Upgrade to Pro
— share decks privately, control downloads, hide ads and more …
Speaker Deck
Features
Speaker Deck
PRO
Sign in
Sign up for free
Search
Search
情報科学若手の会 2024 LT「WebAssemblyで拡張可能な軽量マークアップ言語の開発」
Search
Mutsuha Asada
September 15, 2024
Technology
0
47
情報科学若手の会 2024 LT「WebAssemblyで拡張可能な軽量マークアップ言語の開発」
Brackについての紹介
https://github.com/brack-lang/brack
Mutsuha Asada
September 15, 2024
Tweet
Share
More Decks by Mutsuha Asada
See All by Mutsuha Asada
🔨 小さなビルドシステムを作る
momeemt
4
680
情報科学類で学べる専門科目38選
momeemt
0
580
❄️ tmux-nixの実装を通して学ぶNixOSモジュール
momeemt
1
250
Wasmで拡張できる軽量マークアップ言語 Brack
momeemt
0
110
❄️ NixOS/nixpkgsにSATySFiサポートを実装する
momeemt
2
250
Intel系FPGA上へのRISC-Vプロセッサの実装
momeemt
0
150
Nixでつくるdotfiles
momeemt
1
63
情報特別演習I 最終発表「理工学の紙書籍を用いた学習の効率を向上させるインタフェース」
momeemt
0
41
SATySFi Conf 2023「SATySFiを使って学類新歓冊子を発行した」
momeemt
0
27
Other Decks in Technology
See All in Technology
ガチな登山用デバイスからこんにちは
halka
1
240
Agile PBL at New Grads Trainings
kawaguti
PRO
1
430
Django's GeneratedField by example - DjangoCon US 2025
pauloxnet
0
150
Oracle Base Database Service 技術詳細
oracle4engineer
PRO
9
73k
Android Audio: Beyond Winning On It
atsushieno
0
120
Language Update: Java
skrb
2
300
今!ソフトウェアエンジニアがハードウェアに手を出すには
mackee
12
4.8k
新アイテムをどう使っていくか?みんなであーだこーだ言ってみよう / 20250911-rpi-jam-tokyo
akkiesoft
0
260
CDK CLIで使ってたあの機能、CDK Toolkit Libraryではどうやるの?
smt7174
4
180
共有と分離 - Compose Multiplatform "本番導入" の設計指針
error96num
2
490
ZOZOマッチのアーキテクチャと技術構成
zozotech
PRO
4
1.5k
なぜスクラムはこうなったのか?歴史が教えてくれたこと/Shall we explore the roots of Scrum
sanogemaru
5
1.6k
Featured
See All Featured
Done Done
chrislema
185
16k
How to train your dragon (web standard)
notwaldorf
96
6.2k
Context Engineering - Making Every Token Count
addyosmani
3
42
Distributed Sagas: A Protocol for Coordinating Microservices
caitiem20
333
22k
Connecting the Dots Between Site Speed, User Experience & Your Business [WebExpo 2025]
tammyeverts
8
520
Scaling GitHub
holman
463
140k
The Web Performance Landscape in 2024 [PerfNow 2024]
tammyeverts
9
810
Principles of Awesome APIs and How to Build Them.
keavy
126
17k
The Language of Interfaces
destraynor
161
25k
Easily Structure & Communicate Ideas using Wireframe
afnizarnur
194
16k
Bash Introduction
62gerente
615
210k
Code Review Best Practice
trishagee
70
19k
Transcript
1 情報科学若手の会 2024 LT WebAssemblyで拡張可能な 軽量マークアップ言語の開発 浅田睦葉 GitHub: @momeemt
2 自己紹介 省略
・Markdownは統一された規格が無く、 CommonMarkやGitHub Flavored Markdown(GFM)などの後発の規格がいくつかある → 脚注はCommonMarkに定義されている?GFMには? → インライン脚注はpandocで変換できる? → リストの要素に見出しを含めてMarkdown.plで変換できる?CommonMark準拠だと?
→ MultiMarkdownを使うとルビを振ることはできる? ・人々はMarkdownの枠を超えた表現力をMarkdownに要求している 3 Markdownクイズ 😄 まあ確かに欲しいよな 知人のMarp製スライド pタグを省略できる JSXであるところのMDX
・Markdownの統一された規格は無く、CommonMarkやGitHub Flavored Markdownなどが乱 立している → 脚注はCommonMarkに定義されている?GFMには? → インライン脚注はpandocで変換できる? → リストの要素に見出しを含めてMarkdown.plで変換できる?
・人々はMarkdownの枠を超えた表現力をMarkdownに要求している 3 動機 まあ確かに欲しいよな 知人のMarp製スライド pタグを省略できるJSX 4 変換規則・対象を拡張することを 前提にしたマークアップ言語が欲しい
5 文法 ・文法を最小限にして、できるだけ簡単に拡張可能な言語仕様にする ・多くのマークアップ言語は拡張が処理系依存 ・Brackの重要な文法は1種類(厳密には3種類)だけ ・コマンド呼び出し構文 ・[module.ident arg1, arg2, ...,
argN] ・`[]`はインライン、`{}`はブロックで、 単なる置換メカニズム ・`<>`はマクロ
6 プラグイン① ・WebAssemblyバイナリをプラグインとして扱う ・現在はRustのみで書いているが、JavaScriptやGo、Cなどでも書ける ・HTMLターゲットのboldの実装は単純 ・[std.bold hello]はどう処理されるか 1. コンパイラが文字列“hello”をプラグインに渡す 2.
bタグで囲った文字列“<b>hello</b>”を返す ・インライン脚注は置換のみでは実現できない ・抽象構文木を操作可能なマクロを利用する ・文書のASTとIDを受け取る ・フッターに脚注を挿入するコードを書く
7 プラグイン② [展望] ・LSPも書いている(今は簡単なエラー報告ができる程度) ・プラグインがLSPの機能を実装できるように進める予定 ・型検査、補完、Inlay Hints、Code Actions、Semantic Tokensなど ソースコード
トークン列 具象構文木 (CST) 抽象構文木 (AST) 変換前表現 生成結果 tokenizer parser transformer → プラグインが定義したフォーマッタを呼び出す expander → プラグインが定義したマクロを呼び出す codegen → プラグインが定義したコマンドを呼び出す
8 ターゲット ・テキスト形式ならターゲットを自由に選べる ・先述したHTMLをはじめとして、pandoc ASTやはてな記法、JSON、XMLなど ・バイナリ形式だと少し大変そう ・フックを入れたい [展望] ・JSON形式に変換した後に、そのデータを利用して任意のプログラムを実行する ・既存のPDFバックエンド(typst/pdf-writerなど)を利用して直接PDFを出力する
・動画、画像、音声、その他?
9 何に使うの ・現状: 私のブログ(blog.momee.mt)はBrackで書かれています ・このスライドはCanvaで作りましたがBrackで書けるようになると嬉しい ・Marp、結局はHTMLの暴力になってしまう ・単一のファイルからPDF、Playground、講義動画の出力 ・今はマークアップ言語が主流ではない、文章主体の作業を効率化したい
まとめ 10 ・9月末にv0.1.0を出す予定です!興味があれば動かしてみていただけると嬉しいです ・Brackが使えそうな分野があればぜひ教えてください