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主成分分析による3次元点群の形状解析
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Kenta Itakura
September 25, 2025
Technology
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主成分分析による3次元点群の形状解析
Kenta Itakura
September 25, 2025
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Transcript
主成分分析(PCA)を利用した 3次元点群データの形状解析について 板倉健太 博士(農学) ImVisionLabs株式会社代表取締役
点群処理における主成分分析(PCA)を用いた特徴抽出 1 点群の局所構造を定量化する手法 対象の小豆島の点群 地表面のみを抽出した結果 法線推定や幾何分類の基礎に利用される(形状的特徴を捉える) 植生と構造物
形状的特徴の例 • 高さ • 色 • 法線ベクトルの向き • 法線ベクトルの変動 • 植生は緑が多い • 構造物は直線的な構造が多い など
主成分分析(PCA: Principal Component Analysis)の概要 2 多次元データの主な変動方向を抽出する手法 対象の小豆島の点群 • 左図:データの直線性が低くあらゆ
る方向に広がっている • 右図:データの直線性が高く第1主 成分で元データの大半を説明でき る 共分散行列の固有値・固有ベクトルを計算し、データの広がりの方向を抽出 点群に適用することで、局所的な形状の特徴を数値で捉えられる 2次元データにおけるPCAの概要図
1. 3次元点群が5つの点で構成される場合、点群データ行列は以下の通りとなる 点群データ行列 の 行目のベクトルを とする 3 3次元点群におけるPCAの計算 2. データを中心化し共分散行列を求める
a. 各特徴量の平均値を求める ◆ 3次元点群データはXYZ座標の 3つの特徴量を有していると考え ることができる
4 3次元点群におけるPCAの計算 2. データを中心化し共分散行列を求める b. データの中心化 c. 共分散行列の計算 例えば5点の3次元点群の場合 について下記のように計算でき、
が求まる 共分散行列の各要素は以下の通りとなる • 𝑘: サンプル番号 • 𝑖, 𝑗: 特徴量の番号 • 𝑖と𝑗は入れ替えても値が同じになるため
先に求めていた共分散行列 より 写像後の共分散行列は、 転置の性質 より、 5 3次元点群におけるPCAの計算 3. 分散が最大になる方向を基準に新しい座標 を作成
(固有ベクトルを とする) 4. 写像後の分散が最大となる固有ベクトル を求める a. 写像後の共分散行列を求める 解を一意に定めるため の制約を設ける ( が1.1倍や1.2倍などの場合も解となることを防ぐ) より、
この式から となり、これを解けばよい(固有方程式) 6 3次元点群におけるPCAの計算 4. 写像後の分散が最大となる固有ベクトル を求める b. ラグランジュ乗数法を用いて解く ◆
ラグランジュ乗数法: それぞれの変数で微分して0になる点を調べることで 解を得る手法。拘束と目的となる値がある場合に有効 最大化する対象: 拘束条件: ラグランジュ方程式を立てる ◆ ラグランジュ方程式: 最大化したい値から、拘束条件にラグランジュ乗数を かけて引き算したもの これを各変数で偏微分する 対象行列 の二次形式 を微分すると となる性質より、
7 3次元点群におけるPCAの計算 4. 写像後の分散が最大となる固有ベクトル を求める c. 固有値固有ベクトルを求める 固有方程式を展開する ( のみスカラーのため、行列と演算を行うために単位行列
を用いる) となる解を探すため …(式1) 求めた を式(1)に代入し、各 に対応する固有ベクトルを求める ◆ det(A): 行列Aの行列式で、1つのスカラー値を表す 3次元点群データの場合、3つの固有値が求まる 固有値: 固有ベクトル:
8 3次元点群データにおけるPCAの流れ(まとめ) • 各点のk近傍点を取得 • 近傍点群の共分散行列を計算 • 固有値・固有ベクトルを取得 k =
5近傍点 k = 15近傍点 PC1 PC2 PC3 近傍点の数が異なると主成分軸も異なる PC1 PC2 PC3 ◆ 主成分分析における固有値と固有ベクトル: データのばらつきの方向とその重要度 例)点が平面状に分布している場合 • 第1・第2主成分は平面内の方向 • 第3主成分は平面からの微小なズレ →主成分分析で得られた固有値・固有ベクトルから 3次元構造の特徴を取得できる
指標 特徴 1に近いほど直線的 1に近いほど平面的 1に近いほど分散している 例 道路の縁石、鉄道のレール 屋根、建物の壁面 樹木の葉、球状の物体 固有値からわかる幾何学的特徴
9 固有値の大小関係で形状を分類 構造 固有値の関係 例 線形 𝜆1 ≫ 𝜆2 ≫ 𝜆3 電線、枝など 平面 𝜆1 ≈ 𝜆2 ≫ 𝜆3 地面、壁など 𝜆1 ≈ 𝜆2 ≈ 𝜆3 ノイズ、葉、球など 代表的な指標 Linearity = (𝜆1−𝜆2) 𝜆1 Planarity = (𝜆2−𝜆3) 𝜆1 Scattering = 𝜆3 𝜆1
10 3次元点群データにおけるLinearityの例 球体状の点群の場合 • 分布が一定の方向を持たない → 低い直線性 k =
50近傍点 k = 50近傍点 k = 20近傍点 • より直線的な領域ほどLinearityが高くなる • ノイズがあると直線性が低下 • 近傍点数を減らすと直線性増す 直線的な点群の場合
幾何学的特徴の可視化 11 植生 構造物 元データ Linearity Planarity Scattering 構造物の端で高い値 地面や構造物の屋上
で高い値 植生で高い値 局所構造に応じた特徴を捉えることができる
◆ 壁面 PCAと法線ベクトルの関係 12 法線ベクトル PCAによって得られた固有ベクトルのうち、最小固有値𝜆3 に対応するベクトル → 点群が広がっていない方向
• 壁面の法線ベクトル:地面と平行なことが多い • 地面の法線ベクトル:地面と垂直なことが多い • 植生の法線ベクトル:特定の方向を持たないことが多い 法線ベクトル ◆ 地面 ◆ 植生
まとめ 13 3次元点群データにPCAを適用しすることで、局所構造を把握できる PCAで求まる固有値から、直線度や平面度といった幾何学的特徴を取得できる 法線ベクトルはデータの散らばりが少ない方向を表し、局所構造を反映する 多次元データの変動方向を抽出する手法として主成分分析(PCA)がある