Upgrade to Pro
— share decks privately, control downloads, hide ads and more …
Speaker Deck
Features
Speaker Deck
PRO
Sign in
Sign up for free
Search
Search
エンジニアでも論文が読みたい!
Search
Honahuku
October 17, 2024
Technology
0
810
エンジニアでも論文が読みたい!
PIXIV DEV MEETUP 2024 での発表資料です
https://conference.pixiv.co.jp/2024/dev-meetup
Honahuku
October 17, 2024
Tweet
Share
More Decks by Honahuku
See All by Honahuku
KubeCon + CloudNativeCon Japan 2025 に行ってきた! & containerd の新機能紹介
honahuku
0
65
「改訂版ブルーム・タキソノミー」を利用したソフトウェアドキュメンテーションの改善手法の提案
honahuku
0
420
Kubernetes のクラスタ内ネットワーク概要
honahuku
1
45
大規模コンピューティングを支える Kubernetes のネットワーク
honahuku
0
150
今から始める分散システム
honahuku
0
270
SecAd~Ad data drivin’ network security~
honahuku
0
180
Other Decks in Technology
See All in Technology
Абьюзим random_bytes(). Фёдор Кулаков, разработчик Lamoda Tech
lamodatech
0
340
生成AIでwebアプリケーションを作ってみた
tajimon
2
150
Lambda Web Adapterについて自分なりに理解してみた
smt7174
3
110
Snowflake Summit 2025全体振り返り / Snowflake Summit 2025 Overall Review
mtpooh
2
400
第9回情シス転職ミートアップ_テックタッチ株式会社
forester3003
0
240
20250625 Snowflake Summit 2025活用事例 レポート / Nowcast Snowflake Summit 2025 Case Study Report
kkuv
1
310
~宇宙最速~2025年AWS Summit レポート
satodesu
1
1.8k
Fabric + Databricks 2025.6 の最新情報ピックアップ
ryomaru0825
1
140
BrainPadプログラミングコンテスト記念LT会2025_社内イベント&問題解説
brainpadpr
1
160
2年でここまで成長!AWSで育てたAI Slack botの軌跡
iwamot
PRO
4
710
“社内”だけで完結していた私が、AWS Community Builder になるまで
nagisa53
1
390
Yamla: Rustでつくるリアルタイム性を追求した機械学習基盤 / Yamla: A Rust-Based Machine Learning Platform Pursuing Real-Time Capabilities
lycorptech_jp
PRO
3
120
Featured
See All Featured
Code Review Best Practice
trishagee
68
18k
Visualization
eitanlees
146
16k
Building an army of robots
kneath
306
45k
YesSQL, Process and Tooling at Scale
rocio
173
14k
Helping Users Find Their Own Way: Creating Modern Search Experiences
danielanewman
29
2.7k
Building a Modern Day E-commerce SEO Strategy
aleyda
42
7.3k
Typedesign – Prime Four
hannesfritz
42
2.7k
Gamification - CAS2011
davidbonilla
81
5.3k
Optimising Largest Contentful Paint
csswizardry
37
3.3k
JavaScript: Past, Present, and Future - NDC Porto 2020
reverentgeek
48
5.4k
Facilitating Awesome Meetings
lara
54
6.4k
Learning to Love Humans: Emotional Interface Design
aarron
273
40k
Transcript
エンジニアでも論文が 読みたい! Honahuku
アドプラットフォーム事業部/ アド・プロダクト部/ 広告なんでもチーム エンジニア Honahuku
今回話さないこと • 論文の読み方 • 具体的な研究のいろは・進め方
今回話すこと • エンジニアリングと研究の似ているところ • エンジニアリングに活かせるアカデミックなアプローチ • 私の活用事例
研究,やってますか 私は最近全然できてません
研究ってなんだよ • 事業会社でエンジニアをしながら研究をしている人は多 くないと思う • しかしエンジニアリングに研究の考え方が生きることが ある
エンジニアリングの手法 • 技術選定 ◦ 他社の事例や業界動向など複数の要素から意思決定 • 新環境の負荷試験 • ポストモーテム・プレモーテム •
課題解決
研究の手法 • 技術選定 ◦ 他社の事例や業界動向など複数の情報を収集 • 新環境の負荷試験 • ポストモーテム・プレモーテム •
課題解決 先行研究の調査 実験 結果考察 研究目的
研究のモチベーション • 研究とエンジニアリングは似ている点もあるが、異なる 点も多い • 仮に同じ目的があったとしても『研究』と『エンジニア リング』はアプローチが異なるはず
アカデミックなアプローチ • 論文というフォーマット ◦ 序章(背景)、手法、実験、考察、結論 ◦ 論文を読み、ディスカッションを重ね、検討し、より 良い案を提案する
アカデミックなアプローチ • 信頼度と情報ソース ◦ 単なる妄想は学問とは言えない ◦ 知識の積み上げ(先行研究)、情報ソースは重要
なぜ Honahuku は 論文を読むのか
自分の領域へ普段と違う 切り口から切り込むと嬉しい
何が嬉しいかというと 論文という別角度のデータソースから より理解を深めることが出来る
何が嬉しいかというと • why に切り込んだ背景知識を得られる • 関連する課題や手法へのインデックスを貼れる • 局所最適な手法に囚われすぎない
Honahuku のケース • 属人性が高くなんとなくで動いているインフラへの 問題意識 • プロダクトの可用性だけでなく可観測性と回復力を 高める取り組みを考えていた
論文紹介 • MS の SRE に関する論文 ◦ インシデント検知の問題点 ▪ モニターの不足によるインシデントの対応遅れ
▪ 不要なモニターによるオオカミ少年なアラート ◦ サービスに対する監視を分析し、改善手法の実証実験を 行った[ganatra2023] • [ganatra2023]: Detection is better than cure: A cloud incidents perspective, https://doi.org/10.1145/3611643.3613898
監視とインシデント対応 • モニターの不足はインシデント対応遅れや連鎖的な障害発 生に繋がる • 検出までの時間(Time to Detect)は シグナルやアラートが欠落していると最大 •
障害対応時間(Time to Mitigate)はモニター についてのドキュメントに欠落・誤りがある と伸びる
カスケード障害 • DBが停止するインシデントが発生したとする ◦ エンキューに時間がかかりジョブが詰まる ▪ DB停止に気づけてもキューのスタック検知のアラート が無ければ障害時間の増加がありえる ▪ システムの全容を把握している人や経験豊富な人は気
付ける可能性が高い
カスケード障害 • DBが停止するインシデントが発生したとする ◦ エンキューに時間がかかりジョブが詰まる ▪ DB停止に気づけてもキューのスタック検知のアラート が無ければ障害時間の増加がありえる ▪ システムの全容を把握している人や経験豊富な人は気
付ける可能性が高い そうでない人は?
モニターの見直し • モニターは過去の障害発生を元に追加されてきた ◦ 場当たり的なモニター追加は欠落や重複を招くのでは? • 賢いモニタリングフレームワークはモニター追加や重複削除 の提案をしてくれそう ▪ インシデントを学習(ML)させて提案に使う
Honahuku のケース • 属人性が高くなんとなくで動いているインフラへの 問題意識 • プロダクトの可用性だけでなく回復力と可観測性を 高める取り組みを考えていた
チームへの適用 • 同じように不要なモニターが無いか、見落としているメト リクスは無いかを洗い出し • 残った必要なモニターに対してアラートロジックとドキュ メントに誤りが無いかを確認することをPJに盛り込む
チームへの適用 • 同じように不要なモニターが無いか、見落としているメト リクスは無いかを洗い出し • 残った必要なモニターに対してアラートロジックとドキュ メントに誤りが無いかを確認することをPJに盛り込む 論文を元にした対応方針の検討
アカデミックなアプローチで より快適な エンジニアリングライフを!