Upgrade to Pro
— share decks privately, control downloads, hide ads and more …
Speaker Deck
Features
Speaker Deck
PRO
Sign in
Sign up for free
Search
Search
主成分分析やRANSACを利用した点群からの円柱フィッティングの方法
Search
Kenta Itakura
May 26, 2025
Technology
0
400
主成分分析やRANSACを利用した点群からの円柱フィッティングの方法
Kenta Itakura
May 26, 2025
Tweet
Share
More Decks by Kenta Itakura
See All by Kenta Itakura
主成分分析による3次元点群の形状解析
kentaitakura
0
29
PromptDA (Depth Anything) を用いた深度推定や点群生成について
kentaitakura
0
230
3次元点群からメッシュモデルを作成: ボールピボット法について
kentaitakura
0
150
3D Gaussian Splatting (3DGS)のモデルを Cesiumの地球の上で可視化する方法
kentaitakura
0
440
ImVisionLabs株式会社: 産業技術総合研究所様との取り組み
kentaitakura
0
200
ImVisionLabs株式会社:ゼンリンデータコム様との取り組み
kentaitakura
0
110
ImVisionLabs株式会社: 中日本航空様との取り組み
kentaitakura
0
130
全方位カメラやPostshotを利用した3D Gaussian Splattingの実行方法の例
kentaitakura
0
1.6k
ImVisionLabs株式会社: 東京電力HD様との取り組み
kentaitakura
0
160
Other Decks in Technology
See All in Technology
10年の共創が示す、これからの開発者と企業の関係 ~ Crossroad
soracom
PRO
1
130
PythonとLLMで挑む、 4コマ漫画の構造化データ化
esuji5
1
130
データエンジニアがこの先生きのこるには...?
10xinc
0
430
インサイト情報からどこまで自動化できるか試してみた
takas0522
0
130
実装で解き明かす並行処理の歴史
zozotech
PRO
1
280
コンテキストエンジニアリングとは? 考え方と応用方法
findy_eventslides
4
870
職種別ミートアップで社内から盛り上げる アウトプット文化の醸成と関係強化/ #DevRelKaigi
nishiuma
2
130
Goに育てられ開発者向けセキュリティ事業を立ち上げた僕が今向き合う、AI × セキュリティの最前線 / Go Conference 2025
flatt_security
0
320
Railsアプリケーション開発者のためのブックガイド
takahashim
14
6k
Azure SynapseからAzure Databricksへ 移行してわかった新時代のコスト問題!?
databricksjapan
0
120
Oracle Cloud Infrastructure:2025年9月度サービス・アップデート
oracle4engineer
PRO
0
370
生成AIを活用したZennの取り組み事例
ryosukeigarashi
0
190
Featured
See All Featured
GraphQLとの向き合い方2022年版
quramy
49
14k
Practical Tips for Bootstrapping Information Extraction Pipelines
honnibal
PRO
23
1.5k
Optimising Largest Contentful Paint
csswizardry
37
3.4k
Design and Strategy: How to Deal with People Who Don’t "Get" Design
morganepeng
132
19k
Keith and Marios Guide to Fast Websites
keithpitt
411
22k
Visualizing Your Data: Incorporating Mongo into Loggly Infrastructure
mongodb
48
9.7k
VelocityConf: Rendering Performance Case Studies
addyosmani
332
24k
Embracing the Ebb and Flow
colly
88
4.8k
Measuring & Analyzing Core Web Vitals
bluesmoon
9
610
[Rails World 2023 - Day 1 Closing Keynote] - The Magic of Rails
eileencodes
36
2.5k
個人開発の失敗を避けるイケてる考え方 / tips for indie hackers
panda_program
114
20k
Automating Front-end Workflow
addyosmani
1371
200k
Transcript
3次元点群からの円柱フィッティング方法について ImVisionLabs株式会社代表取締役 板倉健太 博士(農学)
2 背景と目的 橋脚やパイプなどの円柱形状の構造物は、幾何モデルとして円柱にフィッティングする ことで、寸法計測や変状解析が可能 洪水や地震の前後で橋脚や電柱などの構造物の点群に対して本手法を適用することで、 傾きや変形といった幾何的変化を定量的に把握することが期待できる 画像は静岡県のオープンデータを利用
4 フィッティング対象の点群選定 点群全体から関心領域(ROI:Region of Interest)を定義し、円柱構造物を抽出 この際、対象の円柱状の物体以外の点はできるだけ取り除かれていることが望ましい 検出したい円柱を含む点群データ 自動的に円柱状の物体を検出した時の様子
円柱の式について 変数の意味 ・ は円柱の 軸上の1点(円柱の中心軸を定義する基準点) ・ は円柱の 軸方向ベクトル ・
は円柱上の点 方程式の構造 ・ : : 柱軸上の点 から の距離 ・ : と軸方向ベクトル の内積(軸に平行な成分) 𝑥0 , 𝑦0 , 𝑧0 𝑥0 , 𝑦0 , 𝑧0 (𝑎, 𝑏, 𝑐) (𝑎, 𝑏, 𝑐) (𝑥, 𝑦, 𝑧) (𝑥, 𝑦, 𝑧) 円柱の軸上の点と円柱上の点にて三平方の定理を行っているイメージ O 円柱の式: (𝑥 − 𝑥0 , 𝑦 − 𝑦0 , 𝑧 − 𝑧0 ) 5 RANSACによる半径の推定
円柱の式について 変数の意味 ・ は円柱の 軸上の1点(円柱の中心軸を定義する基準点) ・ は円柱の 軸方向ベクトル ・
は円柱上の点 方程式の構造 ・ : : 柱軸上の点 から の距離 ・ 𝑥0 , 𝑦0 , 𝑧0 𝑥0 , 𝑦0 , 𝑧0 (𝑎, 𝑏, 𝑐) (𝑥, 𝑦, 𝑧) (𝑥, 𝑦, 𝑧) 円柱の軸上の点と円柱上の点にて三平方の定理を行っているイメージ 𝑥0 , 𝑦0 , 𝑧0 (𝑥, 𝑦, 𝑧)・ ・ ・ r 円柱の式: : と軸方向ベクトル の内積(軸に平行な成分) (𝑎, 𝑏, 𝑐) (𝑥 − 𝑥0 , 𝑦 − 𝑦0 , 𝑧 − 𝑧0 ) 6
8 円柱フィッティングの手順 まずは主成分分析により軸のベクトルを推定し、その後に半径を決定する 円柱のフィッティングには軸の向き、軸の位置、半径が必要 半径の決定にはRANSACを利用する(後述) 軸の位置を 推定 半径を 決定
10 初期軸方向の推定 抽出された点群に対して主成分分析(PCA:Principal Component Analysis)を 実行し、最も分散の大きい方向を軸方向ベクトルの初期推定とする。 軸を推定
RANSACによる半径の推定 [a] ScanX2.0 RANSACとはデータの中からノイズによる影響を最小限にしながら、モデルのパラ メータを推定するために使用される統計的手法 11 初期軸が求まったので、次はRANSAC (RANdom
SAmple Consensus)によって半 径を推定する RANSACで 半径を決定 PCAで軸が決定している 円柱の形が決定
12 RANSACによる半径の推定 1.ランダムに3点を抽出し、半径を仮定 2.各点から軸への距離と半径との差から残差を計算 3.残差が小さい点をインライアとし、最も多くのインライアを持つモデルを選定 4.参照軸(例:Z軸)との方向一致条件も導入可能 半径を仮定 インライアを推定
13 フィッティングの実行結果 図1:元データ 図2:フィッティング結果 正確に円柱を抽出できていることがわかる 図2(フィッティング結果)は図1(元データ)に対 してPCAとRANSACによって抽出された円柱を 重ねたものである
14 フィッティングの実行結果 回転させると右の動画のようになった どの方向から観察しても正確に円柱を抽出で きていることが分かった
15 樹木のフィッティング 樹木の幹を対象として円柱フィッティングを行うと直径が0.74m (図1) 、CloudCompare 上で2点を選択し、直径を測る(図2)と0.73mとなった 図1:円柱フィッティングにより直径を推定 図2: 手動で2点を選択し、直径を測定