Upgrade to Pro
— share decks privately, control downloads, hide ads and more …
Speaker Deck
Features
Speaker Deck
PRO
Sign in
Sign up for free
Search
Search
大規模サーバーレスプロジェクトのリアルな零れ話
Search
mai miya
May 10, 2025
Technology
1
54
大規模サーバーレスプロジェクトのリアルな零れ話
2025/05/10
Serverless Meetup Fukuoka #5
https://serverless.connpass.com/event/348712/
mai miya
May 10, 2025
Tweet
Share
More Decks by mai miya
See All by mai miya
ABWG2024採択者が語るエンジニアとしての自分自身の見つけ方〜発信して、つながって、世界を広げていく〜
maimyyym
1
370
re:Invent2024で広がった AWS Verified Accessの可能性を探る
maimyyym
1
86
“自分”を大切に、フラットに。キャリアチェンジしてからの一年 三ヶ月で見えたもの。
maimyyym
0
400
IAM JSON ポリシーと仲良くなろう
maimyyym
3
100
2年目エンジニアが過ごしたre:Invent、私にできる明日からのEverything starts with security
maimyyym
0
110
"とにかくやってみる"で始めるAWS Security Hub
maimyyym
2
340
AWS Well-Architected Framework をみんなで読んでいる話
maimyyym
1
100
課金体系を紐解いて学ぶAWS WAF
maimyyym
2
170
自由で便利なLaravelのしんどいポイントを楽しさに変える
maimyyym
1
160
Other Decks in Technology
See All in Technology
クラウド開発環境Cloud Workstationsの紹介
yunosukey
0
220
勝手に!深堀り!Cloud Run worker pools / Deep dive Cloud Run worker pools
iselegant
4
630
ここはMCPの夜明けまえ
nwiizo
32
13k
Goの組織でバックエンドTypeScriptを採用してどうだったか / How was adopting backend TypeScript in a Golang company
kaminashi
12
9.1k
AI駆動で進化する開発プロセス ~クラスメソッドでの実践と成功事例~ / aidd-in-classmethod
tomoki10
1
820
Новые мапы в Go. Вова Марунин, Clatch, МТС
lamodatech
0
1.7k
Part1 GitHubってなんだろう?その1
tomokusaba
1
230
genspark_presentation.pdf
haruki_uiru
0
160
ビジネスとデザインとエンジニアリングを繋ぐために 一人のエンジニアは何ができるか / What can a single engineer do to connect business, design, and engineering?
kaminashi
2
870
より良い開発者体験を実現するために~開発初心者が感じた生成AIの可能性~
masakiokuda
0
230
Oracle Base Database Service 技術詳細
oracle4engineer
PRO
7
63k
Linuxのパッケージ管理とアップデート基礎知識
go_nishimoto
1
700
Featured
See All Featured
Practical Orchestrator
shlominoach
187
11k
Facilitating Awesome Meetings
lara
54
6.3k
StorybookのUI Testing Handbookを読んだ
zakiyama
30
5.7k
Thoughts on Productivity
jonyablonski
69
4.6k
Helping Users Find Their Own Way: Creating Modern Search Experiences
danielanewman
29
2.6k
No one is an island. Learnings from fostering a developers community.
thoeni
21
3.3k
Design and Strategy: How to Deal with People Who Don’t "Get" Design
morganepeng
129
19k
ReactJS: Keep Simple. Everything can be a component!
pedronauck
667
120k
A Modern Web Designer's Workflow
chriscoyier
693
190k
Sharpening the Axe: The Primacy of Toolmaking
bcantrill
41
2.3k
The Language of Interfaces
destraynor
158
25k
The Straight Up "How To Draw Better" Workshop
denniskardys
233
140k
Transcript
2025.05.10 @maimyyym Mai Miyazaki 大規模サーバーレスプロジェクトの リアルな零れ話 Serverless Meetup Fukuoka #5
2 Introduction 宮 崎 真 衣 HN: mai (@maimyyym )
株式会社Fusic (2023.10〜) 事業本部 技術創造部門 / エンジニア MAI MIYAZAKI ◉ I am ◉ Skill ◉ Commenh m IDDM(1型糖尿病) 3歳発 元百貨店スタッフ(Beauty Counselor AWS Community Builder(Security) 2025- m AWS / Python / PHP(Laravel) 最近野球観戦にハマりました⚾️ Click!!
3 今日のおはなし 大規模サーバーレスプロジェクトを経験して ちょっとした気づきと学び
4 最近のお仕事 サーバーレスプロジェクトの PM兼デベロッパーといったロールで動いています こんな感じの構成(イメージ) 比較的簡単な、よくあるサーバーレス構成
5 最近のお仕事 サーバーレスプロジェクトの PM兼デベロッパーといったロールで動いています こんな感じの構成(イメージ) 比較的簡単な、よくあるサーバーレス構成 ・・・と思っていた
6 最近のお仕事 サーバーレスプロジェクトの PM兼デベロッパーといったロールで動いています こんな感じの構成(イメージ) 比較的簡単な、よくあるサーバーレス構成 いっぱいある しかもクロスアカウント! あらゆるイベントタイプを網羅
7 大変だったこと 多くのイベントタイ7 B API Gatewa% B Kinesis Data Stream
B DynamoDB Stream B S3→SNS→SQ B S3→EventBridge→SNS→SQS Lambdaの数が30以上 複数アカウント・リージョンに展開
8 大変だったこと 多くのイベントタイ7 B API Gatewa% B Kinesis Data Stream
B DynamoDB Stream B S3→SNS→SQ B S3→EventBridge→SNS→SQS Lambdaの数が30以上 複数アカウント・リージョンに展開 規模が大きい
9 大変だったこと 大変だったこと
10 大変だったこと 変数上書きで実行コンテナの使い回しを実感 デプロイしないと分からない「実際のイベント構造」 メンタルモデルの共有の難しさ
11 大変だったこと 変数上書きで実行コンテナの使い回しを実感 デプロイしないと分からない「実際のイベント構造」 メンタルモデルの共有の難しさ
12 実行コンテナの使い回しを実感 AWS Lambdaでは、関数を実行するコンテナは 「使い捨て」ではなく「使い回し」 def main(event, context): def main(event,
context): def main(event, context): def main(event, context): def main(event, context): def main(event, context): ×
13 実行コンテナの使い回しを実感 こんなコードを書いていました (Python) 一回目の実行結果 二回連続でリクエストを送ると・・・? (一回目と同じ結果のはず!) response = {“result”:
[]} def main(event, context): result = { “hoge”: “fuga” } response.append(result) return response response = { “result”: [{“hoge”: “fuga”}] }
14 実行コンテナの使い回しを実感 こんなコードを書いていました (Python) 一回目の実行結果 二回目の実行結果 response = {“result”: []}
def main(event, context): result = { “hoge”: “fuga” } response.append(result) return response response = { “result”: [{“hoge”: “fuga”}] } response = { “result”: [ {“hoge”: “fuga”}, {“hoge”: “fuga”}, ] }
15 実行コンテナの使い回しを実感 こんなコードを書いていました (Python) 一回目の実行結果 二回目の実行結果 response = {“result”: []}
def main(event, context): result = { “hoge”: “fuga” } response.append(result) return response response = { “result”: [{“hoge”: “fuga”}] } response = { “result”: [ {“hoge”: “fuga”}, ] } {“hoge”: “fuga”}, 増えた!
16 実行コンテナの使い回しを実感 こんなコードを書いていました (Python) 一回目の実行結果 最初の一回だけ 二回目の実行結果 response = {“result”:
[]} def main(event, context): result = { “hoge”: “fuga” } response.append(result) return response response = { “result”: [{“hoge”: “fuga”}] } response = { “result”: [ {“hoge”: “fuga”}, ] } {“hoge”: “fuga”}, 増えた! 実行コンテナが使い回され、 関数 = main()だけが実行される。 main()の外での初期化は行われない…!
17 実行コンテナの使い回しを実感 Lambdaの「実行コンテナ」の概念とPythonの言語仕様を APIの振る舞いを通して実感した(知ってはいたけど…!)
18 大変だったこと 変数上書きで実行コンテナの使い回しを実感 デプロイするまで分からない「実際のイベント構造」 メンタルモデルの共有の難しさ
19 大変だったこと 変数上書きで実行コンテナの使い回しを実感 デプロイするまで分からない「実際のイベント構造」 メンタルモデルの共有の難しさ
20 デプロイするまで分からない「実際のイベント構造」 イベントとなる、さまざまなAWSサービス Amazon API Gateway Amazon Kinesis Data Streams
Amazon DynamoDB Streams Amazon SQS Amazon S3 Amazon EventBridge Amazon SNS
21 デプロイするまで分からない「実際のイベント構造」 Lambda関数が受け取るイベントのJSON構造 Amazon API Gateway { "headers": { "X-Forwarded-Host":
"example.com", "X-Forwarded-Proto": "https" }, "resource": "/v1/users/{user_id}.json", "requestContext": { "resourcePath": "/v1/users/{user_id}.json", "path": "/v1/users/12345.json", "protocol": "HTTP/1.1", "requestTimeEpoch": 1728054000000 }, "pathParameters": { "user_id": "12345.json" } }
22 デプロイするまで分からない「実際のイベント構造」 Lambda関数が受け取るイベントのJSON構造 { "kinesis": { "partitionKey": "partitionKey-03", "kinesisSchemaVersion": "1.0",
"data": base64.b64encode( "sequenceNumber": "xxxxxxxxxxxxxxx "approximateArrivalTimestamp": 1428537600, }, "eventSource": "aws:kinesis", "eventID": "shardId-000000000000:xxxxxxxx", "invokeIdentityArn": "arn:aws:iam::EXAMPLE", "eventVersion": "1.0", "eventName": "aws:kinesis:record", "eventSourceARN": "arn:aws:kinesis:EXAMPLE", "awsRegion": "us-east-1", } Amazon Kinesis Data Streams
23 デプロイするまで分からない「実際のイベント構造」 Lambda関数が受け取るイベントのJSON構造 { "Message": "{ "Records": [ { "eventName":
"ObjectCreated:Put", "s3": { "bucket": { "name": "hoge-xxxxxxxx-bucket" }, "object": { "key": "hoge/example.html" } } } ] }" } Amazon SQS Amazon SNS Amazon S3
24 デプロイするまで分からない「実際のイベント構造」 Lambda関数が受け取るイベントのJSON構造 { "Message": "{ "detail-type": "Object Created", "detail":
{ "bucket": { "name": "hoge-xxxxxxxx-bucket" }, "object": { "key": "hoge/example.html" } }, "is_initial_data_import": true }" } Amazon SQS Amazon SNS Amazon EventBridge Amazon S3
25 デプロイするまで分からない「実際のイベント構造」 単体テストでイベントを定義しても、それが合っているかは 実際にデプロイ・起動させて初めて分かる。 実際のイベント構造に合わせて単体テストを書いていた。
26 デプロイするまで分からない「実際のイベント構造」 単体テストでイベントを定義しても、それが合っているかは 実際にデプロイ・起動させて初めて分かる。 実際のイベント構造に合わせて単体テストを書いていた。 【実際にあった、ハマりポイント】 SQSのrawメッセージ配信が有効・無効の設定によって 微妙に構造が違った。気付きづらい…!
27 デプロイするまで分からない「実際のイベント構造」 ドキュメント見るしかない
28 デプロイするまで分からない「実際のイベント構造」 ドキュメント見るしかない 各AWSサービスの仕様を知る + ドキュメントを読み慣れる いい機会でした。
29 大変だったこと 変数上書きで実行コンテナの使い回しを実感 デプロイするまで分からない「実際のイベント構造」 メンタルモデルの共有の難しさ
30 大変だったこと 変数上書きで実行コンテナの使い回しを実感 デプロイするまで分からない「実際のイベント構造」 メンタルモデルの共有の難しさ
31 メンタルモデルの共有の難しさ 「メンタルモデル」とは? > 頭の中にある「ああなったらこうなる」といった「行動のイメージ」を 表現したものである。 (Wikipediaより) 【メンタルモデルが形成できている状況とは?】 プロジェクト内でタスクを受け取ったり、仕様を共有されたり、 デバッグしたりする時に、前提知識・全体像が脳内にしっかり構築
されており、スムーズに理解できる状況のこと
32 メンタルモデルの共有の難しさ 「メンタルモデル」とは? > 頭の中にある「ああなったらこうなる」といった「行動のイメージ」を 表現したものである。 (Wikipediaより) 【メンタルモデルが形成できている状況とは?】 プロジェクト内でタスクを受け取ったり、仕様を共有されたり、 デバッグしたりする時に、前提知識・全体像が脳内にしっかり構築
されており、スムーズに理解できる状況のこと PMの立場として、新規メンバーにメンタルモデルを形成してもらい 共通認識をつくることを目指した
33 メンタルモデルの共有の難しさ Webフレームワークにおける「メンタルモデル」の共有 サーバーレスPJの話をする前に・・・ プロジェクトA プロジェクトB 同じ設計思想 ・・・ FusicではLaravelやRuby on
Railsが主に使用されるフレームワーク プロジェクトが異なっても、たいてい似たような設計思想で構築する プロジェクト固有の知識・仕様こそあるが、設計思想の点では 共通の「メンタルモデル」をみんな持っている laravel-app/ ├── app/ ├── bootstrap/ ├── config/ ├── database/ ├── public/ ├── resources/ ├── routes/ ├── storage/ ├── tests/ laravel-app/ ├── app/ ├── bootstrap/ ├── config/ ├── database/ ├── public/ ├── resources/ ├── routes/ ├── storage/ ├── tests/
34 メンタルモデルの共有の難しさ 大規模サーバーレスPJにおける「メンタルモデル」の共有 イベント駆動で があるからこそ、 プロジェクト固有の「メンタルモデル」0から形成する必要がある 自由度・柔軟性 フレームワークを使用しない プロジェクト独自の構成 複雑で多様なイベント
(どこから何を受け取ってどう処理する?)
35 メンタルモデルの共有の難しさ 大規模サーバーレスPJにおける「メンタルモデル」の共有 イベント駆動で があるからこそ、 プロジェクト固有の「メンタルモデル」0から形成する必要がある むずかしい! 自由度・柔軟性 フレームワークを使用しない プロジェクト独自の構成
複雑で多様なイベント (どこから何を受け取ってどう処理する?)
36 メンタルモデルの共有の難しさ 大規模サーバーレスPJにおける「メンタルモデル」の共有 イベント駆動で があるからこそ、 プロジェクト固有の「メンタルモデル」0から形成する必要がある むずかしい! 自由度・柔軟性 フレームワークを使用しない プロジェクト独自の構成
複雑で多様なイベント (どこから何を受け取ってどう処理する?) 正解はないからこそ手探り
37 メンタルモデルの共有の難しさ 大規模サーバーレスPJにおける「メンタルモデル」の共有 イベント駆動で があるからこそ、 プロジェクト固有の「メンタルモデル」0から形成する必要がある むずかしい! 自由度・柔軟性 フレームワークを使用しない プロジェクト独自の構成
複雑で多様なイベント (どこから何を受け取ってどう処理する?) 正解はないからこそ手探り 【やったこと】 仕様や構成を可視化する PRのレビューを通して理解してもらう 「分かりやすく言い換え」をあえてしない
38 大規模サーバーレスプロジェクトのリアルな零れ話 まとめ Lambdaの実行コンテナの概念を「実感」した Point 01 さまざまなイベントを扱ってAWSサービスへの理解が深まった Point 02 自由度・柔軟性が高いからこそ「メンタルモデル」の形成が0からになる
Point 03 AWSサービス、Web基礎、PMとして・・・学べることが多くて、お得! Point 04
39 Thank You ご清聴いただきありがとうございました We are Hiring! https://recruit.fusic.co.jp/ カジュアル面談もお気軽に! Let's
Talk!