Upgrade to Pro
— share decks privately, control downloads, hide ads and more …
Speaker Deck
Features
Speaker Deck
PRO
Sign in
Sign up for free
Search
Search
ネットワーク性能調査ちょっとやってみる
Search
khwarizmi
December 20, 2018
Technology
0
150
ネットワーク性能調査ちょっとやってみる
khwarizmi
December 20, 2018
Tweet
Share
More Decks by khwarizmi
See All by khwarizmi
IntelNIC 送受信を学ぶ
khwarizmi
3
900
NICのデバドラ開発
khwarizmi
0
150
ハードウェア乱数を用いた謝辞代表者の決定
khwarizmi
0
61
僕はDPDKをやっている人ではありません(XDP・netmap入門)
khwarizmi
1
660
klab インターン成果物発表
khwarizmi
0
270
Z4「高速なFW/IDSの実装」
khwarizmi
0
160
HIGHSPEED PACKET IO
khwarizmi
0
93
Other Decks in Technology
See All in Technology
来年もre:Invent2024 に行きたいあなたへ - “集中”と“つながり”で楽しむ -
ny7760
0
480
小規模に始めるデータメッシュとデータガバナンスの実践
kimujun
3
600
いまさらのStorybook
ikumatadokoro
0
150
わたしとトラックポイント / TrackPoint tips
masahirokawahara
1
240
チームを主語にしてみる / Making "Team" the Subject
ar_tama
4
310
[AWS JAPAN 生成AIハッカソン] Dialog の紹介
yoshimi0227
0
150
AWS reInvent 2024 関西組 事前勉強会
shinyayamada
0
100
オーティファイ会社紹介資料 / Autify Company Deck
autifyhq
9
120k
リンクアンドモチベーション ソフトウェアエンジニア向け紹介資料 / Introduction to Link and Motivation for Software Engineers
lmi
4
290k
Fargateを使った研修の話
takesection
0
140
とあるユーザー企業におけるリスクベースで考えるセキュリティ業務のお話し
4su_para
3
330
ガチ勢によるPipeCD運用大全〜滑らかなCI/CDを添えて〜 / ai-pipecd-encyclopedia
cyberagentdevelopers
PRO
3
220
Featured
See All Featured
Let's Do A Bunch of Simple Stuff to Make Websites Faster
chriscoyier
504
140k
The MySQL Ecosystem @ GitHub 2015
samlambert
250
12k
GraphQLの誤解/rethinking-graphql
sonatard
67
10k
ReactJS: Keep Simple. Everything can be a component!
pedronauck
664
120k
Practical Tips for Bootstrapping Information Extraction Pipelines
honnibal
PRO
9
680
Creating an realtime collaboration tool: Agile Flush - .NET Oxford
marcduiker
25
1.8k
Building a Scalable Design System with Sketch
lauravandoore
459
33k
The Language of Interfaces
destraynor
154
24k
Statistics for Hackers
jakevdp
796
220k
KATA
mclloyd
29
13k
Git: the NoSQL Database
bkeepers
PRO
426
64k
Building Better People: How to give real-time feedback that sticks.
wjessup
363
19k
Transcript
ネットワーク性能調査を ちょっとやってみる 法政大学 応用情報工学科B4 河原颯太(khwarizmi)
自己紹介 - 河原颯太(かわはらそうた) @khwarizmi6514 - 法政大学応用情報工学科 学部4年 金井(ネットワークセキュリティ)研究室所属 - 小学5年から野球を初めて高校3年までやっていた.
- 春日部高校出身です! (これを言うといろんなところで先輩後輩が釣れることに最近 気が付いた) - パソコンとは無縁の生活だったが, 大学入学時, 気が付いたらパソコンをやらなけ ればいけなくなっていた. - 一緒に研究をしてくれる後輩募集中 (一人で研究をしていて寂しい)
最近やってること - DPDKを用いたネットワークスタック開発 - NICのデバドラ開発 - NICのハードウェア機能活用による性能比較調査 *最近やりたいこと* - FreeBSDで性能調査(ネットワークスタック参照したりしときながら触ったことがな
い) - XDP(Internet week での lineの金丸さんのLTが熱かった) - 自作キーボード(おととい自作キットをポチった) - FPGA(購入してLEDチカチカまでしてそのままタンスの奥にいる)
話に入る前に ちょうど24時間前くらいに決まったほぼ飛び入りLTなので ぜひ 期待値0で 聞いてください
今日の話題 つい最近からやっている NICのハードウェア機能活用による性能比較調査 の現在の進捗を発表します.
近年の High speed network 事情 - ハードウェア性能が向上し, ワイヤーレートが非常に伸びている - ネックがハードからソフト的な場所に移っている
⬇ - ソフト的なネックを排除したい - 余っているハードウェアパワーを有効に使いたい
近年の High speed network 事情 - ハードウェア性能が向上し, ワイヤーレートが非常に伸びている - ネックがハードからソフトに近い場所に移っている
⬇ - ソフト的なネックを排除したい - 余っているハードウェアパワーを有効に使いたい
今日の話題となる手法 - RSS (と RPS) - チェックサムオフローディング - LRO (と
GRO)
RSS (とRPS) マルチコア環境における問題 - パケット受信のソフト割り込みは1つのCPUに偏ってしまう. - 家庭用PCでもマルチコアが普通の環境出コア数で性能がスケールしないのは非 常によろしくない - 単純に適当にパケットを順番に各コアに割り振るのでは多くの無視できない問題が
ある.
RSS (とRPS) RSSとは - Receive Side Scalingの略 - パケットをマルチコアで処理する手法 -
マルチキューNICでのみ使用可能 RPSとは - RSSのソフトウェア実装
RSS (とRPS) 仕組み - パケットヘッダの一部でハッシュ計算をし, ハッシュ値からキューを選択 - 各コアに各キューが割り振られる(と思ってほとんど構わない) - 担当のキューにパケットが来たら各コアが処理
- パケットのヘッダからハッシュを取るため, 同じフローのパケットが分散されることが ない
RSS (とRPS) 計測結果 RSS スループット (Gbps) 有効 9.43 無効 5.08
RSS (とRPS) ソフト割り込みの様子 ← 前 後→ (ちょっと怪しい...)
チェックサムオフローディング - IP, TCP, UDPのチェックサムをNICが計算してくれるやつ - こういう決まりきった計算はハードウェアの方が得意だという風に誰かが言っていま した - 基本的にはCPU使用率を下げる効果がある
チェックサムオフローディング 計測結果 checksum offloading スループット (Gbps) CPU使用率 (%) 有効 9.36
96.2 無効 9.29 99.3
LRO と GRO 割り込み事情 - 割り込みはとにかく重い(コンテキストスイッチ, キャッシュ汚染) - GbEでショートパケット(64byte)とすると, 1000000000(bit)
÷ 8(byte) ÷ 64(パケット) = 1953125 つまり, 秒間約200万回の割り込みが発生している - さすがに多すぎるでしょ
LRO と GRO LROとは - Lerge Receive Offload の略 -
分割されたTCPパケットをNICでリアセンブルする - 割り込みを削減できる GROとは - General Receive Offload の略 - LRO のソフトウェア実装
LRO と GRO 計測結果 GRO スループット (Gbps) CPU使用率 (%) 有効
9.41 10.3 無効 5.08 100
まとめ うまくNICを使ってちゃんとチューニングをすれば linuxネットワークスタックでも10G出せます