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エクセレントケアシステム品質管理部 中長期ビジョン -Shaping Our Future 2...

エクセレントケアシステム品質管理部 中長期ビジョン -Shaping Our Future 2030-

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  1. 本日の構成 1.はじめに 2.背景と課題 3.施策の基本方針 4.戦略・施策 5.KPI設計の基本方針 6.実施計画 7.期待される成果とゴール 8.おわりに 計画策定の目的と背景、品質管理部の役割

    社会・業界動向や組織課題を踏まえた必要性 「逸品・快適・爽快」に基づく品質方針 品質基準を軸に持続的な品質向上のための重点施策 指標設計の考え方 年度ごとの主要テーマと施策 利用者・職員・地域・経営における成果像 経営力に寄与する品質活動として Shaping Our Future: 2030
  2. 2.背景と課題 高齢化の進行と介護ニーズの増加 2025年に「団塊の世代」が全員75歳以上となり、 要介護者が急増。 2040年頃まで高齢者人口が増加し、 介護需要が拡大。 独居高齢者の増加により、 介護サービスへの依存度が高まる。 ※参考 内閣府「令和6年版

    高齢社会白書」 高齢者・家族の所得減少と介護費用負担の増加 高齢者世帯の多くが年金収入に依存し、低所得層の割合が増加。 介護離職により、家族の世帯収入が減少。 介護費用の自己負担割合が増加し、サービス利用を抑制する 傾向が強まる。 ※参考 総務省「家計調査(高齢者世帯の所得状況)」 厚生労働省「介護保険制度の見直しに関する検討報告書」 2-1 介護業界の変化 Shaping Our Future: 2030
  3. 介護サービスの変化(在宅介護ニーズの高まり) 施設入所希望者の増加に対し、特養(特別養護老人ホーム) などの受け入れが追つかない。 在宅介護を希望する高齢者が増加し、訪問介護・デイサービ スの需要が拡大。 民間介護保険や自費サービスの活用が広がる傾向。 厚生労働省「介護保険事業状況報告」 介護人材の不足と働き方改革の必要性 介護人材の慢性的な不足により、採用難・離職率の高さが課題。 外国人労働者の受け入れ、ICT・介護ロボットの活用が進む。

    介護職員の処遇改善加算による賃上げ施策が実施されるも、 労働環境の改善には課題が残る 公益財団法人介護労働安定センター 令和5年度「介護労働実 態調査」 デジタル技術(DX)とAI・介護ロボットの活用 AI・IoTを活用した見守りシステム、バイタル管理、業務効率 化が進展。 電子カルテ・介護記録システムの導入により、介護職員の負 担軽減が期待される。 介護ロボットやICT技術の活用による、業務の省人化・効率 化が加速。 介護ISOの策定と国際標準化の動向 国際標準化機構(ISO)が、2025年発行を目指して介護 サービスの国際規格を策定中。 日本政府も規格策定に関与し、国内基準との整合性を検 討中。 将来的に、ISOに準じた品質管理が求められる可能性が 高い。 Shaping Our Future: 2030
  4. 2-2 福祉サービス第三者評価と介護ISOの現状と動向 2001年に導入、公正・中立な第三者がサービスを評価。 利 用者の選択支援、事業者の改善促進に貢献。 日本品質保証機構(JQA)はISO9001審査経験を活かし、 東京都・埼玉県で第三者評価機関として活動。 ISOと第三者評価の手法が融合しつつある。 ISOが2025年に「介護サービスの国際規格」策定へ。 日本政府も食事・情報公開などの基準を提案。将来、認証取

    得が必要となる可能性。 JQAによる評価とISOとの接点 介護ISO(国際規格)策定の動向 福祉サービス第三者評価の役割 事業者は「評価・監査の視点」を内部のPDCAに組み込み、 継続的なサービス改善を推進。 ISOの品質保証の考え方を活かした第三者評価活用が重要。 今後求められる姿勢 Shaping Our Future: 2030
  5. 3-2 「逸品」「快適」「爽快」の3つの品質基準を軸に、利用者一人ひとりの期待を超える価値を提供し、 感動や満足を生み出すサービスエクセレンスを実現 感動と喜びを創造し、全ての人が幸せな社会を目指す。 Shaping Our Future: 2030 •美味しさと栄養バランスを両立した食 事の提供

    •高齢者の健康状態や嗜好に応じた個 別対応の食事提供 •季節の特別メニューや多国籍の食事を 提供するなど、食の楽しみを提供するイ ベントの実施 逸品 •スタッフのホスピタリティースキルの向上 (接遇・コミュニケーションの質の向上) •施設・事業所で統一された設備や内装、安 全対策の強化による居心地の良い空間づくり •プライバシーの確保やストレスの少ない快 適な生活環境の整備 快適 •退屈させない、心と身体をを動かす多彩 なプログラムの提供 •音楽・アート・運動・外出レクリエーション など、多彩なアクティビティーの実施 •地域交流やボランティアの活用による社 会参加の機会創出 爽快
  6. 4.戦略・施策 4-1 逸品(食事の品質向上) 【実現すること】 五感で楽しめる食を提供し、 健康と満足度の向上を図る。 同時に、安全性と品質のさらなる向上に 取組み、経営の持続可能性にも配慮した コスト最適化を実現する 【重点施策】

    食の楽しみを広げる支援と、食事提供者のスキル向上 1 2 •検食基準の統一と定期的なチェックの実施 •管理栄養士、調理担当者、現場スタッフ連携による品質維持・向上 •提供前の検食結果を記録・共有し、味・触感・温度の最適化を徹底 •特別食の企画、レシピ提供と実施サポート •食事レクリエーションの充実 •盛付や香りの工夫による五感で楽しめる食事演出 •食事提供者向けの研修やコンテストの開催(例マイスター制度) 検食の仕組みを定着させ、 日常的に美味しく楽しい食事を提供 Shaping Our Future: 2030
  7. 4.戦略・施策 4-2 快適(環境の品質向上) 【実現すること】 事業所の魅力を最大限に引き出し、 居心地に良い空間と、質の高い接遇を 提供する 【重点施策】 •接遇研修を強化し、コミュニケーション、傾聴、クレーム対応などの基礎力を 高める

    •基礎研修に加え、さらなる向上を目指す段階的なレベルアップ研修を実施 する •実地調査に基づいたフィードバックを活用し、体験的に学ぶ壮大な研修を 展開する •5年目の目標水準を具体的に設定し、段階的に達成を測る •居室や共有スペースの環境改善(温度、照明、音環境など) •バリアフリー設計や転倒防止対策の強化 •福祉住環境コーディネーターの知見を活かした環境整備の企画立案 •住環境・設備に関するマニュアルを整備し、2年後に内部監査に組み込む •家具や設備の管理ルールを明文化し、備品管理との連動を測る 接遇(人的サービス)スキルの向上 1 ハード面の整備と評価体制の構築 2 Shaping Our Future: 2030
  8. 4.戦略・施策 4-3 爽快(体験の品質向上) 【実現すること】 利用者が退屈せず、日々を充実して 過ごせるような仕組みを整える 【重点施策】 •選択型アクティビティーの導入により、利用者の希望に応じた プログラムを提供 •身体を動かすプログラム(リハビリ体操などを充実させる

    •絵画、音楽、園芸、書道などの文化・芸術活動の機会を拡充する •アクティビティー指導員やエクセレントケア指導員の育成を進める •アクティビティーの定義と基準を明言し、統一した評価基準を策定する •施設ごとのアクティビティ報告制度を確立し、取り組み状況を可視化する 多様なレクリエーション・アクティビティーの提供 1 ハード面の整備と評価体制の構築 2 地域社会との交流機会の創出 3 •地域の子どもや学生、ボランティアとの交流イベントを実施する •商店や公園などの社会資源を活用した外出レクリエーションを拡充する Shaping Our Future: 2030
  9. 4.戦略・施策 4-4 地域連携促進支援と 社会貢献活動、成果の可視化 【実現すること】 地域との連携を強化し、事業所が地 域社会の一員として貢献できる仕 組みをつくる。 社会貢献活動を推進し、その成果を 定量・定性の両面から可視化し、継

    続的な価値創出を図る。 地域連携の強化 1 社会貢献活動の促進 2 社会貢献活動の成果の可視化 3 成果報告と情報発信 4 【重点施策】 •担当者配置 •目標管理 •ネットワーク構築 •相互支援と事例展開 •住民・機関との共創 •地域向け講座 •子ども食堂やバザー •プログラム策定・実施 •リーダー選任 •連携 •活動リストとガイドライン運用整備 •頻度・規模のデータ化 •効果分析と事例共有 •報告会開催 •社内外発信(SNS・社内報等) Shaping Our Future: 2030
  10. 4.戦略・施策 4-5 品質管理の強化 (内部監査・マニュアル整備) 【実現すること】 内部監査を「マイナスを指摘する場」 から「強みを引き出し成長を支援す る仕組み」へと転換する。 監査結果を可視化・共有し、品質向上 の好循環を生み出す。

    全事業所においてマニュアル整備と 運用定着を進め、品質の標準化を実 現する。 内部監査を「プラス評価型」へ、成功事例の共有と育成促進 1 監査対象を「基準の遵守」から「方針と運営の実践状況」へ拡大 2 マニュアル整備を3年計画で完了し、5年目に運用定着 3 委員会活動・法定研修の負担軽減と実施支援体制を構築 4 【重点施策】 Shaping Our Future: 2030 •加点制度を設け、介護保険改正年度にあわせ評価基準の見直しをする。 •「課題見える化支援」や「タイムスタディ支援」、ICT機器の整備監査の実施を 目指す。 •各施設・事業所が、当社の理念を遵守しつつも、独自のアイデンティティで理念・ 基本方針を策定し、実行する力を身につけるよう支援する。
  11. 4.戦略・施策 4-6 品質関連研修コンテンツの 開発・提供 【実現すること】 品質向上を継続的に支援するため、 事業所で実践できる研修コンテンツを 開発し、学びを促進する。 特に、逸品・快適・爽快の視点を軸に、 サービスの質向上を目指し、研修の

    標準化と継続的な学習機会を提供する。 研修コンテンツの開発と提供 1 研修動画の制作と活用(2025年度開始) 2 研修ツールの提供と活用支援 3 継続的な改善とフィードバック体制の確立 4 【重点施策】 Shaping Our Future: 2030
  12. 4.戦略・施策 4-8 広報・コミュニケーション 【実現すること】 品質向上の取組みや成果を社内外に発信し、共通認識の形成と組織全体の成長を支援する。 特に外部発信を通じて、社会的信頼やブランド力の向上を図る。広報活動を通じて意識を高め、 継続的な改善文化の醸成を目指す。 【重点施策】 社内外への発信体制の強化 1

    品質への共通理解を促す 社内情報共有の仕組みづくりと取組み 2 •品質に関する動画コンテンツを制作、配信 •広報活動の機会を増やす •外部向け情報収集と記事化、発信 •情報発信、成功事例の整理と共有 •施設ごとの取組み、事業所間の情報共有促進 •苦情対応事例や表彰事例、現場の努力や成果の共有 Shaping Our Future: 2030
  13. 品質管理部では、組織全体のサービス品質を継続的に向上させるため、 以下の3つの視点に基づいたKPI(重要業績評価指標)を設定する 5.KPI設計の基本方針 ES:職員満足度 (Employee Satisfaction) CS:利用者満足度 (Customer Satisfaction) 外部からの評価

    (External Satisfaction) 職員一人ひとりの働きがいと参加意欲を高め、 組織への誇りと当事者意識を育むことを 目的とした評価指標 サービスを受ける利用者の声を尊重し、 期待を超えるケアを提供することで、 信頼と安心を創出するための評価指標 地域や社会からの客観的評価や信頼を得ることで、 ブランド価値を向上させ、組織の持続可能性を高める ための評価指標 <KPI例> •品質関連研修などの参加率や 回答数など •部発信へのリアクション率など •管理者や職員からの改善提案や 参画希望数など <KPI例> •食事・接遇の満足度 •レクやアクティビティー満足度 •苦情対応に関する指標(初期対応 スピードや解決率など) <KPI例> •社会貢献活動の実施件数 •地域連携イベントの年間実施回数/満足度調査など •表彰や認証の獲得件数 •外部メディアなど広報媒体への掲載件数 Shaping Our Future: 2030
  14. 6.実施計画 •品質管理部の役割を共 有し、職員の意識と行動を 引き出す体制づくりに取り 組む •マニュアルの整備と内部 監査、地域連携の仕組みを 構築し、標準化と仕組みづ くりを進める •研修・評価基準の標準化

    とともに、社会貢献活動や監 査方針を見直し、内部監査、 PDCA体制を整備する。 •各施設が外部評価を受け、 サービスの質や運営の適正 性を客観的に検証し、質の 向上と利用者・地域社会から の信頼性向上を図る •マニュアル運用の定着と 成功事例の全社展開を図 り、外部発信と記録・報告 の仕組みを強化する •全体の成果を検証し、時期 計画へ移行するとともに、品 質のブランド価値を明文化し、 統一的な運営を確立する 品質の定義と目的の共有 自律を促す土台づくり 標準化と仕組み化に よる運用体制の確立 評価と育成の基盤整備 とPDCA体制の構築 成果の可視化と共有 による全社的展開・ 発信強化 品質ブランドの確立と 次期戦略への展開 •ES目標 •CS目標 •外部評価目標 ※本計画は、ISO9001品質マネジメントシステム構築の考え方を 参考に、品質の定義と方針、文書化、内部監査、PDCAサイクル、外 部評価、再定義という段階的アプローチをもとに策定している。な お、内外環境の変化に応じて柔軟に見直しを測ることを前提とする。 ※KPIは、計画1年目に現状課題に応じ「KPI設定方針」に基づいて 設定する。 Shaping Our Future: 2030
  15. 7.期待される成果とゴール 1 質の高いサービスの提供と 感動品質の実現 2 地域貢献の可視化と 社会的な評価の向上 3 4 5

    統一的な運営基準の確立と 業務の質の維持・向上 管理者の業務最適化と マネジメント強化 関係機関との連携強化と 事業・活動の拡充 地域との信頼関係強化 地域で第一に選ばれる事業所 生活基盤としての存在価値 継続的な品質向上のための PDCAサイクルを組織全体で 機能させる 将来的なISOを見据えた標準 化された運営基盤 管理者が本来担うべき業績管理 とマネジメントに専念できる現場 の体制 連携する関係機関の幅の広がり 福祉サービスの選択肢充実。 高齢者福祉から障がい者福祉や 児童福祉など多様な支援分野へ の展開につなぐ。 Shaping Our Future: 2030