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OSSコントリビュートをphp-srcメンテナの立場から語る / OSS Contribute

OSSコントリビュートをphp-srcメンテナの立場から語る / OSS Contribute

著名なリポジトリへのコントリビュートは(私もそうでしたが)ハードルを高く感じることが多いと思います。
OSSコントリビュートについて、「このポイントを押さえておけば大丈夫」というような話ではなく、「何を考え、感じながらレビューしているのか」というように、「コントリビュートする側」ではなく、「PRの通知が飛んできて、レビューやマージを行なうメンテナ側」の目線でお話しします。

また、新機能等の話し合いが活発に行われている「内部メーリングリスト」についてもご紹介します。

このトークを通じて、OSSコントリビュートは特別身構える必要などなく、皆さんが気軽に足を踏み出すきっかけになれば良いなと思っています。

Saki Takamachi

April 12, 2025
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Transcript

  1. php-srcの現状(issue) issue報告は結構ある • 時期にもよるけれど、平日は1〜5件/日くらい • 主にバグ報告と機能リクエストがある • バグ報告の内訳を見ていくと、実際にバグである報告もあれば、仕様 の勘違い等による「バグじゃなかった」パターンもある •

    「バグじゃなかった」パターンだとしても、「ドキュメントがわかり にくいねこれ」という話になってドキュメント修正が入ったりするこ ともある • いずれにせよバグ報告は改善に繋がることが多い
  2. コントリビュートについて(pull request 1/2) PRが立つと、いい意味で目立つ • 特にバグ修正PRでメンテナ以外の方によるPRが立つと、「おっ!」と なる • 顔馴染みのコントリビュータもいる中、初めての方だと、特に丁寧に 対応を心がけている(初めてかどうかはラベルですぐわかる)

    • 他のメンテナのレビューコメントを見ていても、メンテナ同士でのレ ビューの時よりも明らかに丁寧にしているのがわかる • 継続的に参加してくれるかもしれない貴重な人材を、雑に扱うことが あってはならない
  3. OSSとの付き合い方(モチベーション) スキルが上がる => 具体的には? • 調査能力が上がる ◦ バグなどを調査するための嗅覚や手法はもちろん、最小限の再現 コードを用意する能力も上がる ◦

    情報をissueにまとめたりするので、情報共有能力も上がる • コミットの積み方 / 分け方が洗練される ◦ コミット1つ1つについての意味をよく考える機会が多くなる ◦ レビューしやすいコミット粒度が見えてくる
  4. OSSとの付き合い方(モチベーション) 自信に繋がる => 自信に繋がると何が良いのか? • チャレンジする or しないを選択する場面で、一歩を踏み出す原動力に なる ◦

    大事なのはシンプルな成功体験だけではない ◦ 特に複雑なOSSでは「失敗して、それでも最終的になんとかなっ た」ということが起こりやすい ◦ 「失敗しない自信」ではなく「失敗してもリカバリできる自信」 が身に付きやすい