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投資戦略202504

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April 15, 2025
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 投資戦略202504

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April 15, 2025
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  1. 利下げサイクル終盤戦の投資戦略 PWのポートフォリオ構築のための投資戦略骨子を確認します。 ◦経済情勢と大局観 2024年はインフレを鎮静化させ始めた欧米各国中銀がそろって政策金利の引き下げを進めましたが、米国は利下げサイクルの終盤戦に入りつつあるようです。今後の利 下げのペースはインフレおよび労働市場を反映したものになると想定されます。また、米大統領選挙ではトランプ氏が勝利し、議会選挙も共和党が完勝したことで、2025 年以降の政策動向が注目され、米国の持続的な財政赤字(債務動向)そしてインフレが米金利のキーワードとなっていきます。中央銀行と政府が連携し、債務を制 御する計画がなければ⾧期金利高止まりが想定され、その間は債券投資の実行に有利な局面。一方で、高金利による株価のリプライシング、実体経済の悪化が顕在 化してくれば、株式・AT1(優先株式預託証券、CoCos)といったリスクアセットに好機が訪れるでしょう。ヒストリカルには種々のアセットクラスがピーク圏にあるため、ポー トフォリオのバランスをとること、およびインフレヘッジ資産(株式、不動産、金等)も考慮したポートフォリオ運営を実施することを推奨します。(2025年1月時点) 株式

    債券 通貨 オルタナティブ 1. 金利 ✓ 米10年利回りは、インフレ動向にも 左右されるが、米国債務を制限する ための施策がなければ高止まり想定。 買いの好機にも。 ✓ 市場のポジションの偏り解消による突 発的な金利低下には注意 ✓ 超⾧期については水準次第 2. クレジット ✓ ポートフォリオのインカムゲインを維持す るパーツとして利用 ✓ ⾧期の高クオリティ銘柄の活用 ✓ 景気後退時に時間分散・円ベース単 価を勘案しながらAT1を仕込む 3. デュレーション ✓ イールドカーブがスティープ化し、短期 から⾧期セクターに妙味が遷移 ✓ ポートフォリオとしては緩やかなラダーを 構成 4. セクター・エリア ✓ 新興国については、米金利の高止ま りによる相対的な魅力低下、インフレ リスク・取引コスト等の観点から引き 続き慎重な見方 ✓ 2025年はトランプの政策発動の 影響及び日銀の利上げスタンスが 注目ポイント。上下どちらにもぶれ る可能性があることを心しておく。 ✓ 一方、構造的にドル安円高が進 みにくくなっていることにも留意。 ✓ 想定レンジは140-160。この間で ボラティリティ高く上下する展開を予 想。 ✓ ドルの押し目は積極的かつ丁寧に、 タイミングを分散してドル購入を進 める。 ✓ 原則、外貨は米ドルのみで良い 1. REIT ✓ 日本は個別銘柄中心に検討。歴 史的割安水準であるが円金利上 昇リスクがあることに留意 米国はインデックス投資を推奨 2. コモディティ ✓ インフレヘッジを目的とした金投資 は検討していく 3. ヘッジファンド ✓ ヘッジファンドの銘柄を見て一部検 討 ✓ 流動性と残高に留意しつつファン ドマネージャーを吟味する 4. プライベート投資 (エクイティ、デット) ✓ プライベートデットは、有望な投資 機会につき検討する 仕組債 ✓ 円建てのニーズに対しては私募SB, CLNの活用を検討 Pragmaworksの投資戦略骨子 ✓ 10年の計で投資評価するならば 2025年の下げ相場は良い買い 場と考えられ、まさに足下の暴落 は絶好の買い場である。 ✓ 一方で、トランプ大統領は民主主 義版・習近平のような存在を目指 そうとしている節があり、経済や国 民生活を犠牲にしてでも自らの地 位を優先する異常なリーダーシップ を取る危険があり、トランプ任期中 のマーケットリスクは極めて大きい (経済合理性の観点が皆無)。 ✓ 銘柄選択の基本スタンスとしては、 構成銘柄の幅広さ、米国市場を 代表する優良銘柄の組入状況 及び過去のリスクリターンを勘案し、 S&P500指数を推奨。また、ハイ テクが集中するQQQ(ナスダック 100)にも併せて注目。 ✓ Mag7を筆頭に大型テック系企業 は2025年も相場を一定牽引す る見込み(年後半に期待)。
  2. 投資戦略(株式) 12 株式(Equity) ①足元のテーマ ②方向感 ③投資戦略 株式投資の原則 株式投資は、投資先の事業の中身に着目し、マーケットタイミングは考えない。ウォーレン・バフェットですらマーケットタイミングは判断できないとしており、バフェットでも実行できないことを目指すことは 合理的とは言えないのがその理由。 また、全米もしくはその一部をカバーする指数(例.S&P500)や、ファンダメンタルズが強靭な企業の株式をターゲットとするも、購入はマーケット要因あるいは個社の一過性要因などで株価が大き

    く下落したポイントや、時間分散で小刻みにエントリーすることを基本とする。 1. Fedの利下げは株式には強力な追風であり、この先もマーケットのボラティリティは見られるで あろうが、この様な、「Big Picture」を頭に入れておくことが重要。一方で、トランプ大統領は 1期目のマーケットフレンドリーな姿勢から打って変わって、2期目ではマーケットを破壊する言 動が目立ち、マーケットは甚大なリスクも併せて抱えている状況。 2. MMFは依然として高水準。投資に向かう大量の実弾とも言えるが、利下げによってMMFか ら得られるリターンも減少するため、投資家はよりリターンの高い他のリスク資産に目を向け始 める可能性が高い。 3. 米国10年債利回りは2023年秋口に5%に瞬間タッチした後、足下では4.3%程度で推 移。関税引き上げによる物価上昇⇒景気悪化の流れにおける金利上昇はスタグフレーショ ン(インフレと景気悪化の共存)を想起させることから株式にはネガティブ。再び5%を目ざ す展開になれば株式をさらに下押しすることとなろう。 4. 足下のリスクオフの要因は、トランプ大統領の予見可能性が低い言動・行動がもたらす投資 家の視界不良(株式マーケットは不透明性を最も嫌う)、及び米国にとっても、他国にとっ てもデメリットしかない相互関税の導入を決定したトランプ大統領の統治能力に対するマー ケットの不信感(経済合理性の観点が皆無)。加えて、関税が米国景気や企業業績に 与える影響も不透明。景気悪化はEPS(企業業績)低下要因、一方前述の金利上昇 はPER低下要因。共存した場合、更なる株式下落が想定されるため注意が必要。 1. 生成AIブームは⾧期トレンドに乗る可能性が高い。その場合、生成AIを駆動する基盤であ るAI半導体は⾧期で期待できる。 2. トランプ大統領は民主主義版・習近平のような存在を目指そうとしている節があり、経済や 国民生活を犠牲にしてでも自らの地位を優先する異常なリーダーシップを取る危険があり、ト ランプ任期中のマーケットリスクは極めて大きい。 3. 25年前半は関税などのネガティブ政策で相場は弱含み、後半は減税などポジティブ政策で 強含む方向感を予想。 4. 2025年は大統領就任初年度の年。大統領選4年サイクルの中では就任初年度の年のリ ターンは3番目(つまり下から2番目)。 5. 1月のS&P500指数は前月比+2.7%。January Effect(1月効果)のアノマリーに従 えば、米国株式は2025年通年ではプラスで終わる可能性が高い。 【原則】 1. 強固な参入障壁を持ち、決算が順調な会社はホールド(相場全体が崩れても、決 算に問題ない限り売却しない)。 2. もし決算をミスした場合、そのミスの内容を確認することが重要。一過性の要因で決算 が不調だった場合はホールドを継続。 3. 利下トレンドに入っており、これは株式には強力な好材料だが、地政学リスク・米政府 財政問題・インフレ再燃リスク等には警戒を要するため、購入は時間分散を推奨。また、 景気後退懸念が顕在化した場合は、しばらく様子見を決め込み、マクロ経済データを 観察しながらエントリーポイントを探る。トランプリスクにも要注目。 4. 株式市場全体の下落に連れて優良銘柄も下落している局面は、それら優良銘柄を 購入する好機であるため積極的に購入する。 【具体的戦略】 1. チャートだけを頼りに順張りで上値を追うことなく、安値圏で推移しているタイミングで、 S&P500連動のETF購入(構成銘柄の幅広さ、米国市場を代表する優良銘柄の組 入状況、及び過去のリスクリターンを勘案)を推奨。また、ハイテクが集中するQQQ(ナ スダック100)にも併せて注目。 2. Mag7を筆頭に大型テック系企業は2025年も相場を一定牽引する見込み(年後半 に期待) 。 3. 利下げトレンドにおいては、強靭なビジネスモデルを有する一部のグロースは選好される 可能性が高い。個社事由とは関係なく、市場全体が大きく下がったところでは買い向か いたい。 4. 2024年はアノマリーが殆ど的中しなかったが、25年は基本に立ち返りつつ、アノマリーを 参考にしながら押し目があれば時間分散で丁寧に拾いに行くことを推奨。
  3. 債券(Fixed Income) ①足元のテーマ ②方向感 ③投資戦略 投資戦略(債券) 債券投資の原則 債券投資は、クオリティの高い発行体を選択し、時価に一喜一憂せず、ポートフォリオの中核資産として腰を据えて維持することが基本。発行体 の信用が著しく毀損した場合や、ポートフォリオ内の著しい偏りが生じた場合などを除いては、拙速な売買は避け、中⾧期目線でキャッシュフローを しっかりと受取り、積み上げていくスタンスが肝要。

    1. 3月FOMCは政策金利現状維持。ランオフ(償還に伴う保有証券 減少)ペースの上限は減額。 2. FOMCでスタグフレーションのリスクが議論された。 3. 現状悪化しているセンチメントではなく、FOMCが重視しているのは ハードデータ。(パウエルFRB議長コメント) 4. トランプ氏の関税が公表・実施・一部延期され、リスクオフ局面が到 来したが、従来の資産の相関は崩れ、米国債も大きく売られた(金 利は大幅上昇した)。 5. これまでの焦点であったインフレや労働市場などの細かな議論では なく、トランプ大統領の動向及び関税の影響(スタグフレーションの リスク)をどう織り込むかが金融市場を動かす力学に大転換した。 6. 米国債を保有する外国勢の報復売りの可能性は燻る 1. 関税の影響を受けた「インフレの度合い」とその度合いに対するFRB の考え方(インフレと景気後退の対応でどちらを優先するか)に応 じて、金利は上下まったく異なる方向へ動く可能性。 2. 現時点では、長期金利はアンコントローラブルなインフレを織り込み に行く動き(金利上昇)を見せている。 3. 極端なインフレ到来の場合は、FRBはインフレ対応優先。金利上昇 4. 逆に、極端なインフレを伴わない経済減速局面では、金利は低下 5. AT1をはじめとするスプレッドは一定程度ワイド化したが、CSショッ ク、コロナショックのときには程遠く、まだワイド化余地は残る。 1. 質の高い発行体選択、分散(発行体・資本構成・タイミング)が重要。 ポートフォリオの中核資産として質の高い発行体のポジションを維持し、 中⾧期目線でキャッシュフローをしっかりと受取るスタンスを維持。ポート 内、ドル、円バランスに配慮。徐々にポートの中心デュレーションを少し 長めに推移させていくイメージでラダーポート構築を意識。 2. 金利低下時にアウトパフォームするのはIG債と想定。 シニア、劣後債を 優先的に取り組み、年限を分散したポートへ。発行体は各国トップ銀行 を中心に選択(現時点ではAT1も継続保有可)。欧州銀のハイベー タネーム新規はシニア、選択的に劣後債までが望ましい。相対的に高リ スク発行体、低弁済順位債はポート内の中短期ゾーンで活用。 3. 逆イールド形状が緩和され、短期ゾーンの妙味が後退。欧米金融IG 債に投資妙味(金利上昇が続く局面では、随時償還する短年限の債 券を金利の高い環境下で順次再投資するのが有効)。米銀なら5% 台~(10年程度の劣後債ならば5%台半ば)を目線としてエントリし たい。 4. 確定利回りの目線をそれぞれ設定し、高クオリティの投資適格債を高金 利環境下で、為替とのバランスを考慮して買い付けていくことが肝要。足 元、為替と金利のバランスは投資家favorな動きを見せている。 5. 劣後債、AT1のスプレッドもワイド化し始めており、未だIG債優先は 変わらないが、ポート内分量を絞って買い下がる好機を待つのも一案。 6. ⾧期債(10年近辺)は最終利回りのみならず途中売却も視野に入 れ、直利も考慮。金利低下ベット及び為替のダウンサイドリスクには10年 超~20年の米国ストリップス債や、ベース金利に近い(クレジットスプレッ ドよりもベース金利部分の影響が大きい)ハイクオリティ銘柄、IG債が選 択肢に。
  4. 通貨(Currency)/米ドル円 ①足元のテーマ ②方向感 ③投資戦略 投資戦略(為替/ドル円) 1. トランプ関税が米国景気に与える影響 2. 米国金融政策の動向 3.

    米国通貨政策 1. 相互関税導入以降ドル安基調が鮮明化。背景は、①燻る米国のドル 安政策への警戒感②米国景気への懸念③リスクオフ環境の継続 2. ドル安は対円のみならず全通貨に対する動き。上記背景①-③が払拭さ れない限りドルの上値が重い展開は続く。まずは140円近辺(2023, 2024年の安値)の攻防に注目 3. 140円近辺を明確にブレイクすれば130円前半までドル安円高が進行 する可能性。 【Mr.FX E氏のコメント】 市場はまだドルの下値をトライ中。原油安でドル買い圧力も低下。投機筋は 更に円買いポジションを積み上げMAX状態。トランプ政権が続く限りドル安が 続くと確信めいた動きだ。ただ、そろそろドル売りも疲れてくるのではないか。⾧ 期投資家は140円手前から粛々とドル買いを進めて良いんじゃないかな。 外貨投資の原則 外貨投資においては、為替の方向感にベットして為替差益を狙うような投機的な取引はしない。あくまでも、円資産への集中リスクを回避するための⾧ 期的な通貨分散、資産分散を目的とする。 よって、マーケットタイミングを判断するよりも、購入タイミングを分散することでリスクを軽減しながら、上記目的を達成することを推奨する。 1. 原則USDポジションをキープし、USD建運用のメリットを享受。 2. 各々の資産運用プラン(例:ドル建債券の購入)を実行するため に必要なドルの手当てについては積極的に進める。その際、購入する 資産の円高抵抗力の検証をすること、及び購入タイミングを分散する ことが重要。 3. 引き続き段階的な押し目買いを継続。140円下抜け後はシャープに 円高が進行する可能性。 指値オーダーをするなど、細やかな対応が有効。
  5. ご留意いただくポイント 〇想定リスク 各シミュレーションから算出された数値は、一定の前提条件の元で計算さ れた概算値のため、実行にあたっては、必ず金融商品取引業者等の専門 機関にご相談ください。 〇その他 本資料の内容は、2020年6月1日時点の税法、その他関連法規に準拠して います。今後の関連法規の改正等により相違が生じることがあり、対策内 容の見直しが必要になる場合があります。 今後の政治経済情勢、業界動向の変化によっては、本資料の内容が適合

    しなくなる可能性があります。 〇免責事項 本資料は、一般的な考え方の一部を参考資料として記載したものであり、 特定の取引の実現性・実効性を保証し、または実施を勧誘するものではあ りません。 弊社は、お客様に対し法律、税務、あるいは会計上の助言を供するもので はなく、本資料に関する法律、税務、あるいは会計上の十分性、適切性、有 効・妥当性について、いかなる見解を示すものでもありません。 〇その他 本資料に掲載された税務・会計・法律等に関わる事項に関しては、予めお 客様の顧問税理士、公認会計士、弁護士等の専門家にご相談のうえ、総合 的にご判断ください。 免責事項