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協働でつくる学びの場とその先にあるもの
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Maki
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May 25, 2025
Education
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協働でつくる学びの場とその先にあるもの
JpGU2025のパブリックセッション[O-04] 「あなたは自然災害から生き残れますか?学校での学びで!」でお話したスライドです
Maki
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May 25, 2025
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Transcript
清流の国ぎふ 防災・減災センター 協働でつくる学びの場と その先にあるもの 岐阜大学 環境社会共生体研究センター 小山真紀
[email protected]
https://researchmap.jp/makik https://www.facebook.com/maki.koyama.14
1 [O-04] 「あなたは自然災害から生き残れますか?学校での学びで!」 2025/05/25 日本地球惑星科学連合2025年大会
清流の国ぎふ 防災・減災センター 本報告の立ち位置 • 私の報告は、学校教育そのものというより、地域の防災人材育 成に関わるものとなります • 地域の防災人材育成が、防災教育ともつながり、地域との連携 や実装にもつながっていきます •
岐阜県と岐阜大学が共同設置をした「清流の国ぎふ 防災・減 災センター」の「げんさい未来塾」という地域防災人材育成プ ログラムと、卒塾生の活躍の事例を通じて、これについて紹介 します 2
清流の国ぎふ 防災・減災センター げんさい未来塾 • ゴール • 地域で実際に活動できる知識・技能を持った人材を育成し,実際に活 動できるようにする • スキル設定
3 レベル1 レベル2 レベル3 良きフォロワー マニュアルがあれば動ける 自分で考えて動ける スキル 防災知識をもち, 主体的に行動できる 防災減災活動の 基本的なスキルを持っている 防災減災活動の応用的な スキルを持っている 人材育成 防災知識を他者に伝 える事ができる 防災減災活動を 行う人を育てることができる 人材育成のためのプログ ラムの開発ができる ネットワーク 顔の見える関係を構 築できる 関連する組織と組織, 人と人をつなぐことができる 関連する組織や人と協働 して活動する事ができる 企画・立案・実 践 条件(シナリオ)を 与えられればできる 条件(シナリオ)を 与えられなくてもできる 平時から災害時までを通 した防災減災対策の 企画・立案・実践ができ る
清流の国ぎふ 防災・減災センター げんさい未来塾 • 地域防災・減災について主体的に担うことのできる人材を,実際の地域 防災・減災の現場における実践を通じて育成する,社会人向け通年プロ グラム.2016年に開始され,現在10年目 • 受入人数は年間3~10名 •
カリキュラム • 自分が取り組みたい防災の問題について,手段と目的を整合させながら主体的に取 り組む • OJTを通じて,防災知識・価値観のアップデート,人材育成・講座運営手法などを 学び,顔の見える関係を構築する • コミュニケーション・プレゼンテーション・ファシリテーション研修などを通じて, 啓発活動に必要なスキルを身につける • やってみる場と環境づくり • トライアルの場の提供(センター事業でのおまけ講座など) • 心理的安全性の確保(萎縮しないで場数を踏める環境づくり) • 繋がりづくり(ネットワーキング) • 各所への人材紹介 • 福祉事業所の避難確保計画支援,外国人防災リーダー育成支援などでの活躍の場提 供(事前の伴走支援あり) 4
清流の国ぎふ 防災・減災センター 防災減災センターの場づくり • 「やってみる」場づくり • 県の防災関連事業でのOJTや講師(到達レベルに応じて) • 未来塾卒塾生によるげんさい楽座の企画運営 •
センター主催講座でのげんさい未来塾生のおまけ講座 • センター関連教員,コーディネーター登壇講座でのOJT • げんさい未来塾生同士の主体的なコラボレーション事業 • など • 「まねっこしあう」場づくり • げんさい楽座のYouTube配信 • 防災活動大賞 • 応募された活動事例集もダウンロードできる • など • 「つながる・協働する」場づくり • げんさい未来塾中間合宿 • 地域で活動するげんさい未来塾生(希望者のみ)の活動リストを市町村や関係団体に配布,ホー ムページからもダウンロードできるようにしている • 防災活動大賞 • Facebookのメッセンジャーグループ • など 5
清流の国ぎふ 防災・減災センター 対象と入塾審査・卒塾状況 • 対象者 • 防災リーダー育成講座修了者あるいは同等の講座の修了者を対象(一 通り,防災に関する基本的なことを学んだことがある人を対象とす る) •
入塾審査 • 各自が持っている防災に関する課題あるいは清流の国ぎふ 防災・減災 センターが提案する防災課題について,実践計画を作成し,応募.実 践計画の審査を経て入塾が認められる • 卒塾審査 • 規定の基準への到達度を評価し,到達していれば卒塾が認められる • 指導体制 • それぞれの防災課題について,正副スーパーバイザーが1年間伴走支 援を行う 6
清流の国ぎふ 防災・減災センター 46 12 10 7 6 5 2 2
1 1 1 0 10 20 30 40 50 地域 行政 事業所 学校 親子 福祉 ペット 女性視点 アマチュア無線 障害 多文化 塾生の実践計画のテーマ例(複数回答) 7 N=69
清流の国ぎふ 防災・減災センター 入塾卒塾状況 入塾 卒塾 延長 退塾 2016 9 9
0 0 2017 5 4 1 0 2018 10 9 1 1 2019 10 9 1 1 2020 4 4 1 0 2021 9 9 0 1 2022 8(3) 5(2) 1(1) 2 2023 7(3) 7(3) 0 1(1) 2024 9(2) 7(2) 1 2 2025 8(2) 合計 79(10) 63(5) 6(1) 8(1) 8 ※かっこ内は公務員コース
清流の国ぎふ 防災・減災センター 在卒塾生年齢構成(入塾時年齢:物故者除く) 9 0 2 4 6 8 10
12 14 20 30 40 50 60 70 女 男 N=69
清流の国ぎふ 防災・減災センター 在卒塾生職業(入塾時:物故者除く) 10 公務員, 20, 29% 民間, 41, 59%
無職, 8, 12% うち、教員5人 小学校2人 中学校2人 高校1人
清流の国ぎふ 防災・減災センター 活動リスト掲載者38人中11人が学校での 研修を明示 11 げんざい未来塾 卒塾生 活動リストについて - 清流の国ぎふ防災・減災センター
(gfbosai.jp)
清流の国ぎふ 防災・減災センター 活躍の場づくり(県事業での活躍) 12 学校安全支援事業
清流の国ぎふ 防災・減災センター 教員の卒塾生実践事例 • 事例1 • テーマ:防災計画の見直し • これまで:防災計画の見直しについて、「見直すべきことがあれば言って ほしい」と言っても、特に意見が出てこない
• 実践したこと:定期的に短時間研修を実施。その中で、学年ごとに、状況 付与に基づくシチュエーション訓練を実施。対応資料として防災計画を使 い、記載すべきことを見直し • 事例2 • 中学校部活動地域化で学校を 越えた防災クラブを設立 • 事例3 • 教職員有志10名による自主的な 探究活動 チーム構成員の専門教科(家庭科、 保健体育、理科、数学、国語、 情報) 13
清流の国ぎふ 防災・減災センター 教員の卒塾生実践事例 • 事例1 • テーマ:防災計画の見直し • これまで:防災計画の見直しについて、「見直すべきことがあれば言って ほしい」と言っても、特に意見が出てこない
• 実践したこと:定期的に短時間研修を実施。その中で、学年ごとに、状況 付与に基づくシチュエーション訓練を実施。対応資料として防災計画を使 い、記載すべきことを見直し • 事例2 • 中学校部活動地域化で学校を 越えた防災クラブを設立 • 事例3 • 教職員有志10名による自主的な 探究活動 チーム構成員の専門教科(家庭科、 保健体育、理科、数学、国語、 情報) 14
清流の国ぎふ 防災・減災センター おわりに • 岐阜県と岐阜大学が共同設置をした「清流の国ぎふ 防災・減 災センター」の「げんさい未来塾」という地域防災人材育成プ ログラムと、卒塾生の活躍の事例を通じて、学校人材と地域人 材の育成と連携がどう実現されてきたかを紹介しました •
活動リストを掲載している地域の人材の約30%が学校関係の講 座を実施 • 入塾者の約6%が学校教員であり、学校内の防災実践を行って いる • 塾生同士のネットワークがあるため、地域の人材と教員が連携 して活動を行っている 15