Upgrade to Pro — share decks privately, control downloads, hide ads and more …

資料3 令和8年度診療報酬改定の基本方針について(基本認識、基本的視点、具体的方向性②)/20...

Avatar for nextit nextit
November 12, 2025

資料3 令和8年度診療報酬改定の基本方針について(基本認識、基本的視点、具体的方向性②)/20251023_shahoshin

令和7年10月23日(木)開催の社会保障審議会・医療保険部会の資料です。

<掲載元>
第201回社会保障審議会医療保険部会
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_65085.html

【資料3】令和8年度診療報酬改定の基本方針について(基本認識、基本的視点、具体的方向性②)
https://www.mhlw.go.jp/content/12401000/001584289.pdf

Avatar for nextit

nextit

November 12, 2025
Tweet

More Decks by nextit

Other Decks in Business

Transcript

  1. 基 本 認 識 に つ い て ① 1

    基本認識については、以下のように示すこととしてはどうか。 ◆ 日本経済が新たなステージに移行しつつある中での物価・賃金の上昇、人口構造の変化や人口減少の中での人材確保、 現役世代の負担の抑制努力の必要性 ◦ 現下、日本経済は持続的な物価高騰・賃金上昇の中にあり、30年続いたコストカット型経済から脱却し、新たなス テージに移行しつつある。一方で、医療分野は公定価格であるために、この経済社会情勢の変化に機動的な対応を行う ことが難しく、そのサービス提供や人材確保に大きな影響を受けていることから、医療機関等の経営の安定や現場で働 く幅広い職種の賃上げに確実につながる的確な対応が必要な状況である。 ◦ 高齢化による増加分に相当する伸びに経済・物価動向等を踏まえた対応に相当する増加分を加算することとした「経 済財政運営と改革の基本方針2025」を踏まえ、令和8年度診療報酬改定において、物価高騰・賃金上昇、人口の減少、 支え手が減少する中での人材確保の必要性など、医療機関等が厳しい状況に直面していることや、現役世代の保険料負 担の抑制努力の必要性を踏まえつつ、地域の医療提供体制を維持し、患者が必要なサービスが受けられるよう、措置を 講じる必要がある。 ◆ 2040年頃を見据えた、全ての地域・世代の患者が適切に医療を受けることが可能かつ、医療従事者も持続可能な働き 方を確保できる医療提供体制の構築 ◦ 2040年頃に向けては、全国的に生産年齢人口は減少するものの、医療・介護の複合ニーズを有する85歳以上人口が増 加していくこと、また65歳以上の高齢者人口については、増加する地域・減少する地域と地域差が生じていくことが見 込まれる。こうした人口構造や地域ごとの状況の変化に対応するため、限りある医療資源を最適化・効率化しながら、 「治す医療」と「治し、支える医療」を担う医療機関の役割分担を明確化し、地域完結型の医療提供体制を構築する必 要がある。 ◦ また併せて、医療従事者も持続可能な働き方を確保できるよう、働き方改革による労働環境の改善、医療DXやタスク シフト・シェアなどの医療従事者の業務負担軽減の更なる推進が必要である。
  2. 基 本 認 識 に つ い て ② 2

    (続き) ◆ 医療の高度化や医療DX、イノベーションの推進等による、安心・安全で質の高い医療の実現 ◦ 安心・安全で質の高い医療の実現のため、医療技術の進歩や高度化を国民に還元するとともに、ドラッグ/デバイス・ ラグ/ロスへの対応が求められている。また、デジタル化された医療情報の積極的な利活用を促進することや、医療現 場においてAI・ICT等を活用し、更なる医療DXを進めていくことが、個人の健康増進に寄与するとともに、より効果 的・効率的かつ安心・安全で質の高い医療を実現していくために重要である。 ◦ 医療分野のイノベーションの推進により創薬力・開発力を維持・強化するとともに、革新的医薬品を含めたあらゆる 医薬品・医療機器等を国民に安定的に供給し続けるための生産供給体制の構築等の取組を通じて、医療と経済の発展を 両立させ、安心・安全な暮らしを実現することが重要である。 ◆ 社会保障制度の安定性・持続可能性の確保、経済・財政との調和 ◦ 制度の安定性・持続可能性を確保しつつ国民皆保険を堅持し、次世代に継承するためには、経済・財政との調和を図 りつつ、限られた人材の中で、より効率的・効果的な医療政策を実現するとともに、国民の制度に対する納得感を高め ることが不可欠である。 ◦ そのためには、「経済財政運営と改革の基本方針 2025」や「新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画2025 年改訂版」等を踏まえつつ、更なる適正化、医療資源の効率的・重点的な配分、医療分野におけるイノベーションの評 価等を通じた経済成長への貢献を図ることが必要である。
  3. 基 本 的 視 点 ・ 具 体 的 方

    向 性 につ い て① 3 ⚫ 基本的視点及び具体的方向性については、以下のとおりとしてはどうか。 ⚫ その際、物価高騰・賃金上昇や医療従事者の人材確保が大きな課題となっていることに鑑み、 視点1に重点を置くこととしてはどうか。 視点1 物価や賃金、人手不足などの医療機関等を取りまく環境の変化への対応【重点課題】 視点2 2040年頃を見据えた医療機関の機能の分化・連携と地域における医療の確保、地域包括 ケアシステムの推進 視点3 安心・安全で質の高い医療の推進 視点4 効率化・適正化を通じた医療保険制度の安定性・持続可能性の向上
  4. 基 本 的 視 点 ・ 具 体 的 方

    向 性 につ い て② 視 点 1 物 価 や 賃 金 、 人 手 不 足 な ど の 医 療 機 関 等 を 取 り ま く 環 境 の 変 化 へ の 対 応 4 【考えられる具体的方向性の例】 ◦ 医療機関等が直面する人件費、委託費や医療材料費等といった物件費の高騰を踏まえた対応 ◦ 賃上げや業務効率化・負担軽減等の業務改善による医療従事者の人材確保に向けた取組 ・ 医療従事者の処遇改善 ・ 業務の効率化に資する ICT 、AI、IoT等の利活用の推進 ・ タスク・シェアリング/タスク・シフティング、 チーム医療の推進 ・ 医師の働き方改革の推進/診療科偏在対策 ・ 診療報酬上求める基準の柔軟化 ◦ 医療機関等は、現下の持続的な物価高騰により、事業収益の増加以上に、人件費、委託費や医療材料費等といった物件費の事業費用 が増加しており、事業利益が悪化している状況、また、2年連続5%を上回る賃上げ率であった春闘などにより、全産業において賃上 げ率が高水準となっている中、医療分野はこれに届いておらず、人材確保も難しい状況にあり、医療分野は厳しい状況に直面している。 ◦ 医療機関等が資金繰り悪化等により、必要な医療サービスが継続できない事態は避けなければならないことから、物価高騰による諸 経費の増加を踏まえた対応や、必要な処遇改善等を通じた、医療現場を支える医療従事者の賃上げ・人材確保のための取組を進めるこ とが急務である。 ◦ 加えて、医師の働き方改革を進め、全ての医療従事者が健康に働き続けることのできる環境を整備することは、患者・国民に対して 提供される医療の質・安全を確保すると同時に、持続可能な医療提供体制を維持していく上で重要である。また今後は、ICT 、AI、 IoT等の利活用の推進や、これらを通じた診療報酬上求める基準の柔軟化等により、医療従事者の業務効率化・負担軽減等を行ってい く必要がある。
  5. 基 本 的 視 点 ・ 具 体 的 方

    向 性 につ い て③ 視 点 2 2 0 4 0 年 頃 を 見 据 え た 医 療 機 関 の 機 能 の 分 化 ・ 連 携 と 地 域 に お け る 医 療 の 確 保 、 地 域 包 括 ケ ア シ ス テ ム の 推 進 ◦ 2040年頃を見据えては、中長期的な人口構造や地域の医療ニーズの質・量の変化を見据えた上で医療提供体制を構築していく必要が あるところ、それに向けて、医療機関の機能に着目した分化・連携、病床の機能分化・連携等の入院医療を始めとして、外来医療・在 宅医療、介護との連携を図ることが重要である。 ◦ 併せて、こうした医療提供体制の構築に当たっては、更なる生産年齢人口の減少に伴って医療従事者確保の制約が増す中で、ICT 、 AI、IoT等の利活用の推進等により医療従事者の業務効率化・負担軽減等を行うこと、タスク・シェアリング/タスク・シフティング、 チーム医療の推進等により多職種が連携して医療現場を支えること、また都市部と比較して人口減少がより顕著な地方部の人口・医療 資源の少ない地域を支援すること等により、どの地域でも必要な医療機能を確保することが必要である。 5 【考えられる具体的方向性の例】 ◦ 患者の状態及び必要と考えられる医療機能に応じた入院医療の評価 ・ 患者のニーズ、病院の機能・特性、地域医療構想を踏まえた、医療提供体制の整備 ・ 人口の少ない地域の実情を踏まえた評価 ◦ 「治し、支える医療」の実現 ・ 在宅療養患者や介護保険施設等入所者の後方支援機能(緊急入院等)を担う医療機関の評価 ・ 円滑な入退院の実現 ・ リハビリテーション・栄養管理・口腔管理等の高齢者の生活を支えるケアの推進 ◦ かかりつけ医、かかりつけ歯科医、かかりつけ薬剤師の機能の評価 ◦ 外来医療の機能分化と連携 ◦ 質の高い在宅医療・訪問看護の確保 ◦ 人口・医療資源の少ない地域への支援 ◦ 医療従事者確保の制約が増す中で必要な医療機能を確保するための取組 ・ 業務の効率化に資する ICT 、AI、IoT等の利活用の推進(再掲) ・ タスク・シェアリング/タスク・シフティング、 チーム医療の推進 (再掲) ◦ 医師偏在対策の推進
  6. 基 本 的 視 点 ・ 具 体 的 方

    向 性 につ い て④ 視 点 3 安 心 ・ 安 全 で 質 の 高 い 医 療 の 推 進 6 ◦ 患者の安心・安全を確保しつつ、医療技術の進展や疾病構造の変化等を踏まえ、第三者による評価やアウトカム評価など客観的な評 価を進めながら、イノベーションを推進し、新たなニーズにも対応できる医療の実現に資する取組の評価を進める。 【考えられる具体的方向性の例】 ◦ 患者にとって安心・安全に医療を受けられるための体制の評価 ◦ アウトカムにも着目した評価の推進 ◦ 医療DXやICT連携を活用する医療機関・薬局の体制の評価 ◦ 質の高いリハビリテーションの推進 ◦ 重点的な対応が求められる分野への適切な評価 ・ 救急医療の充実 ・ 小児・周産期医療の充実 ・ 質の高いがん医療の評価 ・ 質の高い精神医療の評価 ・ 難病患者等に対する適切な医療の評価 ◦ 感染症対策や薬剤耐性対策の推進 ◦ 口腔疾患の重症化予防等の生活の質に配慮した歯科医療の推進、口腔機能発達不全及び口腔機能低下への対応の充実、歯科治 療のデジタル化の推進 ◦ 地域の医薬品供給拠点としての薬局に求められる機能に応じた適切な評価、薬局・薬剤師業務の対人業務の充実化 ◦ イノベーションの適切な評価や医薬品の安定供給の確保等
  7. 基 本 的 視 点 ・ 具 体 的 方

    向 性 につ い て⑤ 視 点 4 効 率 化 ・ 適 正 化 を 通 じ た 医 療 保 険 制 度 の 安 定 性 ・ 持 続 可 能 性 の 向 上 ◦ 高齢化や技術進歩、高額な医薬品の開発等により医療費が増大していくことが見込まれる中、国民皆保険を維持するため、医療資源 を効率的・重点的に配分するという観点も含め、制度の安定性・持続可能性を高める不断の取組が必要である。 ◦ 医療関係者が協働して、医療サービスの維持・向上を図るとともに、効率化・適正化を図ることが求められる。 7 【考えられる具体的方向性の例】 ◦ 後発医薬品・バイオ後続品の使用促進 ◦ OTC類似薬等の薬剤給付の在り方の検討 ◦ 費用対効果評価制度の活用 ◦ 市場実勢価格を踏まえた適正な評価 ・ 医薬品、医療機器、検査等に関する、市場実勢価格を踏まえた適正な評価/効率的かつ有効・安全な利用体制の確保 ◦ 電子処方箋の活用や医師・病院薬剤師と薬局薬剤師の協働の取組による医薬品の適正使用等の推進 ・ 重複投薬、ポリファーマシー、残薬、適正使用のための長期処方の在り方への対応 ・ 医師及び薬剤師の適切な連携による医薬品の効率的かつ安全で有効な使用の促進 ・ 医学的妥当性や経済性の視点も踏まえた処方の推進 ・ 電子処方箋の活用 ◦ 外来医療の機能分化と連携(再掲) ◦ 医療DXやICT連携を活用する医療機関・薬局の体制の評価(再掲)
  8. ( 参 考 ① ) 過 去 の 診 療

    報 酬 改定 の 基本 方 針( 基 本 認識 ・ 基本 的 視 点) 平成30年度改定基本方針 (2017年12月11日) 令和2年度改定基本方針 (2019年12月10日) 令和4年度改定基本方針 (2021年12月10日) 令和6年度改定基本方針 (2023年12月11日) 基 本 認 識 ➢ 人生100年時代を見据えた 社会の実現 ➢ どこに住んでいても適切な 医療・介護を安心して受け られる社会の実現(地域包 括ケアシステムの構築) ➢ 制度の安定性・持続可能 性の確保と医療・介護現場 の新たな働き方の推進 ➢ 健康寿命の延伸、人生100 年時代に向けた「全世代型 社会保障」の実現 ➢ 患者・国民に身近な医療の 実現 ➢ どこに住んでいても適切な 医療を安心して受けられる 社会の実現、医師等の働き 方改革の推進 ➢ 社会保障制度の安定性・持 続可能性の確保、経済・財 政との調和 ➢ 新興感染症等にも対応でき る医療提供体制の構築など 医療を取り巻く課題への対 応 ➢ 健康寿命の延伸、人生100 年時代に向けた「全世代型 社会保障」の実現 ➢ 患者・国民に身近であって、 安心・安全で質の高い医療 の実現 ➢ 社会保障制度の安定性・持 続可能性の確保、経済・財 政との調和 ➢ 物価高騰・賃金上昇、経営の状況、 人材確保の必要性、患者負担・保険 料負担の影響を踏まえた対応 ➢ 全世代型社会保障の実現や、医療・ 介護・障害福祉サービスの連携強化、 新興感染症等への対応など医療を取 り巻く課題への対応 ➢ 医療 DX やイノベーションの推進等 による質の高い医療の実現 ➢ 社会保障制度の安定性・持続可能性 の確保、経済・財政との調和 基 本 的 視 点 地域包括ケアシステムの構築 と医療機能の分化・強化、連 携の推進 【重点課題】 医療従事者の負担軽減、医師 等の働き方改革の推進 【重点課題】 新型コロナウイルス感染症等 にも対応できる効率的・効果 的で質の高い医療提供体制の 構築【重点課題】 現下の雇用情勢も踏まえた人材確保・ 働き方改革等の推進【重点課題】 新しいニーズにも対応でき、 安心・安全で納得できる質の 高い医療の実現・充実 患者・国民にとって身近で あって、安心・安全で質の高 い医療の実現 安心・安全で質の高い医療の 実現のための医師等の働き方 改革等の推進【重点課題】 ポスト 2025 を見据えた地域包括ケアシ ステムの深化・推進や医療 DX を含めた 医療機能の分化・強化、連携の推進 医療従事者の負担軽減、働き 方改革の推進 医療機能の分化・強化、連携 と地域包括ケアシステムの推 進 患者・国民にとって身近で あって、安心・安全で質の高 い医療の実現 安心・安全で質の高い医療の推進 効率化・適正化を通じた制度 の安定性・持続可能性の向上 効率化・適正化を通じた制度 の安定性・持続可能性の向上 効率化・適正化を通じた制度 の安定性・持続可能性の向上 効率化・適正化を通じた医療保険制度 の安定性・持続可能性の向上 8
  9. (参考②)基本方針の議論のスケジュール 令和8年度改定 (日付は令和7年) 【実績】令和6年度改定 (日付は令和5年) 医療保険部会 医療部会 医療保険部会 医療部会 論

    点 前回改定の振り返り 8月28日 9月4日 8月24日 8月25日 基本認識、基本的視点、 具体的方向性① 9月26日 10月3日 9月29日 9月29日 基本認識、基本的視点、 具体的方向性② 10月23日 10月下旬 10月27日 11月1日 骨子案 11月下旬 11月29日 11月29日 基本方針(案) 12月上旬 12月8日 12月8日 12/11 基本方針 発表 12月上旬 基本方針 発表 9