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組織急拡大中のDX宿泊業にジョインしたスクラムマスターが文化づくりを通じて見たチームの学びと成長
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June 18, 2022
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組織急拡大中のDX宿泊業にジョインしたスクラムマスターが文化づくりを通じて見たチームの学びと成長
2022.06.18 スクラムフェス大阪2022
kawanotron
June 18, 2022
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Transcript
組織急拡大中のDX宿泊業に ジョインしたスクラムマスターが 文化づくりを通じて見た チームの学びと成長 2022.06.18 スクラムフェス大阪2022 1
河野圭一郎(かわのけいいちろう)@kawanotron Scrum Alliance®認定スクラムマスター 2011年頃よりアジャイルを学び始める ベンチャー企業での自社サービス開発 中小企業での受託開発 大企業での自社サービス開発を経て 2021年秋、星野リゾートに スクラムマスターとして参画 ミッションは
「星野リゾートのアジャイルをブーストすること」 2
ざっくりこういうことやっています • 2チームのスクラムマスター • 2チームのアジャイルコーチ • 情報システムグループ全体の組織開発やプロセス改善 • エンジニアチームの支援 •
主催する月1勉強会の運営 • 外部勉強会参加や自己研鑽 3
• 今まさに『50人の壁』が目の前に • チームの文化を育てる • チームとともにスクラムマスターも成長する • チームから組織へ、『50人の壁』を越える ※星野リゾートで8ヶ月スクラムマスターをやってきて うまくいったことや学んだこと、これからやりたいことをお話しします
話すこと 4
今まさに『50人の壁』が目の前に 5
• 星野リゾートの情報システムグループとは? • ユニコーン企業のような文化を維持できるのか? • まずは会議体の再定義と役割の明確化 今まさに『50人の壁』が目の前に 6
星野リゾートの情報システムグループとは? 今まさに『50人の壁』が目の前に 7
今まさに『50人の壁』が目の前に 世界に通用するホテル運営を情報システムで支えるグループ ラグジュアリーな滞在を叶える「星のや」、温泉旅館「界」、ファミリーリゾート「リゾナーレ」 都市観光を楽しむ「OMO」、ルーズで新しいホテル「 BEB」などを運営しています 星野リゾートは、国内外に60施設を有し 従業員は6,000人規模(パートナー含む) ウェブサイト、予約、チェックイン/チェックアウト、 顧客管理、従業員管理、温泉IoTなどその領域はさまざま 開業、運用、インフラ、ノーコード開発、内製開発など幅広く
10以上のチームが活動中 星野リゾートの情報システムグループとは? 8
今まさに『50人の壁』が目の前に 「何をすべきかを指示するつもりはないよ」 『ユニコーン企業のひみつ』にあるような組織文化 • 信頼し権限委譲して自律して動く • フラット&マチュア • 失敗から学ぶやってみよう精神 •
プロセス重視 アジャイルに近い文化が情シスに限らず元々ある 総支配人立候補制、接客業務の多能工化など、詳しくは藤井さんの過去の発表をご参照ください 星野リゾートの情報システムグループとは? エンジニア リーダー 藤井崇介 9
今まさに『50人の壁』が目の前に 星野リゾートの情報システムグループとは? 星野リゾート情報システムグループ Spotifyモデル 情報システムグループ トライブ 各プロダクトチーム スクワッド 職能チーム チャプター
フロントエンジニア勉強会、モデリング勉強 会、UX勉強会など ギルド 投資判断会議 カンパニーベット 投資判断会議を取りまとめるNさん ロードマネージャー 週次共有会 全員参加のオフサイトミーティング すでにSpotifyモデルのようになっている 10
ユニコーン企業のような文化を維持できるのか? 今まさに『50人の壁』が目の前に 11
今まさに『50人の壁』が目の前に 2015年の4名から順調に右肩上がり、現場出身者を引き入れる 2022年現在50名、2022年末60名、2023年には70名の予定 3年前から内製化にシフト エンジニアを積極採用 中途採用が増える 外注失敗やオフショア失敗については 久本さんの過去の発表や記事をご参照ください ユニコーン企業のような文化を維持できるのか? 情報システムグループ
グループディレクター 久本英司 58 12
今まさに『50人の壁』が目の前に ユニコーン企業とは、スタートアップみたいな働き方で エンタープライズ企業のようなスケールを実現している企業 規模が小さい内はスタートアップみたいな働き方はしやすいが 人数が増え規模が大きくなると難しくなる 『50人の壁』と言われていて、この規模になると 個人で見れる範囲に限界があり中間管理職が必要など ピラミッド型組織になろうとする力が働く ※書籍『チームトポロジー』では 「およそ50人:人が相互信頼できる人数の限界」とある
ユニコーン企業のような文化を維持できるのか? 13
今まさに『50人の壁』が目の前に 文化の維持を妨げる障害物 • 小さい組織だった頃の名残で個人で仕事をする習慣が 残っている • 長くいる太い(濃い)経験をしてきた人の存在感が大きい • 組織全体を”客観的に”俯瞰して見る役割の人がいない •
中途採用が増え、星野リゾートの文化を持たない人材が 増えてきた • 各チームでスクラムを採用し習熟していきたいが、 スクラムを支援できる人材が足りない ユニコーン企業のような文化を維持できるのか? 14
そんな中、藤井さんのTwitterのつぶやきを見た 認定スクラムマスター が応募してきた、、、 今まさに『50人の壁』が目の前に 星野リゾートエンジニアリーダー藤井崇介 『非ITの宿泊業なのに、なぜDXを推進できるのか?』 『コロナ禍における宿泊業の苦闘~ピンチをチャンスに変えた開発戦略』 今回も三河レーンで登壇しています 『みんなが初心者だからいい。全員で動く、アジャイルチームの成長日誌』 15
星野リゾートの スクラム 現在地 https://note.com/hoshino_technote/n/nca217b8c0648 16
まずは会議体の再定義と役割の明確化 今まさに『50人の壁』が目の前に 17
今まさに『50人の壁』が目の前に とある内製開発チーム いくつかある「定例会議」はそれぞれ何をするのか”曖昧” 週次ミーティングを基準に一週間単位で回っているが、、、 いつも全員参加、全員集まったからとりあえず話す、いつも時間が足りない PO複数名体制で誰がリードするか”曖昧” 太い(濃い)経験のメンバーが自然とリードするが 本人は他のプロジェクトにも関わっていて忙しくボトルネックになる まずは会議体の再定義と役割の明確化 18
今まさに『50人の壁』が目の前に 「定例会議」はスクラムをベースに会議体を再定義 • 各会議の目的が明確となり時間内に終わるようになった • 各会議に参加すべきメンバーが明確となり 必要以上に会議に参加しなくてよくなった まずは会議体の再定義と役割の明確化 19
今まさに『50人の壁』が目の前に PO複数名体制は良しとしてメインPOとサブPOを定義 スクラムとしての正しさよりもチームが機能することを優先に • お互い探り合い/遠慮し合いだったのが 各々やるべきことが明確となって自律して動けるように • 太い(濃い)経験のメンバーは補佐役として チームが必要としたときだけ助言することになり ボトルネックになることなく本人の負荷も下がった
まずは会議体の再定義と役割の明確化 20
今まさに『50人の壁』が目の前に スクラムを取り入れて曖昧さをなくすことで ムダな合意形成や調整が減り生産性が向上した 人数が少ないとコミュニケーションパスが少なく 曖昧さがあっても影響は少ない むしろ曖昧さが”あそび”となり俊敏に対応できる 人数が増えるとコミュニケーションパスが多くなり 曖昧さが無視できないほど大きなムダとなる まずは会議体の再定義と役割の明確化 21
チームの文化を育てる 22
• 「チームでやる」を定着させる • 「チームでゴールに向かう」雰囲気を作る • 「やらないことを決める」を印象付ける • 「見える化する」を習慣化する チームの文化を育てる 23
「チームでやる」を定着させる チームの文化を育てる 24
チームの文化を育てる 最近いろんな書籍で「チームでやる」が重要だと説かれている ※星野リゾート内の冊子にも「小さなチーム組織が基本」とある もちろんスクラムの基本単位はチーム チームでタスクを共有することで 特定の誰かがボトルネックとなることを防ぎフロー効率が向上 チームでやることで、暗黙知のまま知識を引き継いだり 形式知化が促進されるなどして、情報格差が減少する チーミングにより「全体は部分の総和に勝る」を目指す 「チームでやる」を定着させる
25
チームの文化を育てる 主語を「私」から「私たち」に変える 「個人的に…」という発言があった際に 「チームとしてはどうですか?」と問いかける 場に話しかけるようにする 例えばふりかえりでは付箋を書いた人ではなく 場に対して「これはどういうことですか?」と問いかける ※書いた人に振ると「書いた人がしゃべる」という習慣が形成されてしまう 場に問いかけると書いてない人から話し出すこともある 仕事の依頼が個人にきていたらチームで受けるよう促す
※メールやチャットでこっそり依頼がきてたりするのを見える化しチーム事にする 「チームでやる」を定着させる 26
チームの文化を育てる 「全員揃わなくていい」「休むのが当たり前。休んでも問題ない状態を作る。」 「全員揃わなければならない」という思い込みがあって 全員が揃うようにミーティングの予定を調整してしまう その調整コストは定刻に開催すれば必要のないコスト(二次ニーズ) 「全員揃わななくても計画通りに開催する」という 制約を設けることでチームで工夫するようになる (制約主導型アプローチ) ※特定の誰かに依存しなくていいように事前準備や議事録の取り方などを工夫して 誰かが欠けててもミーティングが開催できるチームになる
「チームでやる」を定着させる 27
「チームでゴールに向かう」雰囲気を作る チームの文化を育てる 28
チームの文化を育てる 「チームでゴールに向かう」雰囲気を作る ゴールを明確にすることで選択と集中ができるようになる ※2020年のスクラムガイドの変更でプロダクトゴールが導入され スプリントゴールが明確に定義された スクラムマスターとして 「ゴールに向かってどうですか?」と問いかける 目先の作業に夢中になるメンバーの視線をゴールに向ける それだけで各々が現状を把握しどうするといいか考えてくれる 29
チームの文化を育てる 個人でゴールを持つのではなくチームで持つようにする どうしてもバラバラなタスクを計画することになった場合は 抽象度を上げてチームで共有できるゴールを設定する ※「〇〇を使い始めることができるようになる」など チームでゴールを持つことで自然と協力するようになる ※タスクを分割したり、ペアプロ/モブプロしたり ゴール達成に必要なタスクかどうか判断して必要なことだけに集中したり 「チームでゴールに向かう」雰囲気を作る 30
チームの文化を育てる 「チームでゴールに向かう」雰囲気を作る プロダクトゴールを明確にすることで チーム内やステークホルダーとの間で合意形成が容易になった スプリントゴールをスプリントレビューに向けて設定すると チームがステークホルダーを意識して判断するようになった 31
「やらないことを決める」を印象付ける チームの文化を育てる 32
チームの文化を育てる コロナ禍での温泉IoTの成功などもあり 社内には「リリースはMVPで」という認識はあった、が 半年以上の規模になるとMVPが膨らみ実現可能性が危うい ➡「やらないことを決めるのが大事」という共通認識を作る MVPe(Minimum Viable Product experiment) という言葉を合言葉に
プロジェクトの初期に検証可能なプロダクトを作りきる ※リリース前の早いタイミングでステークホルダーからフィードバックをもらうことで 作りすぎず本当に必要なものだけを実現することができた 「やらないことを決める」を印象付ける 33
チームの文化を育てる スクラムマスターとして「間に合いますか?」 「間に合わせるにはどうしたらいいですか?」と問いかける ※「スコープを小さくしろ」なんてことは言わない(指示/命令しない) 「これとこれは後回しでいいです」みたいな話が出てきたら すかさず「やらないことを決めるって大事ですね」と言う 相手がそう実感したタイミングでさりげなく刷り込む 「やらないことを決める」を印象付ける 34
「見える化する」を習慣化する チームの文化を育てる 35
チームの文化を育てる まず「見える化大事」を刷り込む 見える化され透明性が高い状態を体験してもらう カンバンやバーンダウンチャートで見える化する ※カンバンで自分や他のメンバーのタスクが見えたり バーンダウンチャートでチーム全体の進捗が見えたり 見える化されてないものがあれば都度 「見える化しなくて大丈夫ですか?」と問いかける ※こっそりやっていたタスク、曖昧になっていた受入基準など 「見える化する」を習慣化する
36
チームの文化を育てる 『話し合いを見える化する』をやってみせる ちょっとした話し合いの場で ホワイトボードを使って話し合いを見える化してみる 自分たちの課題が見える化によって整理されていくのを体験 「頭の中が整理できました」みたいな話が出てきたら すかさず「見える化って大事ですね」と言う 相手がそう実感したタイミングでさりげなく刷り込む 「見える化する」を習慣化する やってみせ
37
チームの文化を育てる 「見える化する」を習慣化する 『自分たちで見える化する』をさせてみる 最初は jamboard の付箋から始める ふりかえりやちょっとしたワークショップで使ってみる ※Google Workspace を使っているので導入障壁が低い
みんなが jamboard に慣れてきたタイミングで miro へ ※jamboard は導入障壁が低い代わりに使いにくい 今では miro なしには話し合いできないくらい見える化が習慣に させてみせ 38
とあるエンジニアのスクラム成長記 https://note.com/hoshino_technote/n/n59f608fa18da 39
チームとともにスクラムマスターも成長する 40
• チームから出てきた「良くしたい」という気持ちを 大切にする • ティーチングとコーチングの境界で悩む • チームが成長するには自分自身が成長する • スクラムマスターを専任でやってみて感じたこと チームとともにスクラムマスターも成長する
41
チームから出てきた「良くしたい」という 気持ちを大切にする チームとともにスクラムマスターも成長する 42
チームとともにスクラムマスターも成長する 見える化するとメンバーから『より良くしたい』が出てくる それを拾って「どうしたい?」と問いかける 『良くしたい』が出てくる前に「こうするべき」と言わない 見える化して『良くしたい』が出てくるのをじっと待つ チームから出てきた「良くしたい」という気持ちを大切にする 43
チームとともにスクラムマスターも成長する とあるチーム チームから出てきた「良くしたい」という気持ちを大切にする スクラムマスターはチームの「良くしたい」に寄り添い 問題解決をファシリテートする メンバー「計画を立てる為にベロシティをちゃんと管理したい」 メンバー「その前にカンバンが複数あるから1つにまとめたい」 マスター「なら問題点整理するから一緒に改善案考えよう」 メンバー「カンバンのフローを見直してシンプルにしたい」 マスター「なら問題点整理するから一緒に改善案考えよう」
44
チームとともにスクラムマスターも成長する チームが必要としたときに提案すると実感を伴って理解できる スクラムをやることが目的ではない、あくまで問題解決の手段 スクラムマスターはチームの「良くしたい」に寄り添い いいタイミングでティーチングする チームから出てきた「良くしたい」という気持ちを大切にする メンバー「ユーザーストーリーが曖昧で着手しても進まない」 メンバー「事前に明確にしなきゃ」 マスター「Readyになってないね、リファインメントしてみる?」 とあるチーム
45
ティーチングとコーチングの境界で悩む チームとともにスクラムマスターも成長する 46
チームとともにスクラムマスターも成長する ティーチング = 相手に答えを教える コーチング = 相手の中にある選択肢を選ぶのを後押しする ティーチングすると自分で考えなくなるのでは? コーチングしたいけどそもそも選択肢を持ってない どうしてもティーチングばかりになる、、、
ティーチングとコーチングのバランス難しいなぁと悩む ティーチングとコーチングの境界で悩む 47
チームとともにスクラムマスターも成長する ティーチング = 相手に答えを教える コーチング = 相手の中にある選択肢を選ぶのを後押しする そもそもティーチングの認識が間違っていた ティーチングとコーチングの境界で悩む 48
チームとともにスクラムマスターも成長する ティーチング = 相手が知らない選択肢があることを教える コーチング = 相手の中にある選択肢を選ぶのを後押しする ティーチングは新たな選択肢があるということだけを教える 選択させることではない、選択するのは本人 こちらは選択肢を提示するだけ
※こう思うようになってティーチングすることに抵抗がなくなり ティーチングのやり方も変わった ティーチングとコーチングの境界で悩む 49
チームが成長するには自分自身が成長する チームとともにスクラムマスターも成長する 50
チームとともにスクラムマスターも成長する 従来型のコマンド&コントロールマネジメントだと マネージャーは偉そうに振る舞えばいい しかし、スクラムマスターやアジャイルコーチは そういうわけにはいかない メンバーの主体性を尊重しながら自律を促すためには 立場や権力で人を動かせない分、人徳が必要 そのために自らを律して成長していく チームが成長するには自分自身が成長する 51
チームとともにスクラムマスターも成長する ついつい自分でやりたくなっちゃう、けどぐっと我慢 手を出さず口を出す、ひたすら問いかける どういう問いかけをすれば気づいてもらえるか必死に考える そして待つ、悶々とするけど待つ、忍耐大事 チームが成長するには自分自身が成長する https://news.yahoo.co.jp/byline/nakaharajun/20160623-00059174 「人を育てること」とは 「待ちこがれること」である by
中原淳 52
チームとともにスクラムマスターも成長する 説明責任を怠らない しっかり Why を伝えて納得してもらうと 相手から「腹落ちした」という言葉が出てくる 自分の考えとは違うことを言われたとき 正直「めんどくさい!」って思うこともある でも、相手の気持ちをしっかり受け止める 謙虚さや好奇心が大事、器の大きな大人になる
チームが成長するには自分自身が成長する 53
スクラムマスターを専任でやってみて感じたこと チームとともにスクラムマスターも成長する 54
チームとともにスクラムマスターも成長する 客観的に見るの大事、兼任してたら難しい プレイヤーは目の前のことに集中しがち 一歩引いて見ているからこそ見えてくるものもある 専任スクラムマスターやってみてすごくいい、おすすめ ※スクラムガイド的には兼任あり?特に記載はない スクラムマスターを専任でやってみて感じたこと 55
チームとともにスクラムマスターも成長する スクラムマスターって文字通りスクラムの師匠なのでは? スクラムはフレームワークと言われ型通りやればうまくいく と思われがちだけど、同じく型を重視する諸道には師匠がいる 型があり師匠がいるからこそうまくいく その型の本質を伝えるのが師匠の役割なのでは? 型の本質を理解せず自己流でやれば形無し 型の本質を理解した上で自己流を目指せば型破り 師から型の本質を学ぶことで守破離がある スクラムマスターを専任でやってみて感じたこと
56
ドメイン知識がなくてもスクラムマスターはできる ない方が素朴な疑問が出せていいかも 知識がないからこそ客観的な問いかけができる ドメイン知識がなくて不安になることもあるけど そんな自分を責めない、ドメイン知識なくていい とはいえ、タスク分割や優先順位付けなど ドメイン知識があることで具体的にアドバイスできる というのもあるのでどっちもどっち スクラムマスターを専任でやってみて感じたこと チームとともにスクラムマスターも成長する
57
チームから組織へ、『50人の壁』を越える 58
• チームの成功体験を組織全体へ広める • 組織そのものをリファクタリングする チームから組織へ、『50人の壁』を越える 59
チームの成功体験を組織全体へ広める チームから組織へ、『50人の壁』を越える 60
チームから組織へ、『50人の壁』を越える チームの成功体験はこまめに 週1の全員参加のオフサイトミーティングで共有する この時も個人の発表ではなくチームでの発表になるようにする 「◯◯さんがすごい」で終わってしまわないように 再現性がある事実を言語化して共有する スクラムで大事なことは、スクラムでなくても大事 チームの文化を育てたときに出てきた合言葉を スクラム以外の文脈でも刷り込む 「チームでやる」「やらないことを決める」「見える化する」
「優先順位を付ける」「Whyが大事」などなど チームの成功体験を組織全体へ広める 61
チームから組織へ、『50人の壁』を越える 人事チーム主催の月次勉強会の運営にスクラムを採用して エンジニア以外にもスクラムを体験してもらう ウィークリースクラムと称して週1回打合せ 月次勉強会後はふりかえりもする チームの成功体験を組織全体へ広める 62
組織そのものをリファクタリングする チームから組織へ、『50人の壁』を越える 63
チームから組織へ、『50人の壁』を越える パーパスでチームを再編成する 急拡大する中、そのときのリソース状況や使う技術などで チームを編成しがち、ゆえにそれぞれのチームの役割が曖昧に チーム間の調整が必要以上に必要になる状況 ➡適度な抽象度のパーパス(目的) でチームをまとめて チームの凝集度を上げ疎結合にする(認知負荷を下げる) ※情報システム部門なのでプロダクトとは関係ないチームもある 複数のプロダクトを1つのパーパスでまとめたりもする
※コードのリファクタリングと同じで少しずつ変えていく 組織そのものをリファクタリングする 64
チームから組織へ、『50人の壁』を越える 全員参加のオフサイトミーティングのあり方を改善する 人数が少ない頃に個人作業の共有から始まった 人数が増えチームも多いので投資対効果を高めたい ➡「チームでやる」×「見える化する」で改善する 組織そのものをリファクタリングする 65
チームから組織へ、『50人の壁』を越える チームにとってのスクラムマスターと同じように 組織にもプロセス改善や組織開発専門の人材がいるとよいかも 通常業務をしながら組織の全体最適を考え実行するのは難しい 組織そのものをリファクタリングする 66
• 文化は固定ではない、維持するためには働きかけが必要 • やり方を変えるのではなく、習慣/文化に働きかける • ちょっとずつ分かりやすい合言葉で刷り込んでいく • 必要としたタイミングで新しいプラクティスを紹介する • スクラムをうまく取り入れることでチームは自然と成長する
• スクラムマスターはただ当たり前なことを言っているだけ 忙しいと忘れがちなことを思い出すきっかけを作る • スクラムマスターが問いかけると自分たちで考えてくれる • 客観的な立場で支援する役割はいた方が良い • 自分自身の忍耐力と謙虚さと好奇心を育てる まとめ 67
ご清聴ありがとうございました 68