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ドラッカーをエモく読む -期待値の負債と向き合うために-

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ドラッカーをエモく読む -期待値の負債と向き合うために-

ドラッカーをエモく読む──期待値の負債と向き合うために

「去年できたんだから、今年も…」
この言葉に、しんどさを感じたことはありませんか?

過去の成果が、未来の最低ラインになる。
維持コストが増大し、成長が停滞する。
これを、「期待値の負債」と呼びます。

本スライドでは、ドラッカーとアンディ・グローブの思想を元に、
企業の成長戦略とエンジニア個人の持続可能性の間にある構造的な矛盾を解き明かし、
期待値の負債を「管理」する実践的な方法を提案します。

【内容】
・なぜ期待値の負債が発生するのか(企業の生存戦略)
・負債には「利子」がある(時間的リソースの消耗)
・負債は戦略的に使うもの(貸借対照表アプローチ)
・3つの管理方法:可視化、返済計画、期待値のリセット
・対話型目標管理(マネージャーとの共同設計)

【こんな人におすすめ】
・目標設定にしんどさを感じているエンジニア
・メンバーのバーンアウトを防ぎたいマネージャー
・持続可能な組織づくりに関心がある方

経営者とエンジニア、両方の視点から語ります。

#マネジメント #目標管理 #エンジニアリング組織 #ドラッカー #期待値の負債

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shoki-kitajima

February 07, 2026

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Transcript

  1. ” ” Management & Philosophy Presenter 北島 翔貴 Date 2026.02

    ドラッカーを エモく 読む 期待値の負債と向き合うために
  2. 02 北島 翔貴 Current Role エンジニア (メンバー) Kitajima Shoki 自己紹介

    Past Experience SES企業の役員 事業⽴ち上げ‧経営参画 Management 組織マネジメント 5〜10名規模のチームリード経験 経営者としての視点も、 エンジニアとしての視点も。 両方わかる立場から語ります。
  3. ドラッカーの理想 vs 現実 Ideal “ Reality The Reality Trap 去年の⽬標、達成した

    今年はもっと⾼い⽬標を 求められる 「去年できたんだから、今年も…」 Question これ、永遠に続くの? 「仕事のうえの人間関係は、 相互の尊敬に基礎をおかなければな らない。」 Peter Drucker Management (1973) "Working relationships are based on mutual respect." 03
  4. 04 Structure なぜ期待値の負債が発生するのか Why? 企業は常に 成⻑を求められる Factor 競業、マーケット変動、 技術の陳腐化 Logic

    売上‧利益‧規模が ⽣存のためのバッファになる 社員のコストは上昇する Factor 定期昇給、 昇進への期待 Logic コストに⾒合う ⽣産性向上を要求せざるを得ない 採⽤は投資である Factor オンボーディング、 OJTの教育コスト Logic 投資回収(ROI)としての リターン(成⻑)を期待する 01 02 03 Conclusion 企業の生存戦略 =メンバーへの成長期待 これは、避けられない構造。
  5. “ 現実は、⽬標が上から「注⼊」される ドラッカーの理想とは裏腹に、過去の成果が、未来の最低ラインになってしまう。 私たちはこれを「期待値の負債」と呼びます。 負債には利⼦がある。 対策をしないと、時間とともに⾃⼰資本(精神⼒‧体⼒)を⾷い潰し、疲弊させる。 05 "The task of

    leadership is not to put greatness into people, but to elicit it, for the greatness is there already." Peter Drucker, The Effective Executive (1967) 「リーダーシップの仕事は、 人々に偉大さを注入することではなく、 それを引き出すことである。 なぜなら、 偉大さはすでにそこにあるからだ。」 Past 過去の成果 Future (Principal) 未来の期待 (元本) 成⻑停滞 →破産(バーンアウト) ▶ 期待値の負債の蓄積 「できて当たり前」の⽔準が上がり続ける ▼ + 維持コスト増⼤ 利⼦ 利⼦ 期待値の負債とは
  6. 06 負債は戦略的に使うもの Balance Sheet Approach でも、負債は悪じゃない 企業は、負債を使って資産に投資する 借⼊(負債)なしで成⻑するのは難しい。 レバレッジを効かせることで、より⼤きな資産を築くことができる。 個⼈も同じ構造

    期待値(負債)を背負うことで、 新しい挑戦(資産)ができる。 問題は、負債そのものではなく 返済不能(デフォルト)になること。 企業の貸借対照表 (Balance Sheet) 資産 (Assets) 投資対象 機械‧建物‧設備 ⼈材能⼒‧挑戦 負債‧純資産 負債 (Liabilities) 借⼊⾦‧社債 期待値の負債 純資産 (Equity) 資本⾦‧利益剰余⾦ 負債を活⽤して資産を作る
  7. 07 時間は最も希少な資源 Resource Management 期待値の負債 =時間的リソースの負債 維持コスト(利⼦)が時間を⾷い潰すため、厳格な管理が必要です。 “ "Time is

    the scarcest resource, and unless it is managed, nothing else can be managed." 「時間は最も希少な資源である。 そしてそれが管理されない限り、 他の何も管理できない。」 Peter Drucker, The Effective Executive (1967)
  8. 08 期待値の負債を管理する3つの方法 Three Management Methods 01 02 03 可視化 Visualization

    今、どれくらい負債があるか? ⾒えない負債は管理できない。まずは現状を直視す る。 精神的リソース残量 残り 30% 危険⽔域 返済計画 Repayment Plan いつまでに、どう返すか? 期限のない負債は、永久に続き、利⼦だけが増えて いく。 プロジェクト完了後 「来週は3⽇間、完全にオフにします」と宣⾔す る。 期待値のリセット Reset & Rebase 利⼦率のコントロール 四半期ごとなど、定期的に「ゼロベース」で期待値 を再設定する。 「前回はXXでしたが、今回は別のプロジェク ト。Yから始めます。」
  9. 09 期待値のリセットの重要性 Resetting Expectations “ “ "The greatest danger in

    times of turbulence is not the turbulence; it is to act with yesterday's logic." 「混乱の時代における最大の危険は、 混乱そのものではない。 昨日の論理で行動することである。」 Peter Drucker, Management: Challenges for the 21st Century (1999) Peter Principle 「自分の能力以上に昇進させられた人は、 普通、会社を辞めざるをえなくなる」 Andrew S. Grove, High Output Management (1983) Risk Warning 「前回できたから、今回も」という論理は利⼦率を上げ、負債を増やします。 これが、期待値の負債の「破産」メカニズムです。 過去の成果が、 未来の期待を引き上げる。 期待が能⼒を超えると、破綻する。
  10. “ ⼀⼈で抱え込まず、対話する 期待値の負債は、隠すものではなく共有するものです。 ⼀⼈で返済しようとすると破産します。 負債と返済計画を「共同設計」する マネージャーは監視者ではなく、パートナー 「この負債(期待値)を返すために、どの資産(時間‧リソース)を使いますか?」 という問いを、⼆⼈の共通⾔語にする。 10 "Control

    is not domination. Control is direction." Peter Drucker, The Practice of Management (1954) 「コントロールは支配ではない。 コントロールは方向づけである。」 個⼈ 現状の負債を 可視化して提⽰ 対話 合意 マネージャー リソース調整と 優先順位の決定 対話型目標管理 Direction (⽅向づけ)
  11. 11 まとめ "Work is both a burden and a blessing."

    「人にとって、働くことは重荷であるとともに祝福である。」 Peter Drucker, Management (1973) Key Takeaways 1 2 3 一緒に、 うまくやって いきましょう。 Let's work together 期待値の負債は避けられない、でも管理できる 可視化、返済計画、期待値のリセット ⼀⼈で抱え込まない。マネージャーと対話する