Upgrade to Pro — share decks privately, control downloads, hide ads and more …

水産庁長官への提言書_Chefs for the Blue

Avatar for mahong mahong
June 03, 2025

水産庁長官への提言書_Chefs for the Blue

トップシェフチームChefs for the Blueが小泉農水大臣および水産庁長官へ提出した制作提言書。事前に行った飲食業界1,300人からのアンケート結果もまとめています。

Avatar for mahong

mahong

June 03, 2025
Tweet

More Decks by mahong

Other Decks in Business

Transcript

  1. • 「和食」が2013年にユネスコ無形文化遺産として登録されて、約12年。和食は海の豊かさをベースに発展 した料理体系であり、先人から受け継がれてきた多くの魚料理は、日本に暮らす人々の命と健康を根底か ら支えてきました。そして近年は、さまざまな料理ジャンルの飲食店が魚介を多用した料理を生み出し、 私たちの暮らしを豊かにしてきたとともに、食の国としての日本の地位を揺るぎないものにしています。 「食」が訪日外国人にとっての大きな渡航目的であることからも、私たちの魚食文化が、世界に誇れる魅 力的なコンテンツであることに疑いの余地はありません。 [参考資料1,2] • しかし近年、魚食文化醸成に大きな役割を果たしてきた飲食店にとって、水産物が手に入りづらい状況が

    続いています。価格が極端に高騰し、市場等に流通する魚種や物量が激減しており、他食材に比べても仕 入れに課題が多いとして、多くの事業者が将来に対する危機感を抱いているのです。[参考資料12] • 日本の漁業・養殖業の生産量は1980年代の3分の1に減少。沿岸漁業の生産量も6割以上減少し、その原因 がはっきり検証されないまま、多くの魚の漁獲量が減り続けています。江戸前鮨の花形コハダや、地域の 食にとって重要なマダコ、シャコ、アサリ、マアナゴ、和食にとって大切な天然マコンブなど、多様な魚 種が消えつつあります。 水産物の自給率は54%と、食文化を維持継承することすら困難な危機的状況で、 日本漁業が国民への水産物供給という使命を果たせるか、という瀬戸際にあると感じます。[参考資料3,4] • 一方で、今年、太平洋系群の資源量が大幅減で話題となったサバは、漁獲が小型未成魚に集中しており、 半数以上が養殖用又は漁業用の餌として利用されています。国内(家庭や飲食店)向けの鮮魚として出回 る量はごく少なく、主要32漁港の出荷量17万トン(2023年)のうちわずか12%という残念な状況です。[参考 資料5,6,7] 2
 一般社団法人 Chefs for the Blue 背景・問題意識(1)
  2. • 日本の漁業生産量の減少の要因は複合的で、遠洋漁業の縮小、環境要因によるマイワシ資源の減少、不十分 な資源管理に加えて、沿岸や河川流域開発による生態系の劣化、近年の温暖化による日本周辺海域の環境収 容力の低下が危惧されます。こうした中で、沖合・沿岸ともに、海の環境変化による水産資源への影響をリ アルタイムで調査・分析し、その回復に向けて適切な管理を行うことが不可欠です。 • 2020年に70年ぶりに大改正された漁業法に基づき、現在資源管理強化の取組が行われていますが、資源調査 ・評価・管理に必要な人員体制と予算の強化は十分とは言えません。 [参考資料8,9] •

    また沿岸魚種に関しては、漁業者による自主的な資源管理の取組内容を定める資源管理協定が2024年に公表 されましたが、協定実施による資源管理への効果がはっきりせず、科学的根拠に基づいた取組と効果の検証 が必要です。 [参考資料10] • さらに近年、価値の高い希少な天然水産物が海外に輸出されることが増えています。国内需要を超えて生産 された養殖水産物を、計画的に海外に輸出することは国内産業の振興にとって重要ですが、限られた資源で ある天然水産物が国内で流通せず、サプライチェーンの上流で相当数が輸出にまわってしまうことは、改正 漁業法の目的(第1条) 「この法律は、漁業が国民に対して水産物を供給する使命を有し…」に沿わず、ま た水産業・小売業・飲食業・旅館業・観光業等多くの産業にとって、振興の阻害要因となり得ます。 3
 背景・問題意識(2) 一般社団法人 Chefs for the Blue こうした中で、日本の大切な資産であり資源でもある食文化と、食料安全保障にとって不可欠な 水産資源の回復、そして持続可能な海の確立に向けて、私たちChefs for the Blue(シェフス・ フォー・ザ・ブルー)は次の提言を行います。
  3. 4
 1. 海の環境変化等による水産資源への影響をリアルタイムで調査・分析し、水産資源の回復をはかる ため、資源調査・評価のための予算を拡充するとともに、水産庁や国立水産研究教育機構で、資源 調査・評価と資源管理を担う職員の人員増加などの体制強化を行うこと。 2. マサバ・ゴマサバをはじめとするTAC制度により管理を進めている多獲性魚種については、科学 的根拠に基づいたTAC・IQ管理の着実な推進と、資源の保全・回復に必要な小型未成魚の保護に取 り組むこと。 3.

    上記多獲性魚種に加えて、地域経済や日本の食文化にとって重要な、沿岸魚種の資源管理の強化 を早急に図ること。具体的には、各地域での水産資源の自主管理を目的とした資源管理協定で、 水産資源の基盤となる生態系の保全・回復と水産資源管理措置が科学的根拠に基づいて実施される よう、ガイドラインと確実な成果検証方法を策定すること。(例:アオリイカ、マダコ、クロア ワビ、アイナメ、アサリ、シャコ、マアナゴ、コノシロ(コハダ)、カワハギ、ハタ類、アカム ツ(ノドグロ)、マコンブ他海藻類、等) 4. 限りある天然水産物の国内流通を担保しながら、養殖水産物の計画的な輸出を行うなど、水産物 の国内供給と輸出振興のあり方についての戦略的な方針を策定すること。 5. 事業者や消費者が持続可能な水産物を購入する際の判断の参考となるよう、水産物の資源状況や 生産者、生産情報など、情報の発信体制の強化やトレーサビリティの推進を図ること。 一般社団法人 Chefs for the Blue シェフによる水産資源の回復に向けた提言
  4. • 2024年の訪日外国人旅行者数は3,687万人となり、コロナ禍前の2019年の3,188万人を大きく上回っ た。2025年1〜3月の数字も前年同月を上回っており、2025年の訪日外国人者数は2024年を更に上回る ことが見込まれる。 • 訪日外国人旅行者によるインバウンド消費の規模は2019年時点で4.6兆円であり、自動車に次ぐ輸出 産業として、日本経済をけん引する存在と位置付けられている。なお、この数字は2024年には8兆円 を越えた。 6
 (兆円)

    *1出所:観光庁HP「訪日外国人旅行者数・出国日本人数」 訪日外国人旅行者数の推移*1 *2出所:経済産業省「通商白書 2023」第Ⅱ部第2章 図表第 Ⅱ-2-3-3 (万人) 訪日外国人旅行消費額と 主要品目別輸出額の比較(2019年)*2 参考資料1:訪日外国人旅行者数の推移と経済効果 一般社団法人 Chefs for the Blue
  5. • 我が国の漁業生産量はピーク時の1/3に減少。1990年代にかけては遠洋漁業の縮小と沖合漁業におけ るマイワシの資源変動による漁獲量の減少が大きいが、以降はそれらが落ち着き、近年はマイワシの 漁獲量が増えているにも関わらず、全体量の減少は続いている。 • 沿岸漁業の生産量だけを取り上げてもピーク時の半分以下に減少しており、その要因は魚種や地域に よって異なるものの、沿岸の埋め立て等による藻場・干潟の減少、河川の流域開発などの環境変化、 地球温暖化の影響、 不十分な資源管理などが挙げられる。 •

    いずれの場合においても、減少した水産資源を回復させるためには、環境・生態系の保全・回復を 図り、水産資源の適切な管理を行うことが必要である。 8
 漁業・養殖業の生産量の推移*1 *1出所:水産庁「令和5年度水産白書」図表 2-1 沿岸漁業の生産量の推移*2 *2:水産庁「令和5年度水産白書」図表 2-1を基に作成 一般社団法人 Chefs for the Blue 参考資料3:漁業生産量の推移
  6. 10
 一般社団法人 Chefs for the Blue 参考資料5:令和5年度 さば類の用途別出荷量割合 • 主要32魚港のさば類出荷量(2023年/174,597トン)のうち、用途として最も多いのが養殖用または

    漁業用飼料で53%(92,029トン)。特に大量の餌が必要な(1kg 大きくするために12-15kgのサバが使 用される)養殖クロマグロ用の餌として、小型未成魚サバのマーケットが比較的高値で形成されて いる。個体の大きさが必要な「生鮮食用向け」は12%(20,083トン)で、塩サバ等を含む「その他 食品加工向け」(20,609トン)を合わせても23%にすぎず、これらの不足分として毎年50,000トン 前後を、ノルウェー等からの輸入に頼っているのが現状。 • 同調査でマアジは73%、サンマは77%、ブリは100%が「生鮮食用」+「加工品向け」。. 出所:水産物流通調査(産地水産物用途別出荷量調査)( 32港・19品目)
  7. 14
 一般社団法人 Chefs for the Blue 参考資料9:日米の資源調査・評価関連予算の比較 日本 アメリカ 資源調査・

    評価関連予算 2025年度予算(2024年度補正を含む) • 資源調査・評価の充実と新たな資源管理 の着実な推進 98億円の内数 • 水産研究・教育機構(FRA)研究・教育 勘定交付金 149億円 2025年度予算(1ドル=140円) • 漁業データ収集・調査・評価 1.7億ドル(238億円) • 漁業・生態系科学プログラム等 2.1億ドル(288億円) 漁業算出額  海面漁業産出額(2023年) 9,534億円 商業漁業産出額(2023年) 50.8億ドル (7,112億円) • 日本の海面漁業産出額(約9,500億円)はアメリカの商業漁業産出額(約7,100億円)より大きいが、 日本の資源調査・評価に関連する予算は98億円の内数であり、アメリカの漁業データ収集・調査・評価 の予算238億円の半分以下となっている。 ※1 日本の予算は、水産庁「令和 7年度水産予算の概要」、令和 7年度農林水産省所管予算各目明細書を基に作成 ※2 米国の予算は、”NOAA BUDGET ESTIMATES FISCAL YEAR 2025”を基に作成
  8. 15
 一般社団法人 Chefs for the Blue 参考資料 10:資源管理協定の現状 • 漁獲量の80%はTAC(総漁獲可能量)を定めて管理する方針が定められているが、残りの資源は漁

    業者が自主的に管理する方針とされている。漁業者は、自主的な資源管理の取組を定める資源管理 協定を締結し、都道府県知事等*1 の認定を受けることができる。資源管理協定への参加と協定の履 行は、国の漁業収入安定対策事業(積立ぷらす・共済掛金追加補助)の要件となっている。 • 水産庁は、令和7年度に、資源管理協定の効果の検証及び取組内容の改良等に関するガイドライン を作成予定。令和8年度までに検証の結果、効果ありと認められた資源管理協定の割合を7割にする との目標を定めている*2 。その際には、資源管理協定の作成及びその効果の検証のプロセスに科学 者が関与し、科学的根拠に基づく取組を実施することが重要と考えられる。 *1 都道府県知事または農林水産大臣が許可  *2 出所:水産庁「資源管理の推進のための新たなロードマップ (令和6年3月公表)」  *3 水産庁「都道府県知事が認定した資源管理協定の一覧表【令和 6年9月30日時点】」及び秋田県「資源管理協定について」を基に作成
  9. 22
 一般社団法人 Chefs for the Blue 調査の背景、目的と概要 ➢ 調査の背景・目的 漁獲の減少が続くなか、それら魚介類の使い手(買い手)である飲食産業において、どのよう

    なインパクトが生じているのかは、これまで明らかにされていませんでした。そこで業界初め ての試みとして、全国の飲食事業者(オーナー+食材調達担当者)を対象にアンケート調査を 行い、社会に共有することで、今後の水産行政に役立てていただくことを目的としています。 ➢ 調査の概要 ・調査名:飲食店による水産物調達の現状調査 ・対象者:全国の飲食店オーナーまたは食材調達担当者 ・調査期間:2025年5月15日〜5月29日(15日間) ・調査主体:一般社団法人Chefs for the Blue ・回答数:1,315サンプル ・有効回答者数:1,301 ・有効回答店舗数:1,267
  10. 27
 一般社団法人 Chefs for the Blue 飲食業界の声 ① /広がる危機感 ✔「年々魚が捕れる時期に捕れなくなり漁獲量も減っている事を痛感してます。うちの様な地魚を売りにしている店はいつまで出来るかとても心配」

    ✔「このままでは10年後、本物の鮨屋は本当に一握りになるでしょう。僕らも精一杯頑張りますますが国も一緒に頑張ってほしいです。日本の海産物は確実に世界一で す。本当に大事にしてほしいです」 ✔「日本の水産業の問題は、漁業者、仲買人、料理人とそれぞれプロではありますが、全体を俯瞰的に見れる人材がいないこと、また適切な資源管理(漁獲量管理)が ほとんどできていないことです」 ✔「この先、水産物を使うことに不安を感じます。長く商売をしていく為に自分がなにをすれば良いのか、料理人がどうしていけば良いか。自分を含めまだまだ知識が足り ていないと思います。今後はもっといろんな情報にアンテナを張って行きたいと思います」 ✔「全体的に質の良い魚が少なくなり、魚の平均点が低くなっています。海だけではなく山や空との関係性は大切だと感じます」 ✔「10年以上の鮨店勤務を経て開業して弊店は 2年目となります。経営課題は他にもあるとして、今後 20年、30年と鮨店を運営していく意思のある中でこれ以上魚の漁 獲量が減り、仕入価格が急上昇し、 あるいは仕入れが滞り、商売が立ち行かなくなったらという、不安があります。 20-30年などという話ではなく、今後も持続可能な漁獲 が出来るような海であって欲しいと願っており、私個人でも仕入の在り方を考えていきたいと思います」 ✔「水産物の価格高騰の要因を詳しく知りたい、エネルギーや人件費等のコスト増は実感できているが、資源の減少?どの位減っているか、世界的な需要の増加?どこ にどの様な理由で増えたか、世界経済における日本の弱さ?アメリカやアジアの国に水産物を買い負けているのか」 ✔「魚の値段が高くなることは仕方ないと思います。ただ高くなりすぎている食材が出てきているのも事実で、これが減少傾向にあることが理由であれば、漁獲量を制限 する事も大切な処置だと思いますし、違う所に原因があるならその部分を明らかにしないと」 ✔「開発による環境破壊(が心配)。無駄な護岸工事などで水生生物やその周辺にいる生き物などが激減している」 ✔「魚が少なくなっているのに、のれそれなどの稚魚や沢山の卵を抱えた魚を取っているところが今後心配」 ✔「放流事業は10年はいいかもしれないが、もっと先を見越すと悪影響に感じます。 (弱い×弱いなので強い種が育たない )」 ✔「そろそろ稚魚や卵を食べる文化を本気で見直したほうがよいと思います。その季節に食べるのはとても楽しく良い文化だと思いますが続けられなくなってきていること は見直すことも大事だと思います。これからの子供達にもたくさんの日本の美味しい魚を食べてもらいたいので今できることを、今しかできないと考え先に繋げていきたい と思います」 ✔「水産物、水産加工品の高騰が懸念される中、一次産業にあたる漁師さんたちは厳しい状況は何ら変わらないと見聞しております。私達飲食店にとっては物価高騰が 死活問題である中、漁師さんたちが厳しい状況なのは、どんな問題があるのかがわからないです」
  11. 28
 一般社団法人 Chefs for the Blue 飲食業界の声 ② /料理界にできること ✔「大事な日本の資源。私達が商売をするにも生活するにも大事な物、大切に使いたいですし、もう少しそれを生活というが授業というか勉強としても常識としても

    物心ついた頃から身につける事をした方がいいと思っております」 ✔「大切な文化をこの先の未来にも残していけるように、出来る事を考えていかなければならない」 ✔「漁獲量が減っていると思われる魚は個体数が一定以上に戻るまで、飲食業界全体で使わない様にしたい」 ✔「市場、仲買はもちろんですが、漁師の方とももっとコミニケーションとれる場を作っていかなければと思います」 ✔「資源もそうですが漁師が減っているので、獲る量や方法等の取り締まりをした上で適正な価格なら、少しくらい高くても長く安定した供給の方が望ましい」 ✔「自分たちは仲買さんから食材を買ってますが、生産者さんまで、そんなに距離が近くないと思います。需要と供給のバランスを何か指標にして、その時期その時 期にみんなが見れるものがあれば、今は何が全国でたくさん取れてて、こっちはあんまり取れてないとかでは、これ使うのやめてこれを使おうとか考える選択肢がも らえるんじゃないかと思ってます」 ✔「地元の水産物が全く並ばない日を見ることが年々増えてるように感じています。それは環境変化の事だけでは無いように思いますが、水産事業に関わってる 方々がどこまでの意識を持って、どこまでの話し合いがなされているのか知りたいです。もしも建設的な話し合いが持たれず、仕方がないというような雰囲気なので あれば、使い手から食べ手、そして未来の人達に胸をはった仕事ができてないように思います。これは海や川だけの話しではないと思うので、自然環境に関わる 人々がもっと情報共有しながら、未来の事を考えた取り組みをするべきではないでしょうか。料理人として、少しでもそこにコミットした仕事を出来ればと常に考えてい ます」 ✔「水産資源の枯渇は問題提起の段階はとっくに過ぎていて、例えるならこの様な習慣や食生活が癌のリスクを上ます、という状況ではなく進行性の癌宣告をされ てステージがどのステージかという問題です。治療をするのかしないのか、治療をするならどの様な治療をするのかの議論が必要であり、治療の方向性や可能性を 提起する研究機関と予算を握る行政の問題である事に間違いありません。漁業者に魚を獲るなという簡単な問題でなく、補償を前提にしながら漁獲制限という形に しなければ瞬く間に漁業離れが進み産業として廃退するのは目に見えてます。また、沿岸漁業、遠洋漁業ともに地球規模の自然環境の変化の影響を受けている部 分、乱獲による影響、他産業の繁栄の為に海が犠牲になっている影響 (水質汚 染、埋め立てや橋の建築など )をそれぞれ分けて考え、すぐさま取り掛かる問題、中 長期ビジョンで取り組む課題がある事位は飲食従事者や漁業関係者でも容易に想像出来る事です。」私個人の意見ですが、飲食従事者の役割は問題意識を一般 消費者に広める事が最も有用で、決して議論に参加する輪を大きくする事ではないと思います。力と知見のある機関が大きな議題をぎゅっと議論し後手後手になら ない対策を打ち出し実行するのが最良ではないでしょうか。そして広まって行く危機感に対して逐一どの様な対策を講じて実施しているかを公表し続け、効果のあり そうな対策は日本中、世界中で共有出来れば良いと思います。その為には現状の水産資源に関する問題を多角的に理解し (産業的視点、科学的視点 )、それぞれ の問題に対して行政がどの様な対策を講じてるかを把握出来る第三者機関が必要と思います」
  12. 29
 一般社団法人 Chefs for the Blue 飲食業界の声 ③ /国への要望 ✔「資源管理不足を感じています。今回の鯖の漁獲枠設定も大幅削減とされていますが、昨年の漁獲量より上の設定です。普通に考えてこのような漁獲枠設定を続

    けていれば、魚は減り続けます。早急に対策を練るべきと考えます」 ✔「国民の安全を守るための施策を国がきちんと作って欲しいし自分たちでできることを自分たちで守らないといけない状況にある。政治家に対する不信があるので 選挙に行かねば、と思います」 ✔「今抱えている問題を、国民に認識してもらえるよう、国をあげて発信をしていくべきだと思います」 ✔「資源回復が見込める魚種など、消費者として知るべき知識(を共有してほしい)」 ✔「なぜ「今年はさんま豊漁」みたいな報道がされたりするのが不思議です。不安を煽る必要はないですが現状をしっかり報道して国民にいかに海洋資源が枯渇して いるかを知ってもらうことが大切かと思います。世の中で議論が巻き起こらなければみんな何も知らないまま痩せたさんまを無くなるまで食べ尽くすことになります」 ✔「持続可能な漁業のために、漁獲量やサイズの制限をより厳格に運用することが不可欠だと感じました。例えば、クエのように成長が非常に遅い魚種に対しては、 明確なサイズ基準や漁期の制限を設ければ少しは解決できるのではと思いました」 ✔「漁獲枠の制限をしっかりする事と、これだけ値段が上がっている事が、しっかり漁師さんに還元される事を願います。間に入っている業者さんが利益取りすぎでは ないでしょうか?」 ✔「やはり今の現状をしっかりと理解して国ベースの取り組みをいち早く行う事こそが、我が国の食文化を未来に残す唯一のプロセスだと感じています。成功してい る、資源管理で改善した国々を見習い、我が国の食文化を未来に守っていければと感じます」 ✔「魚介類が育ちやすい海の環境も整えていく必要があると思います」 ✔「本当に日本政府は危機感をもって水産資源継続対策を早急に計画、実行する事を切に願います!」 ✔「魚介類の乱獲、工業廃水等による海や川の汚染、森林伐採等の人類による自然破壊。今を生きる一人間としてとても恥ずかしく思います。数年単位ではなく、 100年先を見据えて国に動いて頂きたい。我々は自然に生かされているという事を今一度深く考える必要があると思います」 ✔「環境変化による影響は仕方ない部分もあるかもしれない。でも昨今の海外での日本食需要(特に鮨)のために、ただでさえ減っていく海産物を海外に出す事は対 策が必要だと思う...売り手は単価が高いから海外に売るといいだろうが、漁師は儲かってないし一部が潤うだけで未来はない」 ✔「仕入れた魚の情報をもっと知る事の出来る仕組みなどが出来るといいなと思います。漁獲規制に積極的な漁師さんもいれば消極的な漁師さんもいると思いま す。消費者である私達にはどの魚が積極的な姿勢の漁師さんが獲った魚なのか知る術がありません。ので、心ある (?)漁師さんと消費者を繋ぐ仕組みがあると良いな と思う事が良くあります。野菜にはあるのに 」
  13. 一般社団法人 Chefs for the Blue 1 0 0 年 後

    の 豊 か な 海 と 食 の た め に