Upgrade to Pro
— share decks privately, control downloads, hide ads and more …
Speaker Deck
Features
Speaker Deck
PRO
Sign in
Sign up for free
Search
Search
SQLアンチパターンを読んでリファクタしてみた / sql-anti-pattern-refa...
Search
Genki Sano
September 28, 2022
Programming
0
610
SQLアンチパターンを読んでリファクタしてみた / sql-anti-pattern-refactored-2022
Genki Sano
September 28, 2022
Tweet
Share
More Decks by Genki Sano
See All by Genki Sano
ソフトウェアの複雑性と認知負荷/Software Complexity and Cognitive Load
sanogemaru
0
22
なぜスクラムはこうなったのか?歴史が教えてくれたこと/Shall we explore the roots of Scrum
sanogemaru
5
1.7k
ソフトウェアは捨てやすく作ろう/Let's make software easy to discard
sanogemaru
12
7k
スクラムチームをスケールする〜LeSS導入3ヶ月の振り返りと課題〜/scaling-the-scrum-team
sanogemaru
2
770
カオナビのチーム開発の裏側
sanogemaru
0
1.1k
Other Decks in Programming
See All in Programming
デザイナーが Androidエンジニアに 挑戦してみた
874wokiite
0
550
1から理解するWeb Push
dora1998
7
1.9k
Kiroで始めるAI-DLC
kaonash
2
630
AIを活用し、今後に備えるための技術知識 / Basic Knowledge to Utilize AI
kishida
22
5.9k
2025 年のコーディングエージェントの現在地とエンジニアの仕事の変化について
azukiazusa1
24
12k
請來的 AI Agent 同事們在寫程式時,怎麼用 pytest 去除各種幻想與盲點
keitheis
0
130
Navigation 2 を 3 に移行する(予定)ためにやったこと
yokomii
0
350
Cache Me If You Can
ryunen344
2
4k
Ruby Parser progress report 2025
yui_knk
1
460
CloudflareのChat Agent Starter Kitで簡単!AIチャットボット構築
syumai
2
510
スケールする組織の実現に向けた インナーソース育成術 - ISGT2025
teamlab
PRO
2
170
楽して成果を出すためのセルフリソース管理
clipnote
0
190
Featured
See All Featured
The Straight Up "How To Draw Better" Workshop
denniskardys
236
140k
Fight the Zombie Pattern Library - RWD Summit 2016
marcelosomers
234
17k
We Have a Design System, Now What?
morganepeng
53
7.8k
StorybookのUI Testing Handbookを読んだ
zakiyama
31
6.1k
Making Projects Easy
brettharned
117
6.4k
Save Time (by Creating Custom Rails Generators)
garrettdimon
PRO
32
1.6k
Designing for humans not robots
tammielis
253
25k
Building an army of robots
kneath
306
46k
Art, The Web, and Tiny UX
lynnandtonic
303
21k
The Psychology of Web Performance [Beyond Tellerrand 2023]
tammyeverts
49
3k
Fantastic passwords and where to find them - at NoRuKo
philnash
52
3.4k
The Web Performance Landscape in 2024 [PerfNow 2024]
tammyeverts
9
810
Transcript
佐野 元気 SQLアンチパターンを読んで リファクタしてみた @kaonaviTechTalk #9 2022/09/28
自己紹介 @sanogemaru 2 株式会社カオナビ バックエンドエンジニア エンジニアリングマネージャー 佐野 元気 Genki
Sano
3 SQLアンチパターン 呼んだことありますか?
4 SQLアンチパターン 呼んだことありますか? (ありますよね?)
5 Bill Karwin(著). 和田 卓人, 和田 省二(監訳). 児島 修(訳) 『SQLアンチパターン』.
オライリー・ジャパン. 2013年, 352ページ
6 自分で設計したものが アンチパターンに該当したので リファクタリングしてみた話
アジェンダ 1. 今回の開発内容 2. 修正前のテーブル構成 3. アンチパターンになった箇所 4. 何が問題なのか 5.
修正後のテーブル構成 6. 発生した問題点 7. まとめ 7
1.今回の開発内容 8
1.今回の開発内容 9 • 開発する機能 ◦ グラフの作成機能 • 概要 ◦ とあるタレントマネジメントシステムにおける機能追加
◦ 横軸と系列に対して、値を指定することで登録されているデータを マッピングする
1.今回の開発内容 10
1.今回の開発内容 11 横軸項目 系列項目
2.修正前のテーブル構成 12
2.修正前のテーブル構成 13
2.修正前のテーブル構成 14
2.修正前のテーブル構成 15 column type comment id int(10) series_item_id int(10) 系列項目ID
series_item_type tinyint(3) 系列項目タイプ(1:所属、2:マスター) x_axis_item_id int(10) 横軸項目ID x_axis_item_type tinyint(3) 横軸項目タイプ(1:所属、2:マスター) ※一部のカラムのみ抜粋
2.修正前のテーブル構成 16 column type comment id int(10) series_item_id int(10) 系列項目ID
series_item_type tinyint(3) 系列項目タイプ(1:所属、2:シート項目) x_axis_item_id int(10) 横軸項目ID x_axis_item_type tinyint(3) 横軸項目タイプ(1:所属、2:マスター) ※一部のカラムのみ抜粋 所属の集計は 所属グループID マスターの集計は シート項目ID 所属の集計は 所属グループID マスターの集計は シート項目ID
3.アンチパターンになった箇所 17
3.アンチパターンになった箇所 どこが該当しそうなのか? • 5章:EAV(エンティティ・アトリビュート・バリュー) • 6章:ポリモーフィック関連 18
3.アンチパターンになった箇所 5章:EAV(エンティティ・アトリビュート・バリュー) 可変属性を表現するために attr_name と attr_value を持つテーブルを作成する 19 issue_id attr_name
attr_value 1234 status FAILED 1234 description 保存処理に失敗する 1235 status SUCCESS 1235 description 保存処理に成功する
3.アンチパターンになった箇所 6章:ポリモーフィック関連 1つのモデルに対して複数のモデルを関連させるために、typeとidを持つ 20
3.アンチパターンになった箇所 もう一度、今回の該当テーブルを確認する 21
3.アンチパターンになった箇所 22 column type comment id int(10) series_item_id int(10) 系列項目ID
series_item_type tinyint(3) 系列項目タイプ(1:所属、2:シート項目) x_axis_item_id int(10) 横軸項目ID x_axis_item_type tinyint(3) 横軸項目タイプ(1:所属、2:マスター) ※一部のカラムのみ抜粋 所属の集計は 所属グループID マスターの集計は シート項目ID 所属の集計は 所属グループID マスターの集計は シート項目ID
3.アンチパターンになった箇所 一つのモデルに対して複数のモデルを関連させようとしており 6章:ポリモーフィック関連 が該当している様子 23
4.何が駄目なのか 24
4.何が問題なのか 25 結論から言うと、外部キー制約を定義できない こと
4.何が問題なのか 26 結論から言うと、外部キー制約を定義できない こと → 4章:キーレスエントリ(外部キー嫌い)に該当
4.何が問題なのか 27 結論から言うと、外部キー制約を定義できない こと → 4章:キーレスエントリ(外部キー嫌い)に該当 • 参照整合性をアプリケーションで再実装する必要がある • 壊れた参照をどうするかという問題が生じる
• アドホックなSQLによって壊れる
5.修正後のテーブル構成 28
5.修正後のテーブル構成 29
5.修正後のテーブル構成 30 交差テーブル
5.修正後のテーブル構成 31 column type comment chart_id int(10) グラフID sheet_item_id int(10)
シート項目ID column type comment chart_id int(10) グラフID department_group_id int(10) 所属グループID グラフ系列シート項目/グラフ横軸シート項目 グラフ系列所属グループ/グラフ系列所属グループ
6.発生した問題点 32
6.発生した問題点 33 問題となったのは以下の1点 • 排他の制御が出来ない
6.発生した問題点 34 排他の制御が出来ない 「どちらか一方にしかレコードが入ってほしくない」のを制御できない
6.発生した問題点 35 排他の制御が出来ない 「どちらか一方にしかレコードが入ってほしくない」のを制御できない
6.発生した問題点 36 排他の制御が出来ない 「どちらか一方にしかレコードが入ってほしくない」のを制御できない どちらか一方にだけ、レコードを保持したい
6.発生した問題点 37 排他の制御が出来ない 「どちらか一方にしかレコードが入ってほしくない」のを制御できない どちらか一方にしかレコードが入らないようにし たい場合、アプリでの制御が必要
7.まとめ 38
7.まとめ 39 Q:結局はどういう風な構成で実装していくのか?
7.まとめ 40 Q:結局はどういう風な構成で実装していくのか? A:修正前のままの構成で実装予定
41 えっ!?
7.まとめ 42 Q:どうしてそのままにしたのか?
7.まとめ 43 Q:どうしてそのままにしたのか? A:以下の2点が理由 • Eloquent Model でポリモーフィック関連をサポートしている • アプリケーションでの制御がしんどい
7.まとめ 44 Eloquent Model でポリモーフィック関連をサポートしている > Eloquentはそうしたリレーションを簡単に管理し操作できるようにする > とともに、さまざまなタイプのリレーションをサポートしています。 Laravel
6.x Eloquent:リレーション
7.まとめ 45 アプリケーションでの制御がしんどい 結局、排他の制御などはアプリ側で実装する必要がある データベース側で参照整合性がそこまで担保できないので、実装が楽な方で いいのでは?と考えた
7.まとめ 46 ご相談・ご指摘・その他 下記のTwitterアカウントまでお願いします! @sanogemaru