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DMMプラットフォーム ゼロから始めるKubernetes運用 課題と改善
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pospome
July 31, 2022
Technology
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DMMプラットフォーム ゼロから始めるKubernetes運用 課題と改善
"Cloud Operator Days Tokyo 2022" の登壇資料です。
pospome
July 31, 2022
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Transcript
DMMプラットフォーム ゼロから始めるk8s運用 課題と改善
スピーカー 名前:pospome(ぽすぽめ) 所属:DMM Twitter:https://twitter.com/pospome 職種:サーバサイド & SRE見習い
ゼロから始めるk8s運用 課題と改善 k8sを運用して直面した課題 1. 引き継いだGKEクラスター 2. SREチームのエンジニアが足りない 3. SREチームにk8sの知見が足りない 4. k8s利用者の学習コストが高い
DMMプラットフォームの概要 扱う領域:会員、決済、不正対策、認証認可など エンジニア数:100名以上 開発チーム:16チーム マイクロサービス数:約40サービス ピーク時のリクエスト数:14,000RPS
マイクロサービスアーキテクトグループ SREチーム k8sクラスターを運用している。 DMMプラットフォームのインフラ周りのエコシステムを構築 し、組織全体の開発効率とセキュリティレベルを向上させる ミッションを持つチームである。
DMMプラットフォーム ざっくりシステムアーキテクチャ GKEクラスター API Gateway (golang) Client Microservices オンプレ Microservices
GKEクラスターについて • DMMプラットフォームにて共通利用する。 • オンプレ上のアプリケーションの移行先である。
ゼロから始めるk8s運用 課題と改善 1. 引き継いだGKEクラスター 2. SREチームのエンジニアが足りない 3. SREチームにk8sの知見が足りない 4. k8s利用者の学習コストが高い
ゼロから始めるk8s運用 課題と改善 1. 引き継いだGKEクラスター 2. SREチームのエンジニアが足りない 3. SREチームにk8sの知見が足りない 4. k8s利用者の学習コストが高い
課題:引き継いだGKEクラスター 運用に必要な仕組みが整っていなかった。 • Alert/Monitoring • クラスターアップグレード • その他いろいろ
安定運用できる仕組みを整える 主に以下を実施した。 1. Datadog による Metrics, Monitor, SLO の整備 2.
クラスターのアップグレードルールの定義 3. GKEやアプリケーションの各種設定の導入 4. 運用定例の実施
組織としてk8sをどのように活かすか 専任のチームがないと運用するのは難しい。 専任のチームを作り、マルチテナント & エコシステム活用に よって組織全体の開発効率を向上させる戦略を取る必要 がある。 Cloud Run, ECSの下位互換にならないように・・・。
ゼロから始めるk8s運用 課題と改善 1. 引き継いだGKEクラスター 2. SREチームのエンジニアが足りない 3. SREチームにk8sの知見が足りない 4. k8s利用者の学習コストが高い
課題:SREチームのエンジニアが足りない 当時の立ち上げたばかりのSREチームはエンジニアが1名 + pospome の2名体制だった。 シンプルにエンジニアが足りない。
SREチームが開発で意識していること • 一元管理 • 自動化 • スケールする仕組みづくり
“スケールする仕組みづくり”は最も重要である GKEの利用者や稼働するアプリケーション数に比例して SREチームのエンジニア数を増やさなくて良いようにする。
仕組み:k8sマニフェストをモノレポで管理する アプリケーションごとに ディレクトリを用意し、 コードオーナーを設定する。 利用者が自分で管理し、 更新することができる。
仕組み:マニフェストファイルの新規作成 GitHub Actions WorkFlow から 新規アプリケーションの マニフェストファイルを作成できる。 SREの承認なしで利用者が作成できる。
仕組み:マニフェストファイルに対するCI 適切なマニフェストファイルであることをCIでチェックしてい る。 最低限のガードレールは必要になる。 e.g. ポッドの CPU, Memory の request/limit
の指定がある かどうか。
仕組み:CDパイプライン CDパイプラインとしてSpinnakerを採用している。 利用者が自分でデプロイできる。
仕組み:RBACによる権限管理 1アプリケーション = 1Namespace の構成にしている。 Namespace単位のRBACは利用者自身で管理してもらう。 チームの都合に合わせて権限管理できる。
SREチームが開発で意識していること 仕組み 一元管理 自動化 スケールする マニフェストファイル 管理 o - o
マニフェストファイル CI - o o マニフェストファイル 作成 - o o CDパイプライン o - o RBAC - - o
スケールする仕組みづくりの実現方法 利用者にオーナーシップを持たせることで、利用者自身で 安全に作業が完結しするような仕組みを目指す。
スケールする仕組みづくりの実現方法 マニフェストファイル、Namespace、RBACなどあらゆるリ ソースをアプリケーション単位で管理している。 SREチームが開発した仕組みが組織体制の変更による影 響を受けないようにしている。
利用者のオーナーシップ vs SREによる管理 どこまでオーナーシップを持たせるのかが重要である。 オーナーシップと安全性を天秤にかける。
ゼロから始めるk8s運用 課題と改善 1. 引き継いだGKEクラスター 2. SREチームのエンジニアが足りない 3. SREチームにk8sの知見が足りない 4. k8s利用者の学習コストが高い
課題:SREチームにk8sの知見が足りない GKEの構築・運用経験に乏しく、知識と経験が足りなかっ た。
課題:SREチームにk8sの知見が足りない 事故りながら知見を得た。 • 特定のノードのLoad Averageが極端に高い → Deschedulerの導入 • Egress がドロップする
→Cloud NATの設定変更
課題:SREチームにk8sの知見が足りない 問題を最小限に抑える必要がある。 • 監視(Datadog Monitor)による異変の検知 • 運用定例によるメトリクス確認 • サンプルアプリケーションの開発・運用
課題:SREチームにk8sの知見が足りない オンプレからGKEへの移行ということもあり、ゆっくりとアプ リケーションが増えていったので、仕組みづくりや知見獲得 に時間をかけることができた。
ゼロから始めるk8s運用 課題と改善 1. 引き継いだGKEクラスター 2. SREチームのエンジニアが足りない 3. SREチームにk8sの知見が足りない 4. k8s利用者の学習コストが高い
課題:k8s利用者の学習コストが高い 開発チームにはk8sやCDパイプラインなどのエコシステム を理解してもらう必要がある。 SREのサポートなしで開発チームが自立してエコシステムを 理解できるのが理想である(スケールする仕組み)。
課題:k8s利用者の学習コストが高い 利用者の学習コストを下げる仕組み。 • 利用者ドキュメント • サンプルアプリケーションの提供 • テックリードミーティングやSlackでの情報共有
まとめ ゼロから始める場合、人が少なかったり、知見がなかったり するが、人が揃うまで待つわけにはいかないので、スモー ルスタートで始めてみるのが良いと思う。
おわり ご清聴ありがとうございました