「昨日より今日の自分を良く していく」 ことに楽しみを見出し、 自ら学びつつ社会貢献にも関心を持つ若年層が増えています。 その活動は有期のプロジ ェク ト型が多く、 こうした働き方によるキャリア構築の在り方が注目されると見ています。 “マイノリティ”な20代の就労意識 東京大学社会科学研究所 教授 玄田 有史氏 今後の労働市場を見通す上で、 2040年が大きな山場になると考えています。 1975年生まれが65歳の定年となる年で、 この世代は第2次ベビーブームの少 し後、 1年間に200万人近く出生しているボリュームゾーンです。 一方、 この世代は 「就職氷河期」 に直面し、 その前のバブル世代に比べ実質賃金は15%ほ ど低いという苦労をしてきています。 当然、 貯蓄額も少ない。 さりとて、 年金にも期待できないとなると、 定年後も働き続けざるを得ない人が多く なるでし ょ う。  2021年の高齢者雇用安定法の改正で、 70歳までの就業機会確保が事業主の努力義務となりました。 そこで、 まずはこの“努力”が2040年には外れて、 全事業者の“義務”となることが、 安心して働き続けるために求められる社会施策になると思います。  実際、 70歳以降も働き続けることが当たり前になりつつあります。 すでに2020年の時点で、 就業者数に占める70歳以上の割合は8.5%を占め、 1980 年からは4倍近く伸びています (総務省統計局 『国勢調査』 ) 。 現在、 500万人を上回る70歳代の就業者は、 人口減少下の労働市場における不可欠な存 在となりつつあると言えます。  70歳以降の働き方として、 無期雇用は考えにくいでしょ う。 今後も 「自分の都合のよい時間に働きたい」 というニーズが多くを占めると考えられます。 労働市場における有期雇用はますます重要な役割を占めると言えます。 注目すべき 「70代の有期雇用」 市場 東京大学社会科学研究所 教授 玄田 有史氏 �,��� �,��� �,��� �,��� �,��� �,��� (万人) ����年 �,��� �,��� �,��� �,��� �,��� �,��� �,��� �,��� �,��� �,��� �,��� 推計 ����年 成長実現 ・ 労働参加進展シナリオ 成長率ベースライン ・ 労働参加漸進シナリオ 一人当たりゼロ成長 ・ 労働参加現状シナリオ ����年 ����年 ����年 ����年 ����年 WEB ▶ https://dip-soken.com/tag/2040-employment- forecast 各教授の見解全文 50 49
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    ト メ ッ セ ー ジ 価 値 創 造 プ ロ セ ス マ テ リ ア リ テ ィ 成 長 戦 略 ガ バ ナ ン ス デ ー タ セ ク シ ョ ン 経営戦略 成長戦略 事業戦略 人材サービス事業 一番選べる ・ 一番決まる 直販営業が集めた高品質で独自の 求人情報と先進テク ノロジーで、 就業のベス トマッチングを実現 DX事業 いつもだれでもDX 採用 ・ 人事、 販促サービスで得られる データを活用した高品質なソリューションで 労働生産性向上を支援 機能別戦略 営業力 生産性向上を加速させる ハイブリッドセールスの推進 最新テク ノロジーとデータを活用 最適な提案を効率的に行い 顧客基盤を強化 サービス開発力 提供価値を最大化する 精鋭400名のチームスクラム 横断的な内製中心の開発体制で 高い生産性を実現し 付加価値を増大 プロモーション力 ユーザーファーストNo.1の ブランド確立 独自の大規模ハイブリ ッ ド プロモーションを展開し 広告効果と投資効率を向上 データ ・ テクノロジーの力 戦略実行の全てを支える データ基盤の整備 全事業共通のデータ基盤 “Labor force solution platform” を 構築し事業スピードを加速 事業開発力 イノベーションを生み出す 仕組みの強化 新規事業 ・ 新サービスを生み出す “dipイノベーションエンジン” で 新たな社会価値 ・ 経済価値を創出 経営基盤の強化 フィロソフィーで結びつく人的資本 人材のポテンシャルを最大限に引き出す 施策の展開 ピープルアナリティクスを用いて 社員の多様な才能を開花 ・ 活かさせ 社員幸福度No.1を実現 ガバナンス ステークホルダーとの対話を通じた 経営力の向上 株式市場との対話をはじめ、 株主などとのコミュニケーションを拡充し 経営に活かすことで企業価値を最大化 ビジョン実現のためのマテリアリティ 多様な就業機会の創出 雇用ミスマッチの解消 人材力 ・ 経済生産性の向上 働きがいのある職場づく り DEIの推進 人権の尊重 気候危機への対応 創出価値 社会価値 • 多様な職業 ・ 職種、 様々な働き方へのニーズに応える 質の高い求人168万件を掲載。 最適なマッチングで、 有期雇用の領域で業界最大規 模の雇用を創出   〈注力領域〉  シニア歓迎求人45万件  育児 ・ 介護中でも働きやすい求人80万件  外国人 ・ 留学生の求人30万件  高校生歓迎の求人15万件 • 少子高齢化により深刻化する医療 ・ 社会福祉領域で の人材不足と採用のミスマッチを解消   〈雇用創出数〉  医療 ・ 介護 ・ 福祉従事者 : 年間2.5万人 • 採用 ・ 人事、 販促領域でDX導入 ・ 課金社数を3万社に 伸ばし、 中堅 ・ 中小企業の労働生産性向上に貢献 • リスキリング機会の提供により資格取得を支援し、 労 働移動による地域活性化や産業振興を促進 • 時給アップ等の処遇改善を実現した求人125万件を 掲載し、 就業条件の向上を推進 • dipワークプレイス診断※を導入し、 職場環境を改善。 就業後の定着 ・ 活躍を支援 ※職場の魅力と課題を明らかにし改善案を提供するサービス • 採用時の年齢バイアスがない求人を65万件に増やし、 ミ ドル ・ シニアなど多様な人材の就業機会を拡充 • 障がい者雇用支援キャンペーン (厚生労働省後援) を 通年で展開し、 ハンディキャップを持つ方の就業への チャレンジを支援 • LGBTQ+フレンドリー求人を掲載し、 多様性を尊重 した職場環境づく りを推進 • 法令違反や人権侵害のリスクがある求人の掲載を禁 止。 人権侵害のない職場環境の整備を顧客企業に対 して啓蒙 • 再生可能エネルギーの導入などにより、 Scope1,2 の GHG排出量を2025年度までに実質ゼロとし、 脱炭素 社会の実現に寄与 • 大規模災害発生直後に、 全国の営業拠点ネッ トワー クを活用し、 自治体と連携。 災害ボランティア募集の 特設ページを自社サイトに開設し、 被災地支援を迅 速かつ効果的に展開 • 気候危機による災害で仕事を失った方々の就業への 多様なニーズに応える求人情報を集め、 各サイトに 掲載。 就業機会を提供し、 経済的な困窮からの脱却 を支援。 被災地の経済的復興に貢献 経済価値 全社 売上高780億円~850億円、 営業利益200億円~250億円、 ROE30% ビジョン 「Labor force solution company」 の実現に向け、 創立30周年 (2027年2月期) を最終年度とする中期経営 計画 「dip30th」 を策定いたしました。 目指す社会とビジョンからバックキャストして、 dip が取り組むマテリアリティと 創出する社会価値を定めました。 その上で、 本中期経営計画期間において実現したい社会価値 ・ 経済価値を定め、 それ を達成するための事業戦略 ・ 機能別戦略を策定いたしました。 これらを着実に実行していく ことで、 事業成長を加速させ、 誰もが働く喜びと幸せを感じられる社会の実現を目指します。 中期経営計画 「dip30th」 の全体像 2025年2月期〜2027年2月期 スポットバイトル ・ dip AI による事業構造の転換 ソリューション営業の進化 プロダクト開発の強化 52 51
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    ト メ ッ セ ー ジ 価 値 創 造 プ ロ セ ス マ テ リ ア リ テ ィ 成 長 戦 略 ガ バ ナ ン ス デ ー タ セ ク シ ョ ン 成長戦略の柱 �� スポッ トバイ トル ・ dip AIによる 事業構造の転換 成長戦略の柱 �� ソリューション営業の進化 成長戦略の柱 �� プロダク ト開発の強化 ビジョン 誰もが働く 喜びと幸せを 感じられる社会の 実現 Labor force solution company 売上高 ���~���億円 営業利益 ���~���億円 ROE ��% 2027年2月期売上高780億円〜850億円、 営業利益200億円〜250億円、 ROE30%を経済価値の目標とし、 社会価値に係 る非財務 KPI (詳細 P39に記載) と経済価値の目標を一体でその達成に向けて取り組むことで、 ビジョン 「Labor force solution company」 を実現し社会を改善することを目指します。 中期経営計画 「dip30th」 2025年2月期〜2027年2月期 市場 ・ 競争環境の変化等を踏まえ、 創立30周年の2027年2月期を最終年度とする 中期経営計画 「dip30th」 を2024年2月期に策定しました。 AIなどの新たなテクノロジーの進展によ って、 これまでは解決が困難だった課題に 対する解決策が見え始めています。 AIを働く人の幸せのために活用し、 労働力不足 という構造的な課題に正面から向き合うことで、 イノベーターとしてその解決に取り 組んでいます。 過去、 dipがインターネッ トの普及を捉えてビジネスを大きく拡大し たように、 AIの劇的な進化をビジネスチャンスに変え 「新時代」 を自ら創り、 高い成 長を実現します。 「dip30t h」 のテーマ 「新時代」 にもとづく成長戦略3本柱 財務目標と中計初年度 (2025年2月期) の進捗 市場環境については、 緩やかな市場拡大を前提に中期経営計画を策定しています。 初年度となる2025年2月期は、 概ね順調に進捗してお り、 引き続き中計の実現に向けて取り組んでまいります。 人員計画 売上高計画 営業利益計画 ROE 投資計画 •既存サービスへのソフ トウェア投資は毎年約15%成長 •上記とは別に、 AI関連の投資で、 3年間で合計約20億円を想定 •資産化率は現状水準が継続すると想定 (新卒採用の内訳) メディア/2025年2月期 215人、 2026年2月期 215人、 2027年2月期 215人 エージェン ト/2025年2月期 50人、 2026年2月期 15人、 2027年2月期 40人 DX /2025年2月期 20人、 2026年2月期 90人、 2027年2月期 120人 (中途採用の内訳) エンジニア ・ 企画等で毎年70名、 エージェン ト ・ DXで毎年30~50名、 コーポレート部門は退職補充のみ 採用計画は概ね順調に進捗していますが、 中期経営計画の達成に向け必要に応じて見直しながら進めてまいります。 ����年 �月期 実績 ����年 �月期 業績予想 ����年 �月期 計画 ��� ��� CAGR ��.�% CAGR ��.�% ��� ~��� (億円) ����年�月期 (見込み) ����年�月期 ����年�月期 (人) ��� �� ��� ��� ��� ��� 中途採用 新卒採用 ����年 �月期 実績 ����年 �月期 業績予想 ����年 �月期 計画 (億円) ��� ��.�% ��.�% ��.�% ~��.�% ��� CAGR ��.�% CAGR ��.�% ��� ~��� ��.�% ����年 �月期 実績 ����年 �月期 見込み ����年 �月期 計画 (%) ��.�% ��% 54 53
  28. dip Integrated Report 2024 Introduction マ ネ ジ メ ン

    ト メ ッ セ ー ジ 価 値 創 造 プ ロ セ ス マ テ リ ア リ テ ィ 成 長 戦 略 ガ バ ナ ン ス デ ー タ セ ク シ ョ ン 「AI 外部諮問委員会」 設立 人材領域における倫理的な AI 開発・ 運用、 社会浸透を推進 人材領域におけるAI倫理に関する議論を深め、 倫理 的なAI開発 ・運用、 倫理規範の社会浸透を推進する ため、 社外有識者からなる 「AI 外部諮問委員会」 を 2024年8月に設立いたしました。 【本委員会の役割】 本委員会は社内の特定組織には属さず、 独立した組織として存在し ます。 取締役会等の経営プロセスにおいて、 本委員会の提言を反映 させていきます。 CEO冨田×COO志立×松尾豊教授 特別鼎談動画 : https://youtu.be/swyPcg3uPlY  人材サービスの分野は生成AIによる変化が一番大きい領域かもしれないと考えています。 これまで定量化するこ とが難しく、 属人的な手法に頼ることで、 かなりきめ細かいマッチングを行うことが必要だったため、 AI活用によ る影響は大きいと思います。 これから大きな変化が 起こ っていく中で、 足元から着実にやっていかなければなりません。 現時点では、 生成AI の技術を使ってより良いマッチングを多く創出していく ことが重要です。 今は、 10年後 20年後から振り返ったときに、 本当に新しい時代の始まりだったと思える瞬間だと思います。 その 中で新しいサービスを一緒に創っていけることを、 とても嬉し く思います。 松尾 豊 氏 (東京大学大学院工学系研究科 教授 内閣府 「AI 戦略会議」 座長) コメント 【本委員会の構成】 ・ 馬渕 邦美 (委員長)  当社社外取締役 一般社団法人 Metaverse Japan共同代表理事 ・ 今津 幸子  当社社外取締役 監査等委員 アンダーソン ・ 毛利 ・ 友常法律事務所外国法共同事業パートナー弁護士 ・ 吉永 京子 慶應義塾大学大学院政策 ・ メディア研究科特任准教授 ・ 伊達 洋駆 株式会社ビジネスリサーチラボ 代表取締役 東京大学大学院情報学環 特任研究員 ・ 前野 隆司 慶應義塾大学大学院システムデザイン ・ マネジメン ト研究科教授 兼 武蔵野大学ウェルビーイング学部長 ・ 教授 正社員領域では、 転職エージェントが求職者に代わり最適な仕事選びをサポートしていますが、 有期雇用領域では広がっていません。 AIの活用により、 有期雇用領域で新たな人材紹介ビジネスを創出できると考え、 2023年4月より 「AIエージェント (現dip AI)」 の事業化に着手しました。 これまでの 「検 索型」 から 「対話型」 の仕事選びに転換し、 新たな就業機会を創造したいと考えています。 (2024年5月サービス開始) スポッ トバイ トルは、 スポッ トで 「働きたい」 と 「働いてほしい」 をつなぐ求人マッチ ングサービスです。 ①dipと事業主は人材紹介契約を結び、 dipはスポッ トバイ ト ルを介して、 事業主に条件のあうワーカーを紹介します。 ②事業主とワーカーは 直接雇用契約を結びます。 ③ワーカーへ給与の支払いはdipが代行で振込を行 います。 その後、 立替額とサービス利用料をまとめて事業主に請求するモデルです。 ビジネスモデル 競争優位性 生成AIを活用した新たなサービスで、 従来の 「大量の求人情報から検索す る ・ 選ぶ」 方法から 「対話しながら最 適な仕事に出会える」 方法へと進化 し、 採用率を大幅に高めていく こと を目指しています。 dip AIは、 単に 仕事を紹介するだけでななく 、 求職 者自身も気づかなかった仕事選び のこだわりを引き出したり、 探した 後の面接のサポート、 他にも仕事探 しに疲れた時の雑談まで親友のよう に優し く寄り添います。 ビジネスモデル 知的資本 • 株式会社松尾研究所との協働による高い技術力と強力なAI開発体制 • 日本最大級のAI専門メディア 「AINOW」 の運営などを通じて 培ったAI領域の深い知見 社会 ・ 関係資本 • 多様性の高い広範なユーザー基盤 • 15万社に及ぶ顧客基盤と独自の顧客情報の蓄積 人的資本 • スクラムチームによる高い開発力 今後の展開 多様な働き方に応えるため、 2024年10月にスポッ トのバイ トサービス 「スポッ トバイ トル」 を開始しました。 同サービスは、 スポッ トワーク求人の時給相場 の低さを解決するため、 企業が働きぶりを評価したスポッ トワーカーに、 時給とは別にボーナスを支給する 「Good Jobボーナス」 機能を導入しています。 有期雇用労働者のモチベーション向上、 待遇 ・ 地位向上につなげていきます。 (2024年10月サービス開始) 競争優位性 知的資本 15万社におよぶ顧客基盤と独自の顧客情報の蓄積 社会 ・ 関係資本 多様性の高い広範な既存メディアのユーザー基盤 人的資本 フィロソフィーで結びつく2,000名の営業体制 勤務終了後、 働いた方に対して事業主 (企業) から評価をしていただきます。 「Good」 評価を受けたワー カーに対して、 dipは時給に上乗せしたボーナスを支給いたします。 多様なニーズに応えるとともに、 優れた働きに対してボーナスを支給することで働く人のモチベーシ ョ ン向上と、 有期雇用労働者の待遇 ・ 地位向上につなげていく ことを目指しています。 顧客企業にと っても追加で負担することなく、 より質の 高い働き手の確保、 リピート率向上が期待できます。 ※自社調べ • 日本初※の独自機能 「Good Job ボーナス (特許出願中) 」 の内容 シフ トのバイ トとスポッ トのバイ トの両方を選ぶことができるようになり、 多様な志向をもつユーザーへ 最適な働き方を提供することが可能となりました。 当社の調査によると、 「シフ トのバイ トをしながら、 空いた時間でスポッ トのバイ トをしたい」 という方が55% (※) いることが分かり、 シフ トのバイ ト ・ スポッ トのバイ トを併用するニーズは高いと考えています。 また、 顧客企業にと ってもシフ トとスポッ トの採用をワンストップで利用でき、 求職者の多様な働き方に 対応できます。 ※出所 : ディ ップ総合研究所 : https://dip-soken.com/work/Cw8AqBBv • 求職者と顧客企業に 「シフト ・ スポット」 の両サービスを提供 今後の展開 2024年10月に東京都23区からスタートしました。 2024年内に全国に展開する予定です。 時給1,400円×5h+手数料30%=9,100円 既存サービス例 給与 7,000円 手数料30% 2,100円 9,100円 給与 7,000円 手数料30% 2,100円 9,100円 GoodJob ボーナス 700円 直 接 雇 用 契 約 人 材 紹 介 契 約 ワーカー 事業主 (企業) 当社 ①求人申込 ・ 就業 ③手数料 ②給与振込代行 空き時間で 働きたいな ユーザー 顧客企業 急な欠員を埋めたいな 繁忙期の人員が欲しい 決ま った時間に 働きたいな シフ トを安定的に 組みたい スポッ トのバイ ト シフ トのバイ ト 求職者1人ひと りに 最適な求人案件を 提示すること で 採用率が大きく向上 「勤務エリア」 や 「希望条件」 をはじめ、 細かな希望条件 をチャ ッ トへ入力 応募のミスマッチが 解消されることで顧客 企業の採用率 ・ 定着率がアップ マッチング度が高い 募集案件をAIが提示 AIに独自の最新 ・ 正確 ・ 高品質な情報を インプットすることで、 競合他社よ りも精度が 高いAIを作ることが可能 直接訪問により取得した 高品質な求人情報を AIへインプッ ト バイトルアプリ 〈表示イメージ〉 求職者 dip AI はこちらから体験できます https://chat.dip.ai/#/TUTORIAL_PAGE 直販営業 • 既存サイ ト (バイ トル等) の一機能として搭載し、 ユーザーのマッチング率を向上 ※2024年9月よりバイ トルの一部ユーザーに提供開始済 フェーズ1 • マッチング精度のさらなる向上後、 成果課金モデルを導入 • マッチング度が高い人材の紹介により、 採用率 ・ 定着率を向上 フェーズ2 • 導入領域を拡大 フェーズ3 他社 56 55
  29. dip Integrated Report 2024 Introduction マ ネ ジ メ ン

    ト メ ッ セ ー ジ 価 値 創 造 プ ロ セ ス マ テ リ ア リ テ ィ 成 長 戦 略 ガ バ ナ ン ス デ ー タ セ ク シ ョ ン 人材サービス事業では、 求人情報 ・ 人材紹介サービスの提供を通じて、 企業活動の根幹を支える人材採用 ・ 活用を支援しています。 「ユーザー ファースト」 の経営方針のもと、 業界初の様々な独自機能を開発し、 求職者の仕事選びのニーズに寄り添うとともに、 顧客企業に対して採 用後の定着 ・ 活躍を見据えたマッチングをサポートしています。 これにより、 企業が直面する労働力不足の課題解決を推進し、 一人ひとり が活き活きと働く ことができる環境の構築に貢献しています。 ��,��� ��,��� ��,��� ��,��� ��,��� ��,��� �,��� ��,��� ��,��� ��,��� ����年�月期 ����年�月期 ����年�月期 ����年�月期 ����年�月期 (億円) 売上高 セグメン ト利益 *バイ トル ・ バイ トルNEXT ・ バイ トルPRO ・ はたらこねっと ・ ナースではたらこ ・ 介護ではたらこ等 注 : 2022年2月期以前の実績は収益認識基準を適用した数値 (試算値) を記載しております。 ユーザー ・顧客企業に寄り添ったサービス提供、 プロモーションを実施し、 社会の改善に取り組んだ 結果、 市場シェア拡大が加速しました。 2023年 2月期の市場シェアは26.4%。 2022年2月期の 23.7%から順調に拡大しています。 ◆マーケットシェア 2024年2月期は、 人材サービス事業が順調に成長し、 市場シェアを拡大したことにより、 売上高は478億1 百万円 (前期比7.2%増) となりました。 セグメント 利益は、 人材投資、 積極的な広告宣伝投資を実施し ましたが、 営業生産性向上や効率的な広告運用など により利益率が向上し、 セグメント利益は171億75 百万円 (前期比15.7%増) となりました。 ◆業績推移 人材サービス事業 出所 : 2023年度までは、 総務省 「労働力調査」 (百万人) ���� ���� ���� ���� ���� ���� ���� ���� ���� ���� ���� ���� ��.� ��.� ��.� ��.� ��.� ��.� ��.� ��.� ��.� ��.� ��.� ��.� 有期雇用者数の年次推移 アルバイ ト ・ パート ・ 派遣社員の就業者数は、 コロナ 禍で一時的に減少したものの、 再び増加基調に転 じています。 少子高齢化 ・ 生産年齢人口減少がさら に進み、 人材需給のギャップが拡大する中、 今後も 女性 ・ シニア ・ 外国人を中心に有期雇用者の就業が 加速するものと推測されます。 加えて、 副業 ・ 複業の 広がりも追い風となり、 有期雇用者の求人広告市 場は順調に拡大していく と見込まれます。 ◆マーケット環境 メディ アサービスでは、 職場の魅力を動画で伝える独自機能をはじめとした、 多彩なサービスを提供 (詳細は41ページに記載) しています。 dipのメディアサービスは、 アルバイ ト ・ パートだけでなく、 正 社員やスポッ トワークといった年齢や属性を問わず、 多様な働き方を選択できるサービスとなってい ます。 メディアサービス メディアサービス 2022年9月開始 介護職専門の人材紹介サービス 2009年9月開始 キャリア ・ アドバイザーが求職者の一人ひとりの 希望に合った求人情報を紹介し、 転職を支援 看護師専門の人材紹介サービス エージェン トサービス 2000年10月開始 社員 ・ 派遣 ・ パートでお仕事探しをする求職者と 顧客企業をつなぐ 日本最大級の総合求人サイト インターネッ トならではの情報鮮度と充実した内容で 求職者と顧客企業を素早くつなぐ 日本最大級のアルバイト ・ パート求人サイト 2002年10月開始 2009年1月開始 求職者がアルバイトで得た経験を活かして 「次に進む」 ことを応援 正社員、 契約社員の転職求人サイト 医療、 介護、 美容、 保育などの 有資格者や業界経験者、 プロフェッショナルを目指す 専門職の総合求人サイト 2021年5月開始 多様な働き方を支援 スポットワークの求人サイト 2024年10月1日開始 ◆サービス一覧 ◆競争優位性 ・ 直販営業により集められた就業者の声に寄り添ったサービス開発力 知的資本 ・ 高いブランド認知による広範なユーザー基盤 ・ 15万社に及ぶ顧客基盤と独自の顧客情報の蓄積 社会 ・ 関係資本 ・ 「ユーザーファース ト」 にもとづく独自のサービスとプロモーション ・ フィロソフィーで結びつく直販営業のコンサルティ ング営業力 人的資本 事業戦略 執行役員 メディアサービスオフィサー 兼 メディア事業本部長 井上剛恒 2022年 2月期 2021年 2月期 2020年 2月期 2019年 2月期 2018年 2月期 2017年 2月期 2016年 2月期 2015年 2月期 アルバイ ト ・ パート ・ 派遣求人メディア市場におけるシェアの推移* コロナ禍における シェア向上 anサービス終了に 伴うシェア獲得 2023年 2月期 26.4% *第三者の市場規模調査にもとづき当社作成 58 57
  30. dip Integrated Report 2024 Introduction マ ネ ジ メ ン

    ト メ ッ セ ー ジ 価 値 創 造 プ ロ セ ス マ テ リ ア リ テ ィ 成 長 戦 略 ガ バ ナ ン ス デ ー タ セ ク シ ョ ン ��� ��� ��� ��� ��� (億円) ����年 �月期 ����年 �月期 ����年 �月期 ����年 �月期 ����年 �月期 2024年2月期は、 前期比7.3%増の457億48百万円 となりました。 市場成長率を超える成長を実現して おり、 マーケケッ トシェアの拡大を継続しています。 ◆セグメント売上推移 1. AIを活用したマッチング精度の向上   顧客企業、 ユーザー (就業者 ・ 求職者) のdip独自のデータをもとにAIの精度を高め、 応募率 ・ 採用率を大幅に向上させ、   ユーザー集客力を高める 2. ユーザーファーストを軸にしたコンサルティング営業の強化   求職者の待遇改善に加え、 年齢やジェンダー、 国籍に係る採用企業のバイアスの撤廃により、   ユーザーの就業機会を増やすとともに、 顧客企業の採用力を高める 3. 営業人員 (直販 ・ 代理店) の拡充とAI活用による生産性の向上   求人広告の原稿制作、 営業対象先のリス トアップ、 顧客への提案などの営業活動においてAIを活用し、   営業効率と成約率を向上させる 4. ユーザーファーストにもとづく独自サービス×プロモーション   ユーザーのニーズをいち早くサービスに取り込み、 それをハイブリ ッ ドでプロモーション。 営業戦略との連携をさらに深め  ることで、 注力顧客セグメン トごとに合わせたプロモーションを実施し、 高い投資対効果を実現する 中期経営計画 2027年2月期計画約1,400人※に対して、 2025年2月期では1,200人となる見込みです。 ※メディア営業人員数計画 (管理職のぞ く ) ◆人員計画と進捗 2024年2月期の売上高は、 堅調に推 移しました。 2025年2月期は、 2024年 10月にリ リースした 「スポッ トバイ トル」 拡販による顧客基盤拡大を図ってい きます。 中期経営計画達成に向けて、 事業戦略を着実に実行していきます。 ◆売上・セグメント利益目標と進捗 事業戦略 / 人材サービス事業 中計初年度 (2025年2月期) 戦略 •AIの活用による業務効率化、 商談時間の創出 •対面/オンラインを組み合わせた営業による受注率向上 AI活用などによる営業社員の生産性向上 •成長業種へのプロモーション ・ 営業の強化 •ドライバーの残業規制強化に伴う人材ニーズ拡大や、 製造業の生産回復、  医療/介護業界の需要増を捉え、 売上を拡大 物流、 製造、 医療/介護領域の強化 •直販の営業人員増と代理店網の拡大 郊外 ・ 地方のシェア向上 ��,��� ��,��� ��,��� ��,��� ��,��� (社) ����年 �月期 ����年 �月期 ����年 �月期 ����年 �月期 ����年 �月期 契約社数推移 ユーザー ・顧客企業に寄り添った独自のサービスで顧客基 盤の拡大に努めた結果、 2024年2月期通期の契約社数は、 15,721社 (前年同期比7.8%増) と、 2年連続でコロナ禍前を 超える水準となりました。 ◆主要 KPI 推移 応募数推移 独自のプロモーションを実施し、 2024年2月期は、 過去最高 水準の応募数を獲得しました。 ユーザー基盤の拡充が着実 に進みました。 ����年�月期 �Q �Q �Q �Q �Q �Q �Q �Q �Q �Q �Q �Q �Q �Q �Q �Q �Q �Q �Q �Q ����年�月期 ����年�月期 ����年�月期 ����年�月期 *バイ トル ・ バイ トルNEXT ・ バイ トルPRO ・ はたらこねっと メディア (求人情報) サービス*応募数四半期推移 ※2024年2月期のセグメン ト利益は開示しておりません (億円) セグメント 利益率 2023年2月期 実績 223~ CAGR11%~ (下限) 144 2027年2月期 計画 34.0% 37.6%~ セグメント利益 ・ 利益率 2023年2月期 実績 2024年2月期 実績 (億円) 593~ CAGR9%~ (下限) 426 457 2027年2月期 計画 売上高 顧客企業関連の参考データ ※1 メディア事業 ・ 3大都市圏都心 : 東京23区、 名古屋市、 大阪市 ・ 3大都市圏郊外 : 首都圏1都6県、 東海3県、 近畿2府4県。 「都心」 に含まれる地域を除く ・ 地方 : 「都心」 「郊外」 に含まれる地域を除く ※2 第三者機関の市場規模調査 (2023年度) アルバイト ・ パート ・ 派遣求人メディア市場におけるエリア別シェア※1 約870億円※2 約350億円※2 dip30%以上 dip10%以上 dip25%以上 3大都市圏都心 3大都市圏郊外 地方 約520億円※2 60 59
  31. dip Integrated Report 2024 Introduction マ ネ ジ メ ン

    ト メ ッ セ ー ジ 価 値 創 造 プ ロ セ ス マ テ リ ア リ テ ィ 成 長 戦 略 ガ バ ナ ン ス デ ー タ セ ク シ ョ ン 2027年2月期計画約240人に対して、 2025年2月期では200人となる見込みです。 ◆人員計画と進捗 経済成長と労働参加が進むと仮定するケースでも2040年には医療 ・ 福祉分野の就業者数が96万人不足する見込みとなっ ています。 今後、 現役世代人口が急減する中で、 女性、 高齢者等をはじめとした一 層の労働参加が不可欠で、 社会保障の担い手である医療 ・ 福祉分野 には、 より多様な人材を確保することが必要となります。 ◆マーケット環境 2024年2月期は、 前期比5.8% 増の19億80百万円 となりました。2022年9月にサービス開始した、 「介護ではたらこ」 が順調に立ち上がってきている ことで、 エージェントサービスの成長率が高まって きています。 ◆セグメント売上推移 医療 ・ 介護 ・ 福祉に特化した人材紹介サービスを展開しています。 各業界の専任のキャリア ・ アドバ イザー (CA) が求職者一人ひとりの希望やスキルに合った求人情報を紹介し、 応募から面接、 内定ま でを求職者に寄り添いながらサポートします。 企業側には、 採用ニーズに適した人材を迅速かつ効 果的に紹介し、 採用プロセスを効率化します。 エージェントサービス 医療 ・ 福祉領域の有効求人倍率は他の業種に比して高く、 構造的な 人手不足が続いています。 今後、 さらに人材需給のギャ ップが拡大し、 当領域の人材紹介のニーズが増大すると想定し、 市場の平均成長率 4%と推計しています。 ◆市場規模 2021年 2027年 約1,200億円 約1,500億円 +約300億円(CAGR+4%) ※ 第三者機関の市場規模調査にもとづき当社作成 医療 ・ 福祉分野の人材紹介市場規模※ ◆競争優位性 ・ 最先端のAIなどのテク ノロジーを活用した最適なマッチング 知的資本 • 医療 ・ 介護領域における既存メディアの顕在 ・ 潜在のユーザー基盤 • メディアサービスで培った医療 ・ 介護施設の顧客基盤 社会 ・ 関係資本 • メディア営業社員による顧客開拓力 人的資本 事業戦略 / 人材サービス事業 執行役員 エージェン トサービスオフィサー 兼 エージェン ト事業本部長 北里友宏 中計初年度 (2025年2月期) 戦略 •新卒教育の組織を立ち上げ、 既存社員の生産性を下げることなく、 新卒を 育成。 「商談分析」 「ロールプレイング」 などのツールを活用し、 面接力を向上 •CAの求人検索画面のUI改善で紹介候補企業/施設の検索を容易に キャリアアドバイザー (CA) の生産性向上 •既存メディアのユーザー拡大による登録者数アップ •メディアサービスの医療 ・ 介護領域への広告宣伝投資が、 人材紹介の 登録者増にも寄与 既存メディアからの送客を強化 •大口顧客との関係強化と中小口の新規開拓で契約事業所数を拡大 サービスの品質向上 2020年 2月期 15 2021年 2月期 15 2022年 2月期 16 2023年 2月期 18 2024年 2月期 19 (億円) ※出所 : 2022年版 「厚生労働白書」 2040年の医療 ・ 福祉分野の就業者数見通し※ 実績・人口構造を 踏まえた必要人員 経済成長と労働参加が 進むケース (万人) 1,070 96万人の不足 974 2024年2月期の売上高は、 堅調に 推移しました。 2025年2月期も既 存社員の売上成長が順調に推移し ており、 高い売上成長を達成できる 見込みです。中期経営計画達成に 向けて、 事業戦略を着実に実行し ていきます。 ◆売上・セグメント利益目標と進捗 セグメント利益 ・ 利益率 売上高 (億円) 2027年2月期 計画 70~ 18 19 CAGR40%~ (下限) 2024年2月期 実績 2023年2月期 実績 (億円) 2023年2月期 実績 2027年2月期 計画 17~ 2 CAGR71%~ (下限) 15.6% 24.3%~ ※2024年2月期のセグメン ト利益は開示していません 1. 「人 (キャリアアドバイザー) 」 + 「AI」 を活用した最適なマッチングで多様な就業機会を創出   求職者のニーズに合わせ、 人+ AIで多様な働き方を提案   dip AI を活用し、 マッチング精度を高め、 就業率を向上 ・ 短期離職率を低減 2.既存メディアからの送客による人材紹介の登録者数拡大   既存メディアのリブランディングにより常勤登録者を拡大   資格保有支援サービスにより未経験者の就業を促進 3. 医療 ・ 介護施設の顧客基盤の拡大 ・ 関係強化   メディアとエージェントのサービスを組み合わせた営業で顧客を開拓   医療 ・ 介護の DX 商品の拡販も行い、 求人事業所数の拡大、 関係性の強化を図る。 営業拠点展開も進める 4.キャリアアドバイザー (CA) 体制の拡充、 生産性の向上   CA 採用の強化 ・ 退職率の抑制とともに、 AI/DXの活用による業務フローの継続的な改善で生産性を向上   (退職率は12%を継続) 中期経営計画 62 61
  32. dip Integrated Report 2024 Introduction マ ネ ジ メ ン

    ト メ ッ セ ー ジ 価 値 創 造 プ ロ セ ス マ テ リ ア リ テ ィ 成 長 戦 略 ガ バ ナ ン ス デ ー タ セ ク シ ョ ン 中堅 ・ 中小企業のDX化に貢献するため、 機能を絞った商品設計で、 導入かつ継続利用がしやすいパッケー ジ化したDXサービス 「コボッ ト」 を提供しています。 「人がやらなく てもよい作業」 を自動化することで、 顧客企 業の生産性向上を支援するとともに、 人にはその能力を発揮できる仕事を任せて働きがいを高めることで、 誰もが働く喜びと幸せを感じられる社会の実現を目指します。 1.人事 ・ 採用、 販促領域のサービス開発の加速   既存商品の品質向上と各領域における新商品の開発 2.新たな領域の商品開発を推進   業務コミュニケーション領域などのプロダクトラインナップを拡大 3.メディア営業との連携強化とDX専任営業体制の拡充   メディア営業の提案力アップにより受注率を引き上げ、 解約率を低減。 新たな顧客の開拓にも注力 4.収集したデータとAIテクノロジーで最適なソリューションを提供   AI を組み込んだ商品で収集されるデータを基に、 適時に最適なソリューションを提供。 顧客と常時つながることで、   人材サービスの拡販にも寄与 中期経営計画 中小企業 大企業 38% 74% 出所 : 経済産業省 『令和3年度年次経済財政報告』 にもとづき当社作成 企業規模別 DXを推進している企業の割合 中堅 ・ 中小企業におけるDXの取り組みは、 「どの業務を効率化できるかわからない」 「導入にあたり、 コスト ・ 手間がかかる」 「導入後、 機能を使いこなせない」 といった 認識が広がっていることを背景として、 大企業と比べて進んでおらず、 結果、 経済生 産性向上が進展していない状況であり、 中堅 ・ 中小企業のDXの導入の余地は大き いものと想定されます。 ◆マーケット環境 ◆主要 KPI 計画と進捗 自社での採用ページの作成が不要に。 職場紹介動画などのバイトル独自機能を搭載した オリジナルの採用サイトをすぐに作成 LINE上のアプリで会員証を発行し来店ポイン トやクーポンを付与。 飲食 ・ 小売店等の販売を支援 アルバイト ・ パートの入社 ・ 労務管理をペーパーレスで完結 SNSアカウントから予約が可能。 予約台帳機能により飲食店の顧客管理を支援 応募者との採用面接スケジュールの自動調整 (チャッ トボッ トでの自動対応) 地図検索で上位表示し、 集客を支援するMEO (マップエンジン最適化) 対策サービス 派遣会社様の営業先リストの自動作成や営業先へのコール代行サービスなどを提供 販促支援 営業支援 採用 ・人事業務効率化 ◆サービス一覧 ◆競争優位性 • 中堅 ・ 中小企業に特化したシンプルで導入しやすい商品設計 • 自社商材および提携先 (スタートアップ企業等) の商材をパッケージ化し、 優れたUI ・ UXで安価に提供 知的資本 • 20年以上のメディア運営を通じて築かれた15万社に及ぶ顧客基盤 社会 ・ 関係資本 • 営業社員2,000人*による販売体制 *人材サービス ・ DX事業の営業社員の合計 人的資本 DX 事業 事業戦略 執行役員 DXサービスオフィサー 兼 AI ・ DX 事業本部長 藤原彰二 中計初年度 (2025年2月期) 戦略 •中小企業向けに、 求人広告とDX商材のセッ ト商品を下期にローンチ、 契約  社数拡大を加速。 機能強化 (UI/UX改善等) により解約率を低減 •大手の顧客企業向けに、 「面接コボッ ト」 の機能追加の開発を強化。  今期に試験導入、 来期に本格販売開始の予定 採用 / 人事領域での契約社数拡大と 大手の顧客企業向け商品の開発強化 • 「集客コボッ ト for MEO」 は導入後3カ月で集客効果が顕在化。 DXの専任営業 増員で、 新規顧客開拓を加速。 さらに、 メディア営業へのトスアップにより、   求人広告をアップセル •新商品をローンチ予定。 商品ラインナップの強化により、 新規顧客を獲得 販促支援領域の販売加速に よる契約社数アップ 月額課金対象社数計画 ARPU計画 ストック比率計画 (社) 2024年2月期 実績 2027年2月期 計画 2025年2月期 業績予想 13,536 18,200 30,000~ (千円) 2024年2月期 実績 2027年2月期 計画 2025年2月期 業績予想 39 38 40~ 2024年2月期 実績 2027年2月期 計画 2025年2月期 業績予想 73% 70%程度を 維持 70%程度を 維持 2024年2月期は、 月額課金対象社数を伸ばし、 高い 売上成長を継続することができました。 2025年2月 期は、 契約社数アップにより売上を拡大し、 前期並 みの増収幅を計画しています。 費用は、 販促支援領 域の新規顧客獲得のため、 DX商材の専任営業を増 員するため、 人件費増を見込んでいます。 ◆売上・セグメント利益目標と進捗 2023年2月期 実績 2024年2月期 実績 2025年2月期 予想 2027年2月期 計画 47 59 72 121~ (億円) CAGR27%~ (下限) 2023年2月期 実績 2024年2月期 実績 2025年2月期 予想 2027年2月期 計画 21 28 33 47~ (億円) 38.8%~ 45.8% 47.4% 44.6% CAGR22%~ (下限) 売上高 セグメント利益 ・ 利益率 64 63
  33. dip Integrated Report 2024 Introduction マ ネ ジ メ ン

    ト メ ッ セ ー ジ 価 値 創 造 プ ロ セ ス マ テ リ ア リ テ ィ 成 長 戦 略 ガ バ ナ ン ス デ ー タ セ ク シ ョ ン 中期経営計画 「dip30th」 の実現に向けて、 事業活動の土台となる事業ごとの最適な人材ポートフ ォリオを創り続けることが人的資本戦略 の柱になります。 人的資本戦略としては 「人材獲得」 「組織 ・ 環境開発」 「ダイバーシティ」 「人材開発」 を中期経営計画実現に向けた戦略テー マに掲げ、 人的資本戦略の根幹である 「フィロソフィーの体現」 については継続的な投資と積極的な活動を続けていきます。 人的資本戦略 創業以来フィロソフィーに共感する人材の採用にこだわり、 多くの社員が採用プロセスに積極的に参加しています。 この 「時間と手間を惜 しまない」 姿勢を貫き、 今後は各事業をリードする経営陣が中心となり、 dipにと って必要不可欠な人材を探し、 継続的にアプローチしてい く体制を構築していきます。 未来をともに創る仲間を、 経営陣が中心となって獲得していく ことがさらなる成長への鍵となります。 ▪ 経営陣主体のフィロソフィー採用 アウトカム アウトプット 人材獲得 <KPI> • 必要人員数 • フィロソフィーに共感した 人材の採用 • 経営陣による継続的なアプローチ 組織 ・ 環境開発 <KPI> • エンゲージメン ト指数 • 離職率 • マネジメン トの再定義 • 人事制度の見直し • 環境設定の再構築 • 健康経営の推進 ダイバーシティ <KPI> • 女性の管理職比率 • 障がい者の雇用比率 • 人材開発会議による抜擢 ・  育成計画 • テレワーク型障がい者雇用 人材開発 フィロソフィーの体現 <KPI> • 総研修時間 • リスキリング • オンボーディ ング インプット (重要施策) 人的資本戦略の全体像 人事戦略のテーマ 中期経営計画 「dip30th」 成長戦略 スポッ トバイ トル ・ dip AIによる 事業構造の転換 ソリューション 営業への進化 プロダク ト開発 の強化 1人当たり 生産性 社員幸福度 【テーマにおける課題】 事業構造の変化に伴い、 営業やプロダク ト開発の形も進化していきます。 そ れに対応するためには、 従来の新卒採用に加え、 dipにない知見や専門性を 持つ人材を必要に応じて採用していく ことが求められます。 【アクション方針】 これまで培ってきたフィロソフィー採用の理念を基盤に、 各事業が求める人 材を迅速かつ的確に獲得できる体制を整備していく ことが重要な課題です。 これにより、 変化する事業環境に柔軟に対応する組織を構築していきます。 ◆人材獲得 ��� �� ��� 新卒採用 中途採用 ��� ��� ��� ����年�月期 (見込み) ����年�月期 ����年�月期 (人) 2027年2月期目標と進捗 【テーマにおける課題】 組織全体の活性化を図るため、 組織のあり方を変化させ、 マネジメン トを再定義していく ことが重要です。 【アクション方針】 社員がそれぞれの能力を高め、 活力を持って働けるように、 人事制度を見直しするとと もに創造性を高める職場環境を進めていく必要があります。 これにより、 組織の力を 最大化し、 社員がより働きやすく、 やりがいを感じられる状態を目指します。 ◆組織・環境開発 成長戦略の実現のために、 組織の変化や社員はこれまでとは異なる知識やスキルが求められる中、 組織を牽引するマネジメン トの役割を 根本的に見直しアップデートします。 ▪ マネジメントの再定義 マネジメントや仕事の進め方が変わる中で、 評価や報酬の仕組みも進化が求められます。 社員の努力を正し く評価し、 報われる人事制度 の再設計を進めていきます。 ▪ 人事制度の見直し 通勤が困難な障がい者の方々に向けたテレワーク型雇用を推進し、 専属サポーターが日々の声かけや相談を通じて、 安心して働ける環境 を整えています。 ▪ テレワーク型障がい者雇用 女性社員の自己肯定感を高めるためのマネジメントスキルトレーニングや研修機会の提供だけでなく、 女性社員の健康課題をケアして持 続的に健康を支援することに積極的に取り組んでいます。 ▪ 能力を最大限に発揮できる環境整備 働く環境は社員の創造性や生産性に直結します。 多様な事情に配慮し仕事と両立できる環境の充実に加え、 オフィ スの在り方を総合的に 見直し、 オフィ スに行きたくなる、 働きやすい環境に進化させます。 ▪ 環境設定の再構築 健康管理は生産性や社員幸福度に大きく影響します。 単に病気を防ぐだけではなく、 社員が より活力を持ち、 幸せに働ける環境を目指していきます。 健康経営の推進体制は、 代表取締役 社長兼CEOを健康経営責任者、 代表取締役COOを健康経営推進責任者とし、 直下に 「健康経 営推進委員会 (運営責任者CHO) 」 を設置し、 健康経営の取り組みを推進しています。 ▪ 健康経営の推進 エンゲージメン ト指数 離職率 2027年2月期目標と進捗 3.96 4.2(最高5) ▶▶▶ (2024年2月期) (2027年2月期目標) 13.7% 10% ▶▶▶ (2024年2月期) (2027年2月期目標) 女性の管理職比率 障がい者の雇用比率 2027年2月期目標と進捗 36.2% 40% ▶▶▶ (2024年2月期) (2027年2月期目標) 2.2% 法定雇用率 以上 ▶▶▶ (2024年2月期) (2027年2月期目標) 【テーマにおける課題】 多様な視点や経験を持つ社員の意見やアイデアは、 企業の競争力を高め、 新たな価値 を生み出す源泉です。 すべての社員が自身の能力を最大限に発揮できる環境を整備す ることが必要不可欠です。 【アクション方針】 dipが掲げる 「社員幸福度No.1」 のブランドステートメントを実現するためにも、 社員 一人ひとりの多様性を活かす環境を整備し、 組織全体のパフォーマンス向上を目指し ていきます。 ◆ダイバーシティ 全社員が能力を最大限に発揮できるよう、 社員一人ひとりの特性を見極め、 育成計画を策定する人材開発会議を推進しています。 新たな 価値の創造に向けて、 全員が活躍できる環境を目指しています。 ▪ 人材開発会議による抜擢 ・ 育成計画 人員計画 https://www.dip-net.co.jp/esg/ society/S009 健康経営の取り組み 66 65
  34. dip Integrated Report 2024 Introduction マ ネ ジ メ ン

    ト メ ッ セ ー ジ 価 値 創 造 プ ロ セ ス マ テ リ ア リ テ ィ 成 長 戦 略 ガ バ ナ ン ス デ ー タ セ ク シ ョ ン 社員総会では、 全国各地から集まった社員に向けて、 冨 田が過去1年間の活動と成果を振り返り、 新年度の目標 と、 フィロソフィーを土台とした経営方針を発表します。 この総会は約5時間に及び、 各種の工夫をこらした演出 と、 情熱的なプレゼンテーションが行われます。 フィロソ フィーコンテストの最終プレゼンテーションを実施して最 優秀を決めるなど、 理念とビジョンの実践に対する意欲 の向上に貢献しており、 さらにはTVCMに出演してくれ た著名人の登場や、 サプライズの発表などにも社員たちは大いに熱狂します。 社員総会で発表されたテーマはすぐに各本部、 事業部の戦 略へと落とし込まれ、 それらが動画で公開され全社員に共有されます。 【テーマにおける課題】 事業構造の変化や営業の進化に伴い、 新たな知識やスキルの習得は不可欠であり、 かつ重要なのは不確実な状況において柔軟に対応し、 最適な解決策を見出す創 造力の向上です。 【アクション方針】 これからの時代、 答えのないカオスの中で常に挑戦し続けることが求められます。 社員一人ひとりが身につけるべきスキルや能力をアップデートし、 変化に対応でき る人材であり続けることを支援していきます。 ◆人材開発 私たちは、 企業理念とビジョンの浸透と実践、 すなわち 「フィロソフィーの醸成」 に重きを置いています。 この理由は、 私たちが社会の諸課題 を解決し、 働く喜びと幸せを感じられる社会を実現するためには、 全社員が共通の理念とビジョンを共有し、 その実現に向けて一丸となる必 要があるからです。 「人が全て、 人が財産」 という信念のもと、 dipでは社員一人ひとりが自らの夢を持ち、 アイデアを生み出し、 情熱を持って 挑戦することを推奨しています。 そのためには、 企業理念やビジョ ンを深く理解し、 それを自身の行動指針として捉えることが重要となります。 ◆フィロソフィーの体現 人的資本戦略 2027年2月期目標と進捗 528時間※ 継続的に 拡充 ▶▶▶ (2024年2月期) (2027年2月期目標) フィロソフィーコンテス トは、 フィロソフィーを具現化する仕事を個々に振り返り、 共有し、 相互に称賛するための舞台として設立されました。 ここでは、 各々が抱く 「夢」 「アイデア」 「情熱」 が具体的にどのように仕事に反映され、 ユーザーやお客様、 そして社会全体の利益につなが ったのかを発表します。 このコンテストは単なる発表会以上の意味を持ち、 各個人が自身の取り組みを誇り高く語り、 仲間の取り組みを讃 える機会となります。 そして、 その中で特に優れた成果を上げた者には、 ハワイの報奨旅行が贈られます。 ▪ フィロソフィーコンテスト フィロソフィー浸透の一環として社内SNS 「TUNAG」 を運営しています。 取締役、 執行役員をはじ めとして経営幹部メンバーが様々な切り口でフィロソフィーの重要性を発信しています。 また、 現 場の様々な取り組みや交流が共有され、 全国35拠点にまたがる社員の一体感醸成に寄与してい ます。 2020年10月からはSlackを新たなコミュニケーションツールとして導入し、 オープンなコミ ュニケーションを促進し、 コラボレーションの効果を高めています。 ▪ 社内 SNS 「TUNAG」 の運営 急速に変化する市場やビジネス環 境において、 社員が持つべき知識 やスキルも絶えず進化しています。 必要なスキルを明確にし、 社員が 効果的にそれを習得するためのリ スキリングを推進します。 また、 変 化の激しい時代に適応するため、 社員が自発的に学ぶことも重要視 しています。 現在、 ラーニングサポー トプログラムで自主学習の補助を 提供しており、 今後も支援策を充 実させながら社員の自主的な学びを促進していきます。 ▪ リスキリング 研修体系 金谷 俊樹| CHO 兼 人事総務本部長  「人が全て、 人が財産」 という信念のもと、 経営の最重要テーマとして、 人的資本の強化に最大の関心を寄せ、 積 極的な投資を行っています。 AIがもたらす急激な変化と事業変革の中では、 社員一人ひとりの個性や才能が輝 く場を創ることが、 私の使命です。 リスキリングを通じて成長を支え、 柔軟な働き方や制度を提供することで、 社 員が自分の力を存分に発揮できる環境を築きます。 私たちは、 全ての社員が幸福を感じ、 フィロソフィーを体現 することで変革の一翼を担い続けられる未来をともに創り上げます。 一人ひとりの能力が発揮され成長と幸福を実感する環境創りを目指す CHOメッセージ 上野 麻佑子| CPO 兼 人事総務本部 フィロソフィー推進統括部長 AIの技術革新が進む中、 組織や個人に問われるのは哲学や倫理の深い理解です。 私たちは 「誰のために、 何を 成したいのか」 という問いを共有し、 対話を重ねてその答えを磨き続けます。 フィロソフィー経営は、 組織で働く 意味を創り出し、 dipの根源的な価値を追求することです。 それにより、 社員一人ひとりの内発的動機を高め、 顧 客への提供価値を磨き、 喜びや働きがいを感じる。 これこそがdipらしさであり、 この強みをさらに高めていく こ とが私の使命です。 全社の想いをかけ合わせ、 企業価値を一層高めていきます。 フィロソフィーで個と組織の力を高めさらなる価値創造を目指す CPOメッセージ 新卒社員には、 フィロソフィーを理解する導入研修や約2ヶ月間の実務 トレーニングを行っています。 重要なのは仕事の基礎を理解し、 困難に 直面しても果敢に挑戦できる力を身につけることです。 長期的な成長 を支援するため、 自立に至るまでの包括的なサポートを提供していき ます。 中途入社者には新たな環境で早期に力を発揮できるよう当社の 文化や組織に融合する支援を提供します。 異動や昇格時には新たな 環境や役割に適応し、 これまでのスキルや考え方を柔軟にアップデー トする支援を行うことで、 生産性や創造性を最大限に引き出します。 ▪ オンボーディングプログラム ▪ 社員総会 総研修時間 役職 職種 必須 ・ 選抜 自己啓発支援 営業 ・ スタッフ職 エンジニア ・ 専門職 オンボーディング 役割行動開発 知識 ・ スキル研修 管 理 職 事業部長 統括部長 M1〜7 TE2〜5 中途社員導入 ガイダンス リーダーシップ ジャーニー (次世代リーダー 育成研修) 部長 新任部長研修 課長 新任管理職研修 PT研修 一般職 S4/S5 TE1 振り返り研修 (S4) PT研修 S3 振り返り研修 (S3) 問題解決力研修 S2 S1 新卒導入研修 新卒フォローアップ 研修 新卒実務研修 ラ ー ニ ン グ サ ポ ー ト グ ロ ー ビ ス S C H O O マ ナ ビ バ ! 情 熱 教 室 ※新卒研修、 新任管理職研修、 次世代リーダー育成研修の合計 68 67
  35. dip Integrated Report 2024 Introduction マ ネ ジ メ ン

    ト メ ッ セ ー ジ 価 値 創 造 プ ロ セ ス マ テ リ ア リ テ ィ 成 長 戦 略 ガ バ ナ ン ス デ ー タ セ ク シ ョ ン 財務戦略 企業価値 ・ 株主価値の向上には、 株主の皆様からお預かりした資本に対して、 株主資本コスト (10~11%※) を上回るリターンを創出 ・ 拡大 させ続けることが極めて重要であり、 「ROEの向上」 と 「株主資本コストの低減」 によりエクイティ ・ スプレッ ドの最大化を目指します。 ◆ 財務戦略のコンセプト キャッシュアロケーション方針に則り、 2024年1月と同年6月に自己株式取得を実行しました。 2024年1月、 株価が低位で割安である ことに加え、 同年2月期期末時点の現預金残高の見通しがマクシマムキャッシュ180億円を30億円程度上回る見通しであったこと などを踏まえ、 30億円の自己株式取得を発表しました。  また、 同年6月には、 成長投資を加味しても2025年2月期期末時点で50億円程度の余剰キャッシュが生じる見通しであること、 また、 中期的な業績拡大を踏まえると株価水準が相当程度割安であることから、 50億円の自己株式取得を公表しました。 予定された 金額の自己株式取得が8月20日に完了したため、 2025年2月期の総還元性向は114%となる見通しです。  これらの自己株式取得により、 2024年8月末時点の自己株式数は5,686,904株 (発行済株式総数に占める割合9.5%※) となり、 投資家の皆様から自己株式の活用や消却の方向性についてのご質問をいただく機会が増えています。今後の方向性について既に 検討を開始していますので、 今後投資家の皆様と対話を深めながら、 来年前半には方針をまとめる予定です。  また、 昨年度の統合報告書で検討課題としていた DOE (自己資本配当率) 目標の導入可否については、 継続検討中です。他社 事例の多くが、 ミニマムの配当額のマネジメントに活用していると認識していますが、 dip は配当方針において、 原則前期の配当額を 下回らない旨をすでに定めております。引き続き、 キャッシュアロケーション方針に係る自己株式取得の影響などを含めて、 慎重に 検討を進めてまいります。 なお、 新たな事業を開始したことにより最適資本構成についても検討が必要となっています。新サービス 「スポットバイトル」 では、 dip がワーカーに就業完了後すぐに給与を支払い、 翌月に採用企業から資金受領することから、 立替金が 生じる仕組みになっています。 サービス拡大に伴い立替金需要が高まると、 十分な資金残高が必要となります。 この資金については、 基本的には負債で賄う予定ですが、 最適な資金調達手法を検討したうえで、 最適資本構成の議論を深めていきたいと思います。 ※ 自己株式につきましては、 株式付与E SOP信託口が所有する当社株式の数 (当中間連結会計期間末2,058,320株) および役員報酬BIP信託口が所有する当社株式の数 (当中間連結会計期間末73,817株) を除いております。 ◆ 前期と今期それぞれで自己株式取得を実施。 今期の総還元性向は114%の見通し ※株主資本コストの前提 リスクフリーレート (0.9%) +β (1.4) ×マーケッ ト ・ リスクプレミアム (6~7%) ・ リスクフリーレート : 10年物新発国債金利 (2024年10月平均) ・ β : 5年月次の数値 ・ マーケッ ト ・ リスクプレミアム : 弊社にて算出した長期の期待市場利回りをもとに算出 企業価値 ・ 株主価値の向上 株主資本コストの低減 エクイティ ・ スプレッド の最大化 ROEの向上 = = - 利益向上 景気変動の影響を受けにくい 事業ポートフォリオの構築 ESGに係る取り組みの推進 資本効率向上 IR活動によるステークホルダー とのエンゲージメントの強化 ROICを活用した事業管理 ・ ハードルレート にもとづく投資の意思決定の導入 ROE 向上には、 中計にもとづき成長投資を実行し事業成長をすることで、 利益率を高めるとともに、 営業利益額を増やすことが必 要です。同時に、 下記のキャッシュアロケーション方針にもとづき、 バランスシート ・ マネジメントに取り組み、 資本効率を高めると ともに利益を増やすことにより、 ROE 目標の達成を目指します。 ◆ 利益成長と資本効率向上で、 ROE30% (2027年2月期) を目指す キャッシュアロケーション方針 成長投資 • 既存事業の成長や新規事業創出のための投資   (人材投資、 システム投資、 プロモーション投資など) • AIなど先端テクノロジーに関する研究開発、 事業に活用するための投資 • 事業成長の加速を目的としたM&Aや出資など ※成長投資の内容については、 27ページをご覧ください。 株主還元 • 原則、 前期配当金額を下限とし、 配当性向50%を堅持。 年2回の配当実施 • 総還元性向65%を目安とする • キャッシュポジションなどBSの状況、 財務目標の達成見通し、 株価水準などを総合的に勘案し、 追加的な株主還元策を検討  ▶事業運営に必要な資金をマクシマムキャッシュ※とし、 原則、 それを超える過剰な現預金は保有しない。 ただし、 単年度では判定せず、 中期的な投資機会を慎重に見極めながら、 過剰な現預金がある場合は株主に還元     ▶仮に中期的な利益目標の達成が困難な見通しの場合に、 BSの状況や株価水準などを勘案の上、 ROE目標に近づけるべく追加的な株主還元を検討 ※マクシマムキャッシュの考え方 「3ヶ月分の支払い。 この期間における税金 ・ 配当金支払いの合計額」   (ご参考) 2025年2月期は170億円 (2024年3~5月の支払い110億円+税金30億円+ 配当27億円) 基本方針 :成長投資と株主還元を重視したキャッシュアロケーションを行う 注 : 自己株式につきましては、 株式付与E SOP信託口が所有する当社株式の数 (当中間連結会計期間末2,058,320株) および役員報酬B I P信託口が所有する当社株式の数 (当中間連結会計期間末73,817株) を除いております。 ※連結決算を行っていないため、 単体決算での数値です。 ��.�%※ ��.�%※ ��.�% ��.�%※ ���.�% ��.�% ��.�% ��.�% - ����年 �月期 ����年 �月期 ����年 �月期 ����年 �月期 ����年 �月期 ����年 �月期 ����年 �月期 ����年 �月期 ����年 �月期 (予想) �� � �� �� �� �� �� �� �� �� �� �� �� �� �� �� �� � �� �� �� �� �� �� �� �� �� �� �� (円) ▪記念配当 ▪期末配当 ▪中間配当 自己株式取得 ��億円 (’��/�~ʻ��/�) 自己株式取得 ��億円 (ʻ��/�~’��/�) 自己株式取得 ��億円 (’��/�~ʻ��/�) 自己株式取得 ��億円 (’��/�~ʻ��/�) 自己株式取得 ��億円 (’��/�~ʻ��/�) 配当性向 配当性向 ・ 一株当たり配当金の推移 70 69
  36. dip Integrated Report 2024 Introduction マ ネ ジ メ ン

    ト メ ッ セ ー ジ 価 値 創 造 プ ロ セ ス マ テ リ ア リ テ ィ 成 長 戦 略 ガ バ ナ ン ス デ ー タ セ ク シ ョ ン 財務戦略・投資戦略 dip は、 自社の株主資本コストを現状10~11%と想定しています。 少子高齢化による構造的な人手不足の高まりで、 求人市場自体 が景気変動を受けにく くなり、 β (市場感応度) は中長期的に低下していくと想定しています。 これは、 景気感応度が高い業種の採用 需要が減ったとしても、 構造的に人手不足の業種 (医療・介護など) における需要が高まることで、 市場全体では景気変動の影響が 小さくなると考えられるためです。 また、 以下のような取り組みをさらに強化することで、 中期的にβを引き下げることを目指します。 ◆ 株主資本コスト低減に向けた取り組み 直近5年間で、 景気変動の影響を受けにくい事業 ・ サービスの立ち上げに成功し、 収益構造が着実に強化されています。 その一つDX事 業は、 既存の顧客基盤を活用して、 営業社員が採用 ・ 人事業務効率化の商材を求人広告とセッ トで販売する事業です。 さらに、 昨年には、 販促に活用できるDX 商材の販売を開始、 順調に拡大することで契約社数が1,000社を突破しています。 これらの商材は月額課金 モデルであるため、 景気変動の影響を受けにくい事業となっています。 二つ目は、 医療・介護領域の人材紹介サービス 「ナースではたらこ」 「介護ではたらこ」 、 および専門職の総合求人サイト 「バイトル PRO」 です。 医療 ・ 介護は有効求人倍率が非常に高く、 構造的な人手不足のため、 景気の影響を受けにくい領域です。 今後、 この領域に おける求人ニーズがさらに高まっていく ことが予想されます。 引き続き新規事業 ・ サービスの創出に積極的に取り組み、 景気変動の影響 を受けにくい事業ポートフォリオの構築を進めてまいります。 • 景気変動の影響を受けにくい事業ポートフォリオの構築 ESGにおける 「E= 環境」 では、 2021年10月にTCFD 提言への賛同を表明して以降、 本社や各営業拠点、 データセンターにおける再生 可能エネルギーへの切り替えは順調に進んでいます。 Scope3の GHG 排出量算出と開示も継続しており、 現在は Scope3を含めた 目標設定を検討中です。 「S= 社会」 においては、 経済産業省 ・ 日本健康会議の 「健康経営優良法人認定制度」 における 「健康経営優良 法人2024大規模法人部門 (ホワイト500) 」 に今年度も認定されました。 マテリアリティとしてKPI 目標も定めている 「フィロソフィーで 結びつく人的資本の強化」 の推進に向け、 取り組みを強化しています。 「G= ガバナンス」 では、 2023年5月に監査等委員会設置会社に 移行、 取締役会に占める独立社外取締役の割合を3分の2とし、 独立性の高い取締役会構成としたほか、 女性割合を半数以上としてジ ェンダーダイバーシティを確保しています。 これらの取り組みの結果、 GPIF が採用する6つのESG 指数全てに選定されています。 引き 続き、 非財務 KPIの達成に向け、 ESG 経営をさらに進化させ、 株主資本コスト低減に取り組んでまいります。 • ESG に係る取り組みを通じた非財務資本の強化 企業価値の向上のためには、 高い成長性 ・ 収益性を支える持続可能な強み、 成長のポテンシャルや事業リスクなどを株式市場に正しく ご理解いただくことが極めて重要と考えています。 2024年2月期は、 年間393件の投資家面談を行い、 投資家の皆様からのご意見 やご要望などを、 取締役会や執行役員会議で四半期ごとに詳細に報告し、 経営と事業運営に活用しています。 今期のノンディールロード ショーに関しては、 前期実施のニューヨーク、 ロンドンに加え、 サンフランシスコ、 エディンバラ、 シドニー、 メルボルンで実施しました。 また、 現在投資家の皆様に新規サービスを含めた各事業の理解をより深めていただく機会として、 「IR Day」 を企画中です。 今後も ステークホルダーの皆様との対話をより一層深め、 エンゲージメントを強化してまいります。 • IR 活動によるステークホルダーとのエンゲージメント強化 事業ごとのROIC分析を行い、 事業に活用するための準備を行っています。 現時点ではソフ トウェア投資や関連費用の事業 ・ サービスごと の分解などが完了し、 来年度の導入を目指しています。 導入に先立ち、 一人当たり営業利益の社内目標達成に向けた取り組みの一環と して、 全社員向けに、 本部ごとの売上 ・ 費用の予算達成状況の共有を開始し、 社員の全社/部門業績への意識を高める施策を実施しています。 また、 投資の意思決定に際してのハードルレートについては、 ROEの中期目標に合わせ、 30%を目安として考えています。 • 事業ごとのROICを活用した事業管理の仕組みや、 ハードルレートにもとづく投資の意思決定プロセスの導入 dipでは社員に、 上場企業としての自社の戦略や業績への理解を深めてもらうため、 社員向けの決算説明会を四半期ごとに開催してい ます。 この説明会ではdipの事業戦略や業績に関する説明に加え、 株式市場からの期待や要望などを共有することで、 社員一人ひとり が経営視点を養う機会を提供しています。 また、 CFOとして各営業拠点での社員座談会を通じ、 現場の社員とのインタラクティ ブな対話の場を設けています。 さらに、 社員が投 資家面談に同席し投資家の皆様と直接コミュニケーションを持つ機会も提供しています。 こうした取り組みを通じて、 投資家の皆様が dipに対して抱く期待や懸念、 要望などを社員と共有することで、 企業価値 ・ 株主価値向上への意識がさらに高まることを目指しています。 ◆ 社員との対話機会の拡充 「マナビバ」 のサマリー ・ 感想を部内に展開するSlack上のやりとり 投資家の方とのIR面談に、 現場の営業社員が同席し意見 交換する様子 CFOの新居が、 決算内容や投資家 の皆様からの評価などを社員向け に発信する 「マナビバ」 株式市場との対話 内容について理解を 深める座談会の様子 直近5年の ROE を、 当期純利益率、 総資産回転 率、 財務レバレッジに分解。 メディアサービスの シェア拡大や DX 事業の成長などにより売上が 増加したこと、 また、 配当性向引き上げ (2020年 に30%⇒50%) や自己株式取得の実施などによ り総資産を圧縮したことで、 総資産回転率は概 ねコロナ前水準まで回復しています。 また、 財務 レバレッジも、 2024年1月公表の自己株式取得 を加味すれば、 コロナ前を超える水準となって います。 キャッシュアロケーション方針を踏まえ た財務戦略の推進が、 ROE 向上に有効に作用し ている証左と考えます。一方で、 課題は、 コロナ 前の水準に達していない当期純利益率です。既 存サービスの利益構造の筋肉質化を進めるとと もに、 中期経営計画 「dip30th」 の柱である、 新 サービスによる事業拡大、 生産性アップなどに 取り組み、 利益率の向上を実現してまいります。 ただ、 デュポン分解の限界は、 縮小均衡、 つまり、 投資抑制による費用や資産の圧縮によっても 「率」 は改善することです。 これまでもお伝えして きている通り、 縮小均衡による 「率」 の改善では なく、 成長投資をしっかり実行し、 売上・利益額 の拡大による 「率」 の向上を目指してまいります。 ◆ デュポン分解を踏まえた財務戦略の方向性 �% ��% ��% ��% ��% �.� �.� �.� �.� (倍) ����年 �月期※� ����年 �月期 ����年 �月期 ����年 �月期 ����年 �月期※� 当期純利益率 (左) 総資産回転率 (右) 財務レバレッジ (右) 注 : BS科目は各期末時点の残高をもとに算出しています。 ※1 連結決算を行っていないため、 単体決算での数値です。 ※2 2024年1月~5月実施の自己株式取得30億円を加味しています。 デュポン分解 72 71
  37. 74 73 dip Integrated Report 2024 Introduction マ ネ ジ

    メ ン ト メ ッ セ ー ジ 価 値 創 造 プ ロ セ ス マ テ リ ア リ テ ィ 成 長 戦 略 ガ バ ナ ン ス デ ー タ セ ク シ ョ ン コーポレート ・ ガバナンス コーポレート ・ ガバナンス基本方針 当社は、 「私たちdipは夢とアイデアと情熱で社会を改善する存在となる」 という企業理念のもと、 「Labor force solution company」 を ビジョンに掲げ人材サービスとDXサービスの提供を通して、 労働市場における諸課題を解決し、 誰もが働く喜びと幸せを感じられる社会 の実現を目指しています。 このビジョンを実現するためには、 コーポレート ・ ガバナンスの実効性の確保 ・ 向上が不可欠です。 当社では、 適 正なコーポレート ・ ガバナンス体制のもと、 経営の透明性を高め、 効率的な企業運営を行うことで、 あらゆるステークホルダーに対する責 任を果たしつつ、 中長期的な企業価値の向上を目指しております。 コーポレート ・ ガバナンス体制の概要 ・特徴 当社は、 取締役の職務執行の監査等を担う監査等委員を取締役会の構成員とすることにより、 業務執行取締役に対する監査 ・ 監督機能の 強化を図るとともに、 コーポレート ・ ガバナンス体制をより一層充実させるため、 2023年5月24日開催の第26期定時株主総会の決議をも って監査役会設置会社から監査等委員会設置会社へ移行しております。 さらに、 社外取締役および社外取締役監査等委員が、 経営に対す る監査または監督機能を十分に発揮できるよう、 取締役会の議案について事前説明を充実させるなど、 支援体制を整備 ・ 運用しています。 取締役会においては、 運営のDX化を推進することにより、 取締役会での意思決定に必要な情報をリアルタイムに取締役が把握できる 仕組みを構築し、 議論をより活性化しています。 監査等委員会においては、 会計監査人や内部監査室、 内部統制担当部署と連携して実効性の高い監査を実施することで、 監査機能の 強化を図っています。 加えて、 取締役候補の選定および個別報酬の決定のプロセスにおける独立性ならびに透明性の向上を図るため、 独立社外取締役を過 半数とする任意の指名 ・ 報酬委員会を設置しています。 そして、 意思決定の迅速化およびその円滑な執行を図るべく執行役員制度を導入し、 執行役員が取締役会に委任された業務の執行に 関する重要な事項を協議または共有する機関として、 執行役員会議を週次で開催しています。 また、 迅速な経営の意思決定を支える仕組 みとして、 執行役員会議議案の事前審議機関として、 戦略推進会議を設けています。 執行役員会議および戦略推進会議には、 取締役常勤 監査等委員が陪席しております。 なお、 取締役会による審議や業務執行における重要な意思決定の際には、 適宜、 弁護士等の外部専門家による意見を聴取 ・ 報告し、 適法かつ健全な 経営判断を行う仕組みを構築しています。 2004 執行役員制度の導入 東京証券取引所マザーズ上場 2006 CEO、 COO体制の導入 2013 東京証券取引所市場第一部へ市場変更 2016 「社外役員の独立性に関する基準」 の策定 コーポレートガバナンス ・ コードの採用 ・ 開示 2018 初の女性取締役 (社外) 就任 取締役の3分の1超が独立社外取締役に 2020 指名 ・ 報酬委員会の設置 2022 代表取締役を追加選定 東京証券取引所プライム市場へ市場変更 2023 監査等委員会設置会社へ移行 取締役の過半数が女性取締役に 取締役の3分の2超が独立社外取締役に 2024 初の女性CPO (Chief Philosophy Officer) 就任 株主総会 指名 ・ 報酬委員会 (任意) コンプライアンス/リ スク マネジメン ト推進会議 サステナビリティ 推進会議 人権啓発推進会議 執行役員会議 戦略推進会議 監査等委員会 業務執行取締役 選任 ・ 解任 諮問 ・ 答申 取締役の 個人別報酬の決定 選任 ・ 解任 監督 ・ 助言 監査 ・ 監督 選定 ・ 解職 監督 選任 ・ 解任 報告 報告 陪席 陪席 出席 重要事項の 諮問 重要事項の 協議結果答申 業務執行事項の 諮問、 出席 業務執行事項の 協議結果答申 上程 ・ 報告 上程 ・ 報告 指示 ・ 監督 協議 選任 ・ 解任 選任 ・ 解任 監査 監査 監査 ・ 監督 連携 ❸ 三様監査 連携 連携 ❶ 取締役会 取締役 取締役監査等委員 女性 女性 女性 取締役監査等委員 社外取締役 代表取締役 社長 兼CEO 代表取締役 COO 執行役員 各本部 各本部 各本部 各本部 会計監査人 内部監査室 連携 ❻ ❷ ❺ ❹ コーポレート ・ ガバナンス体制図 •役員構成 ▶詳細79ぺージに記載 取締役会における独立社外取締役の構成比を3分の2以上、 女性比率半数 を目安とする基本方針のもと、 取締役9名のうち6名は社外取締役であり、 経営陣や支配株主から独立した立場の社外取締役が取締役会の3分の2を 占めることにより、 経営に対する監督機能の強化を図ってまいります。 • 監査等委員会 ▶詳細83ぺージに記載 取締役の職務執行の監査等を担う監査等委員を取締役会の構成員とする ことにより、 業務執行取締役に対する監査 ・ 監督機能の強化を図るとともに、 コーポレート ・ ガバナンス体制をより一層充実させるため、 2023年より監査 等委員会設置会社へ移行しています。 •指名 ・ 報酬委員会 ▶詳細81ページに記載 取締役会の諮問機関である任意の指名 ・ 報酬委員会は、 取締役会から諮 問を受け、 取締役の指名および報酬に関する事項につき審議し、 答申を 行っています。 •三様監査 ▶詳細83ページに記載 監査等委員会、 会計監査人、 内部監査室が連携し、 目的と手続きの異なる 三様監査を効率的に実施しています。 定期協議で意見交換し、 重複回避や 情報共有を進め、 多くの示唆を得ています。 ▪ガバナンス強化に向けた取り組みの変遷 社内取締役 独立社外取締役 ❶ 75ページ ❷ 81ページ ❸ 83ページ ❹ ❺ ❻ 84ページ コーポレート ・ ガバナンス報告書 WEB▶https://www.dip-net.co.jp/esg/governance/G001
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    メ ン ト メ ッ セ ー ジ 価 値 創 造 プ ロ セ ス マ テ リ ア リ テ ィ 成 長 戦 略 ガ バ ナ ン ス デ ー タ セ ク シ ョ ン 取締役会における取り組み 1 原則として取締役会を月1回開催するほか、 必要に応じて臨時取締役会を開催し、 経営に関する重要事項を協議し、 決議いたします。 当社 では、 取締役会の決議をもって決定すべき事項を取締役会規程にて定め、 取締役会の決議をもって決定しています。 当社は、 取締役会実効性向上を目的に、 1年に一度、 取締役会の実効性評価を実施しています。  2024年2月期は、 取締役および取締役監査等委員に対して個別ヒアリングを実施し、 実効性に関する現状の課題を分析し、 施策に取り 組みました (下記 「2024年2月期の取り組み」 参照) 。  2025年2月期は、 前期の取り組みのうち未実施の課題、 個別ヒアリングで得た役員からの意見、 他社状況の調査等から取り入れる課題 を合わせて、 実効性に関する現状の課題を分析しました。 さらに、 CGコード基本原則4 (取締役会等の責務) にもとづき、 取り組み内容の 組み換えを行い、 「企業戦略等の大きな方向性」 「適切なリスクテイクを支える環境整備」 「監督機能の強化」 の3つの項目にまとめました。 下記 「2025年2月期の取り組み」 を実施することで、 当社取締役会の実効性のさらなる向上を図っていきます。 • 社外取締役の活動状況 社外取締役の機能発揮 馬渕 邦美 社外取締役 島田 由香 社外取締役 今津 幸子 社外取締役 (監査等委員) 竹内 香苗 社外取締役 田邉 えり子 社外取締役 (監査等委員) 丸山 みさえ 社外取締役 (監査等委員) グローバル企業を含む複数の事業会社の経営者として培われた豊富な経営経験、 AIやメタバースな どの最新テク ノロジーに関する高い知見にもとづき、 dip AIなどの新サービスに関する議案において、 リリース準備からサービス開始後のリスク管理等について助言 ・ 提言を行い、 監督機能を発揮してお ります。 また、 当社主催のビジネスカンファレンスにモデレーターとして登壇し、 その知見を活かして 業界動向の共有と活発な議論を促進することで、 カンファレンスの価値の向上に貢献しました。 グローバル企業での人事総務責任者や複数の企業の経営者として培われた、 組織文化の構築やウェ ルビーイング (健康かつ健全な心と身体である状態) に関する豊富な経験および高い知見にもとづき、 女性活躍の推進や採用のミスマッチ防止、 幸福度ナンバーワンの取り組みについて助言 ・ 提言を行い、 監督機能を発揮しております。 また、 当社主催のビジネスカンファレンスにモデレーターとして登壇し、 働きがいある魅力的な職場づく りに関する知見を共有して参加者同士の活発な議論を促進することで、 カンファレンスの価値の向上に貢献しました。 弁護士として培われた豊富な経験と高い見識にもとづき、 労務 ・ ガバナンス領域や女性活躍の推進に 関する議案において、 法の趣旨にとどまらない実務的観点から、 具体的な対応策に関する助言 ・ 提言 を行い、 監査 ・ 監督機能を発揮しております。 また、 サステナビリティ推進会議/人権啓発推進会議/ コンプライアンス/リスクマネジメント推進会議において、 法律改正など最新の動向を絶えず把握し、 きめ細やかな助言を行っております。 加えて、 当社役員向けのLGBTQ研修の講師等を務め、 当社の 人権啓発やコンプライアンスの向上に寄与しております。 報道番組のキャスターや経営者へのインタビュー等で培われた豊富な経験と高い知見にもとづき、 企 業広告プロモーションに関する議案において、 専門的な視点から、 費用対効果を高める施策の提案 等について助言 ・ 提言を行い、 監督機能を発揮しております。 また、 毎年期初に開催される社員総会 や当社主催のビジネスカンファレンスでは司会として参加し、 参加者に信頼感と安心感を与えるプロ フェッショナルな進行を行っています。 これらにより、 多様な視点や洞察が共有され、 社員のエンゲー ジメン ト向上や社内外のコミュニケーションの円滑化に貢献しました。 人材サービス会社において、 同社が提供するウェブサイトおよびウェブシステムの構築を通じて培 われた、 経営およびリスクマネジメントに関する豊富な経験と高い見識にもとづき、 システムリプレ イス時のリスク管理や情報セキュリティ教育、 全社 BCP 策定等の議案において、 助言 ・ 提言を行い、 監査 ・監督機能を発揮しております。 また、 当社の実情を深く理解したうえで、 サステナビリティ推 進会議/人権啓発推進会議/コンプライアンス/リスクマネジメント推進会議において、 社会的な 基準に照らした助言 ・ 提言を行っております。 公認会計士として培われた豊富な経験と高い見識にもとづき、 当社の財務戦略やビジネスモデルを 十分に理解したうえで、 財務 ・ 会計および税務の観点から助言 ・ 提言を行い、 監査 ・ 監督機能を発揮し ております。 また、 決算監査に関する会議において、 決算数値の正確性を担保するために、 個別具体 的な処理まで踏み込んだきめ細やかな助言を行っております。 加えて、 投資先に関する定例会議にお いては、 投資損失の計上要否に関する助言 ・ 提言を行い、 会計処理の健全性向上に寄与しております。 実施済 ・ ダイバーシティ方針の策定 ・ 公表 ・ 社外取締役に対して実施する取締役会議案の事前説明の運用見直し ・ 監査等委員会事務局の独立性の検討 ・ 実施 ・ 内部通報制度に関する開示の充実 ・ 内部通報窓口の切り替え 未実施 ・ サステナビリティに関する議論テーマの重点化 ・ 取締役会権限見直し (予算執行権限以外) ・ 社外役員協議会実施による連携強化 ・ 討議内容の充実 ・ 社外取締役と投資家との面談実施 • 2024年2月期の取り組み • 2025年2月期の取り組み 取締役会実効性評価 企業戦略等の 大きな方向性 サステナビリテ ィ サステナビリテ ィ方針、 環境方針、 人権方針、 マテリアリテ ィ の見直し、 サステナビリテ ィに関する戦略 ・ 施策 中期経営計画 中期経営計画 「dip30th」 の実現に向けた進捗と課題 単年度計画 単年度に係る売上 ・ 利益計画、 投資計画、 人員計画の進捗と課題、 次年度計画の審議 財務戦略 企業価値 ・ 株主価値向上に向けた方針、 キャ ッシュアロケーシ ョ ン、 株主資本コス ト低減施策 人的資本戦略 中期的な事業ポートフォリオを実現する人材ポートフォリオ、 育成 ・ 採用、 組織 ・ 環境開発、 ダイバーシティ、 人材開発 適切なリスクテイクを 支える環境整備 内部統制/コンプライアンス ・ リスクマネジメン ト リスクマネジメント体制、 主要なリスクと対応策、 事業継続計画 (BCP)、 情報セキュリティ、 コンプライアンス 監督機能の強化  取締役に関する事項 役員人事、 取締役の個別報酬決定 監査等委員会の体制、 監査報告書、 会計監査人の選任、 監査報酬、 内部監査計画、 内部監査状況報告 監査 ・ 監督に関する事項 取締役会実効性向上施策 取締役会実効性評価 企業戦略等の 大きな方向性 サステナビリテ ィ に関する議論 テーマの重点化 当社が持続可能な社会の実現に貢献するために、 現状の課題を分析し、 具体的な取り組みを検討します。 中期経営計画のモニタリング/ 来期予算の審議 来期の活動の優先度を決め、 中期経営計画実現に向けた来期の予算額を審議します。 新規事業およびそれに伴う 営業リソースの検討 来期以降の計画を見据え、 既存事業と新規事業の営業人員の配置等を検討します。 適切なリスクテイクを 支える環境整備 リスクマップの見直し 発生度 ・ 影響度にもとづき潜在 ・ 顕在リスクを網羅的に特定し、 新たに発生したリスクおよび既存リスクの 変動に対応して見直しを進めます。 地震等の経営危機が発生した際にも事業を継続できるように、 オールハザードに対応できるBCP (事業継 続計画) の見直しと、 BCM (事業継続マネジメント/Business Continuity Management ) の実施を進め ます。 BCMを通じて、 リスク評価や事業影響分析を定期的に行い、 緊急時の対応手順や復旧計画を整備 することで、 組織全体のレジリエンスを強化します。 オールハザード版BCPの策定/ BCMの実施 新規事業リスクの検討 dip AIやスポッ トバイ トル等、 新規事業リスクの検討を進めます。 監督機能の強化 取締役会におけるさらなる議論 活性化のための施策検討 優先的に取締役会で議論すべき課題を明確化し、 議論を深め、 監督機能を発揮しながら事業スピードを落とさ ずに最大の成果を得る意思決定をします。 社外役員同士の意見交換が促進され、 より監督機能が強化されるように、 社外役員で構成される 「社外 役員協議会」 を新設します。 「社外役員協議会」 の新設
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    メ ン ト メ ッ セ ー ジ 価 値 創 造 プ ロ セ ス マ テ リ ア リ テ ィ 成 長 戦 略 ガ バ ナ ン ス デ ー タ セ ク シ ョ ン スキル項目 選定理由 企業経営 労働市場の構造変化や急速なテクノロジーの進展など事業環境が大き く変化する中で、 フィロソフィーおよび中期経営計画で目指 す姿への変革を成し遂げていく ための企業経営全般の豊富な経験や知見を有していること。 人財開発/ DEI 推進 「人が全て、 人が財産」 という信念のもと、 当社の中長期で目指す姿への変革には、 フィロソフィーにもとづく経営人財、 管理職やメン バーの確保、 育成、 活用や女性社員の自律的なキャリア形成力などを支援する戦略が重要であるため、 人財開発/DEI推進分野で の経験と知見を有していること。 営業 市場動向の把握や競合分析などにもとづき、 戦略的な営業計画を立案 ・ 実行し、 顧客ニーズの理解、 交渉力、 長期的な顧客関係の 構築能力など、 営業分野での経験と知見を有していること。 サービス開発 急速なテク ノロジーの進展など事業環境が大き く変化する中で、 深い顧客理解と創造力にもとづき 、 競合他社に負けない革新的なサー ビスを開発できる経験と知見を有していること。 マーケティング/ プロモーション 労働市場の構造変化や急速なテクノロジーの進展など事業環境が大き く変化する中で、 マーケティ ングの豊富な経験と専門知識を 活用し、 プロモーション等の施策やデジタルマーケティ ングの進化を捉え、 データ分析を駆使したパーソナライズ戦略を実施できる経 験と知見を有していること。 テクノロジー デジタルマーケテ ィ ングやAI/メタバース、 Web3等の最新のテク ノ ロジーを理解、 活用し、 業務効率化や新規ビジネス創出に向けたイ ノベー シ ョ ンを推進できること。 また、 システム開発やITイン フ ラ構築の経験を基に、 情報セキュリ テ ィ を確保しながら適切なテク ノ ロジー戦略を策 定でき る経験と知見を有し ていること。 会計/財務 持続的な企業価値の向上を支える強固な財務基盤の構築、 CVCによる投資やM&Aなどの攻めの成長投資の推進および適正な株 主還元等を実現するための財務戦略の策定とその実行に必要な経験と知見を有していること。 リスクマネジメント 持続的な企業価値の向上のために、 事業環境が大き く変化する中でリスク要因に的確に対処することのできる法律、 コンプライアンス、 リスク管理の分野の経験と知見を有していること。 サステナビリティ/ ESG 当社のサステナビリティ方針や環境方針のもと、 中長期的な企業価値の向上と持続的な成長を目指すため、 サステナビリティ/ESG 視点の経営による長期的な事業継続や社会貢献などの経験と知見を有していること。 当社は、 取締役会の多様性と適正な規模について検討した上で、 当社の事業および業務等に精通し、 機動的な業務執行を推進する業務 執行取締役と、 高度な専門性と幅広い知見 ・ 経験を有し、 経営に対して適切な助言と監督を行うことを期待できる独立社外取締役とで、 取 締役会を構成しております。 業務執行取締役に関しては、 企業経営上の意思決定に必要な広範な知識と経験を備えていることなどの基準 にもとづき選任することを基本方針としております。 また、 社外取締役に関しては、 取締役会における重要な意思決定を通じ、 経営に対す る監視 ・ 監督機能を果たすとともに、 会社と経営陣 ・ 支配株主等との間の利益相反の有無を監督し、 中長期的な企業価値の向上を図るべく 、 経営方針や経営改善に関して積極的な提言を行うことができる者を選任することとしております。 加えて、 多様な知識 ・ 経験を持つ者が適 切なバランスで選任されるように検討した上で候補者を決定し、 取締役会における独立社外取締役の構成比を3分の2以上、 女性比率半 数を目安とする基本方針としております。 2024年5月23日現在の取締役会の構成は、 取締役総数9名中6名が独立社外取締役で、 その内5 名が女性となっており、 取締役会が引き続き高い独立性と多様性を備えた構成となっています。 独立社外役員比率  ��.�% �名/�名 女性役員比率 非業務執行比率 ��.�% �名/�名 ��.�% �名/�名 女性役員 5名 男性役員 4名 社内役員 3名 執行を兼務 する取締役 2名 独立社外役員 6名 執行を兼務 しない取締役 (うち社外 取締役6名) 7名 ▶ コーポレート ・ ガバナンス体制の特徴について モニタリングボードの採用と、 2/3を占める独立社外取締役による 監督機能の強化 取締役会の監査 ・ 監督機能の強化を目指し、 2023年5月に 監査等委員会設置会社へ移行してから約1年半が経過しま した。 新たな体制では、 モニタリング機能を高めるための基 本方針として、 取締役会における独立社外取締役の割合を 2/3以上、 女性比率半数を目安とすることを掲げております。 この方針にもとづき、 現在取締役会は総数9名のうち、 独立 社外取締役が6名、 女性が5名という構成になっております。 各取締役が多様な知識 ・ 経験にもとづいた幅広い専門的な 視点をカバーしており、 スキルマトリックスや多様性の観点 から、 バランスの取れたメンバーが揃っ ていると考えています。 取締役会での議論も非常に活発で、 質の高い意見交換が行 われています。 ▶ これまでの評価について 経営におけるガバナンスの 攻めと守りのバランスを保ちながら 戦略実行のスピードが高まっている 当社は、 「誰もが働く喜びと幸せを感じられる社会」 を目 指しており、 人とテクノロジー ・ データの力で実現しようと しています。  昨年の統合報告書にて、 私の役割は AI 時代に求められ るスピードの中で客観性とフェアな視点を提供することだ とお伝えしました。 その視点で1年を振り返ると、 新サービ スの 「dip AI」 は、 順調に立ち上がっており、 また 「スポッ ト バイトル」 も計画を前倒ししてサービス開発が進んでいる 点を評価します。今後は本格的な展開に向け、 外部の専 門家を活用し、 顧客やユーザーからのフィードバックを積 極的に取り入れながら、 攻めと守りのバランスを取って進 めることが重要だと考えています。  AI 技術の活用は、 グローバル市場では多くの課題が提 起されています。 そのような状況下で、 AI 活用に伴うリス クをいかに軽減するかについて、 dipにおいても継続的に 検討していく必要があります。 そうした議論を深めるため、 dip は2024年8月に 「AI 外部諮問委員会」 を設立しまし た。本委員会は社内の特定の組織には属さず、 独立した 機関として存在し、 取締役会において、 その提言を反映さ せていく予定です。 ▶ 今後に向けて 持続的な企業価値向上に向け、 取締役会の議論の質をさらに高めていく 社外取締役の役割は、 経営への監督機能を果たすとともに、 中長期的な企業価値の向上を図るべく、 経営戦略等に関し て適切な提言を行っていく ことです。  特に、 労働市場の変化やデータ技術の進化を踏まえた中 長期的な視点での機会とリスクに関する取締役会での議論 の質をさらに高めていく ことが重要です。  今後も改善のための工夫を続けてまいります。 例えば、 社外取締役が、 取締役会の議案について事前説明を受け ており、 これにより経営に対する高解像度な監督 ・助言が 可能になっています。 また、 新たな取り組みとして、 取締役 会で1年間に議論すべきテーマをあらかじめ設定し、 計画 的に議論を進めることで、 持続的成長に向けた議論をさら に充実させたいと思います。 また、 今後の成長を支えるため、 社員一人ひとりが新たな挑戦に対応できるよう、 スキルア ップとモチベーション向上に注力した経営が行われるよう モニターしていきたいと思います。  常に新しい市場に挑戦し続けるdipにとって、 経営にお けるガバナンスの攻めと守りのバランスは極めて重要です。 当社の強みは、 フィロソフィーに根ざした 「創造」 と 「チャレ ンジ」 にあります。 このマインドを持ち続け、 企業としての 柔軟性とスピード感を維持しながら成長を続けられるよう、 私たち社外取締役も尽力してまいります。 ステークホルダー の皆様には、 ぜひご理解とご支援を賜れれば幸いです。 コーポレート ・ ガバナンスのさらなる強化に向けて 馬渕 邦美 社外取締役 取締役会の構成 取締役の主たる経験分野 ・ 専門性 (スキル ・ マトリックス) • 経験分野 ・ 専門性 (スキル) と定義 社外取締役メッセージ
  40. 80 79 dip Integrated Report 2024 Introduction マ ネ ジ

    メ ン ト メ ッ セ ー ジ 価 値 創 造 プ ロ セ ス マ テ リ ア リ テ ィ 成 長 戦 略 ガ バ ナ ン ス デ ー タ セ ク シ ョ ン 取締役 役員一覧 (2024年5月23日現在 ) 1990年 4月 株式会社地産入社 1992年 5月 株式会社フ ォーラム入社 1997年 3月 当社設立 代表取締役社長 2006年 3月 当社代表取締役社長 兼 CEO (最高経営責任者) (現任) 2018年 5月 DIP America, Inc. President (現任) 冨田 英揮 代表取締役社長 兼 CEO (最高経営責任者) 取締役在任年数 27年 2024年2月期 取締役会出席率 100%            (13/13) 企業経営 人財開発/ DEI推進 営業 サービス 開発 マーケティング/ プロモーション テクノロジー リスク マネジメント 会計/財務 サステナビリティ /ESG 企業経営 人財開発/ DEI推進 営業 サービス 開発 マーケティング/ プロモーション テクノロジー リスク マネジメント 会計/財務 サステナビリティ /ESG 志立 正嗣 代表取締役COO (最高執行責任者) 取締役在任年数 5年 2024年2月期 取締役会出席率 100%            (13/13) 1991年 4月 凸版印刷株式会社※1入社 1998年11月 ヤフー株式会社※2入社 2004年11月 夢の街創造委員会株式会社※3取締役 2005年 6月 株式会社いい生活取締役 2012年 4月 ヤフー株式会社※2執行役員 BS事業統括本部統括本部長 2017年 4月 株式会社IDCフロンティア代表取締役社長 ファーストサーバ株式会社※4代表取締役会長 2019年 4月 ヤフー株式会社※2 コーポレートグループCIO 2019年 5月 当社社外取締役 2020年 7月 当社取締役COO (最高執行責任者) 竹内 香苗 社外取締役 取締役在任年数 2年 2024年2月期 取締役会出席率 100%            (13/13) 2001年 4月 株式会社東京放送 (現 株式会社TBSテレビ) 入社 2012年11月 フリーアナウンサーとして独立 2020年 6月 SBIホールディ ングス株式会社社外取締役 (現任) 2022年 5月 当社社外取締役 (現任) 企業経営 人財開発/ DEI推進 営業 サービス 開発 マーケティング/ プロモーション テクノロジー リスク マネジメント 会計/財務 サステナビリティ /ESG 社外 独立 企業経営 人財開発/ DEI推進 営業 サービス 開発 マーケティング/ プロモーション テクノロジー リスク マネジメント 会計/財務 サステナビリティ /ESG 馬渕 邦美 社外取締役 取締役在任年数   3年 2024年2月期 取締役会出席率 100%            (13/13) 1995年 4月 Sapient Corporation入社 1998年 6月 株式会社DOE 代表取締役社長 2012年 3月 オグルヴィ ・ ワン ・ジャパン株式会社 (現 VML&Ogilvy Japan合同会社) 代表取締役社長 ネオ ・ アット ・オグルヴィ株式会社 (現 VML&Ogilvy Japan合同会社) 代表取締役社長 2018年 7月 Facebook Japan株式会社 (現 Facebook Japan合同会社) Director 2018年 9月 ポート株式会社 社外取締役 社外 独立 2019年12月 株式会社マクアケ 社外取締役 (現任) 2021年 5月 当社社外取締役 (現任) 2022年 3月 一般社団法人Metaverse Japan 共同代表理事 (現任) 2022年 6月 ポート株式会社社外取締役 (監査等委員) (現任) 2024年 1月 一般社団法人Generative AI Japan理事 (現任) 島田 由香 社外取締役 取締役在任年数   1年 2024年2月期 取締役会出席率 90 %            (9/10) 社外 独立 1996年 4月 株式会社パソナ入社 2002年 6月 GEジャパン株式会社 (現 ゼネラル ・ エレク トリ ック ・ ジャパン ・ ホールディ ングス株式会社) 入社 2008年 8月 ユニリーバ・ジャパン ・ホールディングス株式会社 (現 ユニリーバ ・ジャパン ・ ホールディングス合同会社) 入社 2014年 4月 ユニリーバ ・ ジャパン ・ ホールディングス 株式会社取締役 兼 人事総務本部長 2017年 2月 株式会社YeeY共同設立代表取締役 (現任) 企業経営 人財開発/ DEI推進 営業 サービス 開発 マーケティング/ プロモーション テクノロジー リスク マネジメント 会計/財務 サステナビリティ /ESG 2020年11月 一般社団法人dialogue設立 代表理事 (現任) 2021年10月 ユニリーバ ・ ジャパン ・ ホールディ ングス 合同会社人事総務本部長 2022年 4月 合同会社NOTONO 代表社員 (現任) 2022年 7月 アステリア株式会社CWO (最高ウェルビーイング責任者) (現任) 2022年 9月 一般社団法人日本ウェルビーイング 推進協議会代表理事 (現任) 2023年 5月 当社社外取締役 (現任) 社外 独立 企業経営 人財開発/ DEI推進 営業 サービス 開発 マーケティング/ プロモーション テクノロジー リスク マネジメント 会計/財務 サステナビリティ /ESG 今津 幸子 社外取締役 (監査等委員) 監査役在任年数 1年 監査等委員在任年数 1年 2024年2月期 取締役会出席率 100% (13/13) 2024年2月期 監査等委員会出席率 100% (13/13) 1996年 4月 アンダーソン ・ 毛利法律事務所 (現 アンダーソン ・ 毛利 ・ 友常法律事務所外国法共同事業) 入所 2005年 1月 同事務所パートナー就任 (現任) 2007年 4月 慶應義塾大学法科大学院准教授 2014年 3月 公益財団法人石橋財団理事 (現任) 2018年 6月 第一三共株式会社社外監査役 (現任) 2022年 5月 当社社外監査役 2022年 6月 アルコニックス株式会社社外取締役 (現任) 2023年 5月 当社社外取締役 (監査等委員) (現任) 社外 独立 企業経営 人財開発/ DEI推進 営業 サービス 開発 マーケティング/ プロモーション テクノロジー リスク マネジメント 会計/財務 サステナビリティ /ESG 丸山 みさえ 社外取締役 (監査等委員) 監査等委員在任年数 1年 2024年2月期 取締役会出席率 100% (10/10) 2024年2月期 監査等委員会出席率 100% (10/10) 1993年10月 監査法人トーマツ (現 有限責任監査法人トーマツ) 入所 2011年12月 丸山みさえ公認会計士事務所設立 (現任) 2022年 3月 株式会社ヤプリ社外常勤監査役 (現任) 2023年 5月 当社社外取締役 (監査等委員) (現任) 社外 独立 企業経営 人財開発/ DEI推進 営業 サービス 開発 マーケティング/ プロモーション テクノロジー リスク マネジメント 会計/財務 サステナビリティ /ESG 田邉 えり子 社外取締役 (監査等委員) 取締役在任年数 5年 監査等委員在任年数  1年 2024年2月期 取締役会出席率 100%(13/13) 2024年2月期 監査等委員会出席率 100% (10/10) 1988年 4月 日本拓建株式会社入社 1991年11月 テンプスタッフ株式会社 (現 パーソルテンプスタッフ株式会社) 入社 2011年 4月 同社IT統括本部インターネッ ト企画室室長 2019年 5月 当社社外取締役 2023年 5月 当社社外取締役 (監査等委員) (現任) 企業経営 人財開発/ DEI推進 営業 サービス 開発 マーケティング/ プロモーション テクノロジー リスク マネジメント 会計/財務 サステナビリティ /ESG 岩田 和久 取締役 常勤監査等委員 取締役在任年数 21年 監査等委員在任年数 −年 2024年2月期 取締役会出席率 100% (3/3) ▶ 各役員の記載内容は、 当社における地位 ・ 担当、 経歴、 経験分野 ・ 専門性 (スキル) を表します。 1986年 4月 株式会社産報通信社入社 2000年 5月 当社入社 2002年 6月 当社取締役 2004年10月 株式会社イー ・ エンジン取締役 2005年 5月 当社常務取締役 2006年 3月 当社常務取締役 常務執行役員 2007年 2月 当社取締役 執行役員常務 はたらこねっと 事業本部 ・ アウ トソーシング事業本部管掌 2007年 9月 当社取締役 執行役員常務 アウトソーシング事業本部長 2008年 6月 当社取締役 執行役員常務 エージェン ト 事業統括はたらこねっと事業本部長 2009年 5月 当社取締役 執行役員専務 エージェン ト 事業統括はたらこねっと事業本部長 2009年 9月 当社取締役 執行役員専務 エージェント事業本部長 2010年 6月 当社取締役 執行役員専務 HRソリューション事業本部長 2011年 3月 当社取締役 執行役員専務 はたらこカンパニープレジデント 2011年 5月 当社取締役 執行役員常務 はたらこカンパニープレジデント 2012年 3月 当社取締役 執行役員常務 エージェントカンパニープレジデント 2013年 3月 当社取締役 執行役員常務 メディア第一事業本部長 2014年 3月 当社取締役COO (最高執行責任者) 兼 メディア事業本部長 2018年 4月 当社取締役COO 兼 人材サービス事業本部長 2019年 9月 当社取締役COO 兼 人材サービス事業本部長 兼 経営管理本部長 2020年 6月 当社取締役COO 兼 人材サービス事業責任者 兼 経営管理本部長 2020年 7月 当社取締役CBO (最高事業責任者) 2023年 5月 当社専務執行役員CBO 2024年 5月 当社取締役 (常勤監査等委員) (現任) 藤原 彰二 DXサービスオフィサー/  AI ・ DX 事業本部長 新居 晴彦 CFO (最高財務責任者) 経営統括本部長 兼 メデ ィ ア事業本部 事業推進統括部 エグゼクテ ィ ブマネジ ャー 兼 経営統括本部 経営企画統括部長 執行役員 井上 剛恒 メディアサービスオフィサー/  メディア事業本部長 進藤 圭 商品開発本部長 兼 CorpDX 統括部長 北里 友宏 エージェン トサービスオフィサー/  エージェン ト事業本部長 鈴木 孝知 CIO (最高情報責任者) 山口 寿一 経営統括本部 副本部長  兼 経営統括本部  経営管理統括部長 経験分野 ・ 専門性 (スキル) の定義については、 78ページをご覧ください。 2022年 3月 当社代表取締役COO 兼 CIO (最高情報責任者) 兼 商品開発本部長 2023年 2月 当社代表取締役COO兼 CIO 兼 商品開発本部長 兼 DX事業本部長 2023年 4月 当社代表取締役COO兼 CIO 2023年 5月 当社代表取締役COO 2024年 4月 当社代表取締役COO 兼CHO (最高人事責任者) 兼 AIエージェント事業本部長 2024年 9月 当社代表取締役COO (現任) ※1 現 TOPPAN ホールディ ングス株式会社 ※2 現 LINEヤフー株式会社  ※3 現 株式会社出前館 ※4 現 株式会社IDCフロンティア
  41. 82 81 dip Integrated Report 2024 Introduction マ ネ ジ

    メ ン ト メ ッ セ ー ジ 価 値 創 造 プ ロ セ ス マ テ リ ア リ テ ィ 成 長 戦 略 ガ バ ナ ン ス デ ー タ セ ク シ ョ ン 指名に関する事項 指名・報酬委員会における取り組み 2 dipは、 中長期的な企業価値向上を実現するために、 取締役の指名や報酬に関する意思決定等に社外取締役の関与 ・ 助言の機会を適切に確保し、 取締役会における意思決定プロセスの公正性、 透明性および客観性を向上させ、 コー ポレート ・ ガバナンス体制をより一層充実させることを目的として、 取締役会の任意の諮問機関として、 指名 ・ 報酬委 員会を設置しております。 指名 ・ 報酬委員会は、 代表取締役社長 兼 CEO および独立社外取締役で構成しております。 同委員会は、 独立社外 取締役が、 過半数を構成し委員長を務めることにより、 独立性を確保しております。 同委員会は、 取締役会からの一任にもとづき、 取締役会からの諮問に応じて、 取締役候補者の指名に関する事項につき審議 し答申を行っております。 ① 取締役の選任および解任方針の決定 ② 取締役の選任および解任手続きの決定 ③ 株主総会に付議する取締役の選任または 解任議案の原案の決定 ④ 代表取締役の選定または解職の原案の決定 ⑤ 後継者計画に関する事項 ⑥ その他取締役の指名に関して取締役会が 諮問する事項 取締役または取締役監査等委員の選任に関しては、 代表取締役社長 兼 CEOまたはほかの取締役が、 78ページ 「取締役会の構成」 に記載の選任基本 方針を満たすことを確認したうえで、 候補者を取締役会に諮り、 取締役会の決議をもって内定とし、 株主総会の決議により選任しています。 なお、 取締役 候補者の選任については、 指名 ・ 報酬委員会からの答申を踏まえています。 また、 監査等委員の選任に関する議案を株主総会に提出する際は、 監査等委員会の協議 ・ 同意の後に行っています。 • 選任 当社は、 代表取締役社長 兼 CEOの後継者を選定する際、 現任者が候補者の推薦を行った上、 当該候補者の中から取締役会が新任者にふさわしい人 材を後継者と して、 指名 ・ 報酬委員会に諮問いたします。 その審議 ・ 答申を受け、 取締役会で選定いたします。 また、 現任者による候補者の推薦に際しては、 あらかじめ当社で定めた後継者計画にもとづき、 経営者としての能力や適性、 人格などの客観的な推薦基準を満たすこととしており、 「私たちdipは夢 とアイデアと情熱で社会を改善する存在となる」 という企業理念を具現化できる人物を推薦します。 • サクセッションプラン 報酬に関する事項 同委員会は、 取締役会からの一任にもとづき、 取締役の個別報酬 (基準額および役職ごとに定める係数) を決定するとともに、 取締役会からの諮問に応じて、 取締役の報酬に関する事項につき審議し答申を行っております。 ① 取締役報酬の方針の決定 ② 取締役報酬の決定手続きの決定 ③ 株主総会に付議する取締役報酬議案の原案の決定 ④ 取締役の個人別報酬額 (算定方法を含む) の決定 ⑤ その他取締役の報酬に関して取締役会が諮問する事項 • 役員報酬制度 • 役員報酬の決定手続き ・ 内容等 dipは、 当社経営陣 ・ 取締役の報酬制度について、 独立性を有した監査 ・ 監督機能を果たすべき社外取締役および社 外取締役監査等委員を除き、 株主との価値共有を促進し、 説明責任を十分に果たせる客観性と透明性を備えた上で、 優秀な人材を確保 ・ 維持できる水準を勘案し、 健全な企業家精神の発揮を通して、 当社の持続的な成長と中長期的 な企業価値の向上を促す報酬体系とすることを基本方針としております。 当該決定方針は、 取締役会の諮問機関で あり、 独立社外取締役が委員長を務め、 独立社外取締役が委員の過半数を占める指名 ・ 報酬委員会による答申を踏 まえて、 取締役会決議により決定しております。 上記の基本方針のもと、 取締役の個人別の報酬等の決定方針を定めております。 その概要は、 当社コーポレートサ イ トよりご確認いただけます。 「役員の報酬等に関する株主総会の決議年月日および当該決議の内容」 、 「当連結会計年度における当社の取締役お よび監査役に対する役員報酬」 につきましては、 ホームページからご覧いただけます。 役員区分 報酬等の種類別の総額 固定報酬 業績連動報酬 金銭報酬 株式報酬 基本報酬 短期インセンティ ブ (役員BIP信託) 中長期インセンティ ブ (譲渡制限付株式報酬) 業務執行取締役 〇 〇 〇 非業務執行取締役  〇 ー ー [ 役員BIP信託 ] 役員BIP信託につきましては、 所定の要件を充足した対象者に対し、 当該業績連動株式報酬として、 株式交付ポイントに対応する当社株式の50%につ いて交付を受け、 また残りの50%については、 本信託内で換価したうえで、 換価処分金相当額の金銭の給付を受けるものとしております。  なお、 対象者の在任期間中に職務や社内規程等への重大な違反があった場合、 当該業績連動株式報酬の交付等を受けられる権利を喪失させるマル ス条項を設定しております。 また、 交付後に当該違反事実が判明した場合は、 当該株式報酬の返還を請求するクローバック条項を設定しております。 [ 譲渡制限付株式報酬 ] 譲渡制限付株式報酬につきましては、 譲渡制限解除時までの在籍条件および業績連動条件を付すこととしております。  なお、 対象者の在任期間中に職務や社内規程等への重大な違反があった場合には、 当該譲渡制限付株式報酬の返還を請求するクローバック条項を 設定しております。 役員報酬の決定手続き ・ 内容等 WEB▶https://www.dip-net.co.jp/esg/governance/G001 役員報酬体系 公正性および透明性を確保し、 企業価値の向上に寄与することを目的として、 取締役の個別報酬額 (案) について役位 ・ 職責や同業他社との比較などを 考慮して審議 ・ 検討し、 その原案を取締役会に答申しました。 その後、 取締役会からの一任にもとづき、 第28期における取締役 (取締役監査等委員を除く ) の個別報酬額について決議しました。 2024 年 2 月期における活動実績 ・ 議論内容 取締役会の体制については、 取締役候補者の適格性、 独立性、 多様性などを総合的に評価し、 持続的な企業価値向上と株主の信頼に応えるガバナンス 体制強化に資する取締役選任議案について審議 ・ 検討し、 その原案を取締役会に答申しました。 また、 経営の健全性と持続的成長を確保することを目 的として、 公正かつ透明な手続きで第28期代表取締役候補者について審議 ・ 検討し、 その原案を取締役会に答申しました。 取締役会は、 同委員会の答 申にもとづき、 取締役選任議案および代表取締役選定議案についてそれぞれ決議しました。  指名 ・ 報酬委員会の体制については、 経営の透明性と公正性を確保し、 企業価値の持続的な向上に寄与することができる構成とすることを目的に、 委 員会の過半数を独立社外取締役とし、 委員長を独立社外取締役とすることについて審議 ・ 検討し、 取締役会に答申しました。 その後、 指名 ・ 報酬委員会 にて、 馬渕独立社外取締役を委員長とすることについて決議しました。 2024 年 2 月期における活動実績 ・ 議論内容
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    メ ン ト メ ッ セ ー ジ 価 値 創 造 プ ロ セ ス マ テ リ ア リ テ ィ 成 長 戦 略 ガ バ ナ ン ス デ ー タ セ ク シ ョ ン 連携 意見交換 監査等委員会 会計監査人 内部監査室 取締役 監査等委員 連携 意見交換 会社 連携 意見交換 ①当期経営方針の浸透 ・ 実行状況 ②当期事業計画の進捗状況 ③ フィロソフィーを根幹とした事業 ・ 組織の運営状況 ④ 中期経営計画 「dip30th」 の策定 ・ 進捗状況 ⑤ ESG 経営への取り組み状況 ⑥ 内部統制の構築および整備 ・ 運用状況 ⑦ 適切な投資実行と投資後の進捗状況 ⑧ 法令遵守の状況 ⑨ 業務執行およびマネジメン トの状況 ⑩ 人材育成、 組織体制強化、 社員幸福度向上への取り組み状況 監査等委員会の重点監査項目は以下のとおりです。 監査等委員会は、 豊富な経験にもとづく高い専門性と幅広い知見を有する監査等委員4名で構成されており、 そのうち3名は社外 取締役監査等委員です。 原則として監査等委員会を月1回開催するほか、 必要に応じて臨時監査等委員会を開催します。 監査等 委員会は、 委員会内で定められた監査の方針に従い、 法令および定款に定められた事項ならびに重要な監査業務について協議 するとともに、 監査 ・ 監督体制の充実を図っております。 また、 各監査等委員は、 取締役会等の重要な会議に出席し、 取締役の業 務執行の適法性を監査するとともに、 妥当性の監督を行ってまいります。  監査等委員は、 適時に会計監査人または内部監査室と会合を行い、 意見交換および情報共有を行うとともに、 必要に応じて会 計監査人または内部監査室に報告を求めています。 また、 会計監査人の監査の過程および監査終了後、 監査等委員である取締 役は、 監査結果の報告を受けるとともに、 会計監査人の監査の妥当性に関して監視、 検証を行っています。 監査等委員会監査の状況 三様監査における取り組み  3 当社では、 監査等委員会、 会計監査人、 内部監査室の3者が 連携して、 それぞれの監査が異なる目的と手続きをもって、 三 様監査を行っています。 この三様監査において、 取締役監査等 委員、 会計監査人、 および内部監査人が連携を深化させるこ とで、 より効率的に監査を実施しています。  監査計画や監査結果について定期的に協議の場を設け、 意 見交換を実施しています。 これにより、 それぞれの業務を有効 に進行しています。 監査等委員は、 実際の監査にも立ち会い、 直接監査の様子を確認しています。 この取り組みにより、 監査 範囲の重複を回避し、 監査していない範囲の情報も共有され、 さらに多くの示唆を得ることができています。 三様監査 内部監査の状況 内部監査は、 代表取締役社長兼CEO直轄である内部監査室が担当しています。 内部監査室は3名で構成され、 「内 部監査規程」 および年次の内部監査計画書にもとづき、 業務の適正な遂行状況について確認 ・ 助言することを目的と して、 定期的に内部監査を行っています。 また、 これらの監査結果について、 監査等委員および会計監査人と積極的 に意見交換を行うなど連携を図ってまいります。  内部監査報告書については、 内部監査室長から代表取締役社長兼CEOへ提出しています。 また、 内部監査結果の 概要について、 監査等委員会へは毎月、 取締役会へは四半期毎に報告を行っています。 会計監査の状況 当社は、 会社法ならびに金融商品取引法にもとづく会計監査を有限責任あずさ監査法人から受けています。 有限責 任あずさ監査法人から、 経営成績、 財政状態を表す貸借対照表、 損益計算書などの決算開示書類が一般に公正妥当 と認められる企業会計の基準に準拠して作成され、 その内容を適正に表示しているとの意見表明がなされています。 人権啓発推進体制  5 代表取締役 COOを議長とする 「人権啓発推進会議」 を設置し、 当社の人権方針に則り、 人権に関する 取り組みの審議 ・ 決定を行っています。 詳細および体制図は45ページに記載しています。 サステナビリティ推進体制 4 代表取締役COOを議長とし全執行役員から構成される 「サステナビリティ推進会議」 を設置し、 持続可能 な社会の実現に向けた取り組みを推進しています。 詳細および体制図は35ページに記載しています。 サステナビリティ勉強会を実施 2024年7月には、 外部の有識者をお招きして、 取締役 ・ 執行役員および実行責任者を対象としたサステナ ビリティに関する勉強会を実施しました。 当社のサステナビリティへのさらなる進化に向けて最新動向や 他社の取り組み事例から貴重な学びを得ることができました。 LGBTQ勉強会を実施 2023年9月には、 弁護士の今津社外取締役 (監査等委員) を講師に、 取締役および執行役員を対象とした LGBTQ勉強会を開催しました。 「職場における性の多様性への配慮と留意点」 をテーマに、 性の多様性 に対する理解を深めました。 LGBTQ勉強会の様子 サステナビリティ勉強会の様子 コンプライアンスの向上 ・ リスクマネジメントの強化を 目的として、 代表取締役COOを議長とし、 全執行役員 から構成される、 コンプライアンス/リスクマネジメン ト 推進会議を新設しております。 コンプライアンス/リス クマネジメン ト推進会議では、 年4回コンプライアンス/ リスクマネジメントに関する事項について報告 ・ 協議す るとともに、 取締役会への報告を実施しています。  取締役会は、 コンプライアンス/リスクマネジメント推進会議の報告を基に、 コンプライアンス上の違反事案の全体 像/全社のリスクを把握 ・ 検討し、 再発防止策を決定しています。  さらに、 コンプライアンス/リスクマネジメント専門部署として経営統括本部ガバナンス推進部内にコンプライアン ス課を設置し、 コンプライアンス/リスクマネジメン ト体制の強化を図っています。 コンプライアンス/リスクマネジメン ト上の問題が発生した場合、 業務執行取締役 ・ 執行役員に迅速に報告できるように体制を構築し、 運用しています。 そのほか、 コンプライアンス/リスクマネジメン ト推進会議の事務局を担当しています。 コンプライアンス/リスクマネジメントに関する取り組み  6 コンプライアンス /リスクマネジメント体制 コンプライアンス/リスクマネジメント推進会議 議長 : 代表取締役COO メンバー : 執行役員 取締役会 コンプライアンス/リスクマネジメント推進会議 事務局 関連部署 監督 ・ 指示 報告
  43. 86 85 dip Integrated Report 2024 Introduction マ ネ ジ

    メ ン ト メ ッ セ ー ジ 価 値 創 造 プ ロ セ ス マ テ リ ア リ テ ィ 成 長 戦 略 ガ バ ナ ン ス デ ー タ セ ク シ ョ ン 当社では、 取締役および社員が法令および定款を遵守し、 かつ社会的責任および企業倫理を尊重して職務を遂行できるよう、 「コ ンプライアンス基本方針」 を定め、 社内掲示板および研修を通じて周知し、 浸透を図っています。 コンプライアンス教育において は、 取締役および取締役監査等委員を対象とした社内勉強会、 新入社員や新任管理職を対象としたコンプライアンス研修、 全 社員を対象としたスポッ ト研修を実施し、 各社員の属性 ・ 等級に応じたコンプライアンス意識の向上に取り組んでいます。 また、 四半期に一度、 主要な部署からコンプライアンスに関するリスク ・ 課題を集め、 コンプライアンス全般、 情報セキュリティに関す る知識、 当社規程やポリシー等に関する問題を取り上げ、 全従業員を対象にコンプライアンステストを実施しています。 テスト には、 良識 ・ マナー等の社会規範や人権に関する重要な項目も適宜取り入れ、 包括的なコンプライアンス教育を行っています。  社内でのコンプライアンス違反の発生や従業員の理解不足などの課題を解決するため、 コンプライアンス違反内容をわかり やすく説明したコンプライアンスガイドラインを作成し、 従業員一人ひとりが当社のフィロソフィーにもとづき公平 ・ 公正な判断 ができるよう啓発活動を強化しています。 コンプライアンスの推進 不正行為等を早期に発見 ・ 是正し、 コンプライアンスの向上を図ることを目的として、 内部通報窓口を設置しています。 コーポレートサイ トに、 外部の法律事務所と連携した通報窓口に関する情報を掲載しています。 また、 全社員に通報 窓口の連絡先が記載されたカードを配布するほか、 社内ポータルサイ トでもコンプライアンス ・ ハラスメント等各種 通報 ・ 相談窓口の案内ページを設け、 周知徹底を図っています。  相談は、 役員、 社員、 派遣社員、 取引先等から広く受け付けています。 通報者 ・ 相談者のプライバシー等に配慮し、 個人を特定できる情報は厳重に管理されております。 また、 通報者 ・ 相談者が不利益な取り扱いを受けないよう配慮し、 事実確認や状況の改善等の対応を実施しています。 2024年2月期の相談件数は7件です。 内部通報制度 顧客が企業の従業員に理不尽な要求や威圧的な態度、 不当な扱いなどを行う 「カスタマーハラスメント」 が増加し、 社会的な問題となっています。 カスタマーハラスメントは従業員のストレス増加やモチベーション低下、 メンタルヘル ス不調につながることが懸念されます。 カスタマーハラスメン トを受けた従業員の保護を目的に、 当社ではカスタマー ハラスメント相談窓口を設置しています。 この窓口では、 カスタマーハラスメントに関する従業員からの相談や報告を 受け付け、 迅速かつ適切に対応する体制を整えています。 「人がすべて、 人が財産」 の信念のもと、 社員一人ひとりが 安心して働ける環境を確保しています。 カスタマーハラスメント相談窓口 事業等のリスクについては、 各規程等により事業等のリスク管理に関する体制を定めています。 リスクの状況把握に ついては、 毎年 「リスクマップ」 を洗い替えすることにより事業等のリスクを更新し、 取締役会への報告を行っています。 事業等の主要なリスクは、 以下の通りです。 当社は、 これらリスクの発生の可能性を認識した上で、 発生の回避およ び発生した場合の対応に努める方針です。 詳細は、 当社コーポレートサイ トに掲載しています。 (https://www.dip-net.co.jp/ir/management-policy/business_risks) リスクマネジメントの強化 事業継続計画 (BCP : Business Continuity Plan) の強化 近年、 地震や台風、 豪雨などの様々な自然災害に加え、 大規模な感染症のま ん延など、 事業継続を脅かすリスクが増加しています。 このような外部環境に よる不確実性の高まりに対し、 当社の事業継続対応の態勢 (内部環境) は十 分に整備されていませんでした。 そこで、 2024年2月期はBCPの強化に取り 組んでまいりました。  従来の当社のBCPは 「結果事象アプローチ」 にもとづいており、 大地震や 自然災害、 感染症のまん延、 テロ等、 大事故、 サプライチェーンの途絶など特 定の事象に対するものとなっ ていました。 また、 全社方針と して、 個別 (部門別) BCP文書が成文化されていないことが課題となっていました。  2024年8月には、 起こりうる 「あらゆる災害」 に対する対応策や軽減策を計 画するため、 包括的かつ統合的な緊急事態への備えの枠組みであるオール ハザードアプローチによる事業継続計画 (BCP) を整備し、 「経営危機管理規程」 を改定しました。  ある事象が発生した際に 「経営リソースにどのような影響が発生するか」 に着目して計画を策定することで 「想定外」 を極力なく すことを目的としています。  さらに今後は部門別BCPの整備、 BCPの実効性を向上させるための教育 ・ 訓練の実施を予定しています。 このよう に、 当社は事業継続計画の強化を通じて、 様々なリスクに対する対応力を高めてまいります。 情報セキュリティに関する取り組み WEB▶https://www.dip-net.co.jp/esg/governance/G005 個人情報保護に関する取り組み WEB▶https://www.dip-net.co.jp/esg/governance/G006 ① 商用システムの停止およびコンピュータ   ウイルス感染 ・ サイバー攻撃について ・ 当社の事業はコンピュータシステムと通信ネッ トワークに依存しており、 システムの稼働停止が事業に影響を与える可能性があります。 これを防ぐため、 システムのバックアップ体制の整備やセキュリティ対策を継続的に進めています。 ② 情報漏えいについて ・ 当社サイ トはSSLで保護され、 セキュリティ対策もしていますが、 個人情報流出等のトラブル発生時には、 法的責任や信頼失墜等で 業績に影響を及ぼす可能性があります。 プライバシーマークとISO27001を認証維持し、 個人情報管理を徹底しています。 ③ 関係法令違反について ・ 法改正や規制強化 (特にインターネッ ト、 デジタル技術を対象とした法令、 労働関連法規等) 、 有料職業紹介事業者の許可取消があ った場合には、 事業運営および業績に影響を及ぼす可能性があります。 同業他社が特許等を取得した場合、 競争優位性の低下や訴訟が発生し、 業績に影響を及ぼす可能性があります。 第三者の特許に 抵触するリスクや、 当社の知的財産権が侵害される可能性もあります。 ④ マーケットの縮小について ・ 当社の人材サービス事業は、 求人広告出稿企業の採用計画に左右され、 景気動向や雇用情勢等により事業環境が変動した場合、 事業運営や業績に影響を受ける可能性があります。 DX事業も、 事業環境の変動により影響を受ける可能性があります。 ⑤ 業界再編について ・ 人材サービス事業は多くの競合他社が存在し、 競争激化や新規参入者への対応が遅れると業績に影響を及ぼす可能性があります。 DX事業でも独自の強みを活かしていますが、 競合他社との競争に対応できない場合は同様の影響が考えられます。 ⑥ 災害等について  ・ 気候変動の影響が事業運営および業績に影響を及ぼす可能性があります。 災害時従業員行動ガイ ドラインの策定、 耐震対策やデー タバックアップ、 従業員の安否確認システムの導入、 防災訓練、 災害用物資の備蓄などの対策を講じています。 ⑦ 人材サービス事業への依存について ・ 当社の人材サービス事業への依存度は高く、 競争激化が業績に影響を及ぼす可能性があります。 安定収益基盤を確立するため、 医療介護領域の人材紹介やSaaS 型 DX 事業を展開していますが、 計画通り進まない場合、 依存が続く可能性があります。 ⑧ 感染症の流行について ・ 当社従業員の感染の疑いや体調不良時における対応方針の周知徹底、 テレワークの実施により、 従業員の安全確保に努めます。 顧客とのコミュニケーションにおいても、 感染症防止に配慮した営業活動を行うことで、 事業活動を継続します。 内部通報体制図 社外窓口 外部法律事務所 取引先用 通報窓口 社外窓口 外部法律事務所 社内 窓口 公益通報・相談窓口 社外窓口 外部法律事務所 社内 窓口 コンプライアンス相談窓口 社外窓口 外部法律事務所 社内 窓口 ハラスメント相談窓口 公益通報に関する 報告 ・ 相談 公益通報に関する 報告 ・ 相談 コンプライアンスに 関する報告 ・ 相談 ハラスメントに 関する報告 ・ 相談 コンプライアンス推進会議 取締役会 ・ 監査等委員会 取引先事業者 役員 ・ 従業員 通報 ・ 相談者 通報 相談 調査 報告 公益通報窓口 コンプライアンス責任者 コンプライアンス責任者 人事企画責任者 主要なリスク 対策本部体制図 対策本部長 CEO 事務局長 経営統括本部長 対策本部長代行 COO 対策本部員 執行役員会議出席メンバー 対策本部各班長 対策本部各班 事務局員 BCPプロジェクトメンバー
  44. Introduction マ ネ ジ メ ン ト メ ッ セ

    ー ジ 価 値 創 造 プ ロ セ ス マ テ リ ア リ テ ィ 成 長 戦 略 ガ バ ナ ン ス デ ー タ セ ク シ ョ ン 88 87 dip Integrated Report 2024 財務・非財務データ 単体 単体 単体 連結 連結 単体 連結 連結 連結 連結 18期*¹ 19期*¹ 20期*¹ 21期 22期 23期*¹ 24期 25期 26期 27期 2015年2月期 2016年2月期 2017年2月期 2018年2月期 2019年2月期 2020年2月期 2021年2月期 2022年2月期 2023年2月期 2024年2月期 売上高 百万円 19,530 26,798 33,178 38,062 42,176 46,415 32,494 39,515 49,355 53,782 売上総利益 百万円 17,677 24,669 30,886 35,883 39,468 43,378 29,191 34,969 44,082 47,957 売上総利益率 % 90.5 92.1 93.1 94.3 93.6 93.5 89.8 88.5 89.3 89.2 営業利益 百万円 4,806 7,162 9,119 10,799 12,745 14,356 7,312 5,602 11,538 12,761 営業利益率 % 24.6 26.7 27.5 28.4 30.2 30.9 22.5 14.2 23.4 23.7 経常利益 百万円 4,817 7,170 9,141 10,794 12,577 14,393 6,501 5,320 11,599 12,618 経常利益率 % 24.7 26.8 27.6 28.4 29.8 31.0 20.0 13.5 23.5 23.5 当期純利益/ 親会社株主に 帰属する当期純利益 百万円 2,856 4,675 6,167 7,531 8,910 10,012 607 3,487 7,935 9,050 当期純利益率/ 親会社株主に 帰属する当期純利益率 % 14.6 17.4 18.6 19.8 21.1 21.6 1.9 8.8 16.1 16.8 純資産額 百万円 6,643 10,384 15,193 20,990 25,701 31,512 31,178 32,989 38,242 39,708 総資産額 百万円 11,021 15,326 21,139 28,016 33,510 41,114 35,869 42,454 50,167 50,772 総資産利益率 (ROA) % 51.4 54.4 50.1 38.5 40.9 38.5 18.1 13.6 25.0 25.0 自己資本利益率 (ROE) % 52.3 55.7 49.6 37.2 39.6 36.0 2.0 11.1 22.7 23.5 自己資本比率 % 60.0 66.4 69.6 72.4 74.0 74.3 84.4 76.4 75.0 77.3 営業活動による キャッシュ ・ フロー 百万円 3,877 4,991 8,105 9,729 10,926 12,391 5,905 10,482 13,203 9,526 投資活動による キャッシュ ・ フロー 百万円 –1,347 –802 –2,307 –4,364 –6,360 –3,375 –9,643 –3,850 –4,121 –7,364 財務活動による キャッシュ ・ フロー 百万円 –1,358 –1,109 –1,700 –1,965 –4,356 –4,515 –3,041 –2,524 –3,680 –8,021 現金及び 現金同等物の 期末残高 百万円 4,141 7,219 11,317 14,717 14,927 19,241 12,462 16,569 21,974 16,116 1株当たり純資産額 円 119.41*² 183.76*² 264.76 363.47 448.83 563.13 547.13 581.26 673.93 715.64 1株当たり 当期純利益金額 円 51.59 84.44 111.16 135.40 160.86 183.80 11.09 62.77 142.04 163.44 配当性向 % 30.2 30.8 32.4 31.8 31.1 30.5 505.0 97.2 50.7 53.8 *1 18期、 19期、 20期、 23期は、 連結決算は行っておりませんので、 単体決算での数値となります。 *2 2015年9月1日を効力発生日として、 普通株式1株につき5株の割合で株式分割を実施しています。   そのため、 1株当たり純資産額および当期純利益額は、 当該株式分割が前事業年度の期首に行われたと仮定して算出しています。 *3 男性育児休業取得率については、 育児 ・ 介護休業法に基づき、 育児 ・ 介護休業法施行規則第71条の4第2号における育児休業等および育児目的休暇の取得割合を算出しております。 *4 6月1日現在 (厚生労働省 障害者雇用状況報告時点) *5 カテゴリ8~15については、 該当する排出はありません。 財務データ 22期 23期 24期 25期 26期 27期 2019年2月期 2020年2月期 2021年2月期 2022年2月期 2023年2月期 2024年2月期 総エネルギー消費量 Scope1 MWh 51.4 57.0 45.6 48.0 49.5 20.6 Scope2 MWh 1,641.6 1,467.3 1,393.9 1,474.3 1,668.6 2,024.0 再生可能エネルギーが占める割合 % - - - 12.9 54.8 78.7 排出原単位 (Scope1+2/売上高) ※ Scope2 : マーケット基準 MWh/ 百万円 0.0401 0.0328 0.0443 0.0385 0.0348 0.0380 総GHG排出量 Scope1 t-CO2e 9.2 10.2 8.2 8.6 8.9 3.7 Scope2 ※マーケット基準 t-CO2e 704.8 638.7 590.4 559.1 325.3 171.6 Scope2 ※ロケーション基準 t-CO2e 758.4 876.1 620.3 638.4 724.2 886.5 Scope3 合計*5 t-CO2e - - - - 29,369 28,255  カテゴリ1 : 購入した  製品 ・ サービス t-CO2e - - - - 26,589 24,982  カテゴリ2 : 資本財 t-CO2e - - - - 1,126 1,294  カテゴリ3 : Scope1、 2に  含まれない燃料及び  エネルギー活動 t-CO2e - - - - 112 138  カテゴリ4 : 輸送 ・ 配送 (上流) t-CO2e - - - - 29 30  カテゴリ5 : 事業から出る廃棄物 t-CO2e - - - - 1 4  カテゴリ6 : 出張 t-CO2e - - - - 969 1,097  カテゴリ7 : 雇用者の通勤 t-CO2e - - - - 544 709 排出原単位 (Scope1+2/売上高) ※ Scope2 : マーケット基準 t-CO2e/ 百万円 0.0169 0.0100 0.0184 0.0144 0.0068 0.0033 正社員数 人 1,635 1,873 2,110 1,969 2,316 2,699 採用者数 新卒 人 296 362 399 95 414 612 中途 人 47 76 71 69 210 178 女性従業員比率 契約社員 ・ アルバイト含む % 50.0 49.6 48.8 49.8 50.4 50.7 管理職における 女性比率 全正社員 % 29.6 31.1 32.4 33.2 34.4 36.2 新卒社員の 管理職昇格者に おける女性比率 % 36.8 38.4 40.6 41.3 43.5 45.2 正社員の自主的な離職率 % 12.1 11.0 10.9 15.2 12.6 13.7 平均所定外労働時間  時間/月 25.0 23.1 24.1 25.4 23.0 19.8 有給休暇取得率 % 56.9 51.8 44.9 56.6 59.4 72.5 育児休業取得率*3 全体 % 62.3 83.5 81.7 80.4 95.4 100.0  男性 % 38.1 69.0 64.3 61.1 92.5 100.0  女性 % 100.0 100.0 100.0 100.0 98.2 100.0 障がい者雇用率*4 % 1.9 1.9 1.7 2.6 3.0 2.2 男女間賃金格差 全従業員 % - - - - 80.4 82.5 全正社員 % - - - - 85.4 88.0  管理職 % - - - - 83.4 83.6  一般職 % - - - - 97.9 98.7 有期雇用者 % - - - - 116.9 125.4 寄付金額 百万円 1.5 1.5 - 1.3 - 10 取締役数 人 8 6 6 6 6 8 独立社外取締役比率 % 37.5 50.0 33.3 33.3 50.0 75.0 女性取締役数 人 1 2 2 1 2 5 女性取締役比率 % 12.5 33.3 33.3 16.7 33.3 62.5 非財務データ
  45. Introduction マ ネ ジ メ ン ト メ ッ セ

    ー ジ 価 値 創 造 プ ロ セ ス マ テ リ ア リ テ ィ 成 長 戦 略 ガ バ ナ ン ス デ ー タ セ ク シ ョ ン 90 89 dip Integrated Report 2024 社外からの評価/ 外部認定の取得 ・ イニシアチブへの参加 THE INCLUSION OF dip Corporation IN ANY MSCI INDEX, AND THE USE OF MSCI LOGOS, TRADEMARKS, SERVICE MARKS OR INDEX NAMES HEREIN, DO NOT CONSTITUTE A SPONSORSHIP, ENDORSEMENT OR PROMOTION OF dip Corporation BY MSCI OR ANY OF ITS AFFILIATES. THE MSCI INDEXES ARE THE EXCLUSIVE PROPERTY OF MSCI. MSCI AND THE MSCI INDEX NAMES AND LOGOS ARE TRADEMARKS OR SERVICE MARKS OF MSCI OR ITS AFFILIATES. 会社情報/株式情報 会社概要 会社名 ディップ株式会社 設立 1997年3月 代表者 代表取締役社長 兼 CEO 冨田 英揮 所在地 東京都港区六本木3-2-1 資本金 1,085百万円 (2024年2月末現在) 売上高 53,782百万円 (2024年2月期) 従業員数 2,964名 (2024年4月1日現在の正社員)   事業内容 インターネットによる求人情報提供サービス DX サービスの提供、 他 上場市場 東証プライム URL https://www.dip-net.co.jp/ 拠点数 35拠点 連結子会社 DIP Labor Force Solution 投資事業有限責任組合 持分法適用会社 株式会社クロス ・ オペレーショングループ TRUNK 株式会社 ʢ஫̍ʣ ܾٞݖൺ཰͸ࣗݾגࣜ ʢ5,686,904גʣ Λ߇আ͠ ͯܭࢉ͠ ͓ͯΓ·͢ɻ ɹ ʢ஫̎ʣ ΦʔηϯςΟγςΟגࣜձࣾ͸୅දऔక໾ࣾ௕ ݉ CEO ෌ాӳشͷࢿ࢈؅ཧձࣾͰ͢ɻ FTSE Blossom Japan Index グローバルインデックスプロバイダーである FTSE Russellにより作成された、 ESGの側面 から優れた対応を行う日本企業を選定する指 標に、 4年連続で選定。 S&P/JPXカーボン ・ エフィシェント指数 TOPIX※1の構成銘柄を対象に、 環境情報の開示状 況、 炭素効率性※2の水準に着目して、 構成銘柄の ウエイ トを決定するESG 指数に選定。 ※1 東証株価指数 ※2 売上高当たり炭素排出量 く るみん認定 次世代育成支援対策推進法に基づく認定制 度で、 各種子育て支援策を導入している 「子育 てサポー ト企業」 と して厚生労働大臣より取得。 えるぼし認定 女性の職業生活における活躍促進に関する法 律 (女性活躍推進法) に基づく認定制度におい て、 最高評価の三つ星認定を取得。 MSCI ESG Leaders Indexes 米国のMSCI 社が開発したESG 総合型指数 で、 各業種においてESG評価が相対的に高い 企業で構成される指数に2年連続で選定。 男性の育児休業取得率100%宣言 男性の多様な働き方と育児休業を取やすい環 境づく りを推進するため、 2022年7月、 株式会 社ワーク ・ ライフ ・ バランスの 「男性の育児休業 取得率100% 宣言」 に賛同を表明。 DX認定事業者 自社内のDX 推進に加え、 顧客企業へのDX 導入促進が評価され、 経済産業省より認定。 日経500種平均株価 東証プライム市場上場の500銘柄を対象に、 日経平均株価と同じダウ式平均により算出す る算出平均株価指数に、 6年連続で選定。 CDP 世界の機関投資家が連携し、 企業の気候変動 に対する戦略や温室効果ガスの排出量等の情 報開示を求める国際的プロジェクト。 2021年 度より気候変動の質問書に回答。 気候関連財務情報開示タスクフォース (TCFD) 2021年10月、 金融安定理事会※3が設立した 気候関連財務情報開示タスクフ ォース (TCFD) による提言に賛同を表明。 企業と金融機関が 議論するTCFDコンソーシアムにも加盟。 ※3 Financial Stability Board MSCI日本株女性活躍指数 (WIN) 日本株の時価総額上位700銘柄のうち、 性別 多様性への取り組みにおいて業界をリードす る日本企業を対象に構成される指数に、 3年 連続で選定。 Morningstar日本株式ジェンダー ・ ダイバーシティ ・ ティルト指数 (除くREIT) ジェンダー ・ ダイバーシティ ・ ポリシーにおける 企業文化としての浸透、 ジェンダー不問で従業 員に対し平等な機会を約束する企業を重視す る指数に、 2年連続で最高位のGroup1に選定。 JPX-NIKKEI 400 資本の効率的活用や投資者を意識した経営 観点など、 グローバルな投資基準に求められ る諸条件を満たした、 投資魅力の高い会社で 構成される株価指数に、 9年連続で選定。 MSCI ジャパン ESGセレクト ・ リーダーズ指数 日本株の時価総額上位700銘柄のうち、 各業 種の中からESG格付けが相対的に高い銘柄 を選別して構成する指数に、 3年連続で選定。 健康経営優良法人2024 大規模法人部門ホワイト500 経済産業省と日本健康会議が主催する健康 経営に関する 「健康経営優良法人認定制度 大 規模法人部門」 において、 特に優良な健康経 営を実践している法人として、 2年連続で認定。 FTSE Blossom Japan Sector Relative Index 各セクターにおいて、 相対的にESGへ優れた 対応を行っている日本企業において、 そのパフ ォーマンスを測定するために設計された指標に、 3年連続で選定。 日経500種 平均株価 氏名又は名称 所有株式数 (株) 発行済株式 (自己株式を 除く。 ) の総数に対する 所有株式数の割合 (%) オーセンティシティ株式会社 20,340,000 37.35 日本マスタートラスト信託銀行株式会社 (信託口) 5,075,800 9.32 STATE STREET BANK AND TRUST COMPANY 505301 2,908,458 5.34 日本マスタートラスト信託銀行株式会社 (株式付与E SOP信託口 ・ 75525口 ) 2,058,320 3.78 株式会社日本カストディ銀行 (信託口) 1,849,100 3.40 氏名又は名称 所有株式数 (株) 発行済株式 (自己株式を 除く。 ) の総数に対する 所有株式数の割合 (%) STATE STREET BANK AND TRUST COMPANY 505025 1,403,159 2.58 THE BANK OF NEW YORK MELLON 140044 1,003,863 1.84 THE NOMURA TRUST AND BANKI NG CO. , LTD. AS THE TRUSTEE OF REPURCHASE AGREEMENT MOTHER FUND 665,100 1.22 STATE STREET BANK AND TRUST COMPANY 505103 538,235 0.99 GOLDMAN, SACHS & CO. REG 466,790 0.86 大株主 •その他の法人 ・・・・・・・・・ 33.90% •外国法人等 ・・・・・・・・・ 25.32% •金融機関 ・・・・・・・・・ 17.22% •個人 ・ その他 ・・・・・・・・・ 12.09% •自己名義株式 ・・・・・・・・・・ 9.46% •金融商品取引業者 ・・・・・・・・・・ 2.01% 所有者別株式分布状況 株価データ 株式情報 証券コード 2379 発行済株式数 60,140,000株 発行可能株式総数 213,400,000株 株主数 27,377名 ʢ2024೥8݄31೔ݱࡏʣ �,���(円) �,��� �,��� �,��� �,��� ��年 �月 ��年 ��月 ��年 �月 ��年 �月 ��年 ��月 ��年 �月 ��年 �月 ��年 �月 ��年 ��月 ��年 �月 ��年 �月 ��年 �月 ��年 ��月 ��年 �月 ��年 �月 ��年 �月
  46. 私たちディ ップを突き動かしてきたのは、 dip の社名に刻まれた 「夢 (dream) アイデア (idea) 情熱 (passion)

    」 です。 世界一のプロ野球選手になる夢、 ⼆⼑流という世界を驚かせたアイデア、 高みを目指し世界中を熱くする情熱。 フィロソフィーを体現する大⾕翔平選手と 頑張る人の夢を一緒に応援していきます。 さあ、 夢を叶える仕事に出会おう。 当社のフィロソフィーや企業姿勢に共感され 2023年12月に大谷翔平選手が ブランドアンバサダーに就任いたしました BRAND AMBASSADOR SHOHEI OHTANI dip SPECIAL PAGE 大谷翔平選手 スペシャルページ 対談動画 プロモーション 対談動画はこちらよりご覧いただけます。 web : https://www.youtube.com/watch?v=YrTD5yW9PrA 大⾕翔平選手に関するプロモーションの詳細は こちらよりご覧いただけます。 web : https://dip.ai/ohtani_dip/ 大谷翔平選手とCEO 冨田がフィロソフィーをテーマに対談 92 91