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AIのためのEthernet技術動向 (SerDes)

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AIのためのEthernet技術動向 (SerDes)

2026/08/17 TEF2026開催前振り返り会(日本語)
TEF2025からのアップデート

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Masayuki Kobayashi

August 14, 2026

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Transcript

  1. Agenda ・ AI クラスタが要求する帯域密度とは何か ・ 7つの観点 – 1|「400 Gb/s/レーン 」という目標と、未決のままの変調方式

    – 2|ビーチフロント — 集約帯域を縛る I/O 帯域密度 – 3|銅の延命 と CPC(Co-Packaged Copper) – 4|最初に足りなくなるのは電力 – 5|レイテンシ は後から詰められない – 6|標準化にかかる時間 そのものが争点に – 7|Ethernet が Scale-Up へ広がった ・ 決まっていない5つの論点 ・ 標準化の現在地(2026年8月) ・ まとめ 2
  2. 本セッションのゴール ・ AI インフラで語られる「帯域が足りない」が、物理層のどの制約から来ているのか を把握する ・ 400 Gb/s/レーンについて、決まったこと(レート・媒体・到達距離)と決まっていないこと(変調・ ・ PAM4/PAM6/PAM8

    の対立が、変調そのものではなく前提に置くチャネルの違い から生じていると分かる ・ 電力・到達距離・レイテンシ が互いを縛り合い、選べる範囲を狭めている構造をつかむ ・ IEEE 802.3/OIF/UEC/OCP/SNIA の分担が分かり、次にどの文書を追えばよいか の見当がつく FEC)を区別できる 「AI のための Ethernet で何が起きているのか」を自分の言葉で説明できる状態 3
  3. この資料の引用元 ・ 技術内容 :TEF 2025: Ethernet for AI(Ethernet Alliance、2025年12月)の公開資料 14本・431ページ

    ・ 標準化の状況 :IEEE 802.3(CFI 資料、400GPL 公開文書、ドラフト PAR、WG 総会レポート、E4AI 資料)、OIF、 OCP、UEC、UALink、SNIA/SFF の公開文書 ・ 実装の状況 :OFC 2026(2026年3月17–19日、ロサンゼルス)の公式発表と各社リリース ・ 図版はすべて原典からの引用。各ページ下部に発表元・資料名・ページを記載 ・ 公開資料に書かれている事実と、各社の主張は分けて示す 出典:Ethernet Alliance 公式ブログ「TEF 2025: Ethernet for AI Presentations」(2025年12月9日公開)ほか 4
  4. AI クラスタはどこまで大きくなったか ・ 2023年:データホール規模で 128〜8K アクセラレータ/2024年:DC 規模 24K、リージョン規模 129K ・

    2025年以降:マルチリージョン規模で数百万のアクセラレータ ・ 開発中の Prometheus は2026年に 1 GW 超のクラスタ。次の目標 Hyperion は数年で 5 GW クラスタ規模の推移(Meta) 出典:Halil Cirit(Meta)“Transitioning to 400G SerDes”, Cirit_TEF_Keynote_2512.pdf, p.9–10 6
  5. 性能を決めるのは演算だけではない ・ MoE を多数の Expert に分散配置すると、Expert 並列にともなう token dispatch と

    all-to-all 通信が Scale-Up 網への大きな要求になる ・ ノード数が増えるほど必要な帯域は跳ね上がる — 単一ノードで 8x、数十ノードで >64x、数百ノードで >128x、さら に >512x ・ 演算と帯域が釣り合わないと資源が遊ぶ。Scale-Up ドメインの帯域が次世代 DC の鍵になる Scale Up domains are important for next generation data centers 出典:Halil Cirit(Meta), Cirit_TEF_Keynote_2512.pdf, p.13 7
  6. 接続は Scale-Up / Scale-Out / Scale-Across の3層 ・ Scale-Up:アクセラレータ間。到達距離 20

    m 以下、Scale-Out の約10倍の帯域、レイテンシに敏感。現状は主にパッシブな 電気配線(ラック内は PCB と twinax、隣接ラック間は AEC) ・ Scale-Out:バックエンド網。数百 m。現状は IMDD 方式のプラガブル光 ・ Scale-Across:拠点間・建屋間の地理的集約。コヒーレント光 。DCI 向けの 400ZR は 15 W・120 km 級 ・ 帯域の比はおよそ 100:10:1。速度の要求は Scale-Up から始まり、Scale-Out、フロントエンドへ伝わる AI Datacenter Network Hierarchy 出典:Opening_TEF_2512.pdf, p.5(John D’Ambrosia)| OIF_TEF_Panel2_2512.pdf, p.30(Jeff Hutchins)| All_TEF_Panel3_2512.pdf, p.5(Alan Weckel) 8
  7. 3層で必要な技術が違う ・ Scale-Up:GPU の高集積、高ラディックス、短距離・高密度。銅(と光)。熱密度が液冷を強いる ・ Scale-Out:Scale-Up クラスタの集約。建屋内外。光(と銅)、プラガブルと CPO ・ Scale-Across:地理的集約、DCI。コヒーレント光、プラガブル

    ・ 「ひとつの設計がすべてに合うことはない。共通の技術部品を、多様な形で実装することになる」 Switch system design implications 出典:Brian Welch(Cisco), All_TEF_Panel1_2512.pdf, p.16 9
  8. 帯域密度を決める 3つの制約 ・ 帯域密度とは、限られた場所と電力 でどれだけの I/O 帯域を通せるか。効いてくる制約は3つある ・ 1|ダイとパッケージの周縁 (ビーチフロント)—

    I/O に使える縁の長さ ・ 2|ラックに通せる配線の本数 — 1 OU の開口部に収まる信号線の数 ・ 3|電力 — 1ビットを運ぶのに使えるエネルギー(pJ/bit) ・ ロジックの微細化だけでは、 I/O 帯域密度は演算やメモリほど素直に伸びない 。ビーチフロントとショアラインが独 立した制約になる 演算は微細化で伸びる。I/O は実装と物理に縛られる 出典:TEF 2025: Ethernet for AI(Ethernet Alliance)公開資料(Cirit p.17–18、Welch p.14–15 ほかにもとづく整理) 10
  9. 7つの観点 1 目標 「400 Gb/s/レーン」は確定。しかし変調方式は未決 2 制約 集約帯域を縛るのは演算能力ではなくビーチフロント(I/O 帯域密度) 3

    媒体 銅は限界まで延命される。CPC が前提を変えた 4 電力 最初に足りなくなるのは電力。使っているのは物理層 5 遅延 レイテンシは後から詰められない。仕様と物理が下限を決める 6 速度 標準化のプロセスそのものが競争要因になった 7 範囲 Ethernet の適用範囲が Scale-Up へ広がった すべては「帯域密度」という一点に集まる 出典:TEF 2025: Ethernet for AI(Ethernet Alliance)の公開資料14本からの整理 12
  10. 背景 — レーン速度はどう上がってきたか ・ 信号レートは2年ごとに倍増 してきた。例外は 25G と 200G で、ここでは変調と

    FEC で稼いだ ・ NRZ → PAM4 への移行が2世代分の延命を生んだ。その PAM4 も限界に近づいている ・ 400G/レーンでは、変調・FEC・SI(信号品質)・市場投入時期が同時に問われる Overcoming Beachfront Bottleneck 出典:Halil Cirit(Meta), Cirit_TEF_Keynote_2512.pdf, p.19 14
  11. 課題 — 3世代続いた PAM4 が、初めて TBD になった ・ OIF CEI

    の系譜:56G(2014–2017)→ 112G(2017–2021)→ 224G(2021–)→ 448G(2026–) ・ レーンあたり 56 → 112 → 224 → 448 Gbps。変調は3世代とも PAM4 だったが、448G は TBD ・ 「224G と同等の到達距離を 448G で得るのは極めて難しい」。Nyquist 周波数が上がるほど、帯域の足りない銅チャネルに は不利になる ・ 市場予測も同じ時間軸 — バックエンド網の SerDes は 2023年 112G → 2026年 224G → 2027年以降 448G、ファブリック 速度は 800 Gbps → 1600 Gbps → 3200 Gbps Cost, Power and Electrical Link Reach 出典:Cathy Liu(Broadcom/OIF), OIF_TEF_Panel2_2512.pdf, p.10 | 市場予測は Baron Fung(Dell’Oro Group), Fung_TEF_2512_updated.pdf, p.11 15
  12. 448 Gbps を運ぶ変調方式の三択 ・ IEEE の目標は MAC 400 Gb/s/レーン 。それを運ぶ電気

    SerDes 側では、FEC などのオーバヘッドを含む 448 Gbps 級の信号が OIF CEI-448G で議論されている ・ その 448 Gbps の Nyquist 周波数は PAM4 112 GHz(224 GBd)/PAM6 89.6 GHz(179.2 GBd)/PAM8 74.67 GHz (149.33 GBd) ・ 高次変調はチャネル帯域の要求を下げる。代償は SNR で、PAM4 比 PAM6 -4.44 dB/PAM8 -7.36 dB Comparisons of 448 Gbps PAMn Modulation Schemes 帯域を取るか、 SNR を取るか 出典:Mike Peng Li(Altera/OIF), OIF_TEF_Panel2_2512.pdf, p.18(PAM6 は 2.5 bit/symbol という符号化仮定にもとづく値。別の仮定では symbol rate は変わる) 16
  13. 変調を決めるのはチャネルの帯域 ・ 「PAMn の選択はチャネル帯域に決定的に依存する 」 ・ チャネル帯域が 90 GHz 程度に留まるなら高次変調が要る。ただし

    IMDD 光との不整合、448G LPO が成立しな い、より強い FEC という副作用がつく 448G Channel IL vs PAMn 出典:Mike Peng Li(Altera/OIF), OIF_TEF_Panel2_2512.pdf, p.20 | Cathy Liu(Broadcom/OIF), 同 p.14 17
  14. 2026年現在 | プロジェクト化に向けてドラフト PAR が承認された ・ 2026年3月10日 CFI 合意形成会合。ストローポールは賛成122/反対0/棄権1、参加意思は個人111名・54社 ・

    2026年3月13日 IEEE 802 LMSC が 400GPL スタディグループを設立 ・ 2026年7月17日 LMSC がドラフト PAR と CSD を承認。プロジェクト番号 P802.3dv が提案されている ・ 2026年8月時点でも IEEE 802.3 の公開ページは「400GPL スタディグループ 」のまま。IEEE-SA 標準化委員会( SASB)で PAR が承認されて初めて正式なプロジェクト になる ・ 変調方式は目的に記載がない。判断はタスクフォースのベースライン採択( 2026年秋以降)へ IEEE 802.3 Working Group クロージングレポート(2026年7月総会)より 出典:IEEE 802.3 400GPL 公開ページ(2026年8月3日更新)| WG closing report – July 2026(lmsc-26-0157-00)p.11 | ドラフト PAR lmsc-26-0120-01 18
  15. 背景 — まずラックを大きくした ・ ORv3 HPR MP:アクセラレータ 72 基以下、ケーブルバックプレーン、48 VDC/±400

    VDC、空冷/液冷 ・ ORW(2026年Q3):アクセラレータ 144 基以下、IT ラックはダブルワイド ・ 2027年Q3:256 基以上、900 kW 超、±400 VDC、主に液冷、ラックサイズは未定 ・ 性能を出すにはアクセラレータの数が要る。まず「ラックにノードを詰める」方向で解こうとしてきた Higher number of accelerators is required for performance 出典:Halil Cirit(Meta), Cirit_TEF_Keynote_2512.pdf, p.14 20
  16. I/O 帯域密度は、演算やメモリほど素直には伸びない ・ AI システムの性能は演算・メモリ・SerDes の3本柱に依存する ・ メモリと演算は先端プロセスの恩恵を線形に受けられる。SerDes 設計は受けられない ・

    制約の正体は「ビーチフロント」、すなわちダイ/パッケージの周縁部で I/O に使える物理的な面積 Beachfront Bottleneck of Scale-in Systems 出典:Halil Cirit(Meta), Cirit_TEF_Keynote_2512.pdf, p.17 23
  17. ラックに通せるケーブルの本数が上限を決める ・ ORv3/600 mm ラックのケーブルバックプレーンで、1 OU 分の開口部に通せる信号線は 1,024〜1,152 対(2本1 組で1レーンを運ぶ)

    ・ 200G SerDes ならこれで 102.4〜115.2 Tb/s が上限。スイッチトレイでは典型的にここが律速する ・ 集約帯域を伸ばす道は、レーンあたりのデータレートを上げることしかない Bandwidth Bottleneck in Rack-Scale Systems: Busy Backplane Beachfront 出典:Halil Cirit(Meta), Cirit_TEF_Keynote_2512.pdf, p.18 24
  18. ポート数を増やせない理由も「 I/O に使える縁の長さ」 ・ 224G 超のレーンレートは PCB の到達距離限界を超える/ロングリーチ SerDes が電力とダイ面積を支配する/

    ショアラインのボトルネックがポート数の増加を制約する ・ 448G を急ぐ理由の第一に挙げられるのも「ショアライン密度とスケーラビリティ」 ・ 2026年現在:P802.3dv のドラフト PAR は必要性を「AI と機械学習インフラのスケーリングには高ラディックス・広帯 域の相互接続が必要」と記述した Physics of 400G Pushes Back on System Design 出典:Bijan Nowroozi(Lightmatter), All_TEF_Panel6_2512_updated.pdf, p.39 | Naim Ben-Hamida(Ciena), All_TEF_Panel4_2512.pdf, p.38 | lmsc-26-0120-01 25
  19. 背景 — 銅か、光か ・ 銅:安い、低電力、短距離。すでに 200G で厳しく、多くの用途でアクティブな技術(ACC/AEC)が要る ・ 光:長距離、広帯域。ただしコストと電力が高い。CPO/NPO/LPO/LRO と方式が分かれる

    ・ AI のワークロードが銅の限界を超えつつある。超高速・長距離から段階的に光へ移る Copper or Light? Choosing the Right Highway for AI 出典:Naim Ben-Hamida(Ciena), All_TEF_Panel4_2512.pdf, p.41 27
  20. 448G の電気インターコネクトの全体像 ・ CPC(Co-Packaged Copper)は PCB とパッケージの伝送路を事実上バイパスする ・ 448G において最も損失の大きい区間を消せる。これが

    PAM4 の実現可能性を押し上げた Typical 448G Electrical Applications 出典:Cathy Liu(Broadcom/OIF), OIF_TEF_Panel2_2512.pdf, p.11 | 用語定義は OIF-FD-CEI-448G-01.0 28
  21. XPO — 前面パネルの密度を 4倍にするプラガブル ・ 204.8T スイッチを 1600G-OSFP で組むと 4U

    筐体が要る。12.8T XPO なら 204.8T が 1OU、25.6T XPO なら 409.6T が 1OU に収まる ・ コールドプレート一体でモジュールを液冷(25.6T コヒーレントライトで最大 500 W/モジュール)。50 V 給電でマザーボード の電圧変換をなくす ・ Scale-Up・Scale-Out・Scale-Across のすべてを1つのフォームファクタで扱い、銅ケーブルや RF マイクロ波も挿せる AI Needs a Higher Density Form Factor(OCP APAC Summit 2026) 出典:Andreas Bechtolsheim(Arista Networks)“XPO: High Density Pluggable Data Center Optics”, OCP APAC Summit 2026(話者が会場で撮影) 30
  22. この1年で変わった事実 ・ 「TEF 2024 では、ほぼすべてのチャネルが 80〜85 GHz 程度の帯域しか支えられなかった」 ・ 「コネクタやケーブルの帯域はこの1年で改善した。OIF

    と IEEE の双方が 100 GHz を超える シミュレーション/実測 データを持っている」 ・ 2025年 OCP Global Summit で、主要ケーブルベンダすべてが CPC チャネルの 100 GHz 超をデモした 実測 CPC チャネルの帯域(85 GHz → 106 GHz) 出典:Xiang He(Huawei), All_TEF_Panel3_2512.pdf, p.14 | 図は Jim Hsieh ほか(MediaTek), All_TEF_Panel6_2512_updated.pdf, p.33 31
  23. 各社の見方(主張であり、業界の合意ではない) ・ MediaTek「100 GHz 超の帯域を持つ実 CPC チャネルによって、PAM4 は今や有力な候補になった」 ・ Amphenol「Copper,

    until the limits give out. PAM-4, as far as it will go.」 ・ Amphenol は新フォームファクタ Channel C を「勝者」と評価。ただし量産準備は低評価で、市場投入まで6四半期 と見積もる Data Rate and Modulation — Channel A / B / C 出典:Jim Hsieh ほか(MediaTek), All_TEF_Panel6_2512_updated.pdf, p.36 | Amphenol, All_TEF_Panel5_2512.pdf, p.19, p.22 32
  24. 2026年現在 | 銅は「少なくとも 1 m まで」と決まった ・ P802.3dv の目的:twinax 銅ケーブル上で少なくとも

    1 m(400G は1レーン、800G は2、1.6T は4) ・ 2025年末に「到達距離 TBD」だった項目が、下限つきで確定した ・ バックプレーンは目的から外れた 。代わりに OIF が2026年2月に CEI-448G-LR(1000 mm 超・コネクタ2個以上) を立ち上げ ・ 「ラック内の 1 m 級ケーブルは IEEE、バックプレーンは OIF」という分担が明示的になった ・ 実装側:OFC 2026 で Semtech が 448G/チャネルの 3.2T アクティブ銅ケーブル (CopperEdge GN8304)を先 行公開 出典:400GPL_Objectives_260610.pdf(2026年6月10日採択)、OIF 2026年3月3日プレスリリース、Semtech 2026年4月28日ブログ 33
  25. 背景 — AI データセンタの 4大制約 ・ 電力:ラックあたりの電力枠が 200 kW を超えつつある。系統から十分な電力を引くこと自体が難しくなる

    ・ ラック内の冷却 :高密度には液冷が必要。新しい技術のため展開に時間がかかり、既存DC の改修か新設が要る ・ 製造能力:AEC/DAC、AOC、光トランシーバの供給が需要に追いつくか ・ 地域社会と政治の圧力 :電気料金の上昇と供給の逼迫。原子力の再稼働を含む電源確保の動きにつながっている Four major limiting factors for AI data centers 出典:Lisa Huff(DC Tech Analysis), All_TEF_Panel5_2512.pdf, p.5 35
  26. 帯域640倍に対して電力 120倍。その内訳 ・ 640G から 409.6T までのスイッチ世代を通じて、帯域は640倍、電力は120倍 ・ 内訳は物理層が約 160倍、スイッチコアが約

    30倍。電力を押し上げているのはスイッチの中核ではない Interconnect power increasingly dominates 出典:Brian Welch(Cisco), All_TEF_Panel1_2512.pdf, p.14 36
  27. データセンタ規模で見ると ・ 従来型クラウドデータセンタ:サーバ10万台に対しトランシーバ電力は 2.3 MW ・ AI ファクトリ:同じ10万台で 40 MW

    ・ 「光ネットワークの消費電力は演算リソースの 10% を占める」 Scale-Out and AI Density Depend on Optical Connectivity 出典:Gilad Shainer(NVIDIA), All_TEF_Panel4_2512.pdf, p.15 37
  28. 選択肢を性能ではなく pJ/bit で並べる ・ FRO 14 → TRO 10 →

    LPO 6.4 → CPO 4 pJ/b。1.6T あたりでは 25 W → 18 W → 11 W → 7 W ・ NPO を含む5段階では 18 → 12 → 7 → 5 → 3 pJ/bit という整理もある Optics Options(pJ/b と 1.6T あたり電力) 出典:Gilad Shainer(NVIDIA), All_TEF_Panel4_2512.pdf, p.17 | Naim Ben-Hamida(Ciena), 同 p.43 38
  29. NVIDIA は CPO を主軸に据える(同社の主張) ・ 電力効率 3.5倍、レジリエンシ 10倍、アップタイム 5倍 ・

    AI Ethernet に固有の要件として「低ジッタ耐性(ロングテールが性能を殺す)」を挙げる ・ 一社の主張であり、業界の合意ではない。CPO とプラガブルの線引きは論点4で扱う CPO at NVIDIA Data Center 出典:Gilad Shainer(NVIDIA), All_TEF_Panel4_2512.pdf, p.13, p.21 39
  30. 電力と到達距離のトレードオフ ・ DAC <1 W/0.5〜1.0 m、ACC 3.5 W/2〜3 m、AEC 17

    W/3 m 超、AOC 25 W/20 m ・ リタイムドプラガブル光 25〜30 W/2000 m、LRO 17〜22 W、LPO 12〜15 W、CPO <10 W/2000 m ・ 「到達距離を伸ばせば電力が増える。CPO・LPO・LRO は DSP の電力を取り除くことで削減余地を生む」 High-Density Interconnect options: Power vs. Reach Tradeoff 出典:Brian Welch(Cisco), All_TEF_Panel1_2512.pdf, p.15(1.6T あたり) 40
  31. 2026年現在 | 方式ごとの電力・到達距離・用途 インターコネクト方式 到達距離 ラディックス 電力/1600G ポート 主な用途 DAC

    (Direct Attach Copper) 1–3 m 2×400G 0W ラック内 ACC (Active Copper Cable) リドライバ方式 3–4 m 2×400G 3W ラック内、隣接ラック間 LPO OSFP (Linear Pluggable Optics) 2FR4 (2 km) 2×400G 9W NIC–Leaf/Leaf–Spine Spine–Spine LRO OSFP (Linear Receive Retimed Transmit) 2DR4 (500 m)/2XDR4 (2 km) 2FR4 (2 km) 4×200G 11 W NIC–Leaf/Leaf–Spine Spine–Spine DSP Optics (Fully Retimed) 2XDR4 (2 km)/2FR4 (2 km) 4×200G 16 W NIC–Leaf/Leaf–Spine Spine–Spine 2xLR4 (10 km)/2xZR4 (<10 km) 4×200G 16 W/30 W Spine–Spine 拠点間接続 2DR4/2FR4 8×200G 30 W NIC–Leaf/Leaf–Spine Spine–Spine DSP Optics DSP Optics (Fully Retimed, 1.6T) 出典:話者が OCP APAC Summit で撮影したセッション資料より作成 41
  32. 2026年現在 | 400G/レーンを見据えた CPO 用要素技術の展示 ・ OFC 2026(2026年3月17–19日、ロサンゼルス)で Coherent が3種の

    Co-Packaged Optics(CPO)を実演 – シリコンフォトニクスによる 6.4T ソケット型 CPO(32×200G)+外部レーザ光源(ELS)モジュール – 高速 VCSEL によるマルチモードのソケット型 CPO – シリコン上 InP 変調器による 400G/レーン変調器アレイ 。同社は「将来の CPO アーキテクチャへの道筋」と位置づけている 左:シリコンフォトニクスによる6.4T CPO(200G/レーン) 右:400G/レーン InP 変調器アレイの光エンジン 出典:Coherent「Co-Packaged Optics (CPO) for AI Infrastructure|OFC 2026 Demo」(youtu.be/Tu1ve1P8Ajo)の画面、および同社 2026年3月17日プレスリリース 42
  33. 背景 — LLR に必要なバッファは、距離と PHY の遅延で決まる ・ 400 Gb/s・利用率 90%・ファイバ

    150 m のリンクで、媒体の往復遅延は約 1.5 μs。LLR には片側 71.5 kB のバッファが要る ・ ここに PHY の遅延が上乗せされる — 4×100G(2-way インタリーブ)で +0.125 μs(ファイバ 12.5 m 相当)、2×200G (4-way)で +0.18 μs(18 m 相当) ・ 1×400G は inner FEC(12-way インタリーブ)込みで +0.43 μs、ファイバ 43 m 相当 ・ 片側バッファの合計は 77 kB(+8%)/80 kB(+12%)/92 kB(+28%)。到達距離が短いほどオーバヘッド比は大きくなる What does it mean?(LLR に必要なバッファ量の求め方) 出典:Adee Ran(Cisco/UEC), Ran_TEF_2512.pdf, p.13 44
  34. レイテンシは「縮める対象」ではなく「縮まない下限」 ・ 論点は「レイテンシをどこまで小さくできるか(minimize latency)」ではなく、仕様と物理が決めてしまう下限 (minimum latency) ・ Ultra Ethernet の

    LLR(リンク層再送)は、再送に備えて送信済みパケットをポートごとにバッファする ・ 必要バッファ量は「往復遅延 × レートあたり期待値」で決まる。PHY の固有遅延が増えるほどバッファ総量が増え る Minimum PHY latency analysis 出典:Adee Ran(Cisco/UEC), Ran_TEF_2512.pdf, p.8, p.12 45
  35. PHY の遅延が、スイッチのバッファ量とクラスタ規模を決める ・ 1×400G PHY(inner FEC あり、12-way インタリーブ)+ラディックス1024 のスイッチで合計 92

    MB – 200G/レーン 4-way では 80 MB、200G では 39 MB ・ LLR の到達距離が 150 m から 120 m へ 20% 縮むと、2次元トポロジでノード数 36% 減、3次元で 48.8% 減 ・ FEC の選択(符号利得・オーバヘッド・レイテンシのトレードオフ)が、クラスタの物理サイズという経営指標に直結する PHY 別の最小レイテンシ(Visually) 出典:Adee Ran(Cisco/UEC), Ran_TEF_2512.pdf, p.14, p.15, p.16 | FEC の三すくみは Adam Healey(Broadcom), All_TEF_Panel3_2512.pdf, p.56 46
  36. 2026年現在 | LLR を支える仕組みが IEEE で標準化へ ・ Ethernet Metadata Services

    は2026年2月12日に PAR 承認、IEEE P802.3dt タスクフォースへ ・ スコープは「MAC データレート 50 Gb/s 以上を対象に、プリアンブルフィールドまたは物理層のオーダードセットで任意のメタ データを運ぶ」こと ・ 400GPL スタディグループにも2026年7月30日、China Mobile が LLR の寄書を提出 ・ 「重い FEC 以外に補完的な道具はないか」 ——2025年末の論点が、そのまま標準化の議題になった IEEE 802.3 Working Group クロージングレポート(2026年7月総会)より 出典:IEEE 802.3 Working Group closing report – July 2026 Plenary(lmsc-26-0157-00)p.10 | LLR 寄書は hu_r_400GPL_01a_260730.pdf 47
  37. 背景 — 仕様と半導体の時間差 ・ 3.2 Tbps 世代の最初のシリコンは2025年、レーンあたり 424 Gbps。PAM4 なら

    212 GBd(Nyquist 106 GHz)、 PAM6 なら 169.6 GBd(Nyquist 84.8 GHz) ・ その先は 6.4/7.25 Tbps が2028年、12.8/14.5 Tbps が2031年の見通し ・ 仕様が固まるより先にシリコンが動く 。標準化が遅れれば、仕様のない実装が先に広がる High Speed Networking Spec’s vs Next Silicon 出典:John Calvin(Keysight), OIF_TEF_Panel2_2512.pdf, p.40 49
  38. 課題 — プロジェクトを 2つに分ける ・ 新しい「高速化」レートのプロジェクトはスタディグループだけで1年以上。信号技術も同時に作る場合はドラフト開発 に2倍の時間がかかる ・ 既存レートに PHY

    を足す PHY プロジェクトなら、スタディグループは 4か月で済む ・ 提案は分割 — Effort #1「Radix」=400 Gb/s 信号技術を先に立ち上げ、Effort #2「Fat Pipe」=3.2 TbE 以上を後 続させ、成果を部品として使う Moving Forward in IEEE 802.3 出典:John D’Ambrosia(Futurewei/IEEE 802.3), DAmbrosia_TEF_2512.pdf, p.18–19 50
  39. 2026年現在 | 4か月で PAR に到達 ・ 3月13日 SG 設立 →

    5月11日 基礎的目的を採択 → 6月10日 目的を採択 → 7月16日 WG 承認 → 7月17日 LMSC が PAR・CSD 承認 ・ SA への初回投票提出は2028年9月、RevCom 提出は2029年9月の計画。想定参加者は約100名 ・ 一方、P802.3dj(200G/レーン)には遅れ が出ている。「予期せぬ遅延に備えた予防措置としてPAR 延長を申請」 ——2025年末の「2026年9月完了」想定からは後ろにずれた ・ 200G の標準が出る前に 400G のプロジェクトが立ち上がる。Effort #2(3.2 TbE 以上)の CFI は2027年1月または3月が候 補 P802.3dj の進捗(IEEE 802.3 Working Group クロージングレポート、2026年 7月総会) 出典:IEEE 802.3 Working Group closing report – July 2026 Plenary(lmsc-26-0157-00)p.4, p.11 | dambrosia_e4ai_01a_260611.pdf 51
  40. 背景 — Scale-Up は何が違うのか ・ 現状の Scale-Up:アクセラレータ約100、規模はラック単位。パッシブ PCB とラック内の twinax

    バックプレーン、隣接ラック間 は AEC ・ 次世代の Scale-Up:約1,000、規模はラック内からラック列へ。列をまたぐ区間には光が入る ・ Scale-Out は10万超から「10万をはるかに超える」規模へ。物理サイズはデータセンタ全体 ・ Scale-Up に求められる性質はロスレス・低レイテンシ 。AI モデルのパラメータ増に追随するためOIF は CEI-448G フレーム ワークを作った Shift to 448G — Scale-Up / Scale-Out の現状と次世代 出典:Cathy Liu(Broadcom/OIF), OIF_TEF_Panel2_2512.pdf, p.9 53
  41. Scale-Up も Scale-Out も Ethernet を使う ・ 従来の Scale-Up は

    PCIe ベース。現在は NVLink 系のスイッチングと、Ethernet ベースのスイッチング の2群 ・ Ethernet 側は UALink、UEC、SUE-T、そして ESUN(Ethernet for Scale-up Networking) ・ ただし UALink は Ethernet の PHY/SerDes を使うが、その上は独自のリンク層・トランザクション層 。 ESUN/UEC は Ethernet そのもので Scale-Up を実現する という違いがある ・ ESUN は2025年10月の OCP で発表。UEC および IEEE 802.3 と協調するとされる Scale-out & Scale-up links will both leverage Ethernet 出典:Jeff Hutchins(Ranovus/OIF), OIF_TEF_Panel2_2512.pdf, p.31 54
  42. 2026年現在 | 3つの仕様が出揃った ・ OCP ESUN 1.0(2026年2月に OCP 内の承認プロセスを完了し、3月10日に公開。Meta と

    Microsoft が共同リード、隔週 会合の参加者237名) – ヘッダはタグ方式で小パケットのオーバヘッドを削減。 LLR は任意機能、 PFC を継続支持しつつ UEC の CBFC を任意で利用 ・ UEC 1.0.3(2026年7月)。2026年の技術優先事項は PCM/小メッセージ性能(転送ヘッダを約50% 削減)/INC ・ UALink が2026年4月7日に4仕様を批准(In-Network Compute、チップレット定義、マネージャビリティ、200G 性能) 出典:OCP ESUN「ESUN 1.0 Overview – Liaison to IEEE 802.1/802.3」(liaision-ESUN-OverviewIEEEworkshop-0426.pdf、IEEE 802.1 公開文書)p.6, p.12 | Ultra Ethernet Specification v1.0.3(2026年7月16日) | UALink Consortium 2026年4月7日発表 55
  43. 論点1 | 電気側の変調は PAM4 か、PAM6 か、PAM8 か ・ 電気 PAM4/光

    PAM4:電気と光の互換性、LPO・低電力・低コスト、光リンクの低レイテンシ。ただし量産実現性が 調査中で、電気チャネルの到達距離を犠牲にする ・ 電気 PAM6/8/光 PAM4:市場投入時期が良好で電気到達距離が最適化される。ただしギアボックスなしでは電気 と光の互換性がなく、LPO が成立しない 448G Chip-to-OE/Module Modulation Considerations 出典:Mike Peng Li(Altera/OIF), OIF_TEF_Panel2_2512.pdf, p.21 57
  44. 主張は分かれた(各社の見解であり、合意ではない) ・ PAM4 支持 — Ciena:3 nm 実測の SNDR は

    PAM4 25.6/PAM6 27.9/PAM8 28.5 dB。「SNR の改善はカーディナリ ティ増加を正当化しない」 ・ PAM4 も有力 — Huawei:400 mm CPC で PAM4・PAM6 とも KP4 のみで BER 1E-8 未満/Altera:31AWG+CPC で 1.2 m/MediaTek:200 mm で COM 4.28 dB ・ PAM6/8 寄り — TE Connectivity:30AWG・1 m のパッシブ銅ケーブルで BER は PAM4 が 1.40×10⁻¹、PAM6 が 2.00 ×10⁻⁵ ・ 段階的 — Broadcom:短期は高次変調で既存インフラを最大化、中期は場所により、長期は最低次へ完全移行 ・ 単一解にならない可能性 — Keysight:「レイテンシ・ラディックス・速度・電力の要件に応じて複数の信号フォーマットを取りう る」 出典:All_TEF_Panel4_2512.pdf p.47 | All_TEF_Panel3_2512.pdf p.23, p.28 | OIF_TEF_Panel2_2512.pdf p.13–14, p.25–27, p.46 | All_TEF_Panel6_2512_updated.pdf p.34 | All_TEF_Panel5_2512.pdf p.34 58
  45. 分岐しているのは変調ではなく、前提とするチャネル ・ CPC ベース(パッケージ直付け)を前提にすると PAM4 が通る — Altera 1.2 m、Huawei

    400 mm、MediaTek 200 mm ・ 前面パネルに挿す 1 m のパッシブ銅ケーブルを含めると PAM4 は厳しい — TE Connectivity の実測で BER 1.40 ×10⁻¹ ・ この 1.40×10⁻¹ と Huawei の <1E-8 は矛盾していない。前面パネルに挿す 1 m の銅ケーブル と 400 mm の CPC という条件の差 BER vs Modulation — 30AWG 1 m Cable 大きな分岐点の一つは「448G の世代でも前面パネルまでの銅チャネルを残すか」 出典:TE Connectivity + Semtech, All_TEF_Panel5_2512.pdf, p.34 | Xiang He(Huawei), All_TEF_Panel3_2512.pdf, p.23 59
  46. 2026年現在 | 400G/レーンは PAM6 で「行けそう」という報告 ・ 発表は Arista(Andreas Bechtolsheim 氏)。

    ・ XPO の既存カードエッジコネクタのまま 400G/レーンを狙う。「400G-PAM6(85 GHz Nyquist)で性能は良好に見え る」。400G の銅ケーブルとフルリタイムの DSP 光も支持する ・ 実測結果は2026年9月末に出る見込み。現時点はシミュレーション(Ansys)であり、測定による裏づけはこれから XPO カードエッジ 448G の差動挿入損失シミュレー ション(224G XPO との比較) 論点1 に、初めて「 PAM6 で行けそう」という具体的な報告が出た 出典:Andreas Bechtolsheim(Arista Networks)“XPO: High Density Pluggable Data Center Optics”, OCP APAC Summit 2026(話者が会場で撮影) 60
  47. 論点2 | FEC をもう一段重ねるか( inner FEC) ・ 見解が揃っている点 — 現行の

    RS(544,514)(KP4)を土台の FEC として残す。Huawei・Alphawave・Broadcom・Cisco が 共通して支持し、最も広く一致した技術判断 ・ ・ 対立している点 — その内側にもう一段の FEC(inner FEC)を「入れる」か「入れられるようにする」か – Broadcom:道具箱から取り出す次の道具になりうる/ Alphawave:KP4 の内側に FEC を重ね、可変長・バイパス可能に – Huawei:ホスト ASIC の電力が増え、高集積スイッチチップには困難/ UEC:インタリービング追加を避け、設定可能にすべき 複数の提案に共通するのは「inner FEC を常時必須とせず、必要に応じて使えるようにする 」方向。ただし FEC は符号利得 ・オーバヘッド・レイテンシの三すくみで、方式は P802.3dv の目的にも未記載 Triple trade-off for error-correcting codes 出典:Adam Healey(Broadcom), All_TEF_Panel3_2512.pdf, p.51, p.56 | Tony Chan Carusone(Alphawave Semi), 同 p.43–48 | Xiang He(Huawei), 同 p.28–29 | Adee Ran(Cisco/UEC), Ran_TEF_2512.pdf, p.16 61
  48. 論点3 | 前面パネルのフォームファクタ ・ ・ 新しいプラガブルフォームファクタが必要だという点では見解が揃っている 。ただし具体案は並立したまま – Amphenol:8レーンが銅に好ましく、 16レーンに拡張可能。

    64レーンは光に有利。 2027年までに標準化 – Huawei:OIF の高密度コネクタ( HDC)が有効な解/ Ciena:6.4T の 2D コネクタ、リタイマ不要で 5 W/Tbps – Lightmatter:高速銅ピンを廃し、 LGA で電力と低速制御だけを供給してブラインドメイトする Molex はフォームファクタではなく機械精度を論点化。嵌合位置 0.25 mm の差で挿入損失 1.5 dB、インピーダンス 15 Ω が動く Emerging Form Factor(s) 出典:Amphenol, All_TEF_Panel5_2512.pdf, p.21–22 | Xiang He(Huawei), All_TEF_Panel3_2512.pdf, p.14, p.28 | Ciena, All_TEF_Panel4_2512.pdf, p.54 | Lightmatter, All_TEF_Panel6_2512_updated.pdf, p.49 | Molex, All_TEF_Panel5_2512.pdf, p.42–43 62
  49. 2026年現在 | ソケットとコネクタの標準化が動き出した ・ XPO MSA(Arista 主導、2026年3月発足)— 仕様 1.0 を2026年7月31日に公開、同日時点で会員144社。後続作業は

    400G/レーン ・ Open CPX MSA(2026年3月12日発足、Ciena・Coherent・Marvell・Molex・Samtec・TeraHop が創設)— コパッケージ 光エンジンのソケットと電気コネクタ を規定してマルチベンダ互換を取る ・ OCI MSA は Scale-Up の光そのものを規定(次ページ)。2025年末に「並立したまま」だった各社案が、 Ciena・Molex・Samtec は Open CPX へ、Amphenol・Lightmatter は XPO へと集まった XPO MSA の会員数と仕様公開(OCP APAC Summit 2026) 出典:Andreas Bechtolsheim(Arista Networks), OCP APAC Summit 2026(話者が会場で撮影)| ロゴは各 MSA の公式サイト 63
  50. 論点4 | CPO とプラガブルの線引き ・ CPO が有力な選択肢になる という認識は広い。ただし「何を CPO にし、何をプラガブルに残すか」は未決

    ・ Cisco:双方が必要。CPO は電力効率・密度とシンプルな AUI のため、プラガブルはインタフェースの柔軟性のため ・ Ranovus の留保:CPO 用シリコンフォトニクスは 400G シリアルの帯域に届かない。1波長あたりの速度を落として 波長数を増やす (多波長・双方向)構成にせざるをえない Takeaways — 有力なシナリオの一つ:CPO には PAM4、CPC には PAM6 出典:Hadrien Louchet ほか(Keysight), All_TEF_Panel6_2512_updated.pdf, p.27 | Brian Welch(Cisco), All_TEF_Panel1_2512.pdf, p.17 | Jeff Hutchins(Ranovus), OIF_TEF_Panel2_2512.pdf, p.35 64
  51. 2026年現在 | 光は「速い 1波長」ではなく「遅い多波長」で来た ・ 2026年3月12日、AMD・Broadcom・Meta・Microsoft・NVIDIA・OpenAI が OCI MSA を発足。Scale-Up

    向け光イン ターコネクトのオープン仕様を作る ・ 仕様 v1.0 は 1波長 53.125 GBd の NRZ を4波長で 212.5 Gbps/方向、1本のファイバで双方向 。変調器はマイクロリング 共振器、光源は外部レーザ(OIF ELSFP 準拠) ・ リンクモデルは 500 m の SMF・挿入損失 2.5 dB。IEEE 802.3 の 200/400/800GBASE-R と 1.6TBASE-R の PMA に接 続する形で定義されている OCI 仕様 v1.0 — 光信号の基本諸元とファイバリンクモデル 1波長を速くするのではなく、遅い波長を並べて 1本のファイバで双方向に使う 出典:OCI MSA「200G Optical Compute Interconnect Line Interface Specification」v1.0(2026年3月11日) 65
  52. 論点5 | レイテンシの優先順位 ・ IEEE 802.3 側の資料:「レイテンシは、レジリエンス、リーチ、電力とトレードオフできる」(2024年の Meta 資料が出 典)

    ・ UEC:会員調査で唯一合意したのが「最小レイテンシが重要」 ・ Broadcom/NVIDIA/Altera/Ranovus:テイルレイテンシは AI 固有の厳しい制約 ・ レイテンシを「トレードオフ可能」と位置づけているのは IEEE 802.3 側の資料のみ。この差が、 inner FEC とインタ リービングの扱いを左右する 出典:DAmbrosia_TEF_2512.pdf p.7 | Ran_TEF_2512.pdf p.7 | OIF_TEF_Panel2_2512.pdf p.10, p.19, p.30 | All_TEF_Panel4_2512.pdf p.13 66
  53. 差が「測定条件の違い」として追跡できる ・ 各社の結論は食い違うが、どのチャネルを、どの条件で測ったか が資料に書かれている ・ 比較を成立させているのは3つの共通基盤 – SNIA/SFF の 400G

    AI 銅インターコネクト向け共通 COM パラメータセット (SFF-TA-1043) – IEEE 802.3 の COM オープンソースツール – OIF CEI-448G Framework が定義した共通の用語体系 Example channels for 448G AI interconnects 448G の議論が、共通の評価基準の上で行われるようになった 出典:Tom Palkert(Samtec/SNIA SFF), Palkert_TEF_2512.pdf, p.3 67
  54. 2026年の時系列 ・ 2026年1月 UEC が Ultra Ethernet 仕様 1.0.2 を公開

    ・ 2026年2月 OIF が CEI-448G-VSR/-LR を開始、P802.3dt の PAR 承認、SFF-TA-1043 Rev 0.0.1 ドラフト公開 ・ 2026年3月 CFI 可決(賛成122・反対0・棄権1)→ 400GPL スタディグループ設立。10日に OCP が ESUN 1.0 を公開。 OFC 2026 の直前に光インターコネクトの MSA が3件発足(OCI/Open CPX/XPO) ・ 2026年4月 UALink が4仕様を批准、ESUN が IEEE 802.1・802.3 にリエゾン ・ 2026年5月 OIF が EEI 高密度(HD)コネクタ・フレームワークの公開を承認 ・ 2026年6月 400GPL が目的(全12項目)を採択 ・ 2026年7月 WG が目的承認、LMSC がドラフト PAR・CSD 承認 → IEEE P802.3dv。16日に UEC 1.0.3、31日に XPO 仕 様 1.0(会員144社)を公開 出典:IEEE 802.3/OIF/OCP/UEC/UALink/SNIA の公開文書、OCI MSA・Open CPX MSA の発表、XPO は OCP APAC Summit 2026 の発表資料 69
  55. 2025年末に想定されていた目的 ・ 既存の Ethernet レート(400GbE ×1、800GbE ×2、1.6TbE ×4)/光はシングルレーン SMF で

    500 m 以下 ・ 銅は「ケーブルとバックプレーン、到達距離 TBD(パッシブ+アクティブ)」——ここが空欄だった Anticipated 400G/lane Signaling Project Objectives 出典:Kent Lusted(Synopsys)/Mark Nowell(Cisco)“Defining 400 Gbps per Lane”, Lusted_TEF_2512.pdf, p.19 70
  56. P802.3dv の目的 — TBD が埋まった ・ 光:1/2/4 対の SMF で少なくとも

    500 m まで(400G/800G/1.6T) ・ 銅:twinax 銅ケーブルで少なくとも 1 m まで(同上) ・ 原文は “with lengths up to at least …”。「最大到達距離として、少なくともその長さまでを対象にする」というObjective ・ AUI:シングル/2/4 レーンの C2M・C2C(任意) ・ BER:MAC/PLS サービスインタフェースで 10⁻¹³ 以下 ・ 除外:想定にあったバックプレーンは目的から外れた ・ 依然として未記載:変調方式( PAM4/PAM6/PAM8)と FEC 400GPL スタディグループが2026年6月10日に採択した目的(左:レート非依存、右:400 Gb/s 関連) 出典:IEEE 802.3「400GPL SG Objectives」(400GPL_Objectives_260610.pdf、2026年6月10日 SG 採択/7月16日 WG 承認) 71
  57. 未決だった論点は今どうなっているか ・ 決定 銅の到達距離(Objective として少なくとも 1 m まで)。バックプレーンは OIF CEI-448G-LR

    へ ・ ほぼ決定 光の到達距離(少なくとも 500 m まで)。変調は PAM4 前提のベースライン案が提出済み(Cisco, 6月30日) ・ 仕様化 Scale-Up の Ethernet 化(ESUN 1.0/UEC 1.0.3)、Ethernet PHY を使う UALink の4仕様、光側の OCI 仕様 v1.0 ・ 議題化 レイテンシの優先順位(P802.3dt のタスクフォース化、China Mobile の LLR 寄書) ・ 前進 フォームファクタは XPO 仕様 1.0(7月31日、144社)と Open CPX MSA に集約されつつある ・ 未決だが材料が出た 電気側の変調 — XPO が「400G-PAM6(85 GHz Nyquist)で良好」とシミュレーション結果を提示(実 測は9月末) ・ 未決 inner FEC、PAM6 の符号化方式と試験パターン 決まったのは「枠組み」であり、「技術選択」ではない 出典:IEEE 802.3/OIF/OCP/SNIA の公開文書、OCI MSA 仕様 v1.0、OCP APAC Summit 2026 の発表資料にもとづく整理 72
  58. 比較のための共通の評価基準が文書になった ・ SNIA/SFF が SFF-TA-1043 Rev 0.0.1「COM Parameters for 400G

    AI Copper Interconnects」を2026年2月 13日にパブリックレビュー用のドラフト として公開 ・ 収録は PAM4 と PAM6 の Aggressive・Conservative、および PAM8 Aggressive の計5セット(第5章 5.1〜 5.5) ・ 2025年末時点の「PAM8 は扱わない」方針から対象が広がった ・ 2026年秋以降のタスクフォースでの変調・FEC のベースライン議論は、この共通の評価基準の上で行われる 左:TEF 2025 時点の計画(SFF project goals) 右:SFF-TA-1043 Rev 0.0.1 の目次(5.1〜5.5 に5セット) 出典:SNIA「SFF-TA-1043 Rev 0.0.1 COM Parameters for 400G AI Copper Interconnects」(2026年2月13日、パブリックレビュー用ドラフト)p.4 | 左図は Palkert_TEF_2512.pdf, p.5 73
  59. 団体の分業 ・ IEEE 802.3 物理層の規格(変調、FEC、PHY/インタフェース)。ケーブルは 1 m 級まで ・ OIF

    パッケージ内から 1 m 級、およびバックプレーン(CEI-448G-LR、1000 mm 超)を実装合意として仕様化 ・ UEC MAC より上の信頼性機構(LLR、CBFC)を定義し、物理層への要求を逆算してIEEE に伝える ・ OCP システム/ラック/モジュールの実装形態(ORv3、OAM、ESUN) ・ SNIA/SFF 共通の COM パラメータセットを整備し、各社のシミュレーション結果を比較可能にする ・ MSA 群(2026年3月〜) 実装の形を決める — OCI が Scale-Up の光、Open CPX が CPO のソケットとコネクタ、XPO が 高密度プラガブル ・ 規格団体が「何を満たすか」を決め、MSA が「どんな部品で実現するか」を決める分担になってきた 出典:各団体の公開文書にもとづく整理 74
  60. これから ・ 2026年8月25日 IEEE 802.3 E4AI が Effort #2(3.2 TbE

    以上)の CFI 向け会合 ・ 2026年9月21–23日 ECOC 2026(マラガ)。OIF が39社で CEI-448G/224G、CMIS、コパッケージング、EEI をデモ ・ 2026年9月21–25日 IEEE-SA 標準化委員会(SASB)会合シリーズ(9月会合向けの提出期限は8月14日)。PAR が承認さ れて初めてタスクフォースが発足 する ・ 2026年9月末 XPO の 400G/レーン(PAM6)の試作サンプルと実測結果 が出る見込み ・ 2026年10月7–8日 TEF 2026「The AI Future: Ethernet」(Mountain View)。想定トピックに 1.6 Tb/s 超の要求、FEC、 冷却 ・ 2027年1月/3月 Effort #2 の CFI 実施候補 ・ 変調と FEC の判断は、これから発足するタスクフォースの手に渡る 出典:IEEE 802.3 WG 2026年7月総会クロージングレポート、IEEE-SA 2026年ガバナンス会合カレンダー、OIF 2026年7月29日予告、Ethernet Alliance TEF 2026 公式ページ、OCP APAC Summit 2026 の発 表資料 75
  61. まとめ — ゴールへの答え ・ 「帯域が足りない」の正体 — I/O に使える縁の長さ、ラックに通せる配線の本数、1ビットを運ぶエネルギー。ロジックの微細 化だけでは伸びない ・

    決まったこと — 400 Gb/s/レーンという目標。Objective として銅 twinax は少なくとも 1 m まで、光 SMF は少なくとも 500 m まで。プロジェクトは P802.3dv として提案中 ・ 決まっていないこと — 電気側の変調(PAM4/PAM6/PAM8)と inner FEC。大きな分岐点の一つは、前面パネルまでの 銅チャネルを残すかどうか ・ 選べる範囲を狭めているもの — 距離を伸ばせば電力が増え、遅延が増えればバッファとクラスタ規模に跳ね返る。 FEC を強 くすれば遅延が増える ・ 次に追う文書 — IEEE P802.3dv の目的とタスクフォース、OIF CEI-448G-VSR/-LR、UEC、OCP ESUN、SNIA SFF-TA-1043、OCI/Open CPX/XPO の各 MSA 出典:本資料で引用した公開資料および標準化文書 76
  62. 参考情報 ・ TEF 2025: Ethernet for AI(Ethernet Alliance、2025年12月2–3日、Hyatt Centric Mountain

    View) – 公開資料 14本・431ページ。Ethernet Alliance 公式ブログ「TEF 2025: Ethernet for AI Presentations」(2025年12月9日) ・ スライド画像はすべて上記公開資料からの引用であり、著作権は各社に帰属します ・ 標準化動向の一次情報 — IEEE 802.3(CFI 資料、400GPL 公開文書、ドラフト PAR、WG 総会レポート、E4AI 資料)、OIF (四半期会合発表、Current Work)、OCP(ESUN リエゾン)、UEC、UALink Consortium、SNIA/SFF ・ 展示会 — OFC 2026(2026年3月17–19日、ロサンゼルス)の公式発表と出展各社のリリース ・ 本スライドは話者が作成した TEF 2025 参加レポート(非公開)にもとづきます 77