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HA K8s Clusterのスタンダードが覆る!? Cilium 1.18の🔥激アツ🔥新機能

HA K8s Clusterのスタンダードが覆る!? Cilium 1.18の🔥激アツ🔥新機能

2024/5/23 CloudNative Days Summer 2025にて登壇した際の資料です。

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logica / Takuto Nagami

May 23, 2025
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  1. 自己紹介 • Takuto Nagami (logica) • 千葉工業大学 情報科学部 情報ネットワーク学科 4年

    • ネットワークコンテンツ研究会 所属 ◦ 数人の自宅サーバーをVPNで繋いでクラウド基盤 作ろうとしてます • 最近はさくらのクラウド シークレット マネージャーをExternal Secretsに対応 させるお手伝いをしたりしています
  2. Cilium • 最近話題のeBPFをフルに用いたCNIプラグイン ◦ AWS / Google Cloudでも採用されている • kube-proxyの置き換えが最も大きな特徴

    ◦ iptables実装の弱い部分をeBPFで解決 ◦ kube-proxyの無いクラスタを用意し、そこに Ciliumを投げ込む ◦ (置き換えないこともできるが、面白くない)
  3. Highly AvailableなK8sクラスタ • コントロールプレーンが複数台あるクラスタのこと ◦ 公式ドキュメントの中では「Highly Available Topology」と呼ばれている • コントロールプレーンが何個か落ちても大丈夫

    ◦ 3台以上のコントロールプレーンが必要とされる • KaaS等マネージドなサービスを使わず構築する場合 Control Planeロードバランシング問題が発生する
  4. Control Planeのロードバランシング • コントロールプレーンを冗長化した際、外部から apiserverに常に接続できる状態を維持する ◦ どこかのノードが死んだらフォールバックする ◦ 同一のIPアドレスで常に接続できる •

    Kubernetesエコシステムの中にはツールが無い ◦ “Since this is not part of Kubernetes or kubeadm, this must be taken care of separately.” とドキュメントに書いてある
  5. Internal API server hostname • Kubernetesには、内部にkube-apiserverに繋がる Serviceが存在する ◦ Podからのアクセスは通常これが用いられる •

    Serviceなのでkube-proxy相当の物が必要 ◦ Ciliumはデプロイ時、直にapiserverのAddress / Portを一組示してやる必要がある ◦ Cilium内部のapiserverアドレスは勝手に書き換わら ないので、仮想IPを指定したい
  6. 1.18 (未リリース) でこれが解決する • 外部からapiserverへの接続 • Worker Nodeからapiserverへの接続 • Ciliumからapiserverへの接続

    ◦ これはkube-proxyを置き換えるCiliumならでは ◦ これが理由で、CiliumはHAのProduction環境では 基本的に使えないとされていた
  7. この変更は何? • HA K8s ClusterにおいてCiliumをセットアップする際 ◦ 複数のapiserver URLを指定できるようにする ▪ 以前の単一Address

    / Port指定はDeprecatedに ◦ kube-proxy置き換えのセットアップが完了したら自 動的にInternal API server hostname Serviceに接 続を切り替えてくれる • 3年前くらいに提案されようやく叶った🔥激アツ🔥機能
  8. 復習: Internal API server hostname • Kubernetesには、内部にkube-apiserverに繋がる Serviceが存在する ◦ Podからのアクセスは通常これが用いられる

    • Serviceなのでkube-proxy相当の物が必要 ◦ Ciliumはデプロイ時、直にapiserverのAddress / Portを一組示してやる必要がある ◦ Cilium内部のapiserverアドレスは勝手に書き換わら ないので、仮想IPを指定したい
  9. 一般的なCNIにおける代替案は存在する • Internal API server hostname Serviceと同じ設定の LoadBalancer Serviceが作れれば外から接続可能 ◦

    クラスタの接続先IP設定を後から書き換える必要 • LoadBalancer Serviceを作るためには、外部向けIPアド レスのIPAMをしてくれるコンポーネントが必要 ◦ 現在はほぼMetalLB一択 • ロードバランサー入れるかMetalLB入れるかで、追加の 手間考えたらロードバランサーかな…となるのは自然
  10. Ciliumだからこその強みが出る可能性が • Ciliumは独自に、BGPを用いたIPAM機構がある ◦ Cilium BGP Control Planeと呼ばれている ◦ Cilium単体で、LoadBalancer

    Serviceが正常に動く 環境が用意できる! • Cilium単体でのapiserverロードバランシング計画は既 に進みつつある