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地域防災人材の育成と活躍の場づくり

 地域防災人材の育成と活躍の場づくり

2024年度地域安全学会春季研究発表会の発表資料です

Maki

May 24, 2024
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Transcript

  1. 清流の国ぎふ 防災・減災センター 地域防災人材育成現場の課題 • 防災リーダー育成講座の受講者の枠を町内会・自治会やあて職に割 り当てる →町内会・自治会の役員が高齢の男性ばかりのため,講座の参加者も 高齢の男性ばかりになる →受講が目的化してしまい,受講後の活動につながらない •

    地域で活動できる防災人材育成を目的として防災リーダー育成講 座(1~数日程度)を実施 →実際に地域で活動するだけの知識や経験を身につける場がなかっ たり,実践的に活躍できる場がないため,講座は受講したものの,活 躍できない 2 「地域防災人材の本来の目的(ゴール)」と実態が乖離している
  2. 清流の国ぎふ 防災・減災センター げんさい未来塾 • ゴール • 地域で実際に活動できる知識・技能を持った人材を育成し,実際に活動 できるようにする • スキル設定

    3 レベル1 レベル2 レベル3 良きフォロワー マニュアルがあれば動ける 自分で考えて動ける スキル 防災知識をもち, 主体的に行動できる 防災減災活動の 基本的なスキルを持っている 防災減災活動の応用的な スキルを持っている 人材育成 防災知識を他者に伝 える事ができる 防災減災活動を 行う人を育てることができる 人材育成のためのプログ ラムの開発ができる ネットワーク 顔の見える関係を構 築できる 関連する組織と組織, 人と人をつなぐことができる 関連する組織や人と協働 して活動する事ができる 企画・立案・実践 条件(シナリオ)を与え られればできる 条件(シナリオ)を 与えられなくてもできる 平時から災害時までを通 した防災減災対策の 企画・立案・実践ができる
  3. 清流の国ぎふ 防災・減災センター げんさい未来塾 • 地域防災・減災について主体的に担うことのできる人材を,実際の地域防 災・減災の現場における実践を通じて育成する,社会人向け通年プログラム. 2016年に開始され,現在9年目 • 受入人数は年間3~10名 •

    カリキュラム • 自分が取り組みたい防災の問題について,手段と目的を整合させながら主体的に取り 組む • OJTを通じて,防災知識・価値観のアップデート,人材育成・講座運営手法などを学び, 顔の見える関係を構築する • コミュニケーション・プレゼンテーション・ファシリテーション研修などを通じて,啓発活動 に必要なスキルを身につける • やってみる場と環境づくり • トライアルの場の提供(センター事業でのおまけ講座など) • 心理的安全性の確保(萎縮しないで場数を踏める環境づくり) • 繋がりづくり(ネットワーキング) • 各所への人材紹介 • 福祉事業所の避難確保計画支援,外国人防災リーダー育成支援などでの活躍の場提供 (事前の伴走支援あり) 4
  4. 清流の国ぎふ 防災・減災センター 入塾卒塾状況 入塾 卒塾 延長 退塾 2016 9 9

    0 0 2017 5 4 1 0 2018 10 9 1 1 2019 10 9 1 1 2020 4 4 1 0 2021 9 9 0 1 2022 8(3) 5(2) 1(1) 2 2023 7(3) 7(3) 0 1(1) 2024 9(2) 合計 71(8) 56(5) 5(1) 6(1) 5 ※かっこ内は公務員コース
  5. 清流の国ぎふ 防災・減災センター 卒塾生職業 7 0 1 2 3 4 5

    6 7 8 9 無職 福祉系 教員 NPO ペット系 建設系 行政 事務系 消防 不明 危機管理系 ガソリンスタンド まち協 看護師 議員 市民活動 歯科系 自動車販売 宿 食品 生協 段ボール 母子系 防災 幼稚園 理容 研究者
  6. 清流の国ぎふ 防災・減災センター 活躍の場づくり 10 県の施策・取組名 卒塾生の活躍内容 令和5年度の取組 令和5年度の実績 〈参考〉県担当課 1

    市町村防災担当職員向 け研修 市町村が開催する、職員向けの研修における講師 (市町村委託) ・市町村担当者会議等の場を活用し、県担当課から市町村へ、卒塾生の登用 を促していただく。 ・センター教員が講師として市町村へ招聘される機会 に、センター教員から 当該市町村へ、卒塾生の登用を働き掛ける。 例)講師のサポート役として の登用 役割分担した上での講師登用 講師:1名(1団体) 危機管理部防災課 2 女性等の視点を踏まえ た避難所運営推進事業 事業に取り組む市町村が、実施に当たり開催する 検討会への参加 ・補助金申請の事前協議等において、当該市町村へ卒塾生リストを情報提供 し、登用を働き掛けていただくよ う、県担当課へ要請する。 検討会参加:1名(1市) 危機管理部防災課 3 外国人防災リーダーの 育成・活用 県が開催する、外国人防災リーダー研修における 講師(県委託) ・県担当課からセンター教員へ相談等があった場合に、センター教員から県 担当課へ、卒塾生の登用を引き続き働き掛ける。 講師:3名 清流の国づくり推進部 外国人活躍・共生社会推 進課 4 地域づくり型生涯学習 講座コーディネート事 業 市町村や社会教育施設、生涯学習施設等が開催す る、地域づくり型生涯学習講座における講師(県 派遣) ・市町村担当者会議や実施主体向け事業説明会等の場を活用し、県担当課か ら市町村や実施主体へ、卒塾生の登用を促していただく。 ・市町村や実施主体から県担当課へ相談等があった場合に、卒塾生の登用を 検討いただくよう、県担当課へ要請する。 講師:1名(1講座) 環境生活部 環境生活政策課 5 伴走型防災支援事業 高齢者施設での避難確保計画の策定または見直し に向けた実地研修における講師 (県派遣) ・県担当課からセンター教員へ相談等があった場合に、センター教員から県 担当課へ、卒塾生の登用を引き続き働き掛ける。 講師:7名(3施設) 【活躍継続中】 講師:10名(5施設) 健康福祉部 高齢福祉課 6 ため池災害図上訓練 県が開催する、ため池の下流自治会の役員等を対 象とする図上訓練における講師 (県派遣) ・県担当課からセンター教員へ相談等があった場合に、センター教員から県 担当課へ、卒塾生の登用を引き続き働き掛ける。 図上訓練/令和3~7年度実施予定 講師:1名(1地区) 農政部 農地整備課 農地防災対策室 7 土砂災害に備える避難 対策、避難意識の醸成 6月の土砂災害防止月間中に開催されるイベント 「さぼうフェアinかいづ」における講演会の講師 (県委託) ・県担当課からセンター教員へ相談等があった場合に、センター教員から適 任と思われる卒塾生を紹介する。 講師:1名 県土整備部砂防課 8 学校安全支援事業 県内の公立小・中・高・特支学校で開催される、 学校安全に係る研修会や、災害をテーマとした命 を守る訓練等における講師 (県教委派遣) 例)命を守る訓練、DIG、HUG、 校内安全 点検、避難所開設・運営、高校生防災 など ・学校担当者会議や事業説明会等の場を活用し、卒塾生の登用を促していた だくよう、県担当課へ要請する。 ・つながりのある大学教員から関係学校へ、卒塾生の登用を働き掛ける。 ・センター教員が講師として学校へ招聘される機会に、センター教員から当 該学校へ、卒塾生の登用を働き掛 る。 例)講師のサポート役としての登用 【継続活躍中】講師:1 名 (上期16校) 教育委員会 学校安全課 活躍した卒塾生の延べ人数(重複を除く実人数) 26人(16人)
  7. 清流の国ぎふ 防災・減災センター 活躍に向けた仕掛け • 清流の国ぎふ防災減災センターの人材育成と活躍の場創出 11 つなが る場 実践 の場

    活躍 の場 学び の場 試せ る場 • 「肩書」だけに着目するのではなく,本人のやりた い気持ちを大事にする • 知識や価値観のアップデートの機会を継続的に提 供する(他機関のイベントの紹介を含む) • 関連する事業やそれぞれの活動を共有し,取り組 み同士の連携を行う(まちづくり,福祉,多文化共 生・・・) • 活躍できるようになるための実践の場づくり(お まけ講座など) • 活躍の場づくり(講座や事業) • 活躍している人を応援すること(いろんなところで 紹介したり,メディアに取り上げてもらうなど)