Upgrade to Pro — share decks privately, control downloads, hide ads and more …

ClaudeCodeでセキュリティ監視業務を半自動化_1年の運用でわかったAIに任せる設計の5...

 ClaudeCodeでセキュリティ監視業務を半自動化_1年の運用でわかったAIに任せる設計の5つのポイント

Avatar for KintoTech_Dev

KintoTech_Dev

August 26, 2026

More Decks by KintoTech_Dev

Other Decks in Technology

Transcript

  1. ⾃⼰紹介 太⽥ 俊⼀ KINTOテクノロジーズ株式会社 セキュリティ‧プライバシー部 サイバーセキュリティG 兼務:コーポレートIT部 AIファーストG 担当 SOC

    業務の設計‧運⽤と、⽣成AI活⽤の推進 経緯 テックブログ「SOC 監視業務を半⾃動化した話」をご覧いただいたご担当者からの お声がけをきっかけに、本⽇の登壇に⾄る KINTO Technologies Corporation
  2. 本⽇の内容の元ネタ AI x SOC の取り組み初期を紹介 SOC 監視業務の半⾃動化(2025-12) Codex と Splunk

    MCP を活⽤ 手順書駆動プロンプト開発 KINTO Technologies Corporation 参考:https://blog.kinto-technologies.com/posts/2025-12-20-ai-agent-soc-monitoring-automation/
  3. 関連情報:リアルタイム型 SOC エージェント AWS を活⽤した SOC 業務の⾃動化 社内別部署による事例 アラート起点の⼀次分析をAI エージェント

    で処理‧Slack スレッドへ返却 効果:トリアージ 1〜2 時間 → 15 分以内 KINTO Technologies Corporation 参考:https://speakerdeck.com/kintotechdev/aratopi-bi-karanotuo-que-hesocye-wu-niokeru-ai-esientohuo-yong-noshi-jian-v2
  4. SOC ⽇次監視の課題 1 ⽇ 2〜3 時間の⼿動作業が、特定の担当者に集中していた 監視業務の全⼯程を⼈⼿で実施しており、3つの課題がありました 作業時間:1 ⽇あたり 2〜3

    時間の⼿動作業が発⽣している 属⼈化:SPL 知識‧ログ解析スキルが特定担当者に集中している 標準化不⾜:判断基準が暗黙知となり、新メンバー参画の障壁になっている 業務の分解‧明⽂化を起点に、Splunk Cloud MCP による半⾃動化から着⼿しました KINTO Technologies Corporation
  5. SOC ⽇次監視の課題 1 ⽇ 2〜3 時間の⼿動作業が、特定の担当者に集中していた 監視業務の全⼯程を⼈⼿で実施しており、3つの課題がありました 作業時間:1 ⽇あたり 2〜3

    時間の⼿動作業が発⽣している 属⼈化:SPL 知識‧ログ解析スキルが特定担当者に集中している 標準化不⾜:判断基準が暗黙知となり、新メンバー参画の障壁になっている 業務の分解‧明⽂化を起点に、Splunk Cloud MCP による半⾃動化から着⼿しました KINTO Technologies Corporation
  6. 半⾃動化からワークフロー化へ 段階を踏んで⾃動化範囲を広げ、現在の形に⾄りました 約 1 年の運⽤で、3 つの段階を経ています 第1段:AI エージェントで半⾃動化 — ⼀次調査を

    AI エージェント化し、作業時間を約半分に 残った課題:品質チェックの⼯数、知⾒反映の属⼈性、起票の⼿作業 第2段:Claude Code でワークフロー化(soc-run)— 調査から起票‧レポート作成までを実⾏ 以降は、この過程で⾒えた「設計のポイント」を中⼼にお話しします KINTO Technologies Corporation
  7. おさらい:Claude Code の構成要素 いずれも「AI に何をどこまで任せるか」を決める部品。この組み合わせが設計の中⾝になります カスタムコマンド スキル ‧スラッシュコマンドで定型の作業⼿順を呼び出す ‧必要なときだけ読み込む⼿順書 ‧後述の

    soc-run 本体がこれ ‧判断基準や調査⼿順の置き場 サブエージェント MCP ‧役割ごとに別コンテキストで動く AI エージェント ‧外部システムへの接続⼝ ‧システム別の監視担当を並列実⾏ ‧Splunk‧JIRA‧Confluence と連携する フック(hooks) CLAUDE.md ‧ツール実⾏の前後に⾛るプログラム ‧常に読み込まれるプロジェクト規約 ‧危険な操作を⽌める‧記録する ‧ルールは書けるが強制はできない KINTO Technologies Corporation
  8. soc-run とは コマンド 1 発のフルワークフロー 調査 → 判断 → 品質チェック

    → 起票 → レポート作成まで、カスタムコマンド 1 発で実⾏ AI エージェント+プログラム処理 判断は AI、実⾏と検証は Python プログラムが担う分担構成 規模:10 数サービス‧80 以上の監視項⽬ 検知ルール‧監視観点を記載した YAML を Git 管理。1 実⾏ 30〜60 分で完⾛ KINTO Technologies Corporation
  9. 全体像:判断は AI、実⾏と検証はプログラム オーケスト レーター Phase 0 Phase 1 Phase 2

    Phase 3 Phase 4 Phase 5 事前チェック ⼀次レポート⽣成 品質保証 過去対応照合 起票 レポート⽣成 MCP / Codex 接続確認 AI エージェント 10 数体を並列起動 サブ エージェント ハイライト所⾒を執筆 解釈‧判断‧深堀り md + state.json 出⼒ 別モデルの 独⽴レビュー (LLM-as-a-Judge) 過去チケットを検索 起票要否を判断 チケット⽂⾯を⽣成 検知 YAML → SPL ⼀括実⾏ QA 機械検証 (改変‧件数) 要対応のみ抽出 チケット起票 ⼦∕親ページ更新 集計は⾃動導出 Codex CLI JIRA 検索 JIRA API Confluence 機械的処理 出⼒検証ゲート 外部サービス Splunk / Atlassian Codex Splunk Cloud AI が判断 KINTO Technologies Corporation Python が実⾏‧集計 機械的チェックで検証 外部サービス
  10. 全体像:判断は AI、実⾏と検証はプログラム オーケスト レーター Phase 0 Phase 1 Phase 2

    Phase 3 Phase 4 Phase 5 事前チェック ⼀次レポート⽣成 品質保証 過去対応照合 起票 レポート⽣成 MCP / Codex 接続確認 AI エージェント 10 数体を並列起動 サブ エージェント ハイライト所⾒を執筆 解釈‧判断‧深堀り md + state.json 出⼒ 別モデルの 独⽴レビュー (LLM-as-a-Judge) 過去チケットを検索 起票要否を判断 チケット⽂⾯を⽣成 検知 YAML → SPL ⼀括実⾏ QA 機械検証 (改変‧件数) 要対応のみ抽出 チケット起票 ⼦∕親ページ更新 集計は⾃動導出 Codex CLI JIRA 検索 JIRA API Confluence 機械的処理 出⼒検証ゲート 外部サービス Splunk / Atlassian Codex Splunk Cloud AI が判断 KINTO Technologies Corporation Python が実⾏‧集計 機械的チェックで検証 外部サービス
  11. ⼿動運⽤からどう変わったか 観点 ⼿動運⽤(AI 活⽤前) 現在(soc-run) 作業時間 1 ⽇あたり 2〜3 時間

    AI 実⾏ 30〜60 分+⼈はレビューのみ (⼈間の実働は 30 分程度) ⾃動化範囲 ⾃動化なし(全⼯程を⼈⼿) 調査‧判断‧QC‧起票‧レポートまで 品質チェック 担当者が全件を⽬視確認 ⾃動チェック + 別モデルの クロスレビューで⾃動化 スキルと体制 SPL 知識が必要‧1 名に集中 標準化‧複数名体制 ナレッジの蓄積 担当者の記憶とチケットへのメモに依存 JIRA チケットに調査‧判断履歴が蓄積 過去対応を⾃動照合して再利⽤ KINTO Technologies Corporation
  12. ポイント①:⼿順書駆動プロンプト開発 業務を分解し、判断基準を明⽂化してから AI に渡すことが近道でした 失敗:バイブコーディング的アプローチ 成功:まずは業務分解‧⼿順書作成 AI とチャットしながらプロンプトを作成 業務を⼯程単位に分解し、迷いなく実⾏できる 粒度まで明⽂化

    判断基準が⽂書化されず曖昧で、 AI の出⼒がブレる 監視⽬的‧クエリ‧判断基準‧出⼒要件を 構造化して定義し、AI へ引き渡す 1〜2 週間かけても 納得のいくプロンプトが作れなかった 明⽂化を含め約 2 ⽇でドラフト完成。 定義の再利⽤で、他の監視業務への横展開も容易 KINTO Technologies Corporation
  13. ポイント②:判断だけを AI に、実⾏と検証はプログラムに AI とプログラムの分担を徹底することが、再現性と事故防⽌の鍵です AI が担当(判断) プログラムが担当(実⾏‧検証) ログ解釈と⼀次判定(正常/継続監視/要対応) SPL

    の実⾏‧検証‧保存(SPL は読ませない) 判断根拠‧所⾒の⽂章化とレポート⽣成 ⼯程の間で AI の出⼒を機械チェック チケット、レポートの⽂⾯作成 JIRA / Confluence への API 実⾏‧⾃動集計 KINTO Technologies Corporation
  14. ポイント②:判断だけを AI に、実⾏と検証はプログラムに AI とプログラムの分担を徹底することが、再現性と事故防⽌の鍵です AI が担当(判断) プログラムが担当(実⾏‧検証) ログ解釈と⼀次判定(正常/継続監視/要対応) SPL

    の実⾏‧検証‧保存(SPL は読ませない) 判断根拠‧所⾒の⽂章化とレポート⽣成 ⼯程の間で AI の出⼒を機械チェック チケット、レポートの⽂⾯作成 JIRA / Confluence への API 実⾏‧⾃動集計 KINTO Technologies Corporation
  15. ポイント④:統制は「実⾏される機構」として実装する 意図しない操作は、実⾏される前に仕組みで制御 実際に起きた事故を、hooks に落とし込む タイマー誤発⽕で全フェーズ重複実⾏ → 該当操作を hook で実⾏前に拒否 エージェントの再帰委譲で指⽰が劣化

    → 再委譲をツール設定で構造的に禁⽌ 危険な操作(force push‧⼀括削除等)→ 実⾏前に本⼈確認を挟んで防⽌ 注意書きは読み⾶ばされます。統制はハーネス側の機構として実装するのが確実です KINTO Technologies Corporation
  16. まとめ:「個⼈のスキル」から「チームの仕組み」へ Summary ✓ 効率化:2〜3 時間の⼿作業 → AI 実⾏+レビューのみ(実働 約 30

    分) ✓ AI 活⽤は業務の構造化から始まる ✓ AI とプログラムの役割分担を徹底し、ワークフロー化 ⼈間の役割は、「回す」から「⾒極める」へ バイブコーディング的アプローチではなく、業務の分解‧明⽂化を⼟台に 判断以外をプログラム化することで⾃動化範囲が拡⼤ KINTO Technologies Corporation
  17. 本⽇の持ち帰り:AI エージェント活⽤の3原則 SOC に限らず、ワークフローへの AI エージェント組み込みへ⼀般化できる原則です 2 段階‧約 1 年の運⽤から抽出した、転⽤可能な3原則です

    業務を分解し、暗黙知‧判断基準を明⽂化する — AI 活⽤はここから始まる 判断だけを AI に委ね、実⾏と検証はプログラムで統制する 出⼒は独⽴に検証する — 品質‧信頼はアーキテクチャで設計する ハーネス側で統制する設計は、AI エージェント⾃⾝の制御(Security for AI)にも通じます KINTO Technologies Corporation