Upgrade to Pro — share decks privately, control downloads, hide ads and more …

点群のファイル形式であるE57について

Sponsored · Ship Features Fearlessly Turn features on and off without deploys. Used by thousands of Ruby developers.

 点群のファイル形式であるE57について

本スライドは2026年2月11日に開催されたオンライン勉強会(AIMTG)にて利用されました。
イベントページやYoutube動画は以下の通りです。

イベントページ
https://osaka-driven-dev.connpass.com/event/381466/
動画
https://www.youtube.com/live/WQJXmeyaKXc?si=MU7oKf71jYoS2h4C&t=3743

Avatar for Kenta Itakura

Kenta Itakura

February 20, 2026
Tweet

More Decks by Kenta Itakura

Other Decks in Technology

Transcript

  1. 3 バックパック型スキャナー iPhone12 LiDAR [動画] LASファイルとE57ファイルの違い 項目 LAS形式 E57形式 拡張子

    .las(ファイル圧縮のための .laz形式も存在) .e57 開発元 ASPRS(米国写真測量リモートセンシング学会) ASTM International(国際標準化団体) 構造 各点のデータ 階層構造で点群・画像など複数データを統合管理 対応データ 点群データ(XYZ, RGB, 強度, 分類など) 点群、画像、測定時の姿勢・座標系情報も含む ファイルサイズ .lasは圧縮なし、.lazで軽量化可能 laz形式に比べて重くなることが多い 利点 LAZで圧縮可能、広く普及 複数センサ情報を一元管理できる 欠点 画像や姿勢情報は別ファイル管理が必要 対応ソフトがLASに比べてやや少ない  E57はスキャンごとの点群と取得時の位置、姿勢、画像に関する情報が階層構造で管理される  LASは点ごとの情報が保存され、座標・色・強度・分類などの標準属性を持つ  点群データの代表的な拡張子であるLASとE57を比較
  2. バックパック型スキャナー E57の性質 地上型レーザースキャナでは、異なる地点から複数回スキャンを行うことが一般的 画像出典: 板倉ら:セマンティックセグメンテーションやセンサーフュージョンを利用した橋梁の 構造情報の推定のための点群処理手法の開発, AI・データサイエンス論文集, 2024 にて利用 された図をもとに作成

    出典:「Example of a pairwise registration of laser scans」,Automatic registration of partially overlapping terrestrial laser scanner point clouds,Institute of Geodesy and Photogrammetry, ETH Zürich. 異なる計測地点の点群を組み合わせるイメージ 異なる地点から計測するイメージ E57形式では、各スキャンごとに取得された点群とともに、スキャナの位置・姿勢(向 き)や取得時の画像情報などが個別に記録される。
  3. バックパック型スキャナー 回転と移動の行列について 回転行列は3次元上で行うと3×3で平行移動は3×1 回転行列Rの成分と平行移動tの成分を合わせると3×4の行列になる その行列によって点群の位置を変換できる • 座標変換と向き補正により、点群上の点を画像座標に変換可能に ScanX2.0 𝑠 𝑢

    𝑣 1 = 𝑓𝑥 0 𝑐𝑥 0 𝑓𝑦 𝑐𝑦 0 0 1 𝑟11 𝑟12 𝑟13 𝑡1 𝑟21 𝑟22 𝑟23 𝑡2 𝑟31 𝑟32 𝑟33 𝑡3 𝑋𝑤 𝑌𝑤 𝑍𝑤 1 画像座標 内部 パラメータ 外部 パラメータ ワールド 座標 左図出典: Yamane, T., Chun, P. J., Dang, J., & Honda, R. (2023). Comput.-Aided Civ. Infrastruct. Eng., 38(17), 2391-2407. 14
  4. 16 バックパック型スキャナー iPhone12 LiDAR [動画] 画像上で人のセグメンテーションをし、その結果を点群上にマッピングし、ノイズ除去 レーザースキャナ中のカメラ画像と点群とのセンサーフュージョン 応用例: LiDARとカメラのセンサーフュージョンによる点群からのノイズ除去 人のセグメンテーション

    点群でのノイズ除去 セ ン サ ー フ ュ ー ジ ョ ン 画像(2D) LiDARで取得した点群(3D) 本研究は、以下の論文にて報告されたものです。 板倉健太、林拓哉、上脇優人、全邦釘:LiDARとカメラのセンサーフュージョンによる 点群からのノイズ除去、AI・データサイエンス論文集(土木学会), 2024年.
  5. 17 バックパック型スキャナー iPhone12 LiDAR [動画] 応用例: E57形式の点群を利用したノイズ除去 点群を取得する際、人のノイズが入ることがある 一定の点群密度を持っていたり、周囲との連続性もあるため除去が難しい場合がある ScanX2.0

    ノイズ 一般的なノイズ 点群中の人のノイズ ScanX 2.0 E57には点群データと計測時の画像データを両方利用可能 本研究は、以下の論文にて報告されたものです。 板倉健太、林拓哉、上脇優人、全邦釘:LiDARとカメラのセンサーフュージョンによる 点群からのノイズ除去、AI・データサイエンス論文集(土木学会), 2024年.
  6. 18 バックパック型スキャナー iPhone12 LiDAR [動画] 結果 人を対象としてノイズ除去を実行:結果は赤で表示 従来のノイズ除去手法では難しい対象にセンサーフュージョンでの処理を実現 [a] LiDARから取得した画像から人を検出

    [b] 点群上に人の情報を反映した様子 人を画像上で検出 点群で セグメンテーション 本研究は、以下の論文にて報告されたものです。 板倉健太、林拓哉、上脇優人、全邦釘:LiDARとカメラのセンサーフュージョンによる 点群からのノイズ除去、AI・データサイエンス論文集(土木学会), 2024年.
  7. 19 バックパック型スキャナー iPhone12 LiDAR 周囲に様々な物体が存在する環境では、点群のみから特定の橋梁部材を安定し て検出することが難しい場合がある。 ScanX2.0 ScanX2.0 複数地点から LiDAR計測

    画像処理により地覆と 道路面の境界(赤)を自動認識 画像と点群のセンサーフュージョ ンにより境界線を点群に反映 画像出典: 板倉ら:セマンティックセグメンテーションやセンサーフュージョンを利用した橋梁の 構造情報の推定のための点群処理手法の開発, AI・データサイエンス論文集, 2024. 応用例: E57形式の点群を用いた橋梁の寸法の計測 画像処理で認識した境界線を点群に反映することで、橋梁構造の寸法計測や位置 特定が容易になる
  8. 応用例: E57形式の点群を用いた橋梁のひび割れの検出 画像を取得 ひび割れを検出 部材を検出 ひび割れ発生部材を特定 LiDAR点群の活用 ひび割れ長さを推定 Semantic Segmentation

    SAMの適用 情報を 3次元的に記録 Semantic Segmentation 部材情報をもとに ひび割れを診断 キャリブレーション 画素と点を対応 検出結果を 入力 検出結果を 入力 [a] [b] [c] [d] [e] [f] 出典: 佐々木ら:画像と点群の統合活用による部材検出とひび割れ損傷長さの 推定, AI・データサイエンス論文集, 2025.
  9. 21 バックパック型スキャナー iPhone12 LiDAR [動画] 点群の形式であるE57についてのまとめ 画像と点群を同時に扱えるため、画像×点群のセンサーフュージョン(例:人の検出 結果を点群に投影してノイズ除去、境界線を点群に反映して計測支援)など、応用の 幅が広い 各スキャンに対応する4×4同次変換行列で座標変換し、変換後の点群を重ね合わ

    せることで、全体空間の3次元マッピングが実現できる E57は、点群だけでなくスキャン単位の情報(位置・姿勢)や画像などを階層構造で一 元管理できるファイル形式である 一方で、LAS/LAZと比べてファイルが重くなりやすい・対応ソフトがLASに比べてやや 少ないなど運用面の注意点もある