Upgrade to Pro
— share decks privately, control downloads, hide ads and more …
Speaker Deck
Features
Speaker Deck
PRO
Sign in
Sign up for free
Search
Search
近代フロントエンドの歴史とKuma UIの登場意義
Search
poteboy
September 10, 2023
Programming
4
5k
近代フロントエンドの歴史とKuma UIの登場意義
2023/9/9「~ 秋のエンジニア大交流会 & LT会!!~」発表資料
poteboy
September 10, 2023
Tweet
Share
More Decks by poteboy
See All by poteboy
現代CSSフレームワークの内部実装とその仕組み
poteboy
10
5k
Kuma UIの設計思想と 頑張らないゼロランタイムCSS-in-JS
poteboy
4
2.1k
CSSパフォーマンスに関する計測結果
poteboy
4
2.2k
Kuma UIのこれまでとこれから
poteboy
7
4.7k
Other Decks in Programming
See All in Programming
UPDATEがシステムを複雑にする? イミュータブルデータモデルのすすめ
shimomura
0
180
複雑なフォームを継続的に開発していくための技術選定・設計・実装 #tskaigi / #tskaigi2025
izumin5210
12
6.4k
Doma で目指す ORM 最適解
nakamura_to
1
160
TypeScript を活かしてデザインシステム MCP を作る / #tskaigi_after_night
izumin5210
4
470
❄️ tmux-nixの実装を通して学ぶNixOSモジュール
momeemt
1
120
クラシルリワードにおける iOSアプリ開発の取り組み
funzin
1
810
AI Coding Agent Enablement in TypeScript
yukukotani
17
7.2k
primeNumberでのRBS導入の現在 && RBS::Traceでinline RBSを拡充してみた
mnmandahalf
0
250
DevTalks 25 - Create your own AI-infused Java apps with ease
kdubois
2
120
TypeScript Language Service Plugin で CSS Modules の開発体験を改善する
mizdra
PRO
3
2.4k
AI時代のリアーキテクチャ戦略 / Re-architecture Strategy in the AI Era
dachi023
0
190
技術懸念に立ち向かい 法改正を穏便に乗り切った話
pop_cashew
0
790
Featured
See All Featured
Designing for Performance
lara
608
69k
[RailsConf 2023 Opening Keynote] The Magic of Rails
eileencodes
29
9.5k
Intergalactic Javascript Robots from Outer Space
tanoku
271
27k
Bash Introduction
62gerente
614
210k
実際に使うSQLの書き方 徹底解説 / pgcon21j-tutorial
soudai
PRO
180
53k
XXLCSS - How to scale CSS and keep your sanity
sugarenia
248
1.3M
Making the Leap to Tech Lead
cromwellryan
133
9.3k
How to Create Impact in a Changing Tech Landscape [PerfNow 2023]
tammyeverts
52
2.8k
The Invisible Side of Design
smashingmag
299
50k
Balancing Empowerment & Direction
lara
1
84
JavaScript: Past, Present, and Future - NDC Porto 2020
reverentgeek
48
5.4k
GraphQLの誤解/rethinking-graphql
sonatard
71
11k
Transcript
近代フロントエンドの歴史と Kuma UIの登場意義 poteboy
- Poteboy (@_poteboy_)といいます。 フロントエンドエンジニアです。 - Kuma UIというOSSの作者で、有難 いことに先日GitHubで1000 Star獲 得しました🎉
本日の流れ - 近代フロントエンドアプリケーションのざっくりとした歴史 - その上で、Kuma UIの登場意義は何だったのか、利点につい て紹介
フロントエンド = 本質的にはHTML + CSS + JavaScript しかし現在は色々なツールが存在する React, Webpack,
ES Modules…って一体何?
HTML + Inline Script
HTML + Script Tag
既存の方法の問題点 - グローバルの名前空間が汚染される - モジュールの依存順番が重要となり、コードのメンテ性・再利 用性が低下する - 特に後述するSPA(シングルページアプリケーション)のように 複数ページ間で単一HTMLを共有するアーキテクチャではこ の問題はより顕著
モジュールシステムの登場 - モジュールシステムとは、複数のパッケージやリソースを1つにまとめる仕組み - Node.jsの登場に付随してCommonJSというモジュールシステムが制定される - `require`や`module.exports`の文法で異なるファイル間でコードをインポート・エク スポートできるようになる - しかし、CommonJSはブラウザの実行環境ではネイティブサポートされていない
モジュールバンドラーの登場 - `require`構文を使っているJavaScriptをブラウザで動作可能な単一のファイルにま とめ上げるモジュールバンドラーが生まれた - 初期にはBrowserifyというツールが生まれ、その後webpackと呼ばれるバンドラが 覇権を握った - webpackはES Modulesと呼ばれるモジュールシステムも解釈できた。
- また、JSだけでなくCSSや画像も解釈できた
トランスパイラ - JavaScriptには先述のようにCommonJSやES Modulesといったモ ジュールシステムがあったり、ES5やES6など複数のバージョンが存在 する。 - そして、先述の通りブラウザはCJSを解釈できないし、すべてのブラウザ が最新のバージョンをサポートしているわけではない。 -
新しい構文で書かれたJSを環境差異なく動かすために、新しい構文を 古い構文に変換する必要がある。これをトランスパイル(またはDown Level Compiling)と呼ぶ。代表的なものにBabel。
要するに、モジュールバンドラーとトランスパイラ のお陰で我々開発者はめんどくさい制約を無視 してアプリケーションを書くことに集中することが できる
SPAとReact SPAとは、先述の通り単一Webページ内で、ユーザーからのアクションに基づいて HTML構造を動的に更新し、優れたUXを提供するアーキテクチャ 代表的なものにReactがある。ReactではJSXという構文を使用し、JavaScript内で HTMLを書く事ができる。そしてこの関数群をコンポーネントという
一般的なフロントエンドの世界では、右図 のように複数のコンポーネントを組み合わ せて画面を作る - コンポーネントは複数画面で再利用したい (a.jsで定義したコンポーネントを b.jsやc.jsで も使いたい) 👉モジュールシステム の出番
- ブラウザはモジュールシステムを解釈できな いから単一JSにまとめる必要がある 👉モジュールバンドラの出番 - JSXは一種のDSLのようなもので、ブラウザ はそのままだと解釈できないから JSに変換 する必要がある 👉トランスパイラの出番
ところで、JSXはJavaScriptの中にHTMLを書く事ができる技術 👉それならCSSもJavaScriptの中で書けると嬉しい! 👉それを実現するCSS-in-JSという技術が開発される
CSS-in-JSの問題点 従来のCSS-in-JSはJavaScriptの実行時にJSに埋め込まれたCSSを解析する必要があ り、パフォーマンスのオーバーヘッドがある 👉そこでKuma UIの出番
Kuma UIの意義 Kuma UIは先ほど紹介したモジュールバンドラとトランスパイラを活用したライブラリ アプリケーションのトランスパイル時にコードのAST(抽象構文木)にアクセスして、JS内 に書かれたCSSを抽出する そして、モジュールバンドラを利用して、抽出したCSSをアプリケーションのバンドルに出 力する 👉これにより、パフォーマンスを大幅に向上することができる!
ご清聴ありがとうございました! よかったらGitHubでスターよろしくお願いします! https://github.com/kuma-ui/kuma-ui