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Model for a Quantum Hall Effect without Landau ...
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Kazu Ghalamkari
August 17, 2016
Science
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Model for a Quantum Hall Effect without Landau Levels: Condensed-Matter Realization of the “Parity Anomaly” F.D.M.Haldane
六方格子に強束縛された多電子系のホール伝導度
論文紹介
Kazu Ghalamkari
August 17, 2016
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Transcript
六方格子に強束縛された多電子系のホール伝導度 Model for a Quantum Hall Effect without Landau Levels:
Condensed-Matter Realization of the “Parity Anomaly” F.D.M.Haldane 発表:ガラムカリ 和 1
目的 • 六方格子に強束縛された系に一様な磁場を 与えたときのホール伝導度を調べる。 2
発表の流れ 1.量子ホール効果 2.強束縛模型と例(一次元系、正方格子系) 3.六方格子系 4.六方格子に強束縛された系のホール伝導度 3
量子ホール効果 4
量子ホール効果 二次元電子系に強い一様磁場を加える。 自由電子モデルのエネルギー () 古典的には電子がサイクロトロン運動をはじめる。 量子力学ではエネルギーが量子化される。 ランダウ準位の出現 − = =
2 ℏ 電流, 電場 T=0でホール電導度がランダウ準位の占有数に比例する。 量子ホール効果 はランダウ準位の占有数 5 x y = 3 = 0,1, …
強束縛模型 6
強束縛模型 1 2 3 この系のハミルトニアン () 底の状態 境界条件 = −
ۧ | + 1 ۦ| + ۧ | ۦ + 1| + ۧ | ۦ| ホッピングのしやすさ 各サイトで粒子の感じる ポテンシャル Hoppingは最隣接間のみ 7 = 1,2, … , ≥ 0 スピンは考えない
強束縛模型 8 フーリエ変換の定義 | ۧ = 1 =0 −1
−| ۧ | ۧ = 1 | ۧ フーリエ変換後のハミルトニアン = −2 cos + | ۧ ۦ| = 2 , = 0, … , − 1
エネルギーバンド () = −2 cos + = 1, = 0
電子のとれる波数は離散的 9
Fermi準位 Fermi準位 基底状態において、電子はバンドの下から埋まっていく = 1, = 0 電子のとれる波数は離散的 10 ε
電子が 2 個ある。 () = −2 cos + 相互作用のない多粒子系を考える。 電子の入るサイトは個ある。
今後の議論では・・・ 強束縛模型の多電子系を考える。 Half-fillingを考える。 電子同士の相互作用は考えない。 スピンは考慮しない。 11 =粒子の数がサイトの半分 今の例では電子数は 2
Hoppingが偶奇で異なる場合 サイト数 (偶数) この系のハミルトニアン = −1 =0 2 −1
( ۧ |2 + 1 ۦ2| + ۧ |2 ۦ2 + 1|) −2 =0 2−1 ۧ |2 + 2 ۦ2 + 1| + ۧ |2 + 1 ۦ2 + 2| + =0 −1 | ۧ ۦ| −2 Hoppingは最隣接間のみ 粒子の感じるポテンシャルは 12 −1 −2 −1 −2 −1 −2 −1 −2 −1 サブ格子A サブ格子B 1 2 3 1 > 0 2 > 0 4
Hoppingが偶奇で異なる場合 この系のハミルトニアンのフーリエ変換 H() = − 1 + 2 cos −
1 − 2 sin 1 − 2 sin + 1 + 2 cos エネルギー固有値 = ± 1 2 + 2 2 + 21 2 (cos2 − sin2 ) 13
Hoppingが偶奇で異なる場合 1 = 2 で金属 1 = 2 = 1,
= 0 = ± 1 2 + 2 2 + 21 2 (cos2 − sin2 ) 14 電子が 2 個ある
Hoppingが偶奇で異なる場合 1 ≠ 2 でバンド絶縁体 1 = 1, 2 =
0.5, = 0 バンド構造をみることで、物性を明らかにする 15 電子が 2 個ある = ± 1 2 + 2 2 + 21 2 (cos2 − sin2 ) エネルギーギャップ 2つのバンドの出現はサブ格子がふたつあることに対応
ここまでのまとめ • 強束縛模型のエネルギー固有値はエネル ギーバンドの形で表示出来る。 • Fermi 準位におけるエネルギーギャップの有 無が金属or絶縁体のどちらの相にあるかを 決める 16
次に二次元系を考える
正方格子 格子点 , に粒子がある状態 | ۧ , 境界条件 | ۧ
, = | ۧ + , | ۧ , = | ۧ , + = − | ۧ , ۦ, + 1| + | ۧ , + 1 ۦ, | + | ۧ , ۦ + 1, | + | ۧ + 1, ۦ, | + | ۧ , ۦ, | この系のハミルトニアン サイト数 N2 = ( − 2cos − 2 cos ) ൿ | , ൻ , | この系のハミルトニアンのフーリエ変換 Hoppingは最隣接間のみ 17 , = 1,2, … , > 0
正方格子 , = − 2 cos − 2 cos 基底状態において、電子はバンドの下から埋まっていく
= 1, = 0 18 2 2
正方格子のHalf-fillingのFermi面 0 2 4 6 19 half fillingのε サイトの半分が埋まる状態 =
= 0 青と白の境界面=Fermi面 電子の占有する波数を塗りつぶした図 電子が2 2 個ある 2 2 2 2
六方格子系 20
六方格子 − 最隣接へのHopping 1 > 0 第2隣接へのHopping 2 ≥ 0
局所的な磁場を与える。 (系全体の一様磁場は0) , , 方向へのHopping − , − , − 方向へのHopping で粒子の感じるポテンシャル で粒子の感じるポテンシャル− 21 − − − 2 −2 サブ格子A サブ格子B 2 , = 0 六方格子系 2 , ≠ 0 Haldaneモデル
六方格子 この系のハミルトニアンのフーリエ変換 = 22 cos ∑ cos ⋅ +∑[cos ⋅
+ sin ⋅ ] + − 22 sin ∑ sin ⋅ この系のエネルギー固有値 = 22 cos ∑ cos ⋅ ± ∑ cos ⋅ 2 + ∑ sin ⋅ 2 + − 22 sin ∑ sin ⋅ 2 22
六方格子のバンド構造 = 0, = 0, 1 = 1, 2 =
0 特徴的な接し方をしている ディラックポイント 局所的な磁場なし 第2隣接のHoppingなし バンド構造の繰り返しから一部を議論すれば十分 + − 23 − ≤ ≤ − ≤ ≤ /3 ≤ ≤ − 3 ≤ ≤ 3 ± = 2 3 , ± 2 3 3
-3 -2 -1 0 1 2 3 -3 -1 1
3 = 0, = 0, 1 = 1, 2 = 0でのFermi面 Half-filling 正方格子のHalf-fillingのFermi面と全く異なる 0 1 2 3 4 5 6 0 2 4 6 24 ディラックポイント − 0 2 2
Haldaneモデルでのホール伝導度 25
六方格子系の相図 26 /2 絶縁相 絶縁相 量子ホール相1 量子ホール相2 今後は2 を1とする。
相図 27 = 6.5, = /6 = −6.5, = /6
バンドギャップが出現する
相図 28 = 3 3 2 , = /6 =
− 3 3 2 , = /6 − + バンドが閉じる
相図 29 = 1, = /6 = −1, = /6
バンドギャップが出現する
ここまでのまとめ 30 + が現れる条件 − が現れる条件 • 相図の曲線上でギャップが消える = ±3
3 sin が満たされるときはギャップが生じない 絶縁相 量子ホール相1 絶縁相 量子ホール相2
この2つは同じ絶縁体だろうか 31 バンドの形は似ている。 いったんギャップが閉じて、相としては別のもの。 何が違うのか →実は(磁場をかけたときの)ホール伝導度 が違う 絶縁相 量子ホール相1
各相での物性の違い → − − と + 近傍のハミルトニアンから、エネルギー固有値を求める 離散化が起きた。 二次元系に磁場を印加したことによるランダウ準位の出現。 系全体に無限小の一様磁場0
をかける + 近傍でとれるエネルギー +,± = ± − 3 32 sin 2 + ℏ|0 | − 近傍でとれるエネルギー −,± = ± + 3 32 sin 2 + ℏ|0 | 絶縁体に弱い磁場をかけても 状態はあまり変化しない (複合同順) (複合同順) = 1,2, … 32
各相での物性の違い ②絶縁相 ①量子ホール相1 ランダウ準位の占有数が異なる。 →絶縁相と量子ホール相ではホール伝導度がランダウ準位1つ分異なる ε が同じでも、 = 2 ℏ
33 +,0 −,0 + 近傍 − 近傍 +,0 + 近傍 − 近傍 −,0 ε 絶縁相 量子ホール相1
各相での物性の違い 34 Mがとても大きい絶縁相では、サイトに強く束縛されている →絶縁相でのホール伝導度は0と考える。 量子ホール相と絶縁相ではランダウ準位ひとつ分違う。 = 2 ℏ 絶縁相 絶縁相
量子ホール相 量子ホール相 = − 2 ℏ = 2 ℏ = 0 = 0
結論 ・絶縁相、量子ホール相で一様な磁場をかけたときのホール伝導度 の違いがわかった。 35 = − 2 ℏ = 2
ℏ = 0 = 0 = 2 ℏ
まとめ 強束縛模型でHalf-fillingの電子系の議論をした。 • ホッピングが偶奇で異なる1次元模型では、Half- fillingで、1 = 2 で金属、1 ≠ 2
で絶縁体となる。 • 正方格子系と六方格子系でフェルミ面を比較した。 • Haldaneモデルでは、弱い磁場を与えただけでホー ル伝導度が量子化した。 36
37
量子力学の原理 38 局所的な磁場のかけ方 Φ Φ Φ Φ Φ Φ Φ
Φ Φ Φ Φ Φ න ・ ベクトルポテンシャルがあるときの位相 に比例する △PQRを貫く磁束 = 2Φ + Φ ベクトルポテンシャルの定義 × = を න( × ) ・ = න ・ = න ・ = P Q R 面PQRで面積分
ベクトルポテンシャルが押し付けられる正当性 39 12 = න 1 2 ・ = 12
+ 23 + 31 = ර ・ 1に粒子がいる状態 | ۧ 1 2に粒子がいる状態 | ۧ 2 3に粒子がいる状態 | ۧ 3 12 ۧ 1 ൻ2 + −12 ۧ 2 ൻ1 + 23 ۧ 2 ൻ3 + −23 ۧ 3 ൻ2 + 31 ۧ 3 ൻ1 + −31 | ۧ 1 ൻ3 | ൞ ۧ |1 = 12| ۧ 1 ۧ |3 = −23| ۧ 3 ۧ |2 = | ۧ 2 と定義して、かきかえると ۧ 1 ൻ2 + ۧ 2 ൻ1 + ۧ 3 ൻ2 + ۧ 2 ൻ3 + 31 ۧ 3 ൻ1 + −31 ۧ 1 ൻ3 1 2 3