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窓口業務改善に向けた取組指針/madoguti

kouzoukaikaku
November 18, 2024
440

 窓口業務改善に向けた取組指針/madoguti

kouzoukaikaku

November 18, 2024
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  1. 2 目 次 はじめに 本書の目的 p.3 第1編 窓口業務改善の基本的な考え方 1-1 窓口業務改善の必要性・意義

    p.5 1-2 サービス向上のための顧客視点 p.9 第2編 窓口業務改善 施策内容紹介 2-1 デジタルツールを用いた13施策 p.21 2-2 参考:窓口業務改善の実践事例 p.52 第3編 窓口業務改善 実践手順詳細 3-1 窓口業務改善の4ステップ p.59 3-2 参考:スモールスタートとアジャイル p.74
  2. 3 本書は、東京都のすべての窓口でサービスの質向上に取り組むための①基本的な考え方②施策③実践手順について 記載しています。効果的な業務改善を行うためには、「何を改善するか」を見つける視点と、「どうやって改善す るか」の足がかりになる知識をもとに、それらを適切な手順で実践することが重要です。 はじめに (本書の目的) 窓口サービスの 効果的な業務改善 何を改善するか どうやって改善するか

    × 必要性・意義 5つの顧客視点 施策一覧 デジタルツール紹介 適切な手順で実践 1 2 3 4 窓口業務改善の4ステップ = 第1編: 窓口業務改善の基本的な考え方 第2編: 窓口業務改善 施策内容紹介 第3編:窓口業務改善 実践手順詳細 本書の目的: そこで、第1編で「何を改善するか」に必要な考え方や視点を示し、第2編で「どうやって改善するか」に役立つ 施策やデジタルツール例を紹介しています。そして第3編では、実際に担当業務を改善するための具体的な実践手 順を解説しています。 本書に記載している内容は、特に明示が無い限り令和6年(2024年)3月末時点のものであり、 将来的な状況に応じて、改訂される可能性がある。
  3. 6 東京都は、都民の生活の質=QOL (Quality of Life) を向上させる ため、 DXを通じて「実感」できるサービスの質向上に向けた取 組を進めています。都民が行政サービスの改善を実感するもっと も身近な機会が、都庁の窓口です。窓口に関わる全ての人々が、

    その体験を通じて都政のQOS(Quality of Service)向上を実感でき るよう、 窓口に関連するすべての業務について、デジタルツー ルを活用して改善していく必要があります。 毎日の暮らしのあらゆる場面に行政サービスがあり、 窓口での体験は、都民にとって「行政そのもの」です。 「行政サービスの顔」 それが窓口です (シン・トセイ重点強化方針2024) 窓口業務 改善の 必要性 ・意義 1 基 本 的 な 考 え 方 第1編 窓 口 業 務 改 善 の 必 要 性 ・ 意 義 サ ー ビ ス 向 上 の た め の 顧 客 視 点 施 策 内 容 紹 介 第2編 デ ジ タ ル ツ ー ル を 用 い た 1 3 施 策 参 考 : 窓 口 業 務 改 善 の 実 践 事 例 実 践 手 順 詳 細 第3編 窓 口 業 務 改 善 の 4 ス テ ッ プ 参 考 : ス モ ー ル ス タ ー ト と ア ジ ャ イ ル
  4. 7 ユーザー起点の 「サービスデザイン」 サービスを使う人(ユーザー)がどう感じるか、が いいサービスの基準です 窓口業務 改善の 必要性 ・意義 2

    サービスデザインとは、モノの提供やサービス体験を、ユーザー (顧客) 視点で便利かつ快適にしていくことです。サービスを 利用する人の感じ方を中心に仕組みを設計します。正しくサービ スを利用できることはもちろん、使いやすさやわかりやすさも含 めて、ユーザーの総合的な満足度を高めていくことが必要です。 ユーザーにとって「価値」「機能」「見た目や使いやすさ」が備 わっているかを基準に、サービス体験を向上させることを目的と して、サービスを設計・改善します。 (サービスデザインガイドライン VERSION2.0.0) 基 本 的 な 考 え 方 第1編 窓 口 業 務 改 善 の 必 要 性 ・ 意 義 サ ー ビ ス 向 上 の た め の 顧 客 視 点 施 策 内 容 紹 介 第2編 デ ジ タ ル ツ ー ル を 用 い た 1 3 施 策 参 考 : 窓 口 業 務 改 善 の 実 践 事 例 実 践 手 順 詳 細 第3編 窓 口 業 務 改 善 の 4 ス テ ッ プ 参 考 : ス モ ー ル ス タ ー ト と ア ジ ャ イ ル
  5. 8 「ユーザー」とは 利用者と提供者のこと 両方の立場から見て、ともに最適なサービスを 目指しましょう 窓口業務 改善の 必要性 ・意義 3

    (サービスデザインガイドライン VERSION2.0.0) サービスのユーザーには、利用者(都民)だけでなく提供者(職 員)も含まれます。窓口を使う利用者に向けて、質の高いサービ スを実現し持続させるためには、それを提供する職員側の視点も 加味する必要があります。利用者が困りごとを解決するために手 軽にサービスを利用でき、提供者も有限のリソースで成果につな げられるよう、効率的かつ効果的な施策を検討することが重要で す。そして、常に提供者が利用者の声に耳を傾けて、継続的に サービスを改善していくことで、都民が実感できるサービスの質 向上につなげることができます。 基 本 的 な 考 え 方 第1編 窓 口 業 務 改 善 の 必 要 性 ・ 意 義 サ ー ビ ス 向 上 の た め の 顧 客 視 点 施 策 内 容 紹 介 第2編 デ ジ タ ル ツ ー ル を 用 い た 1 3 施 策 参 考 : 窓 口 業 務 改 善 の 実 践 事 例 実 践 手 順 詳 細 第3編 窓 口 業 務 改 善 の 4 ス テ ッ プ 参 考 : ス モ ー ル ス タ ー ト と ア ジ ャ イ ル
  6. 9 サービス向上のための顧客視点 1 窓口サービスに関するすべての体験が対象 2 サービス向上のための顧客視点 3 5つの顧客視点 -1 迷わない

    -2 待たない -3 書かない -4 キャッシュレス -5 効率化 4 利用者の「実感」を把握する 5 窓口は都民とのいちばんの接点 1-2
  7. 10 01 02 03 準備 手続 事務処理 (例)・行政サービスを調べる ・書類を準備する ・窓口を調べる

    ・窓口で受付をする ・書類を作成/提出する ・手数料を支払う ・申請内容の審査 ・内部決定や処理 ・結果通知/書面交付 窓口に関連する業務は、利用者の目線か ら見た窓口利用の流れに沿って、準備 → 手続 → 事務処理に大きく分類できます。 そのすべてのサービスの質向上に向けて、 2023年度には各局等のプロトタイプ窓口 で業務改善を進め、ユーザーの窓口体験 を始めから終わりまで幅広く見直して改 善するために必要な視点や改善ポイント、 施策を整理しました。 窓口サービスに関する すべての体験が対象 準備、手続、事務処理。 すべてにおいてユーザーの体験があります サービス向 上のための 顧客視点 1 例えば、自分に必要な行政サービスを調べて、関連書類を準備し、窓口で申請書類の記入や提出をして、 手数料の支払や内部での審査・処理を経て、結果や証明書等を受け取ります。このように、すべてのプロ セスで利用者に向けたサービス提供があり、そのユーザー体験を向上させることが必要です。 基 本 的 な 考 え 方 第1編 窓 口 業 務 改 善 の 必 要 性 ・ 意 義 サ ー ビ ス 向 上 の た め の 顧 客 視 点 施 策 内 容 紹 介 第2編 デ ジ タ ル ツ ー ル を 用 い た 1 3 施 策 参 考 : 窓 口 業 務 改 善 の 実 践 事 例 実 践 手 順 詳 細 第3編 窓 口 業 務 改 善 の 4 ス テ ッ プ 参 考 : ス モ ー ル ス タ ー ト と ア ジ ャ イ ル
  8. 11 2 サービス向上のための 5つの顧客視点 窓口体験を便利で快適にするための <顧客視点>を紹介します 窓口体験をよりよいものにするためには、 顧客(ユーザー)の立場に立って、窓口 に関連するすべての業務をチェックしま す。利用者から見たサービスの全体像を

    把握することで、そこから広く改善点を 洗い出すことができます。また、サービ スの提供者である職員にとって無理がな く効率的な仕組みになっているか振り返 ることも重要です。 1 2 3 4 5 ・ 準備 手続 事務処理 ・ ・ ユーザーの体験に沿って、窓口に関連する業務全体を顧客視点で振り返ることで、サービスの利用者と提 供者がともに便利で快適になるためのさまざまな改善点を洗い出すことができます。次のページからは、 それぞれの顧客視点と、顧客視点による改善ポイント例を紹介していきます。 基 本 的 な 考 え 方 第1編 窓 口 業 務 改 善 の 必 要 性 ・ 意 義 サ ー ビ ス 向 上 の た め の 顧 客 視 点 施 策 内 容 紹 介 第2編 デ ジ タ ル ツ ー ル を 用 い た 1 3 施 策 参 考 : 窓 口 業 務 改 善 の 実 践 事 例 実 践 手 順 詳 細 第3編 窓 口 業 務 改 善 の 4 ス テ ッ プ 参 考 : ス モ ー ル ス タ ー ト と ア ジ ャ イ ル サービス向 上のための 顧客視点
  9. 12 “迷わない” 迷わずサービスを選べる 迷わず準備できる 迷わず窓口へ行ける 3 - 1 顧客視点 1

    行政サービスを利用するときには、インターネットや問い合わせ・相談等により自分の目的に合った行政サー ビスを選び、必要書類の準備や窓口の場所・開庁時間を確認する等、実際に窓口を訪れる前からたくさんの ユーザー体験があります。 目指す姿 • ホームページやAIチャットボット、オンライ ン相談等で、行政サービスの内容や準備書類、 窓口の場所・開庁時間などがすぐにわかる • 国とのシステム連携で、窓口に行く準備に手 間がかからない *施策例掲載ページ -施策A: ホームページの見直し (→p.26) -施策B: AIチャットボット (→p.28) -施策C: オンライン相談(→p.30) -施策D: 登記情報連携システム(→p.32) ✓ ホームページはわかりやすいか? ✓ 利用者が窓口へのアクセスを調べやすいか? ✓ 問い合わせ対応時にすれ違いはないか? ✓ 開庁時間以外も利用者が不明点を解決できるか? ✓ 1回の手続に、何度も窓口を訪れることがないか? ✓ 国が所有する情報をもとに自治体で手続ができるか? 改善ポイント例 基 本 的 な 考 え 方 第1編 窓 口 業 務 改 善 の 必 要 性 ・ 意 義 サ ー ビ ス 向 上 の た め の 顧 客 視 点 施 策 内 容 紹 介 第2編 デ ジ タ ル ツ ー ル を 用 い た 1 3 施 策 参 考 : 窓 口 業 務 改 善 の 実 践 事 例 実 践 手 順 詳 細 第3編 窓 口 業 務 改 善 の 4 ス テ ッ プ 参 考 : ス モ ー ル ス タ ー ト と ア ジ ャ イ ル サービス向 上のための 顧客視点
  10. 13 “待たない” 長く待たない 目安無く待たない 混雑の中で待たない 3 - 2 顧客視点 2

    利用者の多い窓口に行く場合は、自分の番が来るまでその場で待ち続ける必要があります。混雑する時期や時 間帯、当日の混雑状況などが分かれば、安心して窓口を訪れることができ、利用者が分散されることで、より スムーズな窓口対応にもつながります。 目指す姿 • 来庁予約サービスや混雑状況配信サービスを 活用して、窓口前で長時間待たずに手続がで きる • 呼出状況配信サービスにより、待ち時間を有 効活用できる *施策例掲載ページ -施策E: 来庁予約サービス (→p.33) -施策F: 混雑状況配信サービス (→p.35) -施策G: 呼出状況配信サービス (→p.37) ✓ 窓口で長時間の待ちが発生していないか? ✓ 窓口で大人数が待っていないか? ✓ 窓口を訪れるまで、混雑状況が不明でないか? ✓ 利用者が混雑を避けて窓口を訪れることが可能か? ✓ 一部の時期や時間帯に、利用者が集中していないか? ✓ どのくらい待てば自分の番が来るか目安はあるか? 改善ポイント例 基 本 的 な 考 え 方 第1編 窓 口 業 務 改 善 の 必 要 性 ・ 意 義 サ ー ビ ス 向 上 の た め の 顧 客 視 点 施 策 内 容 紹 介 第2編 デ ジ タ ル ツ ー ル を 用 い た 1 3 施 策 参 考 : 窓 口 業 務 改 善 の 実 践 事 例 実 践 手 順 詳 細 第3編 窓 口 業 務 改 善 の 4 ス テ ッ プ 参 考 : ス モ ー ル ス タ ー ト と ア ジ ャ イ ル サービス向 上のための 顧客視点
  11. 14 “書かない” 紙に書かない たくさん書かない 何度も書き直さない 3 - 3 顧客視点 3

    紙の申請書をその場で記入する場合、利用者の手間だけでなく、職員が申請書を受け取った後のデータ化作業 も必要になります。複数の申請にはそれぞれの申請書を記入するケースもあります。デジタル化によってユー ザー全体の利便性を向上できます。 ✓ 窓口で紙の申請書を手書きさせていないか? ✓ 申請のたびに、同じ情報を書かせていないか? ✓ 申請書を一から手書きで書き直させていないか? ✓ 申請書の記載項目が多くないか? ✓ 別の書類等で確認できる項目を書かせていないか? ✓ 申請に不要な情報を書かせていないか? 改善ポイント例 目指す姿 • 窓口にある申請書作成用タブレット端末で、 紙を使わずに書類作成できる • AI-OCRやRPAを活用して、紙情報を自動で データ化して活用できる • 内部でデータ共有して、申請ごとに申請情報 を書き直さないで手続できる *施策例掲載ページ -施策H: 申請書作成用端末 (→p.39) -施策 I: AI-OCR・RPAの活用 (→p.41) 基 本 的 な 考 え 方 第1編 窓 口 業 務 改 善 の 必 要 性 ・ 意 義 サ ー ビ ス 向 上 の た め の 顧 客 視 点 施 策 内 容 紹 介 第2編 デ ジ タ ル ツ ー ル を 用 い た 1 3 施 策 参 考 : 窓 口 業 務 改 善 の 実 践 事 例 実 践 手 順 詳 細 第3編 窓 口 業 務 改 善 の 4 ス テ ッ プ 参 考 : ス モ ー ル ス タ ー ト と ア ジ ャ イ ル サービス向 上のための 顧客視点
  12. 15 “キャッシュレス” 現金がいらない 支払方法を選べる スピーディーに支払える 3 - 4 顧客視点 4

    社会全体でのキャッシュレス化が進み、利用者によっては現金を持ち歩かない場合もあります。現金も含めた 様々な支払方法を自由に選べることで、より手軽に手数料の支払ができるようになり、釣銭の準備や受け渡し 作業も軽減することができます。 ✓ 利用可能な決済方法は現金に限定されていないか? ✓ 釣銭準備や領収書発行の際に、利用者を待たせて いないか? ✓ 複数の決済方法が用意されているか? ✓ 釣銭のわたしミスが発生するリスクはないか? ✓ 利用可能な決済方法を分かりやすく示しているか? 改善ポイント例 目指す姿 • 現金に加えて、電子マネーやコード決済、ク レジットカードで手軽に手数料を支払うこと ができる • 釣銭を用意・手渡しする回数が減って、だれ もがスピーディーに支払える *施策例掲載ページ -施策 J: キャッシュレス端末 (→p.43) 基 本 的 な 考 え 方 第1編 窓 口 業 務 改 善 の 必 要 性 ・ 意 義 サ ー ビ ス 向 上 の た め の 顧 客 視 点 施 策 内 容 紹 介 第2編 デ ジ タ ル ツ ー ル を 用 い た 1 3 施 策 参 考 : 窓 口 業 務 改 善 の 実 践 事 例 実 践 手 順 詳 細 第3編 窓 口 業 務 改 善 の 4 ス テ ッ プ 参 考 : ス モ ー ル ス タ ー ト と ア ジ ャ イ ル サービス向 上のための 顧客視点
  13. 16 “効率化” 審査がはやい 職員配置が効果的 確認・処理がいつも正確 3 - 5 顧客視点 5

    窓口で申請が受理された後、申請内容を内部で確認・審査し、複数の事務処理を経て、申請者への結果通知や 証明書等の交付が行われます。これらのプロセスを見直してデジタルツールで効率化することで、素早くより 確実な事務処理を実現できます。 目指す姿 • 審査や処理が効率化され、申請から結果が出 るまでの期間が短縮される • 電子署名や電子交付で、窓口に行かずに証明 書等を受け取ることができる • 閲覧可能な情報がホームページに公開され、 時間や場所を問わず利用できる *施策例掲載ページ -施策K: 電子署名・電子交付 (→p.45) -施策L: 資料の電子化・ホームページ公開 (→p.47) -施策M: AI-OCR・RPAでのチェック (→p.49) ✓ 審査に時間がかかり、申請者を待たせていないか? ✓ ダブルチェックに人員がとられていないか? ✓ 交付書類が届くまでに時間がかかっていないか? ✓ 交付物のチェックを目視だけで行っていないか? ✓ 職員によって対応時間やサービスの質に差がないか? ✓ 将来的なシステム連携(オンラインと窓口データの一元処理) 改善ポイント例 基 本 的 な 考 え 方 第1編 窓 口 業 務 改 善 の 必 要 性 ・ 意 義 サ ー ビ ス 向 上 の た め の 顧 客 視 点 施 策 内 容 紹 介 第2編 デ ジ タ ル ツ ー ル を 用 い た 1 3 施 策 参 考 : 窓 口 業 務 改 善 の 実 践 事 例 実 践 手 順 詳 細 第3編 窓 口 業 務 改 善 の 4 ス テ ッ プ 参 考 : ス モ ー ル ス タ ー ト と ア ジ ャ イ ル サービス向 上のための 顧客視点
  14. 17 ユーザーレビューは、ユーザーの満足度 を数値化して、継続的な業務改善に取り 組むための指標として活用するものです。 窓口ユーザーレビューでは、ユーザーの 評価・満足度を5段階で数値化し、理由 や感想、提言などを自由記載できる項目 を備えています。収集した満足度は、 ホームページでの公表等を行い、評価結 果を見える化します。

    ユーザーレビューで都民の 「実感」を把握する 窓口サービスの現在地を可視化して、 さらなる改善につなげます 4 ユーザーレビューを全庁の 窓口に設置 利用者の声を数値化・感想 や提言などを収集・分析 ホームページ等で公表しな がら、継続的な改善に活用 ユーザーレビューの実施・活用方法 ユーザーレビューの取組は2022年度から始まっています。 2023年度には都庁の窓口でユーザーレビューを設置完了し ました。ユーザー満足度3以下のサービスのゼロを目標に、 すべての窓口でサービスの改善・向上を実践します。 基 本 的 な 考 え 方 第1編 窓 口 業 務 改 善 の 必 要 性 ・ 意 義 サ ー ビ ス 向 上 の た め の 顧 客 視 点 施 策 内 容 紹 介 第2編 デ ジ タ ル ツ ー ル を 用 い た 1 3 施 策 参 考 : 窓 口 業 務 改 善 の 実 践 事 例 実 践 手 順 詳 細 第3編 窓 口 業 務 改 善 の 4 ス テ ッ プ 参 考 : ス モ ー ル ス タ ー ト と ア ジ ャ イ ル サービス向 上のための 顧客視点
  15. 18 行政に対するニーズや満足度は、時代や価値観によって変化していき ます。日々たくさんの都民が訪れる「窓口」は、その変化を常に感じ られる一番の接点です。5つの顧客視点をきっかけに、ユーザーのさ まざまな声に耳を傾けて、幅広く既存の業務を見直しながら改善を繰 り返すことで、すべての人々がより便利で快適なサービスを実感でき る窓口を実現していきましょう。 窓口は、都民と職員の いちばんの接点 デジタルの力で、いつも都民が“実感”できる

    サービス向上を目指します 5 (第1編のおわりに) 基 本 的 な 考 え 方 第1編 窓 口 業 務 改 善 の 必 要 性 ・ 意 義 サ ー ビ ス 向 上 の た め の 顧 客 視 点 施 策 内 容 紹 介 第2編 デ ジ タ ル ツ ー ル を 用 い た 1 3 施 策 参 考 : 窓 口 業 務 改 善 の 実 践 事 例 実 践 手 順 詳 細 第3編 窓 口 業 務 改 善 の 4 ス テ ッ プ 参 考 : ス モ ー ル ス タ ー ト と ア ジ ャ イ ル サービス向 上のための 顧客視点
  16. 21 1 窓口業務改善の施策一覧 2 施策掲載 - 施策A ホームページの見直し - 施策B

    AIチャットボット - 施策C オンライン相談 - 施策D 登記情報連携システム - 施策E 来庁予約サービス - 施策F 混雑状況配信サービス - 施策G 呼出状況配信サービス - 施策H 申請書作成用端末 - 施策I AI-OCR・RPAの活用 - 施策J キャッシュレス端末 - 施策K 電子署名・電子交付 - 施策L 資料の電子化・ホームページ公開 - 施策M AI-OCR・RPAでのチェック 3 すべての人が便利で快適なサービスの実現に向けて デジタルツールを用いた13施策 2-1
  17. 22 窓口業務改善 施策内容紹介のページ構成 第2編の読み方 窓口業務改善のための施策やデジタルツール、進め方の例を掲載して います。担当業務にあてはめて参考にしてください。 窓口業務改善の施策一覧(A~M) 各施策の内容 進め方(例) デジタルツール

    を用いた13施策 基 本 的 な 考 え 方 第1編 窓 口 業 務 改 善 の 必 要 性 ・ 意 義 サ ー ビ ス 向 上 の た め の 顧 客 視 点 施 策 内 容 紹 介 第2編 デ ジ タ ル ツ ー ル を 用 い た 1 3 施 策 参 考 : 窓 口 業 務 改 善 の 実 践 事 例 実 践 手 順 詳 細 第3編 窓 口 業 務 改 善 の 4 ス テ ッ プ 参 考 : ス モ ー ル ス タ ー ト と ア ジ ャ イ ル 第2編では、窓口業務改善の施策13種類の一覧と、各施策の内容や進め方の例を掲載しています。一覧から担当業 務に関連のある施策・課題を探して、該当のページから読み進めてみてください。 ※なお、第1編(基本的な考え方)と第2編(施策内容紹介)をもとに、実際に業務改善に取り組むための実践手 順詳細については、第3編で紹介しています。 +
  18. 23 窓口業務改善の施策一覧 : 施策 ページ 一般的な課題 5つ視点 A C ホームページの見直し

    オンライン相談 D 登記情報連携システム 26-27 28-29 30-31 32 B AIチャットボット 掲載箇所や内容の分かりづらさ • 申請内容が煩雑で、ホームページ上の掲載場所や記載内容がわかりにくくなっている • 申請者が不明点を自己解決できない 限定的な問い合わせ方法 • 電話やメールのみでは意思疎通がスムーズにできず、問い合わせ対応に時間を要する 書類収集の手間 • 他の行政機関から、添付書類として登記事項証明書を取り寄せる必要がある 迷わない 準備 E G I 来庁予約サービス F 混雑状況配信サービス 呼出状況配信サービス 申請書作成用端末 AI-OCR・RPAの活用 キャッシュレス端末 J H 33-34 35-36 37-38 39-40 41-42 43-44 窓口での待ち時間の発生 • 窓口で恒常的に待ちが発生している 申請者による窓口状況の把握が困難 • 申請者が来庁前に窓口の混雑状況を把握できず、混雑している時間帯を避けられない • 申請者が窓口以外の場所で呼出状況を把握できず、受付後の外出ができない 手書きが必要な書類が存在 • 申請書や受付シートを窓口で手記入する必要がある • 作成する申請書とは別の書類に記載がある情報も、全て手書きで記入する必要がある 限定的な決済方法 • 窓口での手数料決済方法は現金のみである キャッシュ レス 待たない 書かない 手続 電子署名・電子交付 K M AI-OCR・RPAでの チェック 45-46 49-50 手作業での確認 • 確認すべき書類や項目が多く、審査に時間を要している • 申請書類を目視で確認しているためミスが起こるリスクがあり、ダブルチェックが必要 限定的な交付方法 • 申請書・届出書の写し、事業者証、許可書等を手交もしくは郵送で交付している 効率化 限定的な閲覧方法 • 資料が紙媒体であるため、利用者が窓口を訪れて閲覧する必要がある 資料の電子化・ ホームページ公開 L 47-48 事務 処理 施策から逆引きできる 1 A M - •本ページでは、窓口業務改善の施策13種類と、それにより解決で きる窓口業務の一般的な課題を一覧化しています。それぞれの内容 と進め方の例は該当の施策ページを参照してください。 基 本 的 な 考 え 方 第1編 窓 口 業 務 改 善 の 必 要 性 ・ 意 義 サ ー ビ ス 向 上 の た め の 顧 客 視 点 施 策 内 容 紹 介 第2編 デ ジ タ ル ツ ー ル を 用 い た 1 3 施 策 参 考 : 窓 口 業 務 改 善 の 実 践 事 例 実 践 手 順 詳 細 第3編 窓 口 業 務 改 善 の 4 ス テ ッ プ 参 考 : ス モ ー ル ス タ ー ト と ア ジ ャ イ ル デジタルツール を用いた13施策
  19. 24 2 3 1 2 施策ページの見方 - (1) • 施策により都民・職員が得られ

    る定性効果と定量効果 • 職員の定量効果は、算出式を併 せて記載しています。 ② 効果 • 窓口業務改善の施策内容 ① 施策 状況 • 窓口業務改善が必要な窓口に よく見られる状況例 課題 • 窓口業務改善に向けた課題 施策の機能 • 導入するデジタルツールおよび 施策の機能 導入方針 • 推進の主体やツール情報等 追加費用 • 想定される費用項目※ 想定タスク・負荷 • 想定される作業。詳細と期間は、 次頁⑵:進め方(例)のとおり ③ 詳細 施策内容について、必要な情報をまとめています。本ページを参考に、必要に応じて自身 の担当窓口に適するようにアレンジし、窓口業務改善を実施しましょう。効果は主要なも のを記載していますが、窓口により異なる場合があるため、担当の窓口での効果を想定し ながら読み進めてください。 1つの施策につき、2ページで紹介しています ( 前半: 施策内容 / 後半: 進め方例 ) 基 本 的 な 考 え 方 第1編 窓 口 業 務 改 善 の 必 要 性 ・ 意 義 サ ー ビ ス 向 上 の た め の 顧 客 視 点 施 策 内 容 紹 介 第2編 デ ジ タ ル ツ ー ル を 用 い た 1 3 施 策 参 考 : 窓 口 業 務 改 善 の 実 践 事 例 実 践 手 順 詳 細 第3編 窓 口 業 務 改 善 の 4 ス テ ッ プ 参 考 : ス モ ー ル ス タ ー ト と ア ジ ャ イ ル デジタルツール を用いた13施策 ※デジタルサービス局が提供するツールがある場合には、 費用が発生しないこともあります
  20. 25 2 6 4 5 • ステップごとに実際に行う作業 や、検討すべき事項 ⑤ 実施内容

    • 実施に必要なステップ • 窓口所管以外に関係者がいる場 合は、矢羽根の色を分けて役割 を明示しています ④ 進め方のステップ • ステップごとの目安期間 • 施策のスコープ(目的や作業の 範囲)により、期間は変動する 可能性があります ⑥ 期間目安 施策の進め方の例をまとめています。本ページを参考に、自身の担当窓口に合わせてタス クを追加・省略しながら、窓口業務改善を実施しましょう。ツールを調達する場合は、進 め方のステップや期間目安を参考にしながら進めていくことが必要です。 施策ページの見方 - (2) 1つの施策につき、2ページで紹介しています ( 前半: 施策内容 / 後半: 進め方例 ) 基 本 的 な 考 え 方 第1編 窓 口 業 務 改 善 の 必 要 性 ・ 意 義 サ ー ビ ス 向 上 の た め の 顧 客 視 点 施 策 内 容 紹 介 第2編 デ ジ タ ル ツ ー ル を 用 い た 1 3 施 策 参 考 : 窓 口 業 務 改 善 の 実 践 事 例 実 践 手 順 詳 細 第3編 窓 口 業 務 改 善 の 4 ス テ ッ プ 参 考 : ス モ ー ル ス タ ー ト と ア ジ ャ イ ル デジタルツール を用いた13施策
  21. 26 施策 :ホームページの見直し 迷わない 待たない キャッシュレス 効率化 書かない 詳細 •

    ホームページの申請案内ページに申請書記入例や、よくある質問・間違いを掲載する • 来庁予約サービスやAIチャットボット、手続き案内サービス等、導入済みのサービスがある場合 は、関連ページへのリンクをホームページ上の分かりやすい場所へ掲載する 施策の機能 導入方針 • 局等内の関係者と連携しながら各局等で推進する 想定タスク・ 負荷 • 情報収集、掲載内容検討、記入例の作成、ページレイアウト検討、局等内手続等 都民 職員 定性効果 • 問い合わせの手間削減 • 問い合わせの事前さばきができる 定量効果 • 問い合わせ件数の減少 • 問い合わせ対応時間の減少 =平均対応時間×問い合わせ件数 2 -A ・手続きを説明するホームページのデザインや文言を変更する ・FAQのように、よくある質問から答えにたどり着けるページを用意する 状況 課題 • 申請者の多くが事前に問い合わせを行っている • 同じ申請者が複数回問い合わせを行う場合がある • 申請内容が煩雑で、ホームページ上の掲載場所や記載内容がわかりにくくなっている • 申請者が不明点を自己解決できない 効果 A ◦◦◦申請について ① 申請書 • 【申請書(PDF版)】 • 【申請書(Word版)】 • 【申請書(記入例)】 申請に必要な書類 ◦◦◦申請書 氏名 生年月日 申請者 (とちょうたろう) 昭和・平成 都庁 太郎 XX年X月X日 ()内にふりがなを ひらがなで ご記入ください 「昭和」か「平成」の いずれかを丸で 囲んでください 基 本 的 な 考 え 方 第1編 窓 口 業 務 改 善 の 必 要 性 ・ 意 義 サ ー ビ ス 向 上 の た め の 顧 客 視 点 施 策 内 容 紹 介 第2編 デ ジ タ ル ツ ー ル を 用 い た 1 3 施 策 参 考 : 窓 口 業 務 改 善 の 実 践 事 例 実 践 手 順 詳 細 第3編 窓 口 業 務 改 善 の 4 ス テ ッ プ 参 考 : ス モ ー ル ス タ ー ト と ア ジ ャ イ ル 問い合わせの多い質問を集約して ホームページに掲載することで、 利用者が時間や場所を問わず、い つでも知りたい情報を確認するこ とができます。必要な情報を詳細 に掲載するとともに、見やすさや 読みやすさに配慮してホームペー ジのレイアウトを工夫することも 重要です。また、申請書の記入例 ページに、注意点やよくある質問 をあわせて掲載することで、利用 者が迷わず申請の準備をできます。 デジタルツール を用いた13施策
  22. 27 ホームページ上で手続を説明する際は、利用者にとってわかりやすく、情報にたどり着きやすいことを重視して、専門用語や固有の表現を避け、都民が理解し やすい言葉を用いる必要があります。また、関連ページへのリンクを見つけやすいところへ掲載することにより、掲載内容を充実させ、都民が必要な情報へ簡 単にアクセスしやすくすることで、ホームページの効果を高めることができます。 施策 :ホームページの見直し A 2 -A 進め方(例)

    実 施 内 容 期 間 目 安 掲載内容の検討 情報収集 1 2 約4~6週間 約2~4週間 過去情報の収集・分析 • 過去の問い合わせ内容、 FAQ、窓口での相談対応内容 等を収集する • 申請書の記入例を掲載する 場合は、過去の申請時に誤記 が多い項目を洗い出す スコープの検討 • 収集したデータを元に、 ホームページの見直しが必要 なスコープを検討する 掲載内容の検討 • 掲載する情報とその表現方 法を精査する • 利用者が疑問点を持った場 合の問い合わせ先および職員 の問い合わせ対応フローを検 討する レイアウト検討 更新実施 3 4 約4週間 約2週間 記入例の作成 • 申請書の記載方法について の問い合わせが多い場合は、 申請書記入例を作成する レイアウト検討 • 必要に応じて局内の関係者 と連携しながら、変更後のレ イアウトを検討する ホームページの更新実施 • ホームページの更新作業を 行う • 検討内容通りに更新されて いるか、局内で確認する 基 本 的 な 考 え 方 第1編 窓 口 業 務 改 善 の 必 要 性 ・ 意 義 サ ー ビ ス 向 上 の た め の 顧 客 視 点 施 策 内 容 紹 介 第2編 デ ジ タ ル ツ ー ル を 用 い た 1 3 施 策 参 考 : 窓 口 業 務 改 善 の 実 践 事 例 実 践 手 順 詳 細 第3編 窓 口 業 務 改 善 の 4 ス テ ッ プ 参 考 : ス モ ー ル ス タ ー ト と ア ジ ャ イ ル 迷わない 待たない キャッシュレス 効率化 書かない デジタルツール を用いた13施策
  23. 28 施策 : AIチャットボットの導入 詳細 • 申請方法や必要書類等、定型的なよくある質問について、FAQを整備し、AIチャットボットにて 回答できるようにする • AIチャットボットのみで解決できなかった問い合わせについては、AIチャットボット内で所管部

    署を案内できるようにする 施策の機能 導入方針 • 庁内で提供されているチャットボット共通基盤等も活用しながら各局等で推進する 想定タスク・ 負荷 • FAQの整理、シナリオ作成、局内・庁内手続等 都民 職員 定性効果 • 問い合わせの手間削減 • 問い合わせの事前さばきができる 定量効果 • チャットボットに登録した質問に対する問 い合わせ件数の減少 • チャットボットに登録した質問に対する問 い合わせ対応時間の減少 =平均対応時間×問い合わせ件数 ・AI等のシステムに沿って回答すると、必要な申請の内容や申請方法、 必要書類の掲載ページを案内できるAIチャットボットを整備する 状況 課題 • 申請者の大多数が事前に問い合わせており、同じ申請者が複数回問い合わせる場合がある • 問い合わせ内容は、定型的な回答が可能なものが多い • 申請内容が煩雑で、ホームページ上の掲載場所や記載内容がわかりにくくなっている • 申請者が不明点を自己解決できない 効果 【出所】 チャットボット総合案内 (tokyo.lg.jp) 2 -B B 基 本 的 な 考 え 方 第1編 窓 口 業 務 改 善 の 必 要 性 ・ 意 義 サ ー ビ ス 向 上 の た め の 顧 客 視 点 施 策 内 容 紹 介 第2編 デ ジ タ ル ツ ー ル を 用 い た 1 3 施 策 参 考 : 窓 口 業 務 改 善 の 実 践 事 例 実 践 手 順 詳 細 第3編 窓 口 業 務 改 善 の 4 ス テ ッ プ 参 考 : ス モ ー ル ス タ ー ト と ア ジ ャ イ ル 迷わない 待たない キャッシュレス 効率化 書かない AIチャットボットに知りたい情報 を入力すると、関連する質問の候 補が表示され、知りたいことを絞 り込んで調べることができます。 問い合わせの多い事項や関連用語 の説明をシナリオ形式で用意する ことで、ホームページの閲覧者が 対話型で情報を調べることができ ます。どんな質問や解説を設定す るかによって効果が変わるため、 公開されている他のチャットボッ トを参考に、利用者が使いやすい シナリオを準備していきます。 デジタルツール を用いた13施策
  24. 29 施策 : AIチャットボットの導入 B 2 -B 進め方(例) 実 施

    内 容 期 間 目 安 データ準備 動作検証・修正 スコープ検討 本番環境への反映 1 2 3 4 約4~6週間 約4週間 約4~12週間 約2週間 過去データの収集・分析 • 過去の問い合わせ内容、 FAQ、窓口での相談対応内容 等を収集する スコープの検討 • 収集したデータを元に、実 装するスコープを検討する データ準備 • 各種規程やFAQ、過去の問 い合わせ内容を元に、更新依 頼Excelを作成する 受託事業者への連携 • 作成したExcelを受託事業 者に送付する。 開発環境における動作検 証 • 依頼通りの反映がされてい るか、シナリオや回答内容に 違和感がないか、確認する 動作検証結果に基づく修 正依頼 • 依頼内容と異なる箇所や、 依頼通りだが改善が必要な回 答やシナリオがある場合は、 受託事業者に修正を依頼する 本番環境への反映依頼 • 本番環境反映依頼書(Word) を作成し、受託事業者に送付 する 本番環境における動作検 証 • 開発環境で確定した仕様と 同じ内容が本番環境に反映さ れていることを確認する ※デジタルサービス局が導入を推進しているチャットボット共通基盤を用いることを想定した進め方の例です デジタルサービス局が導入を推進しているチャットボット共通基盤を活用する場合、1年の中での更新タイミングが定められているため、事前にスケジュー ルを把握し、逆算した実施予定時期を定めることが必要です。詳細については、デジタルサービス局へお問い合わせください。 基 本 的 な 考 え 方 第1編 窓 口 業 務 改 善 の 必 要 性 ・ 意 義 サ ー ビ ス 向 上 の た め の 顧 客 視 点 施 策 内 容 紹 介 第2編 デ ジ タ ル ツ ー ル を 用 い た 1 3 施 策 参 考 : 窓 口 業 務 改 善 の 実 践 事 例 実 践 手 順 詳 細 第3編 窓 口 業 務 改 善 の 4 ス テ ッ プ 参 考 : ス モ ー ル ス タ ー ト と ア ジ ャ イ ル 迷わない 待たない キャッシュレス 効率化 書かない デジタルツール を用いた13施策
  25. 30 施策 :オンライン相談の導入 詳細 • 都民からの問い合わせや相談に対して、オンライン会議システムを用いて対応する • ホームページの該当ページやオンライン申請システムを画面共有で説明する、画面で申請書を映 しながら書き方を伝えるといった場面で活用する 施策の機能

    導入方針 • 導入済のツールを活用しながら各局等で推進する 想定タスク・ 負荷 • 事前検討(使用ツール選定、業務フロー検討)、テスト、トレーニング・本運用開始等 都民 職員 定性効果 • どこからでも対面相談ができる • 画面による説明も交えたわかりやすい説明 の実施が可能 定量効果 • 問い合わせ時に発生する電話料金の軽減 • 来庁にかかるコストの軽減 • オンラインと電話での相談対応時間短縮 =オンライン(平均対応時間×問い合わせ件 数)+電話(平均対応時間×問い合わせ件数) C 2 -C ・オンライン会議システムを活用して、都民と職員で画面を共有しながら相 談対応を行う 状況 課題 • 文字や音声のみでは、都民に意図がうまく伝わらないことがある • 電話問い合わせが集中し、回線が埋まってしまうことがある • 窓口対応や外出等により、電話に出ることができない場合がある • 電話やメールのみでは意思疎通がスムーズにできず、 問い合わせ対応に時間を要する 効果 【出所】 オンライン/仮想会議のソフトウェア | Microsoft Teams 基 本 的 な 考 え 方 第1編 窓 口 業 務 改 善 の 必 要 性 ・ 意 義 サ ー ビ ス 向 上 の た め の 顧 客 視 点 施 策 内 容 紹 介 第2編 デ ジ タ ル ツ ー ル を 用 い た 1 3 施 策 参 考 : 窓 口 業 務 改 善 の 実 践 事 例 実 践 手 順 詳 細 第3編 窓 口 業 務 改 善 の 4 ス テ ッ プ 参 考 : ス モ ー ル ス タ ー ト と ア ジ ャ イ ル 迷わない 待たない キャッシュレス 効率化 書かない オンライン会議システムのツール 選定の際は「ユーザー(都民/職 員)の多くが慣れている一般的な ツールか」「ソフトウェアをダウ ンロードせず、インターネット上 でそのままブラウザ利用できる か」などの、利用しやすさを考慮 することで活用が促進されます。 また、ユーザー側のデバイスに よってはアプリのインストールが 必要な場合もあるため、ユーザー の利用環境にも配慮して、わかり やすい案内を行うことも重要です。 デジタルツール を用いた13施策
  26. 31 施策 :オンライン相談の導入 C 2 -C 進め方(例) 実 施 内

    容 期 間 目 安 テスト トレーニング 事前検討 本運用開始 1 2 3 4 約4~6週間 約4週間 約4週間 約2週間 使用ツールの検討 • オンライン相談で使用する オンライン会議システムを 検討する(TeamsやWebex など、既存で利用できる ツールの中から選定し、導 入費用・工数を削減する) 業務フロー検討 • 利用者による相談予約⇒予 約完了メールの送付⇒会議 URLの送付⇒相談実施といっ た、一連の業務フローを検討 する テスト • オンライン会議システムを 使用して業務が問題なく流れ るかテストを実施し、必要に 応じて設定などを修正する マニュアル作成 • オンライン会議システムの 利用方法について職員向けの マニュアルを作成する トレーニング実施 • マニュアルをもとに、担当 者への周知とトレーニングを 行う 本運用開始 • オンライン相談の関連ペー ジをホームページに公開し、 運用を開始する • セキュリティや個人情報保 護の観点から、確認事項や誓 約を検討し、必要に応じて チェックリストのかたちで ホームページに掲載する オンライン相談は1対1の相談対応に加えて、複数人に対する説明会の場面でも活用できます。特に、年度ごとに説明会を開いている場合は、まずはそのうち の数回を試験的にオンライン開催としてみることも有効です。説明会の目的に合わせた会議設定を行うことで、チャットによる質疑応答の活用や、ウェビ ナー形式での開催による出席者のプライバシーへの配慮も可能です。 基 本 的 な 考 え 方 第1編 窓 口 業 務 改 善 の 必 要 性 ・ 意 義 サ ー ビ ス 向 上 の た め の 顧 客 視 点 施 策 内 容 紹 介 第2編 デ ジ タ ル ツ ー ル を 用 い た 1 3 施 策 参 考 : 窓 口 業 務 改 善 の 実 践 事 例 実 践 手 順 詳 細 第3編 窓 口 業 務 改 善 の 4 ス テ ッ プ 参 考 : ス モ ー ル ス タ ー ト と ア ジ ャ イ ル 迷わない 待たない キャッシュレス 効率化 書かない デジタルツール を用いた13施策
  27. 32 施策 :登記情報連携システムの活用 詳細 • 不動産登記、商業・法人登記事項等に係る行政機関間の情報連携システムを活用し、登記事項証 明書の添付を省略し、申請者の負担を低減させる 施策の機能 導入方針 •

    法務省・デジタル庁での「登記情報システムに係るプロジェクト」にて実施する ※現在一部自治体にて先行運用中 想定タスク・ 負荷 • 法務省・デジタル庁でのプロジェクト方針に準ずる 都民 職員 定性効果 • 登記事項証明書を取得する手間の削減 • 書類不足のリスク低減 定量効果 • 申請準備時間の短縮 • 登記事項証明書の入手にかかる費用負担削 減 • 登記事項証明書に係る不備対応時間の短縮 =登記事項証明書に関する不備時の平均対 応時間×登記事項証明書に関する不備件数 D 2 -D ・国の登記情報連携システムを活用することで、申請者が登記事項証明書の 原本を取得する手間を削減する 状況 課題 • 申請時の添付書類として、登記事項証明書が必要である • 申請時に添付書類漏れの事例がある • 他の行政機関から、添付書類として登記事項証明書を取り寄せる必要がある 効果 【出所】 登記情報システムに係るプロジェクトの推進| デジタル庁 (digital.go.jp) デジタル庁と法務省が推進する「登記事 項情報システムに係るプロジェクト」で は、2023年2月から、一部の地方公共団 体を対象として、登記情報連携の先行運 用を開始しています。東京都庁内の一部 手続もこれに該当しています。 基 本 的 な 考 え 方 第1編 窓 口 業 務 改 善 の 必 要 性 ・ 意 義 サ ー ビ ス 向 上 の た め の 顧 客 視 点 施 策 内 容 紹 介 第2編 デ ジ タ ル ツ ー ル を 用 い た 1 3 施 策 参 考 : 窓 口 業 務 改 善 の 実 践 事 例 実 践 手 順 詳 細 第3編 窓 口 業 務 改 善 の 4 ス テ ッ プ 参 考 : ス モ ー ル ス タ ー ト と ア ジ ャ イ ル 迷わない 待たない キャッシュレス 効率化 書かない デジタルツール を用いた13施策 ※本施策は、次頁の進め方(例)の 掲載はありません
  28. 33 施策 :来庁予約サービスの導入 詳細 • 24時間オンライン予約、自動返信、リマインドメール、予約管理、予約の変更・キャンセルを 来庁予約サービスで実現する • 時間や時期に応じて予約枠を柔軟に設定し、利用者の分散を行うことで窓口の混雑を解消する 施策の機能

    導入方針 • システムやサービスを新たに調達し、各局等で推進する 想定タスク・ 負荷 • 【導入時】予約ページに掲載する情報の提供、庁内担当者への教育、利用者への案内 • 【運用時】予約枠管理、予約人数の把握 都民 職員 定性効果 • あらかじめ時間を見込んで来庁できる • 来庁者数の目途を把握できる 定量効果 • 窓口における待ち時間の短縮 • 窓口職員1人あたりの平均対応件数増加 =手続件数÷窓口担当職員人数 ※繁忙‐閑散の波が縮小するため、常に最 大人数の職員を配置しなくてよいと仮定 E 2 -E ・来庁予約サービスを導入し、利用者があらかじめ来庁予約を行うことで、 当日に窓口で待つ時間を短縮する 状況 課題 • 窓口で恒常的に待ちが発生している • 繫忙期や時間帯により、一時的に利用者が集中することがある • 窓口に必要な職員数の見込みが立てにくく、窓口に待ちが発生している 効果 基 本 的 な 考 え 方 第1編 窓 口 業 務 改 善 の 必 要 性 ・ 意 義 サ ー ビ ス 向 上 の た め の 顧 客 視 点 施 策 内 容 紹 介 第2編 デ ジ タ ル ツ ー ル を 用 い た 1 3 施 策 参 考 : 窓 口 業 務 改 善 の 実 践 事 例 実 践 手 順 詳 細 第3編 窓 口 業 務 改 善 の 4 ス テ ッ プ 参 考 : ス モ ー ル ス タ ー ト と ア ジ ャ イ ル 迷わない 待たない キャッシュレス 効率化 書かない 窓口の状況に応じて、予約枠を公 開するタイミングや空き枠の表示 方法などを任意に設定することで、 窓口利用者の目線でわかりやすく 使いやすいサービスを提供するこ とが可能です。また、インター ネットからの予約受付に加えて、 電話や対面、メール等から受け付 けた予約もあわせて、同一のシス テム上で一元管理できるため、職 員間で予約状況や残りの予約枠が 可視化され、組織全体で管理・共 有することができます。 デジタルツール を用いた13施策
  29. 34 施策 :来庁予約サービスの導入 E 2 -E 進め方(例) 実 施 内

    容 期 間 目 安 約2週間 約4~6週間 約4~6週間 約4週間 目的・スコープのす り合わせ • 予約システム導入の 目的やスコープについ て受託業者と認識合わ せを行う • 受託業者から提示さ れた機能一覧などに不 足がないか、確認する 設定内容・項目の 提示 • 受託業者からヒアリ ングを受けた際に、受 託予約画面のイメージ やパラメータ(予約画 面のイメージや公開タ イミング、空き枠の表 示方法など)を検討し、 検討結果を提示する ※設定作業は受託業者 が実施予定 テスト実施 • 設定した予約画面に て、利用者がオンライ ン予約、自動返信、リ マインドメール、予約 の変更・キャンセルを 行えるかを確認する • 利用者が行った予 約・予約の変更・キャ ンセルを職員が把握で きることを確認する マニュアル作成 • 予約システムの利用 方法について職員向け のマニュアルを作成す る トレーニング実施 • マニュアルを元に、 担当職員へのトレーニ ングを行う 約4週間 ホームページへの追 加 • ホームページの関連 ページに予約システム へのリンクを掲載する 既存システムへの反 映 • オンライン申請やAI チャットボット、手続 案内サービス等を導入 済みの場合は、予約シ ステムのリンクを案内 できるようにする 導入準備 1 初期設定 2 テスト 3 トレーニング 4 本番稼働 5 受託業者主体タスク 各局主体タスク 2025年度にかけて順次拡大を予定しています。新たに来庁予約制度導入を検討する場合、事前予約を必須とするのか/予約なしでの来庁も可能とするのか、予 約方法は来庁予約サービスのみか/電話・メールを併用するのかについても検討が必要です。なお、デジタルサービス局の2024年度の「待たない」窓口事業で は、来庁予約サービスを導入予定です。 基 本 的 な 考 え 方 第1編 窓 口 業 務 改 善 の 必 要 性 ・ 意 義 サ ー ビ ス 向 上 の た め の 顧 客 視 点 施 策 内 容 紹 介 第2編 デ ジ タ ル ツ ー ル を 用 い た 1 3 施 策 参 考 : 窓 口 業 務 改 善 の 実 践 事 例 実 践 手 順 詳 細 第3編 窓 口 業 務 改 善 の 4 ス テ ッ プ 参 考 : ス モ ー ル ス タ ー ト と ア ジ ャ イ ル 迷わない 待たない キャッシュレス 効率化 書かない デジタルツール を用いた13施策
  30. 35 施策 :混雑状況配信サービスの導入 詳細 • 窓口の混雑/空き情報をwebサイト上でリアルタイムに配信し、利用者が自身のスマートフォンで 随時確認する • 過去の混雑データから混雑する時期/曜日/時間帯を分析し、今後の混雑・待ち時間の目安に活用 施策の機能

    導入方針 • システムやサービスを新たに調達し、各局等で推進する 想定タスク・ 負荷 • 事前検討(導入スコープ、要件等の検討)、ベンダー選定、実装、テスト、トレーニン グ、システム本番稼働(システム入れ替え、ホームページへのサービス紹介情報追加) 都民 職員 定性効果 • 混雑時を避けて来庁が可能 • 来庁者が分散し、窓口の混雑が緩和 定量効果 • 受付から呼び出しまでの待ち時間短縮 • 窓口の待機人数減少 • 窓口職員1人あたりの平均対応件数増加 =手続件数÷窓口担当職員人数 ※繁忙‐閑散の波が縮小するため、常に最 大人数の職員を配置しなくてよいと想定 F 2 -F ・窓口の混雑状況配信サービスを導入し、利用者がスマートフォン等で 窓口の混雑状況を確認できるようにする 状況 課題 • 繁忙期や時間帯により一時的に利用者が集中し、窓口が混雑する場合がある • 利用者が来庁前に窓口の混雑状況を把握できず、混雑している時間帯を避けられない 効果 過去の混雑状況を収集・分析 事務所名 ◦◦申請窓口 待ち人数 ××申請窓口 待ち人数 A事務所 ◦◦証明書 (6階X課窓口) 0人 詳細リンク ××証明書 (6階Y課窓口) 0人 詳細リンク B事務所 ◦◦証明書 (6階X課窓口) 0人 詳細リンク ××証明書 (6階Y課窓口) 0人 詳細リンク C事務所 ◦◦証明書 (1階X課窓口) 0人 詳細リンク ××証明書 (1階Y課窓口) 0人 詳細リンク ◦◦証明書 (5階X課窓口) 0人 詳細リンク 0人 詳細リンク D事務所 ◦◦証明書 (6階X課窓口) 0人 詳細リンク ××証明書 (4階Y課窓口) 0人 詳細リンク E事務所 ◦◦証明書 (6階X課窓口) 0人 詳細リンク ××証明書 (7階Y課窓口) 0人 詳細リンク F事務所 ◦◦証明書 (4階X課窓口) 0人 詳細リンク ××証明書 (5階Y課窓口) 0人 詳細リンク J事務所 ◦◦証明書 (2階X課窓口) 0人 詳細リンク ××証明書 (1階Y課窓口) 0人 詳細リンク 基 本 的 な 考 え 方 第1編 窓 口 業 務 改 善 の 必 要 性 ・ 意 義 サ ー ビ ス 向 上 の た め の 顧 客 視 点 施 策 内 容 紹 介 第2編 デ ジ タ ル ツ ー ル を 用 い た 1 3 施 策 参 考 : 窓 口 業 務 改 善 の 実 践 事 例 実 践 手 順 詳 細 第3編 窓 口 業 務 改 善 の 4 ス テ ッ プ 参 考 : ス モ ー ル ス タ ー ト と ア ジ ャ イ ル 迷わない 待たない キャッシュレス 効率化 書かない 窓口の混雑状況をリアルタイムで インターネット上に配信すること で、利用者が混雑を避けて窓口を 利用することができます。また、 システム内に過去の混雑状況を蓄 積できるため、職員が混雑状況の 改善策を検討する際にも役立ちま す。利用者が分散されて窓口の利 便性が向上するとともに、利用が 集中する時期や時間帯を可視化し て予測を立てることで、適切な人 員配置や繁忙期の体制の見直しが 可能になります。 デジタルツール を用いた13施策 費用目安: 高 (100万円~)
  31. 36 施策 :混雑状況配信サービスの導入 F 2 -F 進め方(例) 実 施 内

    容 期 間 目 安 仕様検討 1 選定・調達 2 初期設定 3 テスト・ トレーニング 4 本番稼働 5 約16週間 約16週間 約8週間 約4~8週間 目的・スコープの すり合わせ • 混雑状況配信サービ ス導入の目的や手続き のスコープについて、 検討する 仕様検討 • 混雑状況配信サービ スに必要な要件を整理 する • 初期設定や運用を外 部ベンダーへ委託する か否かを検討する • 要件と委託内容の整 理をもとに調達仕様書 を作成する 選定・調達 • 機能・予算等を比較 検討し、最適なサービ スを選定のうえ調達す る 初期設定 • 以下のような項目に ついて検討し、利用者 に公開する画面を設定 する ∙ 利用者へのお知ら せ ∙ 混雑/空き情報の閾 値 ∙ 関連情報へのリン ク 等 • 過去データの蓄積方 法を設定し、混雑傾向 の公開方法を検討する テスト実施 • サービスが正しく動 作し、混雑状況をリア ルタイムでホームペー ジ上に表示できている かを確認する • 利用者が用いる可能 性のある動作環境で表 示可能なことを確認す る トレーニング • マニュアルを元に、 担当職員がサービスを 使えるようトレーニン グを行う 約4~6週間 ホームページへの 追加 • ホームページの関連 ページに混雑状況配信 サービスへのリンクを 掲載する 混雑状況配信サービスを導入した場合、都民に正確な情報を提供できることが重要です。そのため、リアルタイムの状況を反映した情報が提供できるよう、 導入する窓口に応じた混雑/空き情報の閾値を設定し、運用後も定期的に見直しを行いましょう。また、選択するツールによっては施策G:呼出状況配信サー ビスの機能を包含しているものもあるため、窓口の課題と目的に応じて選択を行うことが必要です。 基 本 的 な 考 え 方 第1編 窓 口 業 務 改 善 の 必 要 性 ・ 意 義 サ ー ビ ス 向 上 の た め の 顧 客 視 点 施 策 内 容 紹 介 第2編 デ ジ タ ル ツ ー ル を 用 い た 1 3 施 策 参 考 : 窓 口 業 務 改 善 の 実 践 事 例 実 践 手 順 詳 細 第3編 窓 口 業 務 改 善 の 4 ス テ ッ プ 参 考 : ス モ ー ル ス タ ー ト と ア ジ ャ イ ル 迷わない 待たない キャッシュレス 効率化 書かない デジタルツール を用いた13施策
  32. 37 施策 :呼出状況配信サービスの導入 詳細 • 窓口の呼び出し状況をwebサイト上でリアルタイムに配信し、利用者が自身のスマートフォンで 随時確認する • 過去の混雑データから混雑する時期/曜日/時間帯を分析し、今後の混雑・待ち時間の目安に活用 施策の機能

    想定タスク・ 負荷 • 事前検討(導入スコープ、要件等の検討)、ベンダー選定、実装、テスト、トレーニン グ、システム本番稼働(システム入れ替え、ホームページへのサービス紹介情報追加) G 2 -G ・受付後の呼び出し状況を利用者がスマートフォン等で確認できるシステム を導入する 状況 課題 • 繁忙期や時間帯により、一時的に利用者が集中することがある • 呼び出し番号発券後の利用者が複数人待っている • 待ち時間の目安がわからず利用者がその場で待ち続ける必要がある • 利用者が窓口以外の場所で呼出状況を把握できず、受付後の外出ができない 効果 ◦◦証明書発行センター ただいまの待ち時間目安は、詳細をクリックしてください 🔍番号検索 受付内容 現在の待ち人数 現在受付番号 目安待ち時間 受付 1 75 0分 新規・切替 38 5033 25分 廃止 0 8001 0分 紛失・その他 0 ・・・ 0分 詳細 詳細 詳細 詳細 詳細 都民 職員 定性効果 • 待ち時間の有効活用 • 来庁者が分散し、窓口の混雑が緩和 定量効果 • 待機場所で待つ時間の短縮 • 窓口の待機人数減少 • 待機者の呼出・管理時間の削減 =待機者の呼出・管理対応業務に従事して いる時間の合計 基 本 的 な 考 え 方 第1編 窓 口 業 務 改 善 の 必 要 性 ・ 意 義 サ ー ビ ス 向 上 の た め の 顧 客 視 点 施 策 内 容 紹 介 第2編 デ ジ タ ル ツ ー ル を 用 い た 1 3 施 策 参 考 : 窓 口 業 務 改 善 の 実 践 事 例 実 践 手 順 詳 細 第3編 窓 口 業 務 改 善 の 4 ス テ ッ プ 参 考 : ス モ ー ル ス タ ー ト と ア ジ ャ イ ル 迷わない 待たない キャッシュレス 効率化 書かない 現在の窓口の呼出状況をインター ネット上に公開することで、窓口 で待っている人数や待ち時間の目 安をどこからでも確認することが でき、利用者がタイミングを選ん で窓口を訪れることができます。 利用者の分散によって、窓口の混 雑が緩和されます。呼出状況を表 示するモニターを窓口に設置して いる場合は、動画配信サービスで 直接モニター画面を配信するなど、 簡易な方法で導入することもでき ます。 デジタルツール を用いた13施策
  33. 38 施策 :呼出状況配信サービスの導入 G 2 -G 進め方(例) 実 施 内

    容 期 間 目 安 仕様検討 1 選定・調達 2 初期設定 3 テスト・ トレーニング 4 本番稼働 5 約16週間 約16週間 約4週間 約4~6週間 目的・スコープの すり合わせ • 呼出状況配信サービ ス導入の目的や手続き のスコープについて、 検討する 仕様検討 • 呼出状況配信サービ スに必要な要件を整理 する • 初期設定や運用を外 部ベンダーへ委託する か否かを検討する • 要件と委託内容の整 理をもとに調達仕様書 を作成する 選定・調達 • 機能・予算等を比較 検討し、最適なサービ スを選定のうえ調達す る 初期設定 • 以下のような項目で、 利用者に公開する画面 を設定する ∙ 待ち人数 ∙ 目安の待ち時間 ∙ 呼出番号 ∙ 呼出時不在番号 ∙ 次の呼び出し番号 ∙ 番号照会・呼出通 知 等 • 過去データの蓄積方 法を設定する テスト実施 • サービスが正しく動 作し、混雑状況をリア ルタイムでホームペー ジ上に表示できている かを確認する • 利用者が用いる可能 性のある動作環境で表 示可能なことを確認す る トレーニング • マニュアルを元に、 担当職員がサービスを 使えるようトレーニン グを行う 約4週間 ホームページへの 追加 • ホームページの関連 ページに呼出状況配信 サービスへのリンクを 掲載する 呼出状況配信サービスを導入した場合、利用者に待ち時間の目安を提供し、順番が来る前には窓口周辺へ戻ってきてもらう必要があります。選択するツール によっては、順番が近づくと利用者に通知を送付することができるものもあります。また、選択するツールによっては施策F:混雑状況配信サービスの機能を 包含しているものもあるため、窓口の課題と目的に応じて選択を行うことが必要です。 基 本 的 な 考 え 方 第1編 窓 口 業 務 改 善 の 必 要 性 ・ 意 義 サ ー ビ ス 向 上 の た め の 顧 客 視 点 施 策 内 容 紹 介 第2編 デ ジ タ ル ツ ー ル を 用 い た 1 3 施 策 参 考 : 窓 口 業 務 改 善 の 実 践 事 例 実 践 手 順 詳 細 第3編 窓 口 業 務 改 善 の 4 ス テ ッ プ 参 考 : ス モ ー ル ス タ ー ト と ア ジ ャ イ ル 迷わない 待たない キャッシュレス 効率化 書かない デジタルツール を用いた13施策
  34. 39 施策 :申請書作成用端末の導入 詳細 • オンライン申請サービスやPDF形式の申請書を活用し、窓口にてタブレットや申請者のスマート フォンを用いて必要項目を入力してもらうことで申請を行う • 導入に際しては、手書き文字認識機能やPDFへの書き込みツールなどを利用する 施策の機能

    導入方針 • 必要に応じて端末を調達し、各局等で推進する 想定タスク・ 負荷 • 端末の調達、テスト、窓口対応フローの検討、職員への周知等 H 2 -H ・申請書作成用のタブレット端末を導入し、窓口で電子申請を行う 状況 課題 • 申請の度に申請者の基本情報を手書きする必要がある • 申請書に記入ミスがあった場合、一から書き直すことがある • 申請書に書かれた情報を職員がシステムへ手入力する必要がある • 申請書や受付シートを窓口にて手書きで記入する必要がある • 申請書とは別の書類に記載がある情報(住所・氏名など)も全て手書きで記入する必要がある 効果 都民 職員 定性効果 • 申請書を書く手間の削減 • ペーパーレス化による電子申請との 業務プロセス統一 定量効果 • 窓口での手続き時間の短縮 • 申請書入力~審査完了までの対応時間短縮 =申請書入力~審査完了までの平均対応時 間×窓口申請の件数 ~~~ 基 本 的 な 考 え 方 第1編 窓 口 業 務 改 善 の 必 要 性 ・ 意 義 サ ー ビ ス 向 上 の た め の 顧 客 視 点 施 策 内 容 紹 介 第2編 デ ジ タ ル ツ ー ル を 用 い た 1 3 施 策 参 考 : 窓 口 業 務 改 善 の 実 践 事 例 実 践 手 順 詳 細 第3編 窓 口 業 務 改 善 の 4 ス テ ッ プ 参 考 : ス モ ー ル ス タ ー ト と ア ジ ャ イ ル 迷わない 待たない キャッシュレス 効率化 書かない 窓口にタブレット端末を設置して、 申請者がその場で電子申請を行う ことで、申請情報のデータ化や ペーパーレス化が可能となります。 導入の際は、「PDF形式の申請書 に電子ペンで記入する」などの方 法が考えられます。また、タブ レット端末に不慣れな申請者への フォロー体制を整備することで、 申請者が安心して申請入力を行う ことができ、電子での申請の利用 促進にもつながります。 デジタルツール を用いた13施策 Web上の申請サービス 例)Web上の申請サービスをタブレットで表示
  35. 40 施策 :申請書作成用端末の導入 H 2 -H 進め方(例) 実 施 内

    容 期 間 目 安 ツール検討 テスト 機器調達 本運用開始 1 2 3 4 約8週間 約3週間 約4週間 約4週間 製品の選定・購入 • 窓口で利用する機器(タブ レットや、タッチペン、キー ボードなど)を検討する • 利用する機器の種類や導入 数などを整理する • 整理結果に基づいて製品を 選定・購入する ツール選定・導入 • タブレットからの申請書を 記入する際の読み取り精度な どを確認した上でツールを選 定し、必要に応じてタブレッ トに追加のソフトウェアをイ ンストールする タブレットからの利用確 認 • タブレットのタッチペンや キーボード入力により、申請 書の作成が問題なく利用でき ることを確認する • 申請者のスマートフォン等 の端末から申請を受け付ける 場合は、問題なく利用できる ことを確認する 窓口対応内容の検討 • 窓口で申請書を作成する際 はタブレットや申請者のス マートフォンを利用する前提 で窓口での対応フローを検討 する 担当者への周知 • 検討内容を必要に応じてマ ニュアル等にとりまとめ、担 当者に周知する 本ページでは、申請書を電子化することで「書かない」窓口を実現する施策を紹介しています。また区市町村では、電子申請とは別の窓口対応用のシステム を導入することで、申請者の記載項目の削減や職員の効率的な確認を実現している事例もあります。 ⇒関連参考資料:p.57 基 本 的 な 考 え 方 第1編 窓 口 業 務 改 善 の 必 要 性 ・ 意 義 サ ー ビ ス 向 上 の た め の 顧 客 視 点 施 策 内 容 紹 介 第2編 デ ジ タ ル ツ ー ル を 用 い た 1 3 施 策 参 考 : 窓 口 業 務 改 善 の 実 践 事 例 実 践 手 順 詳 細 第3編 窓 口 業 務 改 善 の 4 ス テ ッ プ 参 考 : ス モ ー ル ス タ ー ト と ア ジ ャ イ ル 迷わない 待たない キャッシュレス 効率化 書かない デジタルツール を用いた13施策
  36. 41 施策 :申請書作成でのAI-OCR・RPAの活用 詳細 • 窓口にて申請書を記載する場合、本人確認書類(免許証、マイナンバーカード等)や 別書類に記載されている項目をAI-OCRで読み取り、RPAを用いて申請書へプレ印字する 施策の機能 導入方針 •

    庁内で提供されているAI-OCR及びRPAツールを活用するなど、各局等で推進する 想定タスク・ 負荷 • 業務フロー整理、運用・セキュリティルール検討、運用・帳票改善、ツールの利用準備・機器の 調達、AI-OCRの帳票定義、RPAの設定、テスト実行等 I 2 -I ・必要な情報が記載されている別書類をAI-OCRなどのツールで読み取り、 RPAで申請書や届出に反映させて、手書きが必要な項目を減らす 状況 課題 • 申請の度に申請者の基本情報を手書きする必要がある • 申請書に記入ミスがあった場合、一から書き直すことがある • 申請書に書かれた情報を職員がシステムへ転記する必要がある • 申請書や受付シートを窓口にて手書きで記入する必要がある • 申請書とは別の書類に記載がある情報(住所・氏名など)も全て手書きで記入する必要がある 効果 都民 職員 定性効果 • 申請書を書く手間の削減 • 申請書の内容確認の効率化 定量効果 • 窓口での手続き時間の短縮 • 申請書入力~審査完了までの対応時間短縮 =申請書入力~審査完了までの平均対応時 間×窓口申請の件数 ◦×◦× 本人確認書類 AI-OCRで読み取り RPAで申請書フォーマットの 該当箇所へ自動入力、プレ印字 氏名 ◦×◦× AAA BBB ◦◦◦申請書 基 本 的 な 考 え 方 第1編 窓 口 業 務 改 善 の 必 要 性 ・ 意 義 サ ー ビ ス 向 上 の た め の 顧 客 視 点 施 策 内 容 紹 介 第2編 デ ジ タ ル ツ ー ル を 用 い た 1 3 施 策 参 考 : 窓 口 業 務 改 善 の 実 践 事 例 実 践 手 順 詳 細 第3編 窓 口 業 務 改 善 の 4 ス テ ッ プ 参 考 : ス モ ー ル ス タ ー ト と ア ジ ャ イ ル 迷わない 待たない キャッシュレス 効率化 書かない 窓口での申請に必要な氏名・事業 者情報・住所等の基本情報が別の 本人確認書類等に記載されている 場合、AI-OCRやRPAツールに よってこれらの情報を読み取り活 用することで、申請書へ転記する 負担を軽減することができます。 紙情報のデータ化が進み、利便性 の向上に加えて、受付に要する時 間が短縮されて他の利用者の待ち 時間が緩和されるとともに、職員 のデータ管理の効率化にもつなが ります。 デジタルツール を用いた13施策
  37. 42 施策 :申請書作成でのAI-OCR・RPAの活用 I 2 -I 進め方(例) 実 施 内

    容 期 間 目 安 実装 テスト・修正 事前検討 トレーニング・ 本運用開始 1 2 3 4 約4~6週間 業務フロー整理 • 対象業務のフローを整理し、どの作 業をAI-OCR・RPAに置換するかを検討 する • AI-OCR導入に伴いタブレットやス キャナー等、新たに調達が必要な機器 があるかを確認する 運用・セキュリティルール検討 • AI-OCRサービスへの帳票データの アップロードが、該当業務の運用ルー ルやセキュリティルール上問題ないか 検討する 帳票分析・改善要否検討 • AI-OCRが苦手とする特徴がないか チェックし、読取に適さない特徴があ れば改善可能か、難しい場合は一部手 作業の運用を残すか等を検討する 約4~6週間 テスト • AI-OCR・RPAを組み 合わせて業務が問題な く流れるか、テストを 実行する テスト実施後の修正 • テスト実施結果を受 けて、業務フローどお りに動作するよう、 AI-OCR・RPAの設定 を修正する 約4~6週間 マニュアル作成 • AI-OCR・RPAの利用方 法について職員向けのマ ニュアルを作成する トレーニング実施 • マニュアルを元に、貴 局内のシステム管理者に トレーニングを行う 本運用開始 • テスト実行における読 取精度・作業時間の結果 に問題がなければ、対象 帳票全量に対してAI- OCRの読取・RPAによる 運用を開始する 約12週間 運用・帳票改善 • 運用ルールや帳票フォーマットに変 更改善の必要がある場合は、変更内 容を検討し変更を実施する ツールの利用準備・機器の調達 • AI-OCR・RPAのツール利用のため の手続きや、必要な機器の調達を行 う AI-OCRの帳票定義 • 本運用前に帳票定義を作成し、無作 為に抽出した帳票データを使用して 読み取りテストを行う RPAの設定 • AI-OCR読取り後に出力される電子 データの情報を利用して、RPAの設 定を行う AI-OCRを用いて別書類から必要情報を読み取る場合、事前に帳票定義が必要です。申請者により提示する帳票が異なったり、同帳票でもフォーマットが異なる 場合、それぞれ帳票を定義する必要があります。AI-OCRが読み取りやすくするため、帳票フォーマットの改善・統一を可能な範囲で進め、そのような対応が難 しい場合は、提示されることが多い帳票を取捨選択して帳票を定義することが必要です。 基 本 的 な 考 え 方 第1編 窓 口 業 務 改 善 の 必 要 性 ・ 意 義 サ ー ビ ス 向 上 の た め の 顧 客 視 点 施 策 内 容 紹 介 第2編 デ ジ タ ル ツ ー ル を 用 い た 1 3 施 策 参 考 : 窓 口 業 務 改 善 の 実 践 事 例 実 践 手 順 詳 細 第3編 窓 口 業 務 改 善 の 4 ス テ ッ プ 参 考 : ス モ ー ル ス タ ー ト と ア ジ ャ イ ル 迷わない 待たない キャッシュレス 効率化 書かない デジタルツール を用いた13施策
  38. 43 施策 :窓口のキャッシュレス化 詳細 • マルチ決済端末を用いて、クレジットカード、電子マネー、QRコード決済に対応する • キャッシュレス端末・POSレジからレシートの自動出力を行う 施策の機能 導入方針

    • 各局等において推進する 想定タスク・ 負荷 • 金銭出納員のキャッシュレス導入後の業務整理、金銭出納員口座開設、 各種データベース作成(単価・ID)等 J 2 -J ・POSレジシステムを窓口に導入し、キャッシュレスで手数料を収受する ・キャッシュレス端末・POSレジから、レシートの自動出力を行う 状況 課題 • 決済方法が現金のみに限定されている • レシート・領収書を手書きで発行している • 窓口での手数料決済方法は現金のみである • 手書きの領収書作成やレシート発行の手間が発生している 効果 都民 職員 定性効果 • ニーズに応じた支払方法が選択できる • 現金準備の手間削減 • 現金の取り扱いに伴うリスクの低減 定量効果 • 決済時間の短縮 • 決済時間の短縮 =平均決済時間×決済方法ごとの件数 • 領収書発行時間の短縮 =平均発行時間×発行枚数 • 決済金額集計時間の短縮 基 本 的 な 考 え 方 第1編 窓 口 業 務 改 善 の 必 要 性 ・ 意 義 サ ー ビ ス 向 上 の た め の 顧 客 視 点 施 策 内 容 紹 介 第2編 デ ジ タ ル ツ ー ル を 用 い た 1 3 施 策 参 考 : 窓 口 業 務 改 善 の 実 践 事 例 実 践 手 順 詳 細 第3編 窓 口 業 務 改 善 の 4 ス テ ッ プ 参 考 : ス モ ー ル ス タ ー ト と ア ジ ャ イ ル 迷わない 待たない キャッシュレス 効率化 書かない 現金以外の支払方法を用意するこ とで、利用者側の利便性向上とと もに、職員の手数料(現金)管理 や領収書作成の負担が軽減され、 効率的な対応が可能になります。 導入機種により、端末1台でクレ ジットカード、電子マネー、QR コード決済に対応することが可能 です。 デジタルツール を用いた13施策
  39. 44 施策 :窓口のキャッシュレス化 J 2 -J 進め方(例) 受託業者主体タスク 各局主体タスク 基

    本 的 な 考 え 方 第1編 窓 口 業 務 改 善 の 必 要 性 ・ 意 義 サ ー ビ ス 向 上 の た め の 顧 客 視 点 施 策 内 容 紹 介 第2編 デ ジ タ ル ツ ー ル を 用 い た 1 3 施 策 参 考 : 窓 口 業 務 改 善 の 実 践 事 例 実 践 手 順 詳 細 第3編 窓 口 業 務 改 善 の 4 ス テ ッ プ 参 考 : ス モ ー ル ス タ ー ト と ア ジ ャ イ ル 迷わない 待たない キャッシュレス 効率化 書かない デジタルツール を用いた13施策 実 施 内 容 期 間 目 安 約12週間 約16週間 約20週間 局内の出納業務検討 • キャッシュレス導入後の局内の出納 業務の詳細を検討する 金銭出納員口座開設 • 窓口利用者がキャッシュレス決済し た手数料等が振り込まれる口座とな る、「金銭出納員口座」を、金銭出 納員が作成する キャッシュレス端末の選定・調達 • キャッシュレス端末の調達契約を締 結する 選定・調達 1 新業務に向けた準備 2 ハードウェア配備 • 調達したハードウェアを、各局に配 備する ハードウェア配備 3 指定納付受託者の選定・協定締結 • キャッシュレスによる手数料支払の 受領と都への送金を行う指定納付受託 者を選定し、協定等を締結します キャッシュレス端末の設定 • 手数料等の単価や、職員に割り振る ログインIDのデータベースを作成する 東京都では、デジタルサービス局の2024年度「キャッシュレス」事業にて、窓口のキャッシュレス化を推進予定です。
  40. 45 施策 :電子署名を用いた許可証等の電子交付 詳細 • 知事・局長の電子署名を用いて、電子文書が東京都において作成され、改変されていないことを 電子的に証明したうえで、事業者証、許可証等を電子交付する • 電子交付においては、電子申請との親和性が高いため、手続書類の到着に要する時間の短縮等を メリットに、申請者へ周知を行う

    施策の機能 導入方針 • 令和5年に知事の電子署名の導入を開始している • 電子交付のルールについては、各局ごとに規程やルールに従い、推進する 想定タスク・ 負荷 • 電子署名の仕様検討・調達、電子署名作成、関係部署への周知、申請者への周知等 K 2 -K ・電子署名を用いて、許可証や事業者証等を電子で交付する ※都のシステムを用いた申請の場合、その申請に対する処分通知の交付は電子署名を省略可 状況 課題 • 郵送準備や書類発送~到着までに時間を要するため、書類交付までの時間が長期化している • 申請書・届出書の写し、事業者証、許可書等を手渡しまたは郵送で交付している 効果 都民 職員 定性効果 • 交付ステータスの把握容易化 • 書類の回覧・交付書類郵送の手間削減 • 紙書類の管理・紛失リスク低減 定量効果 • 交付書類受領までの日数短縮 • 交付書類発送事務作業時間の減少 =(郵送時平均作業時間×郵送交付件数)+ (電子交付時平均作業時間×電子交付件数) 申請者 窓口所管 ①申請: or 紙 ②審査・事務処理等 ③書類電子交付 印 ※電子署名イメージ 基 本 的 な 考 え 方 第1編 窓 口 業 務 改 善 の 必 要 性 ・ 意 義 サ ー ビ ス 向 上 の た め の 顧 客 視 点 施 策 内 容 紹 介 第2編 デ ジ タ ル ツ ー ル を 用 い た 1 3 施 策 参 考 : 窓 口 業 務 改 善 の 実 践 事 例 実 践 手 順 詳 細 第3編 窓 口 業 務 改 善 の 4 ス テ ッ プ 参 考 : ス モ ー ル ス タ ー ト と ア ジ ャ イ ル 迷わない 待たない キャッシュレス 効率化 書かない 電子署名は、電子文書に対して付 与されるサインです。 本人によ る署名であることや、内容が改ざ んされていないことを証明する機 能があります。書類を電子交付す る場合は、申請者の了承を確認す るためのチェック欄を申請フォー ムや申請書に設ける、またはメー ル申請の場合にメール文中に記載 を求める等、申請者の意思確認が 必要となります。 デジタルツール を用いた13施策
  41. 46 施策 :電子署名を用いた許可証等の電子交付 K 2 -K 進め方(例) 基 本 的

    な 考 え 方 第1編 窓 口 業 務 改 善 の 必 要 性 ・ 意 義 サ ー ビ ス 向 上 の た め の 顧 客 視 点 施 策 内 容 紹 介 第2編 デ ジ タ ル ツ ー ル を 用 い た 1 3 施 策 参 考 : 窓 口 業 務 改 善 の 実 践 事 例 実 践 手 順 詳 細 第3編 窓 口 業 務 改 善 の 4 ス テ ッ プ 参 考 : ス モ ー ル ス タ ー ト と ア ジ ャ イ ル 迷わない 待たない キャッシュレス 効率化 書かない デジタルツール を用いた13施策 実 施 内 容 期 間 目 安 事前検討 1 電子交付 ツール選択 2 初期設定 3 テスト・ トレーニング 4 本番稼働 5 約4~6週間 約8週間 約8週間 約8~12週間 スコープのすり合わ せ • 電子署名・電子交付 を導入する手続を検討 する 規制・ルール検討 • 上記で検討した手続 に電子署名・電子交付 を導入することが規 制・ルール上問題ない ことを確認する • 都民が交付書類を掲 示する必要がある場合 は、書類が電子化され た際どのように対応す るかを検討する ツール選択 • 電子署名・電子交付 導入が現行業務にどう 影響するかを整理し、 導入後の業務の流れを 詳細化する • 都が使用するシステ ムにより申請され、そ の申請内容について処 分通知を交付する場合 には、電子署名を省略 が可能であるため、整 理した内容を元に、電 子交付を行うツールを 決定する 初期設定 • 電子署名導入のため の以下のような初期設 定を行う ∙ 端末管理者権限 ∙ ICカード登録 ∙ 関連アプリケー ションインストー ル ∙ 電子署名登録 ∙ タイムスタンプ設 定 等 テスト実施 • システムが正しく動 作し、電子署名を付与 できているかを確認す る • 利用者が用いる可能 性のある動作環境で表 示可能なことを確認す る トレーニング • マニュアルを元に、 担当職員が電子署名・ 電子交付を実施できる ようトレーニングを行 う 約4~6週間 都民への周知 • ホームページの関連 ページに電子署名・電 子交付を導入する旨を 掲載する • 書類掲載の仕方等既 存ルールに変更がある 場合は、変更後のルー ルを掲載する 東京都では「都が使用するシステムにより申請され、その申請内容について処分通知を交付する場合には、都が作成した文書であることが明白であり、その真 正性が担保されることから、交付物の電子署名を省略する」と定めています。よって、当該「都が使用するシステム」を介して申請と交付を行う場合には電子 署名の整備を待たずに施策実行が可能です。
  42. 47 施策 :資料の電子化によるホームページ公開 詳細 • 紙媒体の資料を電子化し、ホームページ上で利用者が閲覧できる環境を整備する • 電子化に際しては、個人情報や著作権の削除等に配慮する 施策の機能 導入方針

    • 必要に応じて委託を発注し、各局等で推進する 想定タスク・ 負荷 • 事前検討、ツール選定・調達、データ準備、公開準備・テスト、本番稼働 L 2 -L ・紙資料を電子化し、ホームページ上で利用者が閲覧できる環境を整備する 状況 課題 • 窓口を訪れなければ閲覧できない資料がある • 資料閲覧のためだけに来庁する利用者がいる • 資料が紙媒体であるため、利用者は窓口を訪れて閲覧する必要がある 効果 都民 職員 定性効果 • 資料閲覧時の手間削減 定量効果 • 窓口での閲覧回数減少 • 窓口での閲覧業務対応時間短縮 =平均閲覧対応時間×窓口での閲覧件数 ◦◦◦情報等インターネット 提供サービス お知らせ 20XX-X-XX △△情報を公開しました 資料検索 △△情報 ××情報 ▼▼情報 基 本 的 な 考 え 方 第1編 窓 口 業 務 改 善 の 必 要 性 ・ 意 義 サ ー ビ ス 向 上 の た め の 顧 客 視 点 施 策 内 容 紹 介 第2編 デ ジ タ ル ツ ー ル を 用 い た 1 3 施 策 参 考 : 窓 口 業 務 改 善 の 実 践 事 例 実 践 手 順 詳 細 第3編 窓 口 業 務 改 善 の 4 ス テ ッ プ 参 考 : ス モ ー ル ス タ ー ト と ア ジ ャ イ ル 迷わない 待たない キャッシュレス 効率化 書かない 資料の閲覧など、インターネット 上に情報公開することで窓口へ来 訪する手間を省けるものは、ホー ムページを活用することで利用者 の利便性を向上させることができ ます。ホームページに資料掲載す る際は、画面レイアウトや解像度、 ファイルサイズに配慮して、わか りやすい情報提供を行うことが重 要です。また、ホームページにサ イト内検索の機能を設けることで、 必要な情報にすばやくたどり着く ことができます。 デジタルツール を用いた13施策
  43. 48 施策 :資料の電子化によるホームページ公開 L 2 -L 進め方(例) 実 施 内

    容 期 間 目 安 事前検討 1 ツール選定・ 調達 2 データ準備 3 公開準備・ テスト 4 本番稼働 5 約16週間 約16週間 約8週間~ 約4~8週間 対象資料の決定 • 電子化し、ホーム ページ上で公開する資 料を決定する • 上記で検討した資料 に個人情報や著作権に 関わる記載がないかを チェックし、該当する 場合は対応を行う 仕様検討 • ホームページ上で公 開する際の仕様を整理 する • 委託が必要な作業が ある場合は調達仕様書 を作成する ツール選定 • 機能・予算等を比較 検討し、資料をホーム ページ上で公開する際 に必要な形式・システ ムを選定し調達する • 最適な委託事業者を 選定する 紙資料の電子化 • 紙の資料をスキャン し、必要なデータ形式 に変換する • スキャンしたデータ を確認し、必要に応じ て解像度・明るさ・コ ントラストを調整する 公開準備 • 資料をどのような分 類で公開するかを検討 する テスト実施 • 都民が閲覧しやすい 構成で、問題なく資料 を閲覧できるかを確認 する • 利用者が用いる可能 性のある動作環境で表 示可能なことを確認す る 約2週間 資料の公開 • ホームページにデー タをアップロードし、 公開する • 都民に対象資料が ホームページ上で閲覧 可能となった旨を周知 する ※資料の量により変動 資料の量により変動はありますが、一般的に紙資料の電子化は導入時の費用・時間・労力の面で負荷が重い場合が多いため、電子化のスコープや実施体制、 実施時期について関係者間で慎重な検討が必要です。状況に応じて、委託を発注し職員が注力するタスクとそれ以外を区別しながら推進しましょう。 基 本 的 な 考 え 方 第1編 窓 口 業 務 改 善 の 必 要 性 ・ 意 義 サ ー ビ ス 向 上 の た め の 顧 客 視 点 施 策 内 容 紹 介 第2編 デ ジ タ ル ツ ー ル を 用 い た 1 3 施 策 参 考 : 窓 口 業 務 改 善 の 実 践 事 例 実 践 手 順 詳 細 第3編 窓 口 業 務 改 善 の 4 ス テ ッ プ 参 考 : ス モ ー ル ス タ ー ト と ア ジ ャ イ ル 迷わない 待たない キャッシュレス 効率化 書かない デジタルツール を用いた13施策
  44. 49 施策 :AI-OCR・RPAでの申請書類チェック 詳細 • AI-OCRを用いて、手書きの申請書から該当箇所を読み取り、RPAを用いて、読み取った結果の うち必要情報を該当システムに連携することで、二次チェックのみを人力で行う 施策の機能 導入方針 •

    庁内で提供されているAI-OCR及びRPAツールを活用するなど、各局等で推進する 想定タスク・ 負荷 • 業務フロー整理、運用・セキュリティルール検討、運用・帳票改善、ツールの利用準備・機器の 調達、AI-OCRの帳票定義、RPAの設定、テスト実行等 M 2 -M ・RPAを用いて審査項目の取り込み~チェックまでを自動化する ・AI-OCRによる紙の申請書・届出内容のシステムへの自動取込を行う 状況 課題 • 申請書類の記入漏れ・記載不備を職員が目視でチェックしている • 申請情報を職員がチェック後、システムへ転記する必要がある • 申請書類・交付書類のダブルチェックが必要で職員の工数がとられている • 確認すべき書類や項目が多く、審査に時間を要している • 申請書類を目視で確認しているためミスが起こるリスクがあり、ダブルチェックが必要である 効果 都民 職員 定性効果 • 個別の事情に応じた対応に注力できる • 入力・チェック業務の精度向上 定量効果 • 事務処理時間短縮による標準処理期間短縮 • 事務処理時間の短縮 =平均事務処理時間×処理件数 基 本 的 な 考 え 方 第1編 窓 口 業 務 改 善 の 必 要 性 ・ 意 義 サ ー ビ ス 向 上 の た め の 顧 客 視 点 施 策 内 容 紹 介 第2編 デ ジ タ ル ツ ー ル を 用 い た 1 3 施 策 参 考 : 窓 口 業 務 改 善 の 実 践 事 例 実 践 手 順 詳 細 第3編 窓 口 業 務 改 善 の 4 ス テ ッ プ 参 考 : ス モ ー ル ス タ ー ト と ア ジ ャ イ ル 迷わない 待たない キャッシュレス 効率化 書かない AI-OCRを用いることで、申請書 の指定欄に記載された情報だけで なく、自由記述式の記入欄や複数 行で書かれた「手書き文字」の読 み取りも可能です。データ化した 情報をもとに、RPAを活用して内 容の一時チェックまでを自動化す ることで、確実で効率的な事務処 理を行うことができます。職員の 負担軽減だけでなく、審査期間等 の短縮にもつながり、利用者への サービスの質を向上させることが できます。 デジタルツール を用いた13施策 著作権の関係により、 イメージ図は削除
  45. 50 施策 :AI-OCR・RPAでの申請書類チェック M 2 -M 実 施 内 容

    期 間 目 安 実装 テスト・修正 事前検討 トレーニング・ 本運用開始 1 2 3 4 約4~6週間 約12週間 業務フロー整理 • 対象業務のフローを整理し、どの作 業をAI-OCR・RPAに置換するかを検討 する • AI-OCR導入に伴いタブレットやス キャナー等、新たに調達が必要な機器 があるかを確認する 運用・セキュリティルール検討 • AI-OCRサービスへの帳票データの アップロードが、該当業務の運用ルー ルやセキュリティルール上問題ないか 検討する 帳票分析・改善要否検討 • AI-OCRが苦手とする特徴がないか チェックし、読取に適さない特徴があ れば改善可能か、難しい場合は一部手 作業の運用を残すか等を検討する 運用・帳票改善 • 運用ルールや帳票フォーマットに変 更改善の必要がある場合は、変更内 容を検討し変更を実施する ツールの利用準備・機器の調達 • AI-OCR・RPAのツール利用のため の手続きや、必要な機器の調達を行 う AI-OCRの帳票定義 • 本運用前に帳票定義を作成し、無作 為に抽出した帳票データを使用して 読み取りテストを行う RPAの設定 • AI-OCR読取り後に出力される電子 データの情報を利用して、RPAの設 定を行う 約4~6週間 テスト • AI-OCR・RPAを組み 合わせて業務が問題な く流れるか、テストを 実行する テスト実施後の修正 • テスト実施結果を受 けて、業務フローどお りに動作するよう、 AI-OCR・RPAの設定 を修正する 約4~6週間 マニュアル作成 • AI-OCR・RPAの利用方 法について職員向けのマ ニュアルを作成する トレーニング実施 • マニュアルを元に、貴 局内のシステム管理者に トレーニングを行う 本運用開始 • テスト実行における読 取精度・作業時間の結果 に問題がなければ、対象 帳票全量に対してAI- OCRの読取・RPAによる 運用を開始する 進め方(例) 基 本 的 な 考 え 方 第1編 窓 口 業 務 改 善 の 必 要 性 ・ 意 義 サ ー ビ ス 向 上 の た め の 顧 客 視 点 施 策 内 容 紹 介 第2編 デ ジ タ ル ツ ー ル を 用 い た 1 3 施 策 参 考 : 窓 口 業 務 改 善 の 実 践 事 例 実 践 手 順 詳 細 第3編 窓 口 業 務 改 善 の 4 ス テ ッ プ 参 考 : ス モ ー ル ス タ ー ト と ア ジ ャ イ ル 迷わない 待たない キャッシュレス 効率化 書かない デジタルツール を用いた13施策
  46. 51 3 すべての人が便利で快適な サービスの実現に向けて ユニバーサルデザインで、あらゆる人々が使いやすい サービスを設計しましょう 誰もがアクセスできる使いやすいサービ スは、健常者や日本で生まれた人だけで なく、障害の有無や国籍、言語、文化、 世代等を問わず、すべての人のためにあ

    ります。障害やその他の事情へ配慮した サービスは、健常者など多くの人にとっ ても、よりやさしいサービスです。この ように、幅広くユーザー像をとらえるこ とがサービスの質向上には不可欠です。 (参考) ユーザビリティ ≒使いやすさ アクセシビリティ ≒さまざまな人にとっての使いやすさ (利用者を選ばない・誰でも使いやすい) ユニバーサルデザイン ≒年齢・性別・障害の有無などを問わず、 すべての人々が使いやすいことを前提に デザインすること バリアフリー: もともとは建築用語として、道路や建築物の出入口の段差な ど物理的なバリア(障壁)の除去という意味で使われてきた。 現在では、障害のある人や高齢者だけでなく、あらゆる人の社 会参加を困難にしているすべての分野でのバリア(障壁)の除 去、という意味で用いられている。 ・ ・ ・ 新しい障壁が 生じないよう あらかじめ デザインする 基 本 的 な 考 え 方 第1編 窓 口 業 務 改 善 の 必 要 性 ・ 意 義 サ ー ビ ス 向 上 の た め の 顧 客 視 点 施 策 内 容 紹 介 第2編 デ ジ タ ル ツ ー ル を 用 い た 1 3 施 策 参 考 : 窓 口 業 務 改 善 の 実 践 事 例 実 践 手 順 詳 細 第3編 窓 口 業 務 改 善 の 4 ス テ ッ プ 参 考 : ス モ ー ル ス タ ー ト と ア ジ ャ イ ル ユニバーサルデザインの例 ▶ 外国人等にもわかりやすい案内板 施設内のトイレ案内板につき、各種トイレの 機能(オストメイト用設備、ベビーチェア、ベ ビーベッドなど)をピクトグラムで表現 【有明アリーナ】 ▶ 遠隔手話通訳(QRコードの利用) スマートフォンやタブレット端末などのビデ オ通話機能を使って、離れた場所で待機す る手話通訳者が画面越しに手話通訳を行う 【東京都福祉局】 ▶ 電話代理支援 ビデオ通話等により聴覚障害者からの問合 せをオペレーターが手話等で受け付け、本 人の代わりに東京都へ音声電話をかける 【東京都福祉局】 デジタルツール を用いた13施策
  47. 53 ◦◦◦ ご入力いただいた内容で検索した 結果はこちらです。 ◦◦◦を発行するための手続 きが知りたい ◦◦◦を変更するための手続 きが知りたい ◦◦◦を発行するための手続きが 知りたい

    参考: 窓口業務改善 の実践事例 1 - 1 (事例1) AIチャットボットを活用した申請方法案内の効率化 チャットボットを活用して申請方法を案内することで、申請者の利便性向上と職員の 相談対応業務の効率化に取り組んでいる AIチャットボット 導入したデジタルツール: コスト 期 間 約6か月 ※庁内手続(5か月間)を含む 過去の問い合わせ履歴や、担当職員から対応状 況を収集し、検索される確度の高いシナリオ設 計に努めた チャットボットで必要情報にスムーズに到達 できるよう、都民視点での設計が求められた ポイント 局のホームページに導入していたチャットボット内で申請手続に関するページの案内ができるよう、 FAQを整備した 概 要 (定性効果) 問合せの手間削減による都民の利便性向上 効 果 (定量効果) 1件あたりの電話対応時間の減少と 対応回数の減少(※見込み) 申請手続を行おうとする場合、局へ電話にて問合せを行うか、申請者自ら局のホームページを 閲覧し該当ページを探し出さなければ、必要書類等の様式や手続方法等についての確認ができ なかった ①既に局のホームページに導入していたチャットボットに申請に関する問い合わせがあった場 合、該当ページを案内するようFAQを整備した ②申請手続は、申請者が手続方法を局のホームページから確認できるようにすることで、窓口 に行かずに手続をオンラインで完結しやすくなる (課題) (対策) B P R 基 本 的 な 考 え 方 第1編 窓 口 業 務 改 善 の 必 要 性 ・ 意 義 サ ー ビ ス 向 上 の た め の 顧 客 視 点 施 策 内 容 紹 介 第2編 デ ジ タ ル ツ ー ル を 用 い た 1 3 施 策 参 考 : 窓 口 業 務 改 善 の 実 践 事 例 実 践 手 順 詳 細 第3編 窓 口 業 務 改 善 の 4 ス テ ッ プ 参 考 : ス モ ー ル ス タ ー ト と ア ジ ャ イ ル 導入体制 チャットボットの主管部署が更新内容を取り まとめ、ベンダーと連携しながら更新作業を 実施 10~50万円 運用費用 ※
  48. 54 1 - 2 (事例2) 都税事務所等窓口での手数料収納のキャッシュレス化 手数料収納機にキャッシュレス端末を取り付け、キャッシュレスでの手数料決済に対 応することで、都民からの要望や職員からの提案を実現した 職員に対して説明会を実施して意見を聴取し、庁内 関係部署や加盟店契約会社等との調整を繰り返すこ

    とにより、事務フローを固め、マニュアル(手順書) 等に落とし込んだ マルチ決済端末 導入したデジタルツール: 導入するキャッシュレス決済の種類が多岐にわた り、また全都税事務所・都税支所への導入となる ため新たな事務処理手順の整理等に時間を要した ポイント これまで都税事務所等窓口での都税証明等の手数料の収納は現金のみ対応が可能であったが、新たに キャッシュレス決済を導入した 概 要 都税事務所等窓口では手数料収納機により現金のみで手数料を収納していたが、都民からの要 望や、都税事務所職員からの職員提案にて、キャッシュレス化への根強い要望があった ①都税事務所25か所、都税支所4か所の証明窓口における、各種証明・閲覧にかかる手数料の 収納方法として、キャッシュレス決済を導入した ②手数料収納機に、以下のようなキャッシュレス決済機能を追加した クレジットカード(非接触IC) / コード決済 / 電子マネー (課題) (対策) B P R 出所 窓口における各種証明書等の手数料の支払いにキャッ シュレス決済を導入します – シン・トセイ (tokyo.lg.jp) 参考: 窓口業務改善 の実践事例 基 本 的 な 考 え 方 第1編 窓 口 業 務 改 善 の 必 要 性 ・ 意 義 サ ー ビ ス 向 上 の た め の 顧 客 視 点 施 策 内 容 紹 介 第2編 デ ジ タ ル ツ ー ル を 用 い た 1 3 施 策 参 考 : 窓 口 業 務 改 善 の 実 践 事 例 実 践 手 順 詳 細 第3編 窓 口 業 務 改 善 の 4 ス テ ッ プ 参 考 : ス モ ー ル ス タ ー ト と ア ジ ャ イ ル 効 果 【都 民】キャッシュレス決済が利用可能になることによる都民の利便性向上
  49. 55 1 - 3 (事例3) 紙資料の電子化によるホームページ公開 紙資料を電子化し、ホームページ上で公開することで、都民の利便性向上と職員の対 応業務の効率化に取り組んでいる 資料の電子化に際して委託を発注することで、 職員が注力するタスクとの棲み分けを明確化し

    て推進した 導入したデジタルツール: コスト 100~500万円 期 間 約2年間 該当資料から個人情報や著作権を削除する必 要があり、実施の負荷が高いと想定された ポイント 窓口を訪問しないと閲覧できなかった紙資料を電子化し、ホームページにて閲覧できるようにした 概 要 該当資料の閲覧方法は紙のみに限られており、閲覧を希望する都民は窓口への来庁が必要で あった 局ホームページで公開されているシステム上にて該当資料の内容を一般公開する ※該当資料の一部については、2023年7月から取組を開始して既に対応が完了し、 ホームページ上で公開している (課題) (対策) B P R 該当資料に関する 情報管理システム ◦◦◦情報等 インターネット提供サービス お知らせ 20XX-X-XX △△情報を公開しました 資料検索 △△情報 ××情報 ▼▼情報 参考: 窓口業務改善 の実践事例 基 本 的 な 考 え 方 第1編 窓 口 業 務 改 善 の 必 要 性 ・ 意 義 サ ー ビ ス 向 上 の た め の 顧 客 視 点 施 策 内 容 紹 介 第2編 デ ジ タ ル ツ ー ル を 用 い た 1 3 施 策 参 考 : 窓 口 業 務 改 善 の 実 践 事 例 実 践 手 順 詳 細 第3編 窓 口 業 務 改 善 の 4 ス テ ッ プ 参 考 : ス モ ー ル ス タ ー ト と ア ジ ャ イ ル 効 果 導入体制 電子化を事務所担当者6名および 委託にて実施し、本庁にてシス テム反映を行った (定性効果) 【都 民】資料の閲覧のみで来庁する必要がなくなり、 窓口でより質の高いサービスを受けられる 【職 員】高付加価値業務に時間を割きやすくなる
  50. 56 1 - 4 (事例4) オンライン会議システムを利用した説明会の実施 毎年度末に実施する事業者説明会をオンラインで開催したことで、事業者と職員の負 担軽減とペーパレス化に取り組んでいる Microsoft Teams

    導入したデジタルツール: コスト 期 間 約9か月 ※局内での企画・調整期間 を含む ・Microsoft Teamsに不慣れな事業者に対しては、 事前に操作方法の相談に応じた ・オンライン説明会への参加が難しい事業者に 対しては、対面で個別相談を実施 Microsoft Teamsでの参加が難しい事業者 がいると想定された ポイント 毎年度末に、事業者を会議室に集めて対面で実施していた説明会を、Microsoft Teamsを用いてオン ラインで開催した 概 要 ・コロナ禍により対面での説明会が2年間中止となった ・都外の事業者がおり、対面での説明会参加に負担を感じる事業者がいると想定された ①オンライン会議システム(Microsoft Teams)を利用し、リンクを知っている人のみが 参加可能かつ、参加時は担当職員の許可制で入室できるオンライン説明会を行った ②オンライン会議システムの中でも、アプリの追加インストールが不要なMicrosoft Teamsを 選択したことで、事業者がオンラインにて参加する際のハードルを低くした (課題) (対策) B P R なし 参考: 窓口業務改善 の実践事例 基 本 的 な 考 え 方 第1編 窓 口 業 務 改 善 の 必 要 性 ・ 意 義 サ ー ビ ス 向 上 の た め の 顧 客 視 点 施 策 内 容 紹 介 第2編 デ ジ タ ル ツ ー ル を 用 い た 1 3 施 策 参 考 : 窓 口 業 務 改 善 の 実 践 事 例 実 践 手 順 詳 細 第3編 窓 口 業 務 改 善 の 4 ス テ ッ プ 参 考 : ス モ ー ル ス タ ー ト と ア ジ ャ イ ル 効 果 導入体制 担当職員2名で推進した (定性効果) 【都 民】来所する負担の削減 【職 員】会場設営の業務削減 (定量効果) 説明会資料900枚のペーパーレス化 (30枚×30部分)
  51. 57 「書かない」窓口の取組事例は区市町村に多く、複数の実現手段を組み合わせた運用や電子申請以外に窓 口対応用のシステムを導入している傾向があります。 2 ◆ 参考掲載:「書かない」窓口 実践事例 参考: 窓口業務改善 の実践事例

    ①住民が専用Webサイトへ事前入力 • 住民がスマートフォン等を通して専用Webサイト上で届出内容を事前に入力すると二次元コードが作成される。来庁時は職員が二次元 コードを読み取って後続作業を進めることで、住民の申請書作成の手間を削減した。加えて、住民が事前に作成した申請データは自治体 側のシステムへ自動で取り込まれるため、職員の事務処理も効率化できる。 • 導入自治体例:東京都港区(NEC、東京都港区から窓口総合支援システムを受注 (2021年3月11日): プレスリリース | NEC) ②職員が聞き取り+住民がタブレット・電子ペンでの確認 • 職員が住民に対して必要事項をヒアリングし、申請内容を作成する。作成された申請内容をタブレット上で住民が確認し、電話番号や本 人署名を電子ペンで記入する。 • 導入自治体例:兵庫県伊丹市(ワコムのクリエイティブ・教育・法人のお客様向け 導入事例 | Wacom)、 北海道北見市(書かないワンストップ窓口|デジ田メニューブック|デジタル田園都市国家構想 (cas.go.jp) ) 和歌山県紀の川市(和歌山県紀の川市「書かない窓口」開始 書類記入の負担減 - 日本経済新聞 (nikkei.com) ) ③別帳票からの転記+住民がタブレット・電子ペンでの確認 • 住民が持参した転出証明書をOCRで読み込みテキストデータ化することで、書かせることなくシステム上で住民異動届を作成する。また、 住民異動届と同時に住民票の写しの申請などがあった際、基本項目である氏名・住所などは自動で印字できるようになったため、住民が 申請書に何度も同様の内容を記載する手間を削減できる。 • 導入自治体例:東京都渋谷区(ワコムのクリエイティブ・教育・法人のお客様向け 導入事例【渋谷区】 | Wacom ) 宮城県岩沼市(デジタル窓口 | 岩沼市 (city.iwanuma.miyagi.jp)) ④マイナンバーカード・免許証からのプレ印字 • 申請書の指名や住所等は、マイナンバーカードや免許証のICチップに記録されている情報を読み取ってプレ印字する。住民が申請書に何 度も同様の内容を記載する手間を削減できる。 • 導入自治体例:石川県野々市市(NEC スマート行政窓口ソリューション: 地方公共団体向けソリューション | NEC) 事 例 基 本 的 な 考 え 方 第1編 窓 口 業 務 改 善 の 必 要 性 ・ 意 義 サ ー ビ ス 向 上 の た め の 顧 客 視 点 施 策 内 容 紹 介 第2編 デ ジ タ ル ツ ー ル を 用 い た 1 3 施 策 参 考 : 窓 口 業 務 改 善 の 実 践 事 例 実 践 手 順 詳 細 第3編 窓 口 業 務 改 善 の 4 ス テ ッ プ 参 考 : ス モ ー ル ス タ ー ト と ア ジ ャ イ ル PENDING
  52. 59 1 課題の洗い出し a. 業務の振り返り・調査 b. 課題の抽出 2 課題の特定 c.

    課題の分析 d. 改善課題の特定 3 業務改善案の検討 e. 業務改善方針の検討 f. 改善内容と効果の明確化 4 実践/検証 g. 施策の実行・評価 窓口業務改善の4ステップ 3-1 (参考1)“スモールスタート”と”アジャイル”が合言葉 (参考2)スモールスタート&アジャイルによる情報提供業務の電子化
  53. 61 1.業務改善の実践手順を 1. 課題の洗い出し → 2. 課題の特定 → 3. 業務改善案の検討

    → 4.実践 /検証 の4ステップに分けて、各ステップで行う内容や活用できるツールを掲載しています。 2.課題の解決にはデザイン思考が有効です。「何を改善するか」「どうやって改善するか」など、 アイデアを出して整理し、結論を出すときには、下図のように議論が<発散>→<収束>の過程を たどります。いま行っている議論が発散と収束のどちらなのか、常に意識しながら効率的に業 務改善を実践しましょう。 3.各ステップごとに「東京都サービスキャンバス」の活用の目安も記載しています。東京都サー ビスキャンバスを一度記入した後も、内容を振り返りながら常に見直しを行い、ユーザーにとっ て最も望ましいサービスを提供できるよう、対象・価値・目的・手段などを整理しましょう。 f.改善内容と効果の明確化 • 新たな業務の流れを明確にする • 業務改善の効果を整理する a.業務の振り返り・調査 • 現行業務を振り返り、調査する b.課題の抽出 • 事務処理フロー図で業務の流れを可視化する • 業務上の課題を洗い出す 1.課題の洗い出し 4.実践/検証 e.業務改善方針の検討 • 業務特性にあった改善手法・利用ツールを検討 3.業務改善案の検討 2.課題の特定 c.課題の分析 • 課題を深掘りして分析する d.改善課題の特定 • 課題同士を比較して、改善課題を特定する g.施策の実行・評価 • 業務改善案を決定し、実施計画を策定 • 施策を実践し、目的に沿った評価基準で施策を評価する 窓口業務改善の4ステップ g.施策の実行・評価 何を改善するか どうやって改善するか a.業務の振り返り・ 調査 e.業務改善方針の検討 4.実践/検証 1.課題の洗い出し 2.課題の特定 3.業務改善案の検討 c.課題の分析 d.改善課題の特定 b.課題の抽出 f.改善内容と効果の 明確化 ② 収束:抽出した課題やアイデアを比較し、結論を 絞り込む段階 ① 発散:課題やアイデアを広く探して抽出する段階 ユーザーの目的や価値を整理して、より良いサービスを 作るためのツール。(サービスデザインガイドライン参照) 1. 業務改善実践の4ステップ 2. デザイン思考による議論の発散と収束 3. 東京都サービスキャンバス 基 本 的 な 考 え 方 第1編 窓 口 業 務 改 善 の 必 要 性 ・ 意 義 サ ー ビ ス 向 上 の た め の 顧 客 視 点 施 策 内 容 紹 介 第2編 デ ジ タ ル ツ ー ル を 用 い た 1 3 施 策 参 考 : 窓 口 業 務 改 善 の 実 践 事 例 実 践 手 順 詳 細 第3編 窓 口 業 務 改 善 の 4 ス テ ッ プ 参 考 : ス モ ー ル ス タ ー ト と ア ジ ャ イ ル 窓口業務改善 の4ステップ
  54. 62 a.業務の振り返り・調査 • 現行業務を振り返り、調査する b.課題の抽出 • 事務処理フロー図で業務の流れを可視化する • 業務上の課題を洗い出す 1.課題の洗い出し

    4.実践/検証 g.施策の実行・評価 • 業務改善案を決定し、実施計画を策定 • 施策を実践し、目的に沿った評価基準で施策を評価する e.業務改善方針の検討 • 業務特性にあった改善手法・利用ツールを検討 3.業務改善案の検討 2.課題の特定 c.課題の分析 • 課題を深掘りして分析する d.改善課題の特定 • 課題同士を比較して、改善課題を特定する f.改善内容と効果の明確化 • 新たな業務の流れを明確にする • 業務改善の効果を整理する 窓口業務改善の4ステップ 窓口業務改善 の4ステップ 基 本 的 な 考 え 方 第1編 窓 口 業 務 改 善 の 必 要 性 ・ 意 義 サ ー ビ ス 向 上 の た め の 顧 客 視 点 施 策 内 容 紹 介 第2編 デ ジ タ ル ツ ー ル を 用 い た 1 3 施 策 参 考 : 窓 口 業 務 改 善 の 実 践 事 例 実 践 手 順 詳 細 第3編 窓 口 業 務 改 善 の 4 ス テ ッ プ 参 考 : ス モ ー ル ス タ ー ト と ア ジ ャ イ ル 重要度と緊急度のマトリクス 事務処理フロー図 (As-Is) ユーザーレビュー 分析ツール フレームワーク等 参照すべき資料 ポイント 課題の詳細な洗い出し 東京都サービスキャンバス ECRS分析 スモールスタート・アジャイル 効果想定・計測の方法 取組指針・事例集等 何 を 改 善 す る か ど う や っ て 改 善 す る か 事務処理フロー図 (To-Be) 課題の真因 / MECE 5つの顧客視点 東京都サービスキャンバス 東京都サービスキャンバス RCA分析 東京都サービスキャンバス 現状調査(ヒアリング等) QCDによる重要度整理 施策とツールのありかた 効果検証(定量・定性) 窓口カルテ・業務マニュアル 窓口カルテ・業務マニュアル
  55. 63 1 ① 5つの顧客視点で現状をチェックする ② 一連の業務の流れをを可視化する ③ 業務の課題洗い出しのポイントをふまえて、問題点を抽出する 1 課題の洗い出し

    のメッセージ このステップでは、身の回りの業務から見直しを始めて、既存のマニュアルや事務処理 フロー図などで詳細を確認しながら、課題の洗い出しを行います。 窓口業務改善 の4ステップ 基 本 的 な 考 え 方 第1編 窓 口 業 務 改 善 の 必 要 性 ・ 意 義 サ ー ビ ス 向 上 の た め の 顧 客 視 点 施 策 内 容 紹 介 第2編 デ ジ タ ル ツ ー ル を 用 い た 1 3 施 策 参 考 : 窓 口 業 務 改 善 の 実 践 事 例 実 践 手 順 詳 細 第3編 窓 口 業 務 改 善 の 4 ス テ ッ プ 参 考 : ス モ ー ル ス タ ー ト と ア ジ ャ イ ル f.改善内容と効果の明確化 • 新たな業務の流れを明確にする • 業務改善の効果を整理する a.業務の振り返り・調査 • 現行業務を振り返り、調査する b.課題の抽出 • 事務処理フロー図で業務の流れを可視化する • 業務上の課題を洗い出す 1.課題の洗い出し 4.実践/検証 e.業務改善方針の検討 • 業務特性にあった改善手法・利用ツールを検討 3.業務改善案の検討 2.課題の特定 c.課題の分析 • 課題を深掘りして分析する d.改善課題の特定 • 課題同士を比較して、改善課題を特定する g.施策の実行・評価 • 業務改善案を決定し、実施計画を策定 • 施策を実践し、目的に沿った評価基準で施策を評価する 窓口業務改善の4ステップ
  56. 64 現行業務について、身近なところから情報収集する 1.課題の洗い出し a. 業務の振り返り・調査 身の回りの業務を見渡して、どんな困りごとが起こっているか確認します。第1編掲載の 「5つの顧客視点」をもとにユーザーの思考や感情を含めて現状を振り返ります。 実施例 低 (粗い)

    高 (細かい) ポイント 現状調査の例 • 身の回りの業務を調査・観察し、課題抽出 に向けて情報収集する。 • 5つの顧客視点(p.11-p.16)やその他の類 似事例などを手がかりにする • 定量面、定性面の両方から詳細に現状 を把握する 分析ツール: ・5つの顧客視点 ・東京都サービスキャンバス 現場の観察や担当職員への聞き取りなどにより、一連の ユーザー体験を詳細に把握します。 顧客視点に立って、 定量面(数量データ)だけでなくユーザーの感想などの定 性面も含めて現状調査を行うことが重要です。「東京都 サービスキャンバス」も参考にして、ユーザー像を整理し ましょう。 5つの顧客視点 窓口業務改善の4ステップ • ユーザーの目的や価値を整理する • 東京都サービスキャンバスなどを活用 して、ユーザーの属性からその目的 (ニーズ)や価値を整理する ☞ 東京都サービスキャンバスの 「提供者エリア」「価値エリア」 「利用者エリア」を記入して みましょう 抽出/検討/評価の粒度: 準備 手続 事務 処理 ・ホームページが分かりにくく、問い合わせのためにたくさんの 電話がかかってくる ・都以外の発行書類(原本)が必要で、準備に時間がかかる ・書類の記入にミスや漏れが多く、何度もダブルチェックしている ・書類の閲覧申請がとても多く、内部処理の負担になっている ・情報が整理されないままホームページに掲載され、 利用者に伝わりにくい ・国が保管する情報を活用する仕組みがない ・書類を自動でチェックするツールがない ・閲覧可能な情報をインターネット上に公開していない (来庁) ・オンライン申請の利用が進まず、窓口に多くの職員が必要 ・受付後、利用者が窓口前で長時間待つ必要がある (申請手続) ・申請書や受付票を手記入しており、書く手間が多い ・複数の申請書に同じ情報を記入するため、手間がかかる (支払) ・手数料を現金でしか支払えない ・申請した窓口とは別の窓口で手数料を支払う必要がある (来庁) ・オンライン申請できることが十分に知られていない ・初めての利用者には窓口が混雑する時期が分からない (申請手続) ・窓口で申請書を電子入力するためのツールがない ・別の紙書類に記入した情報を転記する仕組みがない (支払) ・キャッシュレス端末の運用方法(手数料の取扱や台帳 記入など)に懸念があり、導入を見送っている 担当者へのヒアリング内容 困りごと 基 本 的 な 考 え 方 第1編 窓 口 業 務 改 善 の 必 要 性 ・ 意 義 サ ー ビ ス 向 上 の た め の 顧 客 視 点 施 策 内 容 紹 介 第2編 デ ジ タ ル ツ ー ル を 用 い た 1 3 施 策 参 考 : 窓 口 業 務 改 善 の 実 践 事 例 実 践 手 順 詳 細 第3編 窓 口 業 務 改 善 の 4 ス テ ッ プ 参 考 : ス モ ー ル ス タ ー ト と ア ジ ャ イ ル 1 -a 窓口業務改善 の4ステップ
  57. 65 ※窓口カルテ: 窓口における受付から手続き終了までの事務処理の流れを明らかにしたもの 事務処理フロー図で業務の流れを可視化して、課題を洗い出す b. 課題の抽出 ポイント • 現行の事務処理フローを可視化する •

    窓口カルテや業務マニュアルなど、事務 処理フローに関する既存資料を活用する • 作成する書類や集計・出力するデータな ど、アウトプットを整理する • 情報の流れや関係者との連携を整理する • 使用システムや帳票を洗い出す • 関係者や情報伝達の手段を洗い出す • 過去分も含めてデータ収集する • 申請件数、繁忙・閑散期、対応時間、恒 常的な待ち時間の有無など、過去分も含 めて記録がある場合は、収集・整理する 実施例 1.課題の洗い出し 低 (粗い) 高 (細かい) ❶申請者の属性 申請者は都民か事業者か、手続きに慣れているか ❷関係部署の洗い出し 対象業務に関連する部署や担当者は誰か ❸申請に至るまでの状況 届出前に申請者から問合せを受けることはあるか 問合せの頻度や手段はなにか ❹現状の申請方法とその利用比率 導入済みの申請方法はなにか(窓口/郵送/電子/FAX等) 各申請方法の利用比率はどの位か ❺必要な帳票 各プロセスで必要な帳票はなにか ❻情報連携手段 他部署への情報連携の手段はなにか ❼利用システム 実質審査に用いるツールはなにか ❽期間短縮 標準処理期間を短縮できないか 事務処理フロー図(As-Is) 現状調査した業務について、既存のマニュアルや窓口カルテ(※)をもとに、業務や情報の 流れ・関係者・アウトプット等を可視化して、どこに課題があるかを丁寧に洗い出します 分析ツール: 事務処理フロー図(As-Is) 課 題 の 詳 細 な 洗 い 出 し 窓口業務改善の4ステップ 抽出/検討/評価の粒度: • 事務処理フロー 図で現行業務を 確認する際は、 ①~⑧のポイン トを中心に、 1 つ1つのフロー 詳細を明確にし ます。 • あいまいな部分 があれば追加調 査する等、可能 な限り具体的に 可視化すること で、課題抽出の 精度が向上しま す。 基 本 的 な 考 え 方 第1編 窓 口 業 務 改 善 の 必 要 性 ・ 意 義 サ ー ビ ス 向 上 の た め の 顧 客 視 点 施 策 内 容 紹 介 第2編 デ ジ タ ル ツ ー ル を 用 い た 1 3 施 策 参 考 : 窓 口 業 務 改 善 の 実 践 事 例 実 践 手 順 詳 細 第3編 窓 口 業 務 改 善 の 4 ス テ ッ プ 参 考 : ス モ ー ル ス タ ー ト と ア ジ ャ イ ル 1 -b 窓口業務改善 の4ステップ
  58. 66 ① 課題ごとに「なぜ?」を繰り返して原因を分析する ② 課題を優先順位付けして、いま着手すべき課題を特定する 2. 課題の特定 のメッセージ このステップでは、洗い出した各課題をさらに深掘りして、根本的な原因を明確にしま す。そこから、複数の観点で課題同士を比較することで、改善する課題を特定します。

    基 本 的 な 考 え 方 第1編 窓 口 業 務 改 善 の 必 要 性 ・ 意 義 サ ー ビ ス 向 上 の た め の 顧 客 視 点 施 策 内 容 紹 介 第2編 デ ジ タ ル ツ ー ル を 用 い た 1 3 施 策 参 考 : 窓 口 業 務 改 善 の 実 践 事 例 実 践 手 順 詳 細 第3編 窓 口 業 務 改 善 の 4 ス テ ッ プ 参 考 : ス モ ー ル ス タ ー ト と ア ジ ャ イ ル f.改善内容と効果の明確化 • 新たな業務の流れを明確にする • 業務改善の効果を整理する a.業務の振り返り・調査 • 現行業務を振り返り、調査する b.課題の抽出 • 事務処理フロー図で業務の流れを可視化する • 業務上の課題を洗い出す 1.課題の洗い出し 4.実践/検証 e.業務改善方針の検討 • 業務特性にあった改善手法・利用ツールを検討 3.業務改善案の検討 2.課題の特定 c.課題の分析 • 課題を深掘りして分析する d.改善課題の特定 • 課題同士を比較して、改善課題を特定する g.施策の実行・評価 • 業務改善案を決定し、実施計画を策定 • 施策を実践し、目的に沿った評価基準で施策を評価する 窓口業務改善の4ステップ 2 窓口業務改善 の4ステップ
  59. 67 c. 課題の分析 ポイント 実施例 2.課題の特定 洗い出した課題を「なぜ?」で深掘りして、真の原因を分析する 「b.課題の抽出」で洗い出した各課題について、RCA分析(なぜなぜ分析)を活用して、 真の原因(=真因)を分析します。 •

    原因究明は、漏れや重複のないように行う • 広い視点で全体を見渡して、漏れや重 複のない原因究明を行う。 • 必要に応じて、追加の現状調査を行い、 事実に基づいて原因特定する • 洗い出した課題の原因を丁寧に探る • RCA分析によって、「なぜ?」を複数 回繰り返して深掘りする • 原因は1つとは限らないので、事象を 丁寧に細かく分類する 窓口業務改善の4ステップ RCA分析(なぜなぜ分析)※1 ・原因は1つとは限らないため、1つ1つ の事象をできるだけ細かく分類する ・ 「なぜ?」の理由に疑問点があれば、 追加調査し、現状を詳細に観察する ・「なぜ?」を繰り返す時は広い視点で 全体を見渡し、漏れや重複がないよう (=MECE ※2)に気を付ける ※2:MECE…Mutually Exclusive and Collectively Exhaustive」の頭文字を取った造語。「漏れなく、 ダブりなく」という意味合いで使用される。課題を 細分化する際の指針となる考え方。 ※1:RCA分析…Root Cause Analysis。問題の原因 を追究し、さらに根本原因となる問題についての 深掘りを繰り返すことで真の原因(真因)を見つ けて、問題の解決と再発防止につなげる手法。 ✓ 課題を明確・具体的に記載する ✓ 事実に基づいて分析する ✓ 複数の要素(出来事/理由)は分解する ✓ 原因を個人に特定しない ✓ 少しずつ丁寧に掘り下げていく フレームワーク等: 低 (粗い) 高 (細かい) 抽出/検討/評価の粒度: RCA分析 基 本 的 な 考 え 方 第1編 窓 口 業 務 改 善 の 必 要 性 ・ 意 義 サ ー ビ ス 向 上 の た め の 顧 客 視 点 施 策 内 容 紹 介 第2編 デ ジ タ ル ツ ー ル を 用 い た 1 3 施 策 参 考 : 窓 口 業 務 改 善 の 実 践 事 例 実 践 手 順 詳 細 第3編 窓 口 業 務 改 善 の 4 ス テ ッ プ 参 考 : ス モ ー ル ス タ ー ト と ア ジ ャ イ ル 2 -c 窓口業務改善 の4ステップ
  60. 68 d. 改善課題の特定 実施例 2.課題の特定 重要度と緊急度のマトリクス 複数の課題を優先順位付けし、着手すべき改善課題を絞り込む 各課題の重要度 (満足度/コスト/待ち時間) と緊急度

    (対応の緊急性) を判断し、「重要度×緊急 度」で優先順位を付けて、着手する課題を特定します。 ポイント 分析ツール: ・重要度と緊急度のマトリクス ・東京都サービスキャンバス 低 (粗い) 高 (細かい) 緊急度 改善対応が急がれる度合い(例:制度改正) (利用者) 窓口利用の総合的な便利さ・快適さ (提供者) 業務の煩雑さや手間等の職員の負担感 書類管理、郵送費、対応工数等の業務コスト 窓口の待ち時間や1件あたりの対応時間等 現在のコスト(C) 重 要 度 満足度(Q) 待ち時間(D) このマトリクスとその説明、 リバイズ版と差替予定 このマトリクス、満足度~待 ち時間、〇△×にして、重要 度で高低にできないか? A: 多くの窓口職員がいるが、常に長い列が できている。申請書をすべて手入力で打ち 込んでいる。 B: 数人の窓口職員がいるが、時間帯よって 列ができる。空いている時と混雑する時の 差が激しい。 C: 来庁予約システムやキャッシュレス端末で スムーズに対応している。列ができること はあまりない。 (各課題のイメージ例) ※ Q (Quality) :【品質】サービスの質 C (Cost) :【コスト】サービスの提供コスト D (Delivery):【納期】サービスの提供時間 業務改善においてQCDすべてを同時/同程度向上させることは難しい ため、目的に応じたバランスを取ることが重要です。Q (Quality)を 優先しながら、ニーズや状況に合わせてC (Cost)やD (Delivery)を考 慮して、QCDがユーザーにとって最適となるように調整します。 A → B → C の順で業務改善に着手する 重 要 度 緊急度 A B C 窓口業務改善の4ステップ ☞ 東京都サービスキャンバスの 「取り組むべき課題」を記入 してみましょう 抽出/検討/評価の粒度: • 課題ごとに重要度と緊急度を整理する • 重要度は、QCDを軸として改善効果の 大小を総合的に評価する • 緊急度は、速やかな対応の必要性 (例:制度改正など)を評価する • 「重要度×緊急度」で優先順位付けする • 課題ごとの重要度と緊急度から、各課 題の優先度を図で可視化する • 最も優先度の高い課題を特定し、目下 取り組むべき改善課題とする 基 本 的 な 考 え 方 第1編 窓 口 業 務 改 善 の 必 要 性 ・ 意 義 サ ー ビ ス 向 上 の た め の 顧 客 視 点 施 策 内 容 紹 介 第2編 デ ジ タ ル ツ ー ル を 用 い た 1 3 施 策 参 考 : 窓 口 業 務 改 善 の 実 践 事 例 実 践 手 順 詳 細 第3編 窓 口 業 務 改 善 の 4 ス テ ッ プ 参 考 : ス モ ー ル ス タ ー ト と ア ジ ャ イ ル 2 -d 窓口業務改善 の4ステップ
  61. 69 ① 課題の改善方針の検討や施策およびデジタルツールの選定を行う ② 改善点を反映した新しい事務処理フロー図を作る ③ 改善効果の想定や、効果検証の方法も考えておく 3. 業務改善案の検討 のメッセージ

    このステップでは、特定した課題の改善策を導入ツールの比較や事務処理フロー改善の観 点から検討します。また、改善後の姿を明確にして効果の想定を行います。 基 本 的 な 考 え 方 第1編 窓 口 業 務 改 善 の 必 要 性 ・ 意 義 サ ー ビ ス 向 上 の た め の 顧 客 視 点 施 策 内 容 紹 介 第2編 デ ジ タ ル ツ ー ル を 用 い た 1 3 施 策 参 考 : 窓 口 業 務 改 善 の 実 践 事 例 実 践 手 順 詳 細 第3編 窓 口 業 務 改 善 の 4 ス テ ッ プ 参 考 : ス モ ー ル ス タ ー ト と ア ジ ャ イ ル f.改善内容と効果の明確化 • 新たな業務の流れを明確にする • 業務改善の効果を整理する a.業務の振り返り・調査 • 現行業務を振り返り、調査する b.課題の抽出 • 事務処理フロー図で業務の流れを可視化する • 業務上の課題を洗い出す 1.課題の洗い出し 4.実践/検証 e.業務改善方針の検討 • 業務特性にあった改善手法・利用ツールを検討 3.業務改善案の検討 2.課題の特定 c.課題の分析 • 課題を深掘りして分析する d.改善課題の特定 • 課題同士を比較して、改善課題を特定する g.施策の実行・評価 • 業務改善案を決定し、実施計画を策定 • 施策を実践し、目的に沿った評価基準で施策を評価する 窓口業務改善の4ステップ 3 窓口業務改善 の4ステップ
  62. 70 ポイント • ECRSの原則で業務全体をチェックして、 業務改善の具体的な方針を策定する • 手順の廃止や統一、再配置や簡素化の 視点で、現行業務に対する具体的な課 題改善方針を検討する e.

    業務改善方針の検討 実施例 3.業務改善案の検討 課題解決に向けた方針と施策・デジタルツールの検討 ECRS(イクルス)の原則を活用して、業務全体の改善方針を検討します。改善方針に沿っ て、第2編も参考にしながら施策やデジタルツールの比較検討を行います。 低 (粗い) 高 (細かい) ・作業全体、または一部の手順をなくせないか検討する (例)重複する申請書類や記入項目を見直して削減する ・類似する作業の一本化や異なる作業の分離を検討する (例)多くの窓口来訪が必要な手続をワンストップ化する ・作業手順・工程・場所などの入替えが可能か検討する (例)混雑する窓口を前方に配置してレイアウト変更する ・作業をより単純な方法に変更できないか検討する (例)申請内容変更の際、変更項目のみチェックする ・ECRSの原則を用いた業務改善方針の例 ・施策検討とデジタルツールの選定のあり方 窓口業務改善の4ステップ ③施策に合致するツールを選定 施策実現の手段としてデジタル ツールをフラットな目線で選定 ①現状の業務課題を丁寧に整理 現状を詳細に把握して、業務改善の 目的、課題、効果等を明確にする ②目的に沿った改善施策の検討 改善の目的に照らして広い視点で 施策全体を検討する ④改善効果の高い施策を実施 実感できるサービス向上につながる 効果的な施策を実施 ③ツール運用だけに取り組む デジタルツールをいかに運用するか にのみ焦点が当てられる ①業務課題の整理不足 「何を実現したいか」「何が本当の 課題か」を正しく整理していない ②手段の目的化による施策検討 ツールの導入だけが目的化され、 業務全体の見直しが進まない ④効果的でない施策の実施 課題の根本原因を改善できず、実感 できるサービス向上につながらない • 課題改善に有効な施策例とデジタルツール を調査し、比較検討する • 第2編掲載「窓口業務改善の施策一覧」 (p.23)を参考に、施策例やデジタル ツールを調べる • 類似の製品・サービスがある場合は、 機能やコスト、操作性など複数の観点 で比較検討する Eliminate (排除) Combine (統合) Rearrange (再配置) Simplify (簡素化) • 業務改善案を検討する 際は、まず業務全体の 流れを整理できないか チェックします。 • ユーザーがもっと便 利・快適に感じる順番 や効率的な方法がない かなど、業務手順その ものから見直しを行う ことが、デジタルツー ルを有効に活用する上 でも重要です。 フレームワーク等: ECRSの原則 抽出/検討/評価の粒度: 基 本 的 な 考 え 方 第1編 窓 口 業 務 改 善 の 必 要 性 ・ 意 義 サ ー ビ ス 向 上 の た め の 顧 客 視 点 施 策 内 容 紹 介 第2編 デ ジ タ ル ツ ー ル を 用 い た 1 3 施 策 参 考 : 窓 口 業 務 改 善 の 実 践 事 例 実 践 手 順 詳 細 第3編 窓 口 業 務 改 善 の 4 ス テ ッ プ 参 考 : ス モ ー ル ス タ ー ト と ア ジ ャ イ ル 3 -e 窓口業務改善 の4ステップ
  63. 71 ポイント • 業務改善の内容を明確にする • 事務処理フロー図に業務改善案を反映 し、業務改善の内容を確認する • 実践の難易度も考慮しながら、効果的 で実現可能な改善案を検討する

    業務改善の内容や改善効果など、業務改善後の姿を明確化する f. 改善内容と効果の明確化 業務改善案の決定に向けて、改善内容や想定される効果をできるだけ具体的に整理します。 事務処理フロー図の更新や改善効果の積算を行い、業務改善後の姿を可視化しましょう。 3.業務改善案の検討 事務処理フロー図(To-Be) 実施例 ✓業務改善前は、可能な限り業務改善実施に近いタイミングで 現在の処理時間や工数、紙印刷枚数などを取得する ✓業務改善後は、担当者が新しい業務に慣れる時間を踏まえて、 業務改善実施から一定期間経過後(例:1か月後)に取得する ✓平均時間や平均件数を検証する場合の取得件数は、多く取れる ことが望ましい。 ※<d.改善課題の特定>で重要度の軸にしたQCDを活用して効果想定する場合、満足度(Q)は定性効果(例:書類準備の負担軽減)、 コスト(C) や待ち時間・対応時間(D) は定量効果(例:証明書郵送費の削減、1件あたりの書類確認時間の削減 )に該当する。 ・改善効果と改善後の姿の想定 抽出/検討/評価の粒度: 低 (粗い) 高 (細かい) 窓口業務改善の4ステップ • 業務改善案を事務処 理フロー図で可視化 し、どの程度改善効 果が生まれるか、ど のプロセスを効果計 測するか等、具体性 をもって改善案を策 定・決定します。 改善後 改善前 削減効果 - = 対象業務工数(h/件) 年間処理件数(件/年) × 削減業務工数(h/件) 削減業務件数(件/年) × 改善前 削減効果 (注)業務の所要時間(h/件)を短縮する施策の場合。 ペーパレスの場合は、印刷枚数(枚/件)に置き換える。 また、効果の比較期間等に合わせて、年を月に置き換える。 • 想定される効果と改善後の姿を整理する • 想定される定性・定量効果や取得方法 (タイミング・期間・件数等)、施策 の実現可能性を検討する ☞ 東京都サービスキャンバスの 「解決策」「施策を普及させる ための手段」「活動とリソース」 「目指す成果」「活動評価指標」 を記入してみましょう 分析ツール: • 案の段階で実現可能 性が低い場合は、改 善内容の精査や別の 案と比較するなど、 実践の難易度にも照 らして、効果的かつ 実現可能な改善案を 検討します。 ・事務処理フロー図(To-Be) ・東京都サービスキャンバス 基 本 的 な 考 え 方 第1編 窓 口 業 務 改 善 の 必 要 性 ・ 意 義 サ ー ビ ス 向 上 の た め の 顧 客 視 点 施 策 内 容 紹 介 第2編 デ ジ タ ル ツ ー ル を 用 い た 1 3 施 策 参 考 : 窓 口 業 務 改 善 の 実 践 事 例 実 践 手 順 詳 細 第3編 窓 口 業 務 改 善 の 4 ス テ ッ プ 参 考 : ス モ ー ル ス タ ー ト と ア ジ ャ イ ル 3 -f 窓口業務改善 の4ステップ ※「◦◦時間の削減」などの所用時間は実際に計測することが望ましい。難しい場合は、”数分”や”約30分”などの概算で記録する。 受付から呼出までの待機人数などは、最も混雑する時間帯に毎日人数を数えて効果を取得するケースもある。
  64. 72 ① 改善案の実施計画を策定する ② 計画に基づいて改善施策を実行する ③ 結果を評価・検証して、次の改善につなげる 4. 実践/検証 のメッセージ

    このステップでは、改善案の実施計画を立てて、それを実行します。結果を定量・定性 の両面で検証し、施策を評価することで、次の改善へつなげます。 基 本 的 な 考 え 方 第1編 窓 口 業 務 改 善 の 必 要 性 ・ 意 義 サ ー ビ ス 向 上 の た め の 顧 客 視 点 施 策 内 容 紹 介 第2編 デ ジ タ ル ツ ー ル を 用 い た 1 3 施 策 参 考 : 窓 口 業 務 改 善 の 実 践 事 例 実 践 手 順 詳 細 第3編 窓 口 業 務 改 善 の 4 ス テ ッ プ 参 考 : ス モ ー ル ス タ ー ト と ア ジ ャ イ ル f.改善内容と効果の明確化 • 新たな業務の流れを明確にする • 業務改善の効果を整理する a.業務の振り返り・調査 • 現行業務を振り返り、調査する b.課題の抽出 • 事務処理フロー図で業務の流れを可視化する • 業務上の課題を洗い出す 1.課題の洗い出し 4.実践/検証 e.業務改善方針の検討 • 業務特性にあった改善手法・利用ツールを検討 3.業務改善案の検討 2.課題の特定 c.課題の分析 • 課題を深掘りして分析する d.改善課題の特定 • 課題同士を比較して、改善課題を特定する g.施策の実行・評価 • 業務改善案を決定し、実施計画を策定 • 施策を実践し、目的に沿った評価基準で施策を評価する 窓口業務改善の4ステップ 4 窓口業務改善 の4ステップ
  65. 73 ポイント • 業務改善計画を作成し、実行する • 改善の進め方を整理し、所要期間や実 施時期の見込みを立てる • タスクやスケジュールなどを詳細かつ 具体的に計画して、確実に実行する

    業務改善計画に基づいて施策を実行し、効果検証で評価する 施策の実行・評価 実施例 4.実践/検証 決定した業務改善案を実行するための計画(業務改善計画)を作成し、業務改善を実践し ます。実践後は、効果の取得・検証によって施策を評価し、次の改善につなげます。 g. ・業務改善計画における改善の進め方(改善プロセス)作成例 ・実施後の効果検証 低 (粗い) 高 (細かい) 窓口業務改善の4ステップ • 業務改善計画によって、 業務改善の目的やゴール、 効果、進め方、タスク、 スケジュール、役割分担、 情報共有方法などをでき るだけ詳細に示し、組織 内や関係者間で共有しま す。 • 確実な実践に向けて、関 係者全体の理解度を深め て認識の齟齬を防ぐため にも、具体的な数値やわ かりやすい表現を用いて 計画書を作成します。 (定性効果) (定量効果) ユーザーの満足度や感想など、客観的な数値 を取得できないものは、アンケートやヒアリ ング、ユーザーレビューなどを活用する • 効果検証して施策を評価する • 定量・定性の両面で効果検証し、改善 効果を把握する • 施策をあらためて振り返り、取組全体 を評価して、継続的な改善につなげる ☞ 施策の実践結果を検証して、 東京都サービスキャンバスの 内容を振り返りながら、より 良いサービスの実現に向けて 継続的に改善しましょう 分析ツール: ・ユーザーレビュー ・東京都サービスキャンバス 抽出/検討/評価の粒度: 基 本 的 な 考 え 方 第1編 窓 口 業 務 改 善 の 必 要 性 ・ 意 義 サ ー ビ ス 向 上 の た め の 顧 客 視 点 施 策 内 容 紹 介 第2編 デ ジ タ ル ツ ー ル を 用 い た 1 3 施 策 参 考 : 窓 口 業 務 改 善 の 実 践 事 例 実 践 手 順 詳 細 第3編 窓 口 業 務 改 善 の 4 ス テ ッ プ 参 考 : ス モ ー ル ス タ ー ト と ア ジ ャ イ ル 4 -g 窓口業務改善 の4ステップ
  66. 75 改善の道のりは、「段階を踏んで、改善を繰り返すこと」 が基本です。また、小さなことから始めて、柔軟・機敏に 取り組むことが大切です。言い換えれば、「スモールス タートして、アジャイルに取り組む」ことが、業務改善を 成功させるカギになります。 一度取組を始めたあとも、実践の過程で疑問や壁にあたっ たり、あるいは状況の変化などによって、それまでの進め 方の修正が必要になることもあり得ます。そんな時は、現 状を正しく把握したうえで、前の過程に戻って軌道修正し

    たり想定を立て直すなど、柔軟に対応しながら、常にス ピード感をもって歩みを進め続けることが、取組の成功や その後の継続的な改善につながります。 どんなに大きな課題であっても、最初の1歩は、身近で手軽なところから始めます。 そして、試行と検証を繰り返して、常にベターを求めていきます。 取 組 の 成 果 取組時間・回数 2 1 3 現場理解 課題特定 BPR立案 PoC 現場理解 課題特定 BPR立案 PoC 現場理解 課題特定 BPR立案 PoC スモールスタートとアジャイルによる取組 用語解説 アジャイル(agile) : 「作りながら考える」「試しながら改善する」というように、要件を最初 に全て固定せずプロトタイプを作成しながら改善・拡張していく手法。 1 (参考1) “スモールスタート”と”アジャイル”が合言葉 参考: スモール スタートと アジャイル 基 本 的 な 考 え 方 第1編 窓 口 業 務 改 善 の 必 要 性 ・ 意 義 サ ー ビ ス 向 上 の た め の 顧 客 視 点 施 策 内 容 紹 介 第2編 デ ジ タ ル ツ ー ル を 用 い た 1 3 施 策 参 考 : 窓 口 業 務 改 善 の 実 践 事 例 実 践 手 順 詳 細 第3編 窓 口 業 務 改 善 の 4 ス テ ッ プ 参 考 : ス モ ー ル ス タ ー ト と ア ジ ャ イ ル
  67. 76 業務改善を行う場合は、実現スピードやコスト、負担の量 や時期等も含めて、様々な角度から施策を検討します。段 階的に試行と改善を繰り返す中で、実際の効果やユーザー の意見もふまえながら、少しずつ改善の規模や範囲を拡大 することで、サービスの質を大きく向上をさせていきます。 紙資料の閲覧など窓口での情報提供業務は、以下の手順で電子化やサービス向上に取り組むことが できます。このように、改善のプロセスを繰り返して、より質の高いサービスを実現していきます。 窓口端末での確認 一部情報のHP公開

    取組の継続 情 報 提 供 業 務 の 電 子 化 アジャイルな 取組の実施 … ① 電子化の第一段階として、紙のみで管理されている情報を PDF化し、窓口の端末で閲覧できるようにする ② PDF化した情報のうち、ホームページ公開に向けた準備負 荷が小さい内容に限定して、局のホームページに試験的に 公開し、使用感や問題点を収集・分析する ③ 収集・分析結果をもとに、フィードバックを迅速にシステ ムに反映させ、段階的にスコープ(目的や対象範囲)の拡 大や関連システムとの連携などの改善を重ねていく 紙の閲覧資料をPDF化 し、窓口に設置した端 末で閲覧可能にする。 PDF化した情報のうち、 個人情報を含まないも のだけを局のHPに掲 載する。 公開用にすべての個人情報を マスキングし、システム化し てインターネット上で公開す る。関連する証明書等は、シ ステム連携して一気通貫で閲 覧~発行申請を可能にする。 1 2 3 2 1 3 現状理解 課題特定 BPR立案 PoC 現状理解 課題特定 BPR立案 PoC 現状理解 課題特定 BPR立案 PoC (参考2) 例:スモールスタート&アジャイルによる情報提供業務の改善 2 閲覧資料の電子化とインターネット公開 基 本 的 な 考 え 方 第1編 窓 口 業 務 改 善 の 必 要 性 ・ 意 義 サ ー ビ ス 向 上 の た め の 顧 客 視 点 施 策 内 容 紹 介 第2編 デ ジ タ ル ツ ー ル を 用 い た 1 3 施 策 参 考 : 窓 口 業 務 改 善 の 実 践 事 例 実 践 手 順 詳 細 第3編 窓 口 業 務 改 善 の 4 ス テ ッ プ 参 考 : ス モ ー ル ス タ ー ト と ア ジ ャ イ ル 公開可能な全情報のHP公開、 関連システムとの連携 参考: スモール スタートと アジャイル **** ****