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電気工学II第2回 /eleceng2_02

電気工学II第2回 /eleceng2_02

Kazuhisa Fujita

March 23, 2023
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  1. キルヒホッフの法則 • キルヒホッフ第1法則(ిྲྀอଘଇ) • 分岐点に流れ込む電流の和は,流れ出す電流の総和に等しい. • ⽔の流れと同じように考える(ただし,蒸発は無視). • 消えることはない(流れ込む電流>流れ出す電流,とはならない). •

    湧き出すこともない(流れ込む電流<流れ出す電流,とはならない). • 分岐点における電流の総和は0である. I1 I2 I3 I5 I4 ॏཁ 𝐼! + 𝐼" + 𝐼# = 𝐼$ + 𝐼% 𝐼! + 𝐼" + −𝐼$ + 𝐼# + −𝐼% = 0 電流の流れを表すため⽮印をつけているが,⽮印と逆向きに電流は 流れても良い.その時は電流は負となる.
  2. キルヒホッフの法則 • キルヒホッフ第2法則 • 回路網中の任意の閉回路を⼀定の向きにたどるとき,回路の各部の起電⼒ の総和と電圧降下の総和は等しい. 閉回路1 𝐸! − 𝐸"

    = 𝑅!𝐼! − 𝑅"𝐼" 閉回路2 𝐸" − 𝐸# = 𝑅"𝐼" + 𝑅#𝐼# 起電⼒ 電圧降下 閉回路1の式を変形すると𝐸! − 𝑅! 𝐼! = 𝐸" − 𝑅" 𝐼" となる. つまり,キルヒホッフ第2法則は並列回路において並列になっている回 路(𝐸! と𝑅! の回路と 𝐸" と𝑅" の回路)の両端電圧は等しこと⾔っている.
  3. 問題 • 図の回路でキルヒホッフの法則を⽤いた解法について誤っているのはどれ か.(臨床⼯学技⼠国家試験34) 1. 図の回路には3つの閉回路がある. 2. a点の電位は起電⼒𝑬𝟐 と𝑹𝟐 の両端の電圧降下の差となる.

    差ではなく和となる. 3. a点に流れ込む電流とa点から流れ出す電流の和は等しい. 電流保存則 4. ⼀つの閉回路に含まれる電圧降下の⼤きさと起電⼒の⼤きさは等しい. キルヒホッフ第2法則 5. ⼀つの閉回路内で設定する電流の向きによって起電⼒の正負は変わる.
  4. 問題 図の回路で成⽴するのはどれか.(臨床⼯学技⼠国家試験33) a) 𝐼! − 𝐼" − 𝐼# = 0

    b) 𝐼! + 𝐼" + 𝐼# = 𝐸!/𝑅! c) 𝐼!𝑅! + 𝐼#𝑅# = 𝐸! − 𝐸# d) 𝐼!𝑅! + 𝐼"𝑅" = 𝐸! e) −𝐼"𝑅" + 𝐼#𝑅# = 𝐸#
  5. 問題 図の回路で成⽴するのはどれか.(臨床⼯学技⼠国家試験33) a) 𝐼' − 𝐼( − 𝐼) = 0

    流れ込む電流と流れ出す電流の和は0なので成り⽴つ. b) 𝐼' + 𝐼( + 𝐼) = 𝐸' /𝑅' 成り⽴たない. c) 𝐼' 𝑅' + 𝐼) 𝑅) = 𝐸' − 𝐸) 閉回路3を考えると,右辺の𝐸! の 符号が間違っている. d) 𝐼' 𝑅' + 𝐼( 𝑅( = 𝐸' 閉回路1を考えると, 成り⽴つ. e) −𝐼( 𝑅( + 𝐼) 𝑅) = 𝐸) 閉回路2を考えると, 成り⽴つ. 1 2 3
  6. 問題 • 図に⽰す回路を流れる電流の向きを図のように決め,電流I1,I2,I3を 求めよ. に な る と き ,

    こ れは 実際の電流の 向 き が仮定 し を 図の よ う に 決め, 13 [A] を 求 め よ o l 法則 を 適用 す る I1 [A] =主> c <==ん [A] 20 Q lO Q 40 Q llO V a
  7. 問題 • 図に⽰す回路を流れる電流の向きを図のように決め,電流I1,I2,I3を 求めよ. 𝐼" + 𝐼# = 𝐼! …1

    20𝐼" + 40𝐼! = 130…2 10𝐼# + 40𝐼! = 110…3 3より 𝐼# = 11 − 4𝐼! これを1に代⼊すると 𝐼" + 11 − 4𝐼! = 𝐼! 𝐼" − 5𝐼! = −11 20𝐼" − 100𝐼! = −220 これと2より 140𝐼! = 350 𝐼! = 2.5A よって 𝐼" = −11 + 12.5 = 1.5A 𝐼# = 2.5 − 1.5 = 1A 立方程式 を解 く こ と に よ っ て求め ら れ る 。 な お, こ こ で の値が負 に な る と き , こ れは 実際の電流の 向 き が仮定 し 正の向 き を 図の よ う に 決め, 流 九 12, 13 [A] を 求 め よ o 点 C に 第 l 法則 を 適用 す る ①が得 ら れ る 。 I1 [A] =主> c <==ん [A] 20 Q lO Q 40 Q llO V a 図43
  8. ME2 電気系 2002-2005、2014 ~ 第25回(2003) 【AM21】電圧源と抵抗からなる回路の各部の電流値および方向 を調べたら図のようになった。未知抵抗 x はいくらか。 (1)

    5 Ω (2) 10 Ω (3) 20 Ω (4) 40 Ω (5) 80 Ω 【AM22】図の回路に(A)のような方形波(1 波形のみ)を入力した。出力波形はおよ ようになるか。ただし、ダイオードは理想ダイオードとし、C:10μF、R: とする。 1V 2V x 0.2A 50Ω 0.2A 10Ω 入力 出力 C R 1s 10V 問題解説 ME2 電気系 2002-2005、2014 ~ 問題 部の電流値および方向 抵抗 x はいくらか。 1V 2V x 0.2A 50Ω 0.2A 2V 0.1A 10Ω
  9. ME2 電気系 2002-2005、2014 ~ 問題 第25回(2003) 【AM21】電圧源と抵抗からなる回路の各部の電流値および方向 を調べたら図のようになった。未知抵抗 x はいくらか。

    (1) 5 Ω (2) 10 Ω (3) 20 Ω (4) 40 Ω (5) 80 Ω 【AM22】図の回路に(A)のような方形波(1 波形のみ)を入力した。出力波形はおよそどの ようになるか。ただし、ダイオードは理想ダイオードとし、C:10μF、R:100kΩ とする。 1V 2V x 0.2A 50Ω 0.2A 2V 0.1A 10Ω 入力 出力 C R 1s 10V (A) 10V 10V 10V 10V 10V (1) (2) (3) (4) (5) 問題解説 ⽮印の向きに電流が流れていると想定すると,キルヒホッフの第2法則から次の式が成り⽴つ.よって <latexit sha1_base64="edgy7L7fo60R2iLl7oBhQeE7OIU=">AAACSHicbVDLSgMxFM3UV62vqks3waII0iEz+NoUim5cVrAqdIaSSVMNzTxIMmIZ+nluXLrzG9y4UMSdd6YVfF0IOfece8jNCRIptCHkySpNTc/MzpXnKwuLS8sr1dW1Cx2nivE2i2WsrgKquRQRbxthJL9KFKdhIPllMDjJ9ctbrrSIo3MzTLgf0utI9AWjBqhutVsntnuH65jYDvaMCLnGDsG70Ltf/T7B2w3sAunAcT2vAu0+XLkLzHlXiPXc2sD1PdAK2iXdao3YpCj8FzgTUEOTanWrj14vZmnII8Mk1brjkMT4GVVGMMlHFS/VPKFsQK95B2BEYUM/K4IY4S1gergfKziRwQX73ZHRUOthGMBkSM2N/q3l5H9aJzX9Iz8TUZIaHrHxQ/1UYhPjPFXcE4ozI4cAKFMCdsXshirKDGRfgRCc31/+Cy5c2zmw3bO9WvN4EkcZbaBNtIMcdIia6BS1UBsxdI+e0St6sx6sF+vd+hiPlqyJZx39qFLpE0vwo9U=</latexit> 0.2x 0.1 ⇥ 10 + 0.2 ⇥ 50 = 2 + 1 + 2 = 5 0.2x = 5 + 1 10 = 4 x = 20
  10. 問題解説 • 図の回路の電流I[A]はどれか.キルヒホッフの法則を使って解け.(第 42回ME2種改) 1. 0.1 2. 0.2 3. 0.3

    4. 0.4 5. 0.5 I1 I2 キルヒホッフの法則より 𝐼 = 𝐼! + 𝐼" …1 20𝐼 + 20𝐼" = 20 …2 20𝐼 + 20𝐼! = 10 …3 式2,3より 𝐼! + 𝐼" = −2𝐼 + 1.5 これを1に代⼊すると 3I=1.5 I=0.5
  11. 問題解説 • 図の回路において抵抗Rの⼤きさは何Ωか.キルヒホッフの法則で解 け.(第40回ME2種改) 1. 0.5 2. 1.0 3. 1.5

    4. 2.0 5. 2.5 キルヒホッフの法則から 𝐼! + 𝐼" = 1 …1 4𝐼! + 2 = −7 + 5 = −2 …2 𝑅𝐼" + 2 = 5 …3 2より𝐼! = −1A 1より𝐼" = 1 + 1 = 2A よって3より 2𝑅 + 2 = 5 𝑅 = 1.5Ω I1 I2
  12. 問題解説 • 図の回路において抵抗Rの⼤きさは何Ωか.キルヒホッフの法則で解 け.(第40回ME2種改) 1. 0.5 2. 1.0 3. 1.5

    4. 2.0 5. 2.5 別解 2Ωの抵抗に1A流れているので,この抵抗には 2Vかかっている. 閉回路①を考えと,キルヒホッフの第2法則よ り4Ωの抵抗には4Vかかっている.よって4Ω の抵抗には1A流れている. 電流保存則から,抵抗Rには2A流れている. 閉回路②を考えると,キルヒホッフの第2法則 から抵抗Rには3Vかかっている. よって,𝑅 = ! # = 1.5Ωとなる. 1A 2A 2V 4V 3V ① ②
  13. れか。 。 (3) W J s -1 の電圧(実効値)は図 効値)は何 V

    か。 R 2V E 10V 20V 1kΩ 4kΩ 問題解説 • 図の回路の電圧𝐸は何Vか.重ね合わせの原理を⽤いて解け. 1. 10 2. 12 3. 14 4. 18 5. 20
  14. ME2 電気系 2002-2005、2014 ~ 問題 J s E 10V 20V

    1kΩ 4kΩ 問題解説 • 図の回路の電圧𝐸は何Vか.重ね合わせの原理を⽤いて解け. 1. 10 2. 12 3. 14 4. 18 5. 20 ME2 電気系 2002-2005、2014 ~ 問題 回(2014) M21】 の み で正しいのはどれか。 。 (1) Pa N m-1 (2) J N m2 (3) W J s (4) F C V (5) H Wb A-1 M30】図の回路の電圧 E は何 V か。 (1) 10 (2) 12 (3) 14 (4) 18 (5) 20 E 10V 20V 1kΩ 4kΩ 題 C ME2 電気系 2002-2005、2014 ~ 問題 第36回(2014) 【AM21】 の み で正しいのはどれか。 。 (1) Pa N m-1 (2) J N m2 (3) W J s (4) F C V (5) H Wb A-1 【AM30】図の回路の電圧 E は何 V か。 (1) 10 (2) 12 (3) 14 (4) 18 (5) 20 E 10V 20V 1kΩ 4kΩ 下図のように各電源を短絡した回路を考える. 20Vを短絡させたとき,1kΩの抵抗にかかる電圧V! は, 𝑉! = 10× 1 5 = 2 である.10Vの電源を短絡させたときに1kΩの抵抗にかかる電圧𝑉" は 𝑉" = 20× 1 5 = 4 時計回りに回路を⾒ると,10Vの電源の場合,1kΩの抵抗では2V電圧が 下がり,20Vの電源の場合,電圧4Vが上がっているとみなせる. よって𝐸は 𝐸 = 10 − 2 + 4 = 12
  15. - 4 - (5) 後ろ方向(紙面に垂直) 第27回(2005) 【AM21】図の直流回路で、A 点の電位は何 V か。

    (1) -5 (2) -2.5 (3) 0 (4) 2.5 (5) 5 【AM22】図の回路においてキャパシタンス C に蓄えられている 5V 5kΩ 5V 5kΩ A 問題解説 重ね合わせの原理で解け.
  16. - 4 - (5) 後ろ方向(紙面に垂直) 第27回(2005) 【AM21】図の直流回路で、A 点の電位は何 V か。

    (1) -5 (2) -2.5 (3) 0 (4) 2.5 (5) 5 【AM22】図の回路においてキャパシタンス C に蓄えられている 5V 5kΩ 5V 5kΩ A 問題解説 それぞれの電源が短絡した場合を考える. 右の5Vの電源が短絡したとすると,5kΩの抵抗で起こる電圧降下𝑉! は, 𝑉! = 5 2 = 2.5 どちらの電源も5Vなので,左の電源が短絡したときの電圧降下𝑉" も2.5Vである. 両⽅の電源同じ向きなので,回路を時計回りに⾒ると,どちらの回路で起こった電圧降下は電圧 を下げる効果となっている. よって 𝑉 = 5 − 2.5 − 2.5 = 0
  17. 問題解説 • 図の回路の電流I[A]はどれか.(第42回ME2種) 1. 0.1 2. 0.2 3. 0.3 4.

    0.4 5. 0.5 I1 I2 10Vの電源が短絡しているとすると, 回路の合成抵抗は 20 + (20 + 20)/2 = 30 なので,𝐼# = 20/30 A よって𝐼 = 1/3A また,20Vの電源が短絡しているとすると 回路の合成抵抗は30なので, 𝐼" = 10/30 A よって𝐼 = 0.5/3 A 重ね合わせの原理より,I=1/3+0.5/3=0.5A
  18. 問題 • 電流I3をテブナンの定理を⽤い求めよ. d ( b) E1=8V '- I3 (

    c ) c 図 1 . 35 図aのような回路を考える. 回路に流れる電流をIとすると 2𝐼 + 4𝐼 = 8 − 10 6𝐼 = −2 𝐼 = − 1 3 よって電圧Vdcは 𝑉!" = 8 + 2 3 = 26 3 また,図bのような回路を考えると ,その合成抵抗Rは 1 𝑅 = 1 2 + 1 4 = 2 + 1 4 = 3 4 𝑅 = 4 3 つまり等価回路は図cとなる.電流 I3は 4 3 𝐼# + 3𝐼# = 26 3 抵抗 R に流れる電流 I 〔A〕 はつ ぎの式で表さ れる。 、lJ A 九 一 日 一 一 7i 5 こ れを, lテブナ ンの定理] (Th邑veni出 theorem) と い う 。 lllllllllllllll 図 1 . 35 の 回路にお いて, 電流 /3 〔A〕 を テ ブナ ンの定理 さ しユ。 図閤 図 1.38 ( α ) に よ り , 端子 a-b 聞の電圧 九b 〔V〕 は 1 0 - 8 1 J, =一一一=一 〔A 〕 2 + 4 3 JO から ',� �:: 2村 :i&"〕:: ( a ) ( b) 図 1 . 38 ( c ) 4𝐼# + 9𝐼# = 26 13𝐼# = 26 𝐼# = 2
  19. 問題解説 • 図の回路の電流I[A]はどれか.テブナンの定理を使って解け.(第42回 ME2種改) 1. 0.1 2. 0.2 3. 0.3

    4. 0.4 5. 0.5 Iが流れる抵抗のみで構成される回路と,そ れ以外の回路とできていると考える. それ以外の回路の合成抵抗は,電圧源を短絡 すると20Ωの並列回路となるので,10オーム である. また,両端電圧は15Vとなる. よって,等価回路は15Vの電圧源と10Ωの抵 抗からなる回路だと分かる. そうすると,合成抵抗は10+20=30Ω,電源 電圧は15Vなので,I=0.5A
  20. 問題解説 • 回路1と回路2に同じ負荷をつないだ時,負荷にかかる電圧Voutと流れる電流Iが⼀致した.回路2の電源 電圧Eと抵抗Rの値の組み合わせで正しいのはどれか.(第37回ME2種) 1. E=5V,R=1kΩ 2. E=5V,R=2kΩ 3. E=5V,R=4kΩ

    4. E=10V,R=2kΩ 5. E=10V,R=4kΩ 回路2はテブナンの定理を⽤い回路1を等価回路に変えたものと考えられる. よってテブナンの定理を⽤い,回路1に負荷がないとして,次のAB間の合成抵抗,AB間 の電圧を計算すればよい. 電源を短絡させたときのAB間の合成抵抗Rは, 𝑅 = 2𝑘/2 = 1𝑘Ω AB間の電圧Eは, 𝐸 = 10/2 = 5V
  21. 電⼒ • 電流を流すためには電気エネルギーを必要とする.⾔い⽅を変えれば ,電流を流すと回路は電気エネルギーを消費する. • 電気エネルギーが単位時間あたりにする仕事の⼤きさを電⼒という. • 単位はワット(W)である. • 1W=1J/s

    • 電⼒Pは次の式で表される. • 𝑃 = 𝐼𝑉 • 図の回路の電⼒は,オームの法則より次に表せる. • 𝑃 = 𝐼𝑉 = 𝑅𝐼" = 𝑉"/𝑅 電気エ ネ ル ギ ー は, そ の と き に発生 し た熱 ュ ー ルの法則 に よ り Q = I2Rt [ J ] であ る し た が っ て, 電力 p [W] は, 次の式で I � P= =I2R= VI = 一一 図(b)は, 電力 を測定す る 電力計で あ る 。 /[A] E二〉 v [VJ R [Q] (a) ’屯気回路 図 2 電気回路と電力 電力量 電気があ る 時間 に 行ー っ た仕事を電力量 ( p [W] の電力で, t 秒間 に行 っ た仕事,
  22. 問題 • 1Ωの抵抗器の両端電圧が図のような波形であった.抵抗器の消費電⼒ の波形として正しいのはどれか.(第42回ME2種) 電⼒𝑃は 𝑃 = 𝐼𝑉 = 𝑉"/𝑅

    𝑅 = 1だから 𝑃 = 𝑉" 図から,𝑉 = 𝑡の関係が ある事がわかる. よって𝑃 = 𝑡"なので答 えは4である.
  23. 問題解説 • 起電⼒100V,内部抵抗10Ωの電源に可変抵抗Rを接続し,Rを調節し てRの消費電⼒を最⼤にした.このときのRの消費電⼒[W]はどれか.( 第41回ME2種) 1. 25 2. 50 3.

    125 4. 250 5. 500 抵抗𝑅に加わる電圧𝑉は 𝑉 = 100𝑅/(𝑅 + 10) 𝑅で消費される電⼒𝑃は 𝑃 = 𝐼𝑉 = 𝑉2/𝑅 = 10000𝑅/(𝑅 + 10)2 = 10000/(𝑅 + 20 + 100/𝑅) 分⺟が最⼩のときに𝑃は最⼤となる. 分⺟は𝑅 > 0の領域で凸関数なので微分が0のとき分⺟は最⼩となるので, 分⺟を微分すると 1 − 100/𝑅2 = 0 𝑅 = 10 このときの電⼒は 𝑃 = 10000/(10 + 20 + 10) = 10000/40 = 250W 𝑅 𝑃 分⺟ 𝑅
  24. 問題 6Ωの抵抗を5本並列に接続し,その端⼦間に2Vの電圧を10分間加えた ときの消費エネルギーは何Jか.(第33回ME2種) 1. 120 2. 500 3. 1200 4.

    1800 5. 2000 合成抵抗Rは 1 𝑅 = 1 6 ×5 𝑅 = 6 5 消費エネルギーWは 𝑊 = 𝑃𝑡 = 𝐼𝑉𝑡 = $# % 𝑡 = 2"×10×60× & ' = 2×10# J
  25. 問題 • 図の回路で抵抗2.0Ωでの消費電⼒が2.0Wのとき,抵抗4.0Ωの消費電 ⼒[W]はどれか.(臨床⼯学技⼠国家試験36) 1. 0.5 2. 1.0 3. 1.5

    4. 2.0 5. 3.0 ໰୊ɹûĀɹਤͷճ࿏Ͱ఍߅ ùɽ ÷ X Ͱͷফඅిྗ͕ ùɽ ÷ 8 ͷͱ͖ɺ఍߅ ûɽ ÷ ిྗ ʦ8ʧ ͸ͲΕ͔ɻ ûɽ ÷ X ýɽ ÷ X ùɽ ÷ X úɽ ÷ X
  26. 問題 • 図の回路で抵抗2.0Ωでの消費電⼒が2.0Wのとき,抵抗4.0Ωの消費電 ⼒[W]はどれか.(臨床⼯学技⼠国家試験36) 1. 0.5 2. 1.0 3. 1.5

    4. 2.0 5. 3.0 ໰୊ɹûĀɹਤͷճ࿏Ͱ఍߅ ùɽ ÷ X Ͱͷফඅిྗ͕ ùɽ ÷ 8 ͷͱ͖ɺ఍ ిྗ ʦ8ʧ ͸ͲΕ͔ɻ ûɽ ÷ X ýɽ ÷ X ùɽ ÷ X úɽ ÷ X øɽ÷ɽ ü ùɽøɽ ÷ úɽøɽ ü ûɽùɽ ÷ 2Ωの抵抗にかかる電圧𝑉は 𝑉" 2 = 2.0W 𝑉 = 2V よって, 2Ωの抵抗と4Ωの抵抗は並列なので, 4Ωの抵抗には2Vの電圧がかかる.よって,4Ω の抵抗の消費電⼒は, 2" 4 = 1𝑊 である.
  27. 電気による発熱 • 図のような抵抗と電源からなる単純な回路でも電⼒(電気エネルギー )を消費している. • その電⼒は抵抗で消費され,熱エネルギーに変換されている. • 抵抗でt秒間に発⽣する熱量W[J]は • 𝑊

    = 𝑃𝑡 = 𝐼𝑉𝑡 = 𝑅𝐼"𝑡 = $9( % 電力 の単位に は ワ ッ ト (watt, 単位記号 W) が用 い ら れ, 量記号 は P で表 さ れ る 。 l W は, 1 秒間 に 1 J の仕事 を す る 電力であ り , I w = 1 J/s と な る 。 図 2 (a)の よ う に抵抗 R [D] に 電流 I [A] が t 秒間流れた と き の 電気エ ネ ル ギ ー は, そ の と き に発生 し た熱エ ネ ルギ ー に 等 し く , ジ 10 ュ ー ルの法則 に よ り Q = I2Rt [ J ] であ る 。 し た が っ て, 電力 p [W] は, 次の式で表 さ れ る 。 I � v2 I P= =I2R= VI = 一一 I (3) R I 図(b)は, 電力 を測定す る 電力計で あ る 。 /[A] E二〉 v [VJ R [Q] 園田園l 園田! 図 - ジ ュ ー ルの法 則 図 1 . 48 のよ う に, 抵抗に電流を流すと電気 こ のエネルギーはすべて熱に変換さ れる こ と を っ て確かめた。 そ して, その実験結果か ら つ ぎ 抵抗に流れる電流によ っ て毎秒発生する熱 ?選回 図 1 . 4 t 1 James Prescott Joule (1818~1889) , イ ギ リ 電⼒×時間=電⼒量=仕事→熱
  28. 熱容量と消費電⼒ • ある量の物質の温度を1℃(K)上昇させるために必要なエネルギー(熱 量)を熱容量𝐶という. • 熱容量𝐶は,質量𝑚 [kg],⽐熱𝑐 [J ⋅ kg)!

    ⋅ K)!]とすると • 𝐶 = 𝑚𝑐 • ⽐熱cは1kgの物質を1℃上させるために必要な熱量. • 図の回路の抵抗でt秒物質を熱したとする.熱がすべて温度上昇に使わ れたとすると物質の温度上昇ΔTは • Δ𝑇 = * + = ,$( + = ,$( -. 間 あ た り の電気エ ネ ル ギ ー を表すの に電力 電力 電気エ ネ ル ギ ー が, 単位時 間 あ た り に す (electric power) と い う 。 電力 の単位に は ワ ッ ト (watt, 単位記号 W P で表 さ れ る 。 l W は, 1 秒間 に 1 J の仕事 = 1 J/s と な る 。 図 2 (a)の よ う に抵抗 R [D] に 電流 I [A] 電気エ ネ ル ギ ー は, そ の と き に発生 し た熱エ ュ ー ルの法則 に よ り Q = I2Rt [ J ] であ る 。 し た が っ て, 電力 p [W] は, 次の式で表 I � v P= =I2R= VI = 一一 R 図(b)は, 電力 を測定す る 電力計で あ る 。 /[A] E二〉 v [VJ R [Q] (a) ’屯気回路
  29. 問題 • 20℃の⽔100gが⼊った保温ポットに電気抵抗42Ωのニクロム線を⼊れ 直流1Aを10秒間通電した.⽔の温度上昇[℃]はどれか.ただし,⽐熱 を4.2J ⋅ g)! ⋅ K)!とする.(臨床⼯学技⼠国家試験34) 1.

    1.0 2. 4.2 3. 10 4. 18 5. 42 ⽔にした仕事(熱量)は 𝑊 = 𝐼"𝑅𝑡 = 1"×42×10 = 420 である.この⽔の熱容量は 𝐶 = 100×4.2 = 420 である.よって温度上昇は Δ𝑇 = 𝑊 𝐶 = 420 420 = 1℃ である.
  30. 直流回路のポイント • 抵抗の計算 • 𝑅 = 𝜌 # $ (𝜌抵抗率,𝑙抵抗の⻑さ,𝑆抵抗の断⾯積)

    • オームの法則 • 𝑉 = 𝑅𝐼 (𝑉抵抗にかかる電圧,𝑅抵抗の抵抗値,𝐼抵抗を流れる電流) • 直列回路 • 合成抵抗𝑅 = 𝑅! + 𝑅" + ⋯ • 各抵抗(2抵抗)の電圧降下は𝑉! = 𝑉 ⋅ %! %!&%" , 𝑉" = 𝑉 ⋅ %" %!&%" • 各抵抗に流れる電流は同じ • 並列回路 • 合成抵抗! % = ! %! + ! %" + ⋯ • 各抵抗にかかる電圧は同じ • 各抵抗(2抵抗)に流れる電流は並列回路に流れ込む電流を𝐼とすると 𝐼! = 𝐼 ⋅ %" %!&%" , 𝐼" = 𝐼 ⋅ %! %!&%"
  31. 直流回路のポイント • 内部抵抗 • 電源の内部抵抗は,電源と直列 • 電圧計の内部抵抗は,電圧計と並列 • 電流計の内部抵抗は,電流計と並列 •

    キルヒホッフの法則 • 分岐点に流れ込む電流の和と流れ出す電流の和は等しい • 回路網中の任意の閉回路を⼀定の向きにたどるとき,回路の各部の起電⼒の総和と電圧 降下の総和は等しい • 電⼒ • 𝑊 = 𝐼𝑉 = 𝐼#𝑅 = 𝑉#/𝑅 • 電⼒量 • 電⼒×時間=電⼒量=仕事 • 直流のとき,コンデンサは開放 ,コイルは短絡 A ಺෦఍߅ ఍߅ 電流計 V ಺෦఍߅ ఍߅ 電圧計 内部抵抗 電源 I1 I2 I3 I5 I4