スクラムフェス三河2023のほいトラックで発表させていただきました。 ビジネス価値の実現や市場創造といった「アジャイルのゴール」に向かっていくにはチームワーク(レフトウィング)と開発技術プラクティス(ライトウィング)の両方を満たす必要があります。 われわれはそのことを直視しする必要がありますが、自分ひとりで頑張る必要はありません。自分が得意ではないことはほかの人を積極的に頼り、みんなでできるようになることでアジャイルのゴールに向かって前進していこうということをお伝えしました。
© KONICA MINOLTA“ひとりでできるもん”から“みんなでできるもん”への道のりSatoshi Harada2023ほいトラックAkira Kuboアジャイルのライトウィングとレフトウィングはひとりで両方できなくてもいいんじゃない?
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© KONICA MINOLTA1• この発表を聞いて欲しい人• アジャイルのライトウィング(開発技法)とレフトウィング(チームビルディング)を両方ひとりでできるもん。。。じゃない人• この発表から得られるアウトカム• アジャイルのライトウィングとレフトウィングはどちらも欠かすことができない• だけど、ひとりで両方できなくてもよい• 得意な領域で力を発揮し、不得意なところは助けてもらおうアジャイルのライトウィングとレフトウィングはみんなでできればそれでよい!はじめに
© KONICA MINOLTA2Satoshi Harada@harada_psjAgile Coach / Scrum Master / Software Developer自己紹介(Satoshi Harada)Scrum Fest Sapporo 2021 Regional Scrum Gathering Tokyo 2022Scrum Fest Sendai 2022 Scrum Fest Mikawa 2022
© KONICA MINOLTA3Akira Kubo@HappyLuckyAkiraSoftware Development Evangelist / Agile Coach /火消し自己紹介(Akira Kubo)DevLOVE甲子園西日本大会 2015 Agile Japan 2017 大阪サテライト小5の娘が可愛くて仕方ないバカ親
© KONICA MINOLTA4コニカミノルタ?
© KONICA MINOLTA5• コニカミノルタ Agile CoE• 社内のアジャイル開発経験者が集まった、専門家集団• アジャイルコーチングとアジャイルの教育啓蒙を行う• 2016頃から活動(アジャイル開発の取り組みはそれ以前から)• Agile CoEにおけるHaradaとKuboの立ち位置Agile CoEAgile CoE 支援先の開発チームチームの中に入って、アジャイルやスクラムの導入、技能向上の支援を行うコーチ陣 チームメンバー
© KONICA MINOLTA61.アジャイルのライトウィングとレフトウィング2.“みんなでできるもん”への実践ストーリー3.ライトウィングで取り組んだこと4.まとめ本日のお品書き
アジャイルのライトウィングとレフトウィング
© KONICA MINOLTA8• 2012年に平鍋さんが「アジャイルのライトウィングとレフトウィング」の絵を公開• https://blogs.itmedia.co.jp/hiranabe/2012/09/rightwing-and-leftwing-of-agile.html• アジャイルのゴールに向かうには、アジャイルのライトウィングとレフトウィングがある• レフトウィングはチームワークやプロセス• ライトウィングは技術的なプラクティス• 開発現場をアジャイルにしたいのなら、ライトウィングとレフトウィングを両方満たす必要がある両方満たす必要がある!アジャイルのライトウィングとレフトウィングとは出展:https://blogs.itmedia.co.jp/hiranabe/2012/09/rightwing-and-leftwing-of-agile.html
我々はライトウィングとレフトウィングを両方できているのだろうか?https://unsplash.com/photos/21Cg_fsFBGc
© KONICA MINOLTA10両立できてる???チームへのスクラムの適用やふりかえりは積極的に進めているけど、技術的な取り組みはまだできてないなぁCI/CD環境の構築やTDDは積極的に進めているのだけど、それを組織的に広めていくのが難しい…エンジニアリングの実務経験があまり無から、CI/CDやTDDってよくわからないや
© KONICA MINOLTA11• 「両方できているよ!無問題!」という人はそれほど多くないのでは?• ひとりでできれば、それは素晴らしい• だが、ライトウィングとレフトウィングの両方を実務レベルで習得するのはなかなか大変• 特に、技術のライトウィングは技術進化やトレンドを追いかける必要があるそれって結構大変よねひとりで頑張る???両立はけっこう大変出展:https://blogs.itmedia.co.jp/hiranabe/2012/09/rightwing-and-leftwing-of-agile.html
12我々はライトウィングとレフトウィングをひとりでできなくてもいいんじゃない?https://unsplash.com/photos/oMpAz-DN-9I
“みんなでできるもん”への実践ストーリー
© KONICA MINOLTA• 仕事の進め方(プロセス)やチームワークを改善することで、一定の効果はあった• しかし、プロセスやチームワークが改善されることで、開発チームのボトルネックは開発技術にあるということが明確になってきた• 具体的には、TDD・ペアプロモブプロ・リファクタリングといった技術プラクティス• 「技術力のあるメンバーがそろったチームになる」というチームメンバー共通の目標が設定される• この過程で、チームメンバーとコーチの信頼関係ができたそれまでの開発チーム支援体制(2023/2 – 2023/5)Agile CoE 開発チームコーチ陣チームメンバー(開発者)信頼
© KONICA MINOLTA15コーチはひとりでできるもん?まずは私だけで刃を研ぐ方法を教えようと思ったTDD、リファクタリング、バージョン管理、などなどしかし、自分の斧の刃も鈍ってきていたブランク、時の流れ、昔取った杵柄!?最前線にいない人が過去の経験でチームに技術の話をして、はたしてメンバーの共感を引き出せるのか?ひとりでやるのは得策だろうか???
© KONICA MINOLTA1. チームメンバーに技術コーチの必要性を確認• チームメンバーだけでできないことは、外部に助けを求める• チームもチーム内だけでがんばらない2. 技術コーチとのペアコーチ体制を結成• コーチもひとりだけでできないことは、他に助けを求める• コーチも自分ひとりで頑張らない3. 技術コーチとチームメンバーの引き合わ• チームメンバーと築いていた信頼関係で、技術コーチがスムーズに加入• 信頼関係があると助けを求めやすい現在の開発チーム支援体制(2023/6 – 現在)Agile CoE 開発チームコーチ陣チームメンバー(開発者)信頼
© KONICA MINOLTA17• コーチはひとりでがんばらない• コーチにも得意領域がある• コーチも複数人体制でアジャイルのレフトウィング・ライトウィングをバランスよく満たし、アジャイルのゴールに寄与すればよい• チームメンバーもチーム内だけでがんばらない• ひとりで何もかもカバーしようとすると辛い「ひとりでできる」ことを目指して頑張らない周囲に助けを求めることを良しとし、「みんなでできる」ことを目指す“みんなでできるもん”とはアジャイルのライトウィングとレフトウィングhttps://blogs.itmedia.co.jp/hiranabe/2012/09/rightwing-and-leftwing-of-agile.htmlチームメンバー
© KONICA MINOLTA18みんなでやるほうがいいのはわかった。でも、助けを求めるのってハードル高いんだよなぁ…「いい人は周りに迷惑かけたらいいと思う」• 「迷惑かけたらダメ」っていう呪いにかかってる• いい人は、自分でなんでも無理してやろうとしすぎ• その頑張りの方が迷惑• あなたの考える迷惑は、迷惑じゃない• 迷惑かけよう!• 相手に何かやってもらえたら、うっかり感謝できる助けを求めるために
ライトウィングで取り組んだこと
© KONICA MINOLTA20• レフトウィングとライトウィングの両軸からチームの状況を観察する• レフトウィング(チームワーク)が得意なアジャイルコーチがひとりで頑張ろうとすると、ライトウィング(開発技法)の問題を見逃してしまう恐れがある• アジャイルのレフトウィング(チームワーク)に傾倒するのは甘い罠• レフトウィングは必要だが、レフトウィングだけ強化してもアジャイルのゴールには近づかない• 技術のライトウィングが必要であることを直視し、ライトウィング強化の方法を模索するまずはチームの現状を見極めるアジャイルのライトウィングとレフトウィングhttps://blogs.itmedia.co.jp/hiranabe/2012/09/rightwing-and-leftwing-of-agile.htmlチームメンバーライトウィング見逃してない?
© KONICA MINOLTA21• 開発チームはたいていパンパンに忙しい• 新たな試みだけでは負荷が増える• きこりのジレンマ🪓• 新たな取り組みを加える前に、今やっていることを減らす今やっていることを減らすアジャイルのライトウィングとレフトウィングhttps://blogs.itmedia.co.jp/hiranabe/2012/09/rightwing-and-leftwing-of-agile.htmlチームメンバー
© KONICA MINOLTA22• 具体的なプラクティスとしては、• テレワーク向けの開発環境(VSCode+Live Share)• リファクタリング• TDDハンズオン• モブプロ• Gitによるコード共同所有 などなど• 技術のプラクティスを一方的に説いても、自分たちに何が役立つのかわからないと伝わらない• 技術のプラクティスによってチームに何がもたらされるのか理解してもらう必要がある• 小さく始めて早く体験してもらった• 斧の切れ味が良くなるとどうなるか体感小さく始めて早く体験アジャイルのライトウィングとレフトウィングhttps://blogs.itmedia.co.jp/hiranabe/2012/09/rightwing-and-leftwing-of-agile.htmlチームメンバー
© KONICA MINOLTA23• チームが目指している姿から短期ゴールを設定• チームが目指している姿:技術力のあるメンバーがそろったチームになる• 短期ゴール設定で使ったツール• 技術習熟度のアセスメント(定性的効果)• 効果測定のメトリクス(定量的効果)• 目指している姿に近づいたことを可視化• 技術習熟度のアセスメントと効果測定のメトリクスを取り組みの開始前と開始後で取得• 自分たちは目指している姿に近づいているんだということを見えるようにする目指している姿に近づいたことを可視化するアジャイルのライトウィングとレフトウィングhttps://blogs.itmedia.co.jp/hiranabe/2012/09/rightwing-and-leftwing-of-agile.htmlチームメンバー今ここここを目指そう!
© KONICA MINOLTA24• ライトウィング(開発技術)の強化をメインテーマとしつつも、レフトウィング(チームワーク)のアプローチも取り入れていた• 1週間サイクルでふりかえりとプランニング• ライトウィングを主にKuboがコーチし、レフトウィングは主にHaradaがコーチ• お互いに双方の知識はあるが、より専門性を活かしやすい方に注力• コーチ同士でもフィードバックをし合う• 一歩引いた視点でフィードバックできるメリットがある(モブプロのペース配分、チームメンバーの理解度など)コーチもひとりで頑張らないコーチもみんなでできればいいんじゃないかな?コーチもみんなで!ペアコーチ体制アジャイルのライトウィングとレフトウィングhttps://blogs.itmedia.co.jp/hiranabe/2012/09/rightwing-and-leftwing-of-agile.htmlチームメンバー
まとめ
© KONICA MINOLTA26• アジャイルのゴール(ビジネス価値の実現、顧客満足、市場創造)を実現するために、レフトウィングとライトウィングは両方必要• 特に技術のライトウィングは見逃されがちだが、ライトウィングの必要性・重要性を直視しなければいけない• 直視しなければいけないが、ひとりで両方やりなさいといことではないアジャイルのレフトウィングとライトウィングの両立出展:https://blogs.itmedia.co.jp/hiranabe/2012/09/rightwing-and-leftwing-of-agile.html
© KONICA MINOLTA27• ひとりだけで頑張ってゴールまでボールをもっていかなくてもよい• ひとりで頑張らなくていいんだ• ライトウィングから攻めるのが得意な人も、レフトウィングから攻めるのが得意な人もいる• 得意な人を頼ってうっかり感謝しよう!• 同じゴールを共有しながら、それぞれを得意な人が協力し、アジャイルのゴールを目指していけばそれでよい開発者も、みんなでできるもんコーチも、みんなでできるもん“ひとりでできるもん”から”みんなでできるもん”へアジャイルのライトウィングとレフトウィングhttps://blogs.itmedia.co.jp/hiranabe/2012/09/rightwing-and-leftwing-of-agile.html
28我々はライトウィングとレフトウィングをみんなでできればそれでよいhttps://unsplash.com/photos/oMpAz-DN-9I