Upgrade to Pro
— share decks privately, control downloads, hide ads and more …
Speaker Deck
Sign up for free
Menu
Search
Features
All features
Private URLs
Password Protection
Custom URLS
Scheduled publishing
Remove Branding
Restrict embedding
Deck Collections
Notes
Features
All features
Private URLs
Password Protection
Custom URLS
Scheduled publishing
Remove Branding
Restrict embedding
Deck Collections
Notes
Explore
Featured decks
Featured speakers
Programming
Technology
Storyboards
Explore
Featured decks
Featured speakers
Programming
Technology
Storyboards
Pricing
Search
Sign in
Sign up for free
20230222 フィンテック養成勉強会#28 金融に活かすデータの開拓と利活用(技術編) ...
Search
Ryuya Nakamura
February 23, 2023
Technology
270
1
Share
Embed
Copy iframe code
Copy JS code
Copy link
Start on current slide
20230222 フィンテック養成勉強会#28 金融に活かすデータの開拓と利活用(技術編) データ活用とプライバシー
Ryuya Nakamura
February 23, 2023
More Decks by Ryuya Nakamura
See All by Ryuya Nakamura
本当に「時間がなかった」のか?
nrryuya
0
490
「弁護士バイアス」とその対処法
nrryuya
2
1.7k
AIオンボーディングとAIプロセスマイニング
nrryuya
6
3.5k
アルファを作る人になる
nrryuya
0
580
学生時代のキャリア探索の心がけ
nrryuya
0
400
フィードバックされやすい人になろう
nrryuya
37
25k
間違いが許されなくてもLLMが使えるユースケースとは @GenAI Playground Meetup #01
nrryuya
13
6.5k
20240725 LLMによるDXのビジョンと、今何からやるべきか @Azure OpenAI Service Dev Day
nrryuya
4
2.9k
「知的単純作業」を自動化する、地に足の着いた大規模言語モデル (LLM) の活用
nrryuya
9
13k
Other Decks in Technology
See All in Technology
カンファレンスに参加した後の浮遊感とセルフケア
pauli
0
310
IR Today: Theory, Practice, and Agents
dtunkelang
0
350
生成AIで高い生産性を求められて、 悩み、乗り越えた話
mot_techtalk
2
130
インバスケット試験対策アプリを 作って見えたAIエージェント構築 ナレッジ2選
shichijoyuhi
1
130
LLM機能を自作して分かるSnowflake Cortex AIの強み
nayuts
0
310
[2026 Oracle Technical Deep Dive] エンタープライズAIエージェントを支えるOCIソリューション。ラインナップと特徴を理解しよう! (2026年9月17日開催)
oracle4engineer
PRO
0
550
BedrockとLambdaで作る リアルタイム進行型推理ゲーム
kawametho
0
190
AI時代のAPI開発を加速する品質ガードレール / API Quality Guardrails in the AI Era
yokawasa
0
160
[2026-09-30]ロックンロールは鳴り止まないっ - 信頼性かまってちゃん - 「データ駆動を投げ捨ててまで。」追いかける信頼性改善に向けた取り組みの話
tosite
0
210
AI駆動開発の時代になったのでトヨタ生産方式から見直す
terurou
0
2.8k
ハードウェアコンペでもAI駆動開発が進んでいる話
iotengineer22
0
260
[AWS 秋のクラウドオペレーション祭り 2026]AWS DevOps Agentで変わるリリースと運用対応 ~リリース管理機能と Directed actions のご紹介~
furuton
4
1k
Featured
See All Featured
Money Talks: Using Revenue to Get Sh*t Done
nikkihalliwell
0
510
Agile Leadership in an Agile Organization
kimpetersen
PRO
0
270
How to Build an AI Search Optimization Roadmap - Criteria and Steps to Take #SEOIRL
aleyda
1
2.2k
Kristin Tynski - Automating Marketing Tasks With AI
techseoconnect
PRO
0
540
How to audit for AI Accessibility on your Front & Back End
davetheseo
0
570
Raft: Consensus for Rubyists
vanstee
142
7.7k
Color Theory Basics | Prateek | Gurzu
gurzu
1
480
Ten Tips & Tricks for a 🌱 transition
stuffmc
1
250
Darren the Foodie - Storyboard
khoart
PRO
4
4k
How to Create Impact in a Changing Tech Landscape [PerfNow 2023]
tammyeverts
56
3.5k
Ecommerce SEO: The Keys for Success Now & Beyond - #SERPConf2024
aleyda
1
2.2k
Collaborative Software Design: How to facilitate domain modelling decisions
baasie
1
340
Transcript
1 © LayerX Inc. 「データ活用とプライバシー」 2023/2/22 フィンテック養成勉強会#28 金融に活かすデータの開拓と利活用(技術編) LayerX PrivacyTech事業部長
中村 龍矢
2 © LayerX Inc. これまで取り組んできたこと 自己紹介 データ分析・機械学習 東京大 工学部 •
データサイエンスと出会う Gunosy データ分析部 • アプリのデータ分析 • 機械学習での分類/推薦 セキュリティ・形式検証 データプライバシー LayerX 創業時からR&D • ブロックチェーンをきっかけに セキュリティの研究を始める • Ethereumへのコントリ ビューション R&Dから事業化 • 今に至る 中村 龍矢 • LayerX 執行役員 兼 PrivacyTech事業部長 • IPA 未踏スーパークリエータ • 2020年度 電子情報通信学会 インターネット アーキテクチャ研究賞 最優秀賞 (共著)
3 © LayerX Inc. LayerX PrivacyTech事業の紹介
4 © LayerX Inc. • SaaS事業・Fintech事業に続く第三の事業としてPrivacyTech事業を展開 LayerXの事業紹介 自社プロダクト(SaaS)を提供 プライバシー保護 /秘匿化技術
三井物産様と合弁会社 SaaS事業 Fintech事業 PrivacyTech事業 出資・出向
5 © LayerX Inc. • 世の中にあるデータのうち、データ流通のポテンシャルはまだ数%くらいしか発揮されていない(?) • 医療、行政、金融など様々な社会問題の解決に繋がる データソース別の利用シーン(一例) 顧客属性データ
決済・取引データ 移動履歴データ スマホ位置情報 電子カルテ 購買データ TV視聴データ 電力利用データ 政策立案・改善 商圏分析 ・立地検討 マーケティング 施策立案・改善 製品開発 広告などの パーソナライズ 事例①:Suica利用データ 事例②:電力利用データ • 駅の利用状況データを通じて人の流れをより正確に把握することによ る、観光施策や地域活性化向けの活用を狙うもの。 • 首都圏を中心に駅ごとの乗降者数のデータなどを集計したレポート 「駅カルテ」を作成。 • スマートメーターを通じて収集した電力データを利用するもの。 • 特定地域での電力使用状況に基づく商圏分析や、各世帯での電力使用 状況に基づく高齢者見守り・再配達削減などに活用を図る。 出所:JR東日本、電力・ガス基本政策小委員会 パーソナルデータ流通の可能性
6 © LayerX Inc. 就職で不利になったり、 勤務先で差別されないか・・・ パーソナルデータ流通に伴うプライバシーの懸念 • 学歴、病歴 •
収入、資産 • 行動履歴 • etc. 本人 様々な事業者 病歴のせいで生命保険に加入できなく なるかも・・・ 不安 • しかし、パーソナルデータの外部提供は、ユーザー・ステークホルダーの不安につながる可能性 • 価値のあるリアルなデータほど、伝統的な大きな企業が保有することが多く、何十年とかけて築き上げてき たユーザー・社会との信頼関係は非常に重要 クレカが作れなくなったり、必要な時に お金を借りれられなかったらどうしよ う・・・ データ取得 自分のデータが勝手に 売られるのは気持ち悪い! designed by Freepik
7 © LayerX Inc. 「Anonify(アノニファイ)」とは • 世界中で進む先端的なプライバシー分野の学術研究を土台に、実務的なデータ利活用に応用できるよう LayerXが独自に開発したプライバシー保護のアルゴリズム群
8 © LayerX Inc. PrivacyTech事業の取り組み実績 • 次世代金融における秘匿化技術の活用可能性に関する共同研究 • 秘匿性を担保した複数企業間の取引記録インフラの事業検討・技術検証 協業事例(一部)
メディア掲載(抜粋) • 住民意見収集システムとして採用(秘匿化技術国内初の実用化事例) • インターネット投票の実現に向け、公職選挙法の規制緩和の提案 • 「Anonify」を活用した自動車走行データの分析サービスの提供を開始 • プライバシー保護とデータ利活用のさらなる高度化に向けた共創を開始 • テキストデータのプライバシー保護技術適用の共同研究 JCB様 つくば市様 リクルート様 あいおいニッセイ 同和損保様 • 医療データのプライバシー保護に関する共同研究 JMDC様
9 © LayerX Inc. プライバシーテックのイメージ 〜差分プライバシーの例〜
10 © LayerX Inc. プライバシーテック・プライバシーエンジニアリング https://jobs.apple.com/en-us/details/200423409/platform-privacy-engineer https://careers.mastercard.com/us/en/job/R-184152/Vice-Preside nt-Privacy-Engineer https://www.metacareers.com/v2/jobs/431958232249790/ •
プライバシーは心理的・倫理的な話というイメージもあるものの、技術的に解決できる問題もある • 「Privacy Engineer」という職種の求人も見かける Meta (Facebook) Mastercard Apple
11 © LayerX Inc. 要素技術の紹介: 差分プライバシーとは • 差分プライバシー: 2006年に考案された、数学的に証明可能なプライバシー保証を提供するアプローチ •
アカデミアにおけるプライバシー定義のデファクト・スタンダード 定義を満たすアルゴリズムの構成 差分プライバシーの定義 出典: https://www.cis.upenn.edu/~aaroth/Papers/privacybook.pdf
12 © LayerX Inc. 平均年収:800万円 平均年収:799.9万円 Aさん在籍時の合計年収 = 平均800万円 *
51人 Aさん退職後の合計年収 = 平均799.9万円 * 50人 Aさんの年収 = 800 * 51 - 799.9 * 50 = 805万円 Aさん在籍時 (51名) Aさん退職後 (50名) ・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・ たった1000円分の平均年収の 変化から、Aさんの給与がわ かってしまう プライバシーリスクは意外なところにある • 統計情報だけを提供しても、差分から特定個人のデータが炙りだされてしまう • 1970年代(もしくはもっと前)から続く、長い研究の歴史 • 実際にはもっともっと色々なリスクがある!
13 © LayerX Inc. 差分プライバシーでの解決 • 機密なデータに基づく統計データに、プライバシーを保護するノイズを注入する • 誤差が発生するが、統計的な分析では活用できる 年齢
性別 住所 年収 32 男性 東京都中央区 650万円 24 女性 神奈川県横浜市 600万円 56 男性 東京都中央区 1000万円 44 女性 千葉県松戸市 950万円 ノイズ付与後の 平均年収: 810万円 平均年収: 800万円 (真の値) 公開しない 元のデータの 復元困難 元のパーソナルデータ 差分プライバシー のアルゴリズム +10万円の ノイズを付与
14 © LayerX Inc. プライバシーテックの 活用事例
15 © LayerX Inc. プライバシーテックの登場パターン • プライバシーテックの登場パターンを大きく三つに大別 designed by Freepik
③双方向のデータ連携 (特に名寄せを行う場合) ②一方通行のデータ提供 注: 個別のプライバシー保護の要素技術は、上記の分類に一対一対応するわけではなく、組み合わせて使われる (差分プライバシーはどこにでも登場する) ①エンドユーザーからの データ収集
16 © LayerX Inc. • LINEスタンプ選択時のサジェスト機能のアップデートにおいて、ユーザーのプライバシーを保護しつつ利便 性を向上させるため、「差分プライバシー」「連合学習」が導入された。 • 同様の技術はGAFAMの各種サービスでも活用されており、iPhoneでのログ収集などが有名 国内他社における差分プライバシー適用事例
LINEスタンプのサジェスト機能における差分プライバシー実用事例 出所:https://linecorp.com/ja/security/article/429 差分プライバシーを用いて処理結果(学習モ デルの更新情報)に対してノイズ付加
17 © LayerX Inc. プライバシーテックの登場パターン • プライバシーテックの登場パターンを大きく三つに大別 designed by Freepik
③双方向のデータ連携 (特に名寄せを行う場合) ②収集したデータの外部提供 注: 個別のプライバシー保護の要素技術は、上記の分類に一対一対応するわけではなく、組み合わせて使われる (差分プライバシーはどこにでも登場する) ①エンドユーザーからの データ収集
18 © LayerX Inc. データ外部提供における差分プライバシーの活用事例 Linkedinの広告主向けダッシュボードでは、広告の表示 数やクリック数を可視化。ユーザーの閲覧情報などを逆算 する攻撃を防ぐため、差分プライバシーの亜種を導入(出 典) 差分プライバシーの活用事例
米国 国勢調査局 米国の国勢調査において、人口統計や所得や学歴などの 統計情報を公開する際に、差分プライバシーを活用。(出 典) コロナ禍におけるFacebookユーザーの行動情報(1日 の間にユーザーが移動する量と、家にいる人の数の指標) を疫学研究を目的として公開する上で、差分プライバシー を活用。(出典) 機密性の高いユーザーの位置情報を、社内のデータサイエ ンティストがプライバシー保護を担保したまま分析するた めに、差分プライバシーを活用。(出典) • 米国の国勢調査や、グローバル大手IT企業などが、国民・消費者に対して透明性のある安全なデータ利活用 を進める上で、差分プライバシーを活用している。 参考:差分プライバシーとは - AppleやGoogleも活用する最先端のプライバシー保護技術
19 © LayerX Inc. 事例: COVID-19の疫学研究のためのFacebookのデータ公開 • コロナ禍におけるFacebookユーザーの行動情報(1日の間にユーザーが移動する量と、家にいる人の数 の指標)を疫学研究を目的として公開する上で、差分プライバシーを活用。 出所:https://visualization.covid19mobility.org/
https://about.fb.com/news/2020/04/data-for-good/
20 © LayerX Inc. 事例: LinkedIn 広告主向けの分析ダッシュボード • Linkedinの広告主向けダッシュボードでは、広告の表示数やクリック数を可視化。 •
ユーザーの閲覧情報などを逆算する攻撃を防ぐため、差分プライバシーの亜種を導入。 出所:https://arxiv.org/pdf/1809.07754.pdf
21 © LayerX Inc. 当社事例: あいおいニッセイ同和損害保険さま • 保険加入者様の自動車走行データを用いたデータ分析サービスを、Anonifyを用いて、プライバシー保護 をした形で実現。 •
急ブレーキ等の危険挙動を、場所や、性別や年齢情報等の様々な切り口で分析が可能。 • 自治体様に提供することで、交通安全対策に用いるなど。 ◦ 結果的に交通事故が削減されれば、保険金の支払いも減り本業にもシナジーがある ◦ (単なる「データ販売」に限らないデータ外部提供の事例) 出所:2022年6月30日付け、LayerXプレスリリース
22 © LayerX Inc. 安全性と有用性のトレードオフ • 安全性も有用性も完璧という「銀の弾丸」は存在しない • LayerXでは、組織間のデータ提供のユースケースに絞った最適解を研究し続けている プ
ラ イ バ シ | 保 護 水 準 高 低 有用性 高 低 銀の弾丸
23 © LayerX Inc. • 技術的に安全であることは、それ単体で直ちに必ずしもエンドユーザーの安心に繋がるわけではないもの の、実質的なリスクを対処し、説明可能にすることは、それ以外の解決策の土台になる。 さいごに: プライバシーテックを起点にした信用の連鎖 2つ目のドミノ
• 規制当局・プライバシー保護の有識者の方 3つ目のドミノ • メディア・政府などの権威 4つ目のドミノ • 一般のデジタルリテラシーのある方 5つ目のドミノ • さらに広い一般の方・社会全体 最初のドミノ • 厳密なプライバシー保護とその説明力
24 © LayerX Inc.