Upgrade to Pro
— share decks privately, control downloads, hide ads and more …
Speaker Deck
Features
Speaker Deck
PRO
Sign in
Sign up for free
Search
Search
臨床工学技士国家試験・ME2種RLC回路まとめ/RLC
Search
Kazuhisa Fujita
January 22, 2024
Education
0
130
臨床工学技士国家試験・ME2種 RLC回路まとめ/RLC
Kazuhisa Fujita
January 22, 2024
Tweet
Share
More Decks by Kazuhisa Fujita
See All by Kazuhisa Fujita
電気工学問題集 /eleceng2_practices
kfujita
0
78
臨床工学技士国家試験・ME2種変圧器まとめ/trans
kfujita
0
88
臨床工学技士国家試験電磁気学まとめ/elecmag
kfujita
0
100
臨床工学技士国家試験・ME2種電気回路まとめ-交流-/ac
kfujita
0
85
人工知能時代の到来/IntroAI
kfujita
0
120
情報処理応用B第02回/InfoAdv02
kfujita
0
600
情報処理応用B第03回/InfoAdv03
kfujita
0
380
情報処理応用B第04回/InfoAdv04
kfujita
0
330
情報処理応用B第05回/InfoAdv05
kfujita
0
260
Other Decks in Education
See All in Education
week3@tcue2024
nonxxxizm
0
480
第33回 JAWS-UG札幌 クラウド女子会コラボ 勉強会
nagisa53
2
360
情報Iの「縦糸」と「横糸」を意識したプログラム教育の実践
asial_edu
0
210
Digijulkaisut
matleenalaakso
1
8.5k
Canva
matleenalaakso
0
160
令和6年度 無料トライアルキャンペーン説明会
asial_edu
0
870
Introduction - Lecture 1 - Next Generation User Interfaces (4018166FNR)
signer
PRO
0
3k
心房細動週間ポスター(2024年3月6日)
japanstrokeassociation
0
260
STEAM教育の枠組で行うプログラミング学習
asial_edu
0
210
Pre-enrollment Information for UTokyo International Students
utokyoissr2360
0
4.8k
[SemanaX-UFCG-2024] Guia descomplicado de entrevistas FAANG
hugaomarques
2
450
Information Architectures - Lecture 2 - Next Generation User Interfaces (4018166FNR)
signer
PRO
0
1.1k
Featured
See All Featured
Put a Button on it: Removing Barriers to Going Fast.
kastner
58
3.1k
Statistics for Hackers
jakevdp
790
220k
CoffeeScript is Beautiful & I Never Want to Write Plain JavaScript Again
sstephenson
155
14k
Infographics Made Easy
chrislema
238
18k
Building a Scalable Design System with Sketch
lauravandoore
457
32k
The Brand Is Dead. Long Live the Brand.
mthomps
49
29k
Java REST API Framework Comparison - PWX 2021
mraible
PRO
19
6.9k
The Invisible Side of Design
smashingmag
294
49k
The Pragmatic Product Professional
lauravandoore
26
5.8k
What's new in Ruby 2.0
geeforr
337
31k
Easily Structure & Communicate Ideas using Wireframe
afnizarnur
188
16k
Responsive Adventures: Dirty Tricks From The Dark Corners of Front-End
smashingmag
245
20k
Transcript
臨床⼯学技⼠国家試験・ME2種 RLC回路まとめ 藤⽥ ⼀寿
RLC回路のポイント • RLC直列回路が共振のとき • ⼊⼒電圧をある周波数にするとインピーダンスが最⼩となる. • このときの周波数を共振周波数という. 𝜔! = "
#$ • このときインピーダンスは𝑅のみとなる. • 電圧と電流の位相差は0である. • RLC並列回路が共振のとき • ⼊⼒電圧をある周波数にするとインピーダンスが最⼤となる. • このときの周波数を共振周波数という.𝜔! = " #$ • このときインピーダンスは𝑅のみとなる. • 電圧と電流の位相差は0である.
RLC直列回路
RLC直列回路 • 抵抗,インダクタ,コンデンサを直列につないだものをRLC直列回路という. • ab間のインピーダンスは • ̇ 𝑍 = 𝑅
+ 𝑗𝜔𝐿 + ! "#$ = 𝑅 + 𝑗(𝜔𝐿 − ! #$ ) • インピーダンスの⼤きさは • ̇ 𝑍 = 𝑅% + 𝜔𝐿 − ! #$ % • インピーダンスの⼤きさが最⼩となるのは • 𝜔𝐿 = ! #$ のとき • このときの⾓周波数は 𝜔& = ! '$ • インピーダンスが最⼩となるときを共振という. • また,このとき,インピーダンスの虚数成分はゼロとなり電圧と電流は同位相となる. ̇ 𝑉! ̇ 𝑉" ̇ 𝑉# ̇ 𝑉
Q値 • 図の回路のab間を流れる電流は • ̇ 𝐼 = ̇ & ̇
' = ̇ & ()*(,#- ( )* ) • 電流の⼤きさは • ̇ |𝐼| = ̇ & (+) ,#- ( )* + • 電流の⼤きさと⾓周波数の関係は図のようになる. • 図を⾒ても分かる通り,RLC直列回路では共振周波数のとき最も電流が流 れる. • この性質を⽤い,任意の周波数成分のみ電流が流れるようなフィルタを RLC回路で作成できる. 電流 ⾓周波数 ̇ 𝑉! ̇ 𝑉" ̇ 𝑉# ̇ 𝑉
Q値 • 理想的には,任意の周波数(共振周波数)の電流のみ流したい. • しかし,現実には共振周波数の周りの電流も流れる. • 良いフィルタ回路は,共振周波数の周りの電流がなるべく流れ ない. • そこで,フィルタ回路の性能を表す指標としてQ値を導⼊する.
• Q値は次のように定義される. • 𝑄 = !$ !%"!& • ⾒ての通りQ値は電流のグラフの尖りの幅が狭ければ狭いほど⼤ きな数値となる.つまりQ値が⼩さければ⼩さいほど共振周波数 の周りの電流を流してしまい,性能が低いことを意味する. ⾓周波数 ̇ 𝑉! ̇ 𝑉" ̇ 𝑉# ̇ 𝑉
問題解説 • 正弦波交流電源に抵抗器,インダクタ,キャパシタ各1個を直列に接続 した.各素⼦の両端電位差(実効値)を測定したところ,抵抗器は10V, インダクタとキャパシタは5Vであった.電源電圧の実効値は何Vか.( 第39回ME2種) 1. 5 2. 10
3. 15 4. 20 5. 25
問題解説 • 正弦波交流電源に抵抗器,インダクタ,キャパシタ各1個を直列に接続 した.各素⼦の両端電位差(実効値)を測定したところ,抵抗器は10V, インダクタとキャパシタは5Vであった.電源電圧の実効値は何Vか.( 第39回ME2種) 1. 5 2. 10
3. 15 4. 20 5. 25 抵抗の電圧をVR,コンデンサの電圧をVC,インダクタの電圧をVL とする. ̇ 𝑉! = 𝑅 ̇ 𝐼, ̇ 𝑉# = 1 𝑗𝜔𝐶 ̇ 𝐼, ̇ 𝑉" = 𝑗𝜔𝐿 ̇ 𝐼 Rを基準としたそれぞれの位相差は 𝜃"! = ∠ ̇ 𝑉" 𝑉! = ∠ 𝑗𝜔𝐿 𝑅 = 90,𝜃#! = ∠ ̇ 𝑉" 𝑉! = ∠ −𝑗 1 𝜔𝐶𝑅 = −90 よって,フェーザ図は右図のようになる. 電源電圧はすべてのベクトルを⾜したものになるので, 10V ̇ 𝑉! ̇ 𝑉" ̇ 𝑉#
問題 • 図の交流回路で𝑅, 𝐿, 𝐶の両端電圧(実効値)がそれぞれ3V, 6V, 2Vで あった.電源電圧𝐸(実効値)は何Vか.(第37回ME2種) 1. 2
2. 5 3. 7 4. 9 5. 11
問題 • 図の交流回路で𝑅, 𝐿, 𝐶の両端電圧(実効値)がそれぞれ3V, 6V, 2Vで あった.電源電圧𝐸(実効値)は何Vか.(第37回ME2種) 1. 2
2. 5 3. 7 4. 9 5. 11 各素⼦に流れる電流は同じなので,各素⼦の電 圧は次のように書ける. ̇ 𝑉! = 𝑅 ̇ 𝐼 ̇ 𝑉" = 𝑗𝜔𝐿 ̇ 𝐼 ̇ 𝑉! = 1 𝑗𝜔𝐶 ̇ 𝐼 つまり,抵抗に掛かる電圧に対し,インダクタ は𝜋/2,コンデンサは−𝜋/2位相がずれている . それぞれの電圧をフェーザ図でかくと図のよう になる. よって電源電圧は 𝐸 = ̇ 𝑉! + ̇ 𝑉" − ̇ 𝑉# = 3' + 6 − 2 ' = 9 + 16 = 25 = 5𝑉 ̇ 𝑉# ̇ 𝑉! ̇ 𝑉" ̇ 𝑉" + ̇ 𝑉# ̇ 𝐸
問題解説 • 図のRLC直列共振回路のQ値(Quality factor)に最も近いのはどれか.( 第40回ME2種) 1. 1 2. 2 3.
3 4. 4 5. 5
問題解説 • 図のRLC直列共振回路のQ値(Quality factor)に最も近いのはどれか.( 第40回ME2種) 1. 1 2. 2 3.
3 4. 4 5. 5 RLC直列回路のインピーダンスは ̇ 𝑍 = 𝑅 + 1 𝑗𝜔𝐶 + 𝑗𝜔𝐿 = 𝑅 + 𝑗(𝜔𝐿 − 1 𝜔𝐶 ) ̇ 𝑍 = 𝑅' + 𝜔𝐿 − 1 𝜔𝐶 ' 共振周波数はインピーダンスが最⼩のときな ので,このときの⾓周波数は 𝜔( 𝐿 − 1 𝜔( 𝐶 = 0 𝜔( = 1 𝐿𝐶 Q値は次のように定義される. 𝑄 = 𝜔( 𝜔' − 𝜔) 𝜔) と𝜔' はアドミタンス(イン ピーダンスの逆数)が共振周波 数のときのアドミタンスの ) ' の ときの⾓周波数なので, ̇ 𝑍 ̇ 𝑍( = 𝑅' + 𝜔𝐿 − 1 𝜔𝐶 ' 𝑅 = 2 𝑅' + 𝜔𝐿 − 1 𝜔𝐶 ' = 2𝑅' 𝜔𝐿 − 1 𝜔𝐶 ' = 𝑅' 𝐿𝜔' ± 𝑅𝜔 − 1 𝐶 = 0
問題解説 • 図のRLC直列共振回路のQ値(Quality factor)に最も近いのはどれか.( 第40回ME2種) 1. 1 2. 2 3.
3 4. 4 5. 5 𝐿𝜔' ± 𝑅𝜔 − 1 𝐶 = 0 𝜔 = !± !!+,"# '" or 𝜔 = +!± !!+,"# '" 𝜔' − 𝜔) = 𝑅 𝐿 𝑄 = 𝜔( 𝜔' − 𝜔) = 1 𝐿𝐶 𝑅 𝐿 = 𝐿 𝑅'𝐶 よって 𝑄 = 4×10+- 100'×0.1×10+. = 4 = 2
RLC並列回路
RLC並列回路 • 抵抗,インダクタ,コンデンサを並列につないだものをRLC直列回路という. • この回路の合成アドミタンス(インピーダンスの逆数)は • # ̇ % =
# & + # '!( + 𝑗𝜔𝐶 = # & + 𝑗(𝜔C − # !( ) • アドミッタンスの⼤きさは • # ̇ % = # &% + 𝜔𝐶 − # !( ) • アドミタンスの⼤きさが最⼩となるのは • 𝜔𝐿 = # !* のとき • このときの⾓周波数は 𝜔+ = # (* • このとき,並列回路は共振しているという.
問題解説 • 図の回路が共振状態にある時,抵抗器に流れる電流は何Aか.ただし, 𝑅 = 200Ω,𝐿 = 1.6mH,𝐶 = 100μF,𝐸
= 100V(実効値)とする.( 第38回ME2種) • 0.5 • 1.0 • 1.5 • 2.0 • 5.0
問題解説 • 図の回路が共振状態にある時,抵抗器に流れる電流は何Aか.ただし, 𝑅 = 200Ω,𝐿 = 1.6mH,𝐶 = 100μF,𝐸
= 100V(実効値)とする.( 第38回ME2種) 1. 0.5 2. 1.0 3. 1.5 4. 2.0 5. 5.0 この回路のアドミタンスは 1 ̇ 𝑍 = 1 𝑅 + 𝑗𝜔𝐶 + 1 𝑗𝜔𝐿 = 1 𝑅 + 𝑗(𝜔𝐶 − 1 𝜔𝐿 ) 1 ̇ 𝑍 = 1 𝑅% + 𝜔𝐶 − 1 𝜔𝐿 % これが最⼩の時,共振している. 最⼩値は ! ̇ - = ! . となる.すなわち,回路が共 振状態のときRのみの回路と⾒なせる. よって,抵抗器に流れる電流は 100/200=0.5A
問題 • 図の回路に置いて,電源を流れる電流Iが10A,LとCを流れる電流がそれ ぞれ2A,8Aであった.抵抗Rに流れる電流は何Aか.(第42回ME2種) 1. 0 2. 6 3. 8
4. 10 5. 20
問題 • 図の回路に置いて,電源を流れる電流Iが10A,LとCを流れる電流がそれ ぞれ2A,8Aであった.抵抗Rに流れる電流は何Aか.(第42回ME2種) 1. 0 2. 6 3. 8
4. 10 5. 20 各素⼦に流れる電流は ̇ 𝐼! = ̇ 𝑉 𝑅 ̇ 𝐼" = ̇ 𝑉 𝑗𝜔𝐿 ̇ 𝐼# = 𝑗𝜔𝐶 ̇ 𝑉 であるから,抵抗を流れる電流 ̇ 𝐼! に対し,コイルを流れる電流 ̇ 𝐼" は−𝜋/2,コンデンサを流れる電流は ̇ 𝐼# は 𝜋/2位相がずれてい る.これをフェーザ図で書くと図のようになる. 回路を流れる電流 ̇ 𝐼は各素⼦に流れる電流の合成なので, 抵抗 を流れる電流 ̇ 𝐼! は ̇ |𝐼! | = | ̇ 𝐼 − ( ̇ 𝐼# + ̇ 𝐼" )| = 10' − 8 − 2 ' = 64 = 8 である. ̇ 𝐼# ̇ 𝐼" ̇ 𝐼! ̇ 𝐼! + ̇ 𝐼# ̇ 𝐼