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あえてPHPでリアルタイム通信をやってみる
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Miyamoto Naoyuki
June 05, 2026
Technology
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あえてPHPでリアルタイム通信をやってみる
フロントエンド・PHPカンファレンス北海道2026 #frontend_phpcon_do #vaddy_room
Miyamoto Naoyuki
June 05, 2026
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Transcript
あえてPHPでリアルタイム通信をやってみる 2026-06-06 フロントエンド・PHPカンファレンス北海道2026 宮本直幸@MSprzk
$ cat profile.service [Unit] Description=Self Introduction After=network.target [Profile] Name="Miyamoto Naoyuki"
Twitter="@Msprzk" Affiliation="北海道情報大学2年" Interest="Network",”Security”,”WebRTC”
None
北海道のおすすめのところ
伝えたいこと PHPは、リアルタイム通信ができないわけではない
きっかけ
←WebSocket, WebRTCが大好き ←PHPはTODOアプリを作ったことがあるくらい
PHPでもリアルタイム通信をできるのかな? 調べてみたらあんまり得意ではなさそう...
PHPでもリアルタイム通信をできるのかな? 調べてみたらあんまり得意ではなさそう... やってみなくちゃわからない
そもそもリアルタイム通信とは
遅延が少なく、ほぼリアルタイムで通信すること(厳密な定義は不明) 通話、ビデオ会議、オンラインゲームなどで使われることが多い リアルタイム通信技術の例: WebSocket, WebRTC, etc… リアルタイム通信とは
検証の環境 バージョンと環境 - MacBook Air M2 - Memory 8GB -
PHP: 8.5.6 - Go: 1.26.3 - Node.js: v26.0.0
検証方法 - PHP / TypeScript / Go でWebSocket relayを実装 -
動画を送信し、20のreceiverにrelayする - 送信は基本的にPlaywrightのheadless(GUI付きとあまり変わらない結果 だったので、全てheadlessで撮り直しました) - 各実装ごとに10回実行 - 実行順による偏りを避けるため、ランダムな順番で実行 - 各実行ごとにp95, p99, max latency, loss, append error を計測 - 比較値は主に10回の実行の median p95, p99 = 遅延分布の95%, 99%地点. 99%地点が悪いほど、まれに大きくつまっているということ
UI使ったバージョン
実験結果
単一プロセスの場合 実装 loss append error 受信側p99 遅延 サーバ側 p99遅延 評価
TS 0 0 15.05ms 3.00ms 成立 PHP 0 0 61.95ms 19.50ms 成立 Go 0 0 24.80ms 5.50ms 成立 ※ p99: 遅延分布の99%地点。数値は10回実行した中央値。 ※ 受信側 p99 遅延: 各receiverのp99を平均した値。
そんなことあるか? PHPの仕様について調べてみよう
PHPの強み →Web向けサーバーサイドスクリプト →短命のHTTP処理が得意 →通常のWeb Page, API処理では強み PHPの仕様
リアルタイム通信で必要な性質 →短命ではなく長命のconnection →slow receiverの影響を他receiverから隔離する →receiver ごとの queue を持つ PHPの仕様
リアルタイム通信で必要な性質 →短命ではなく長命のconnection →slow receiverの影響を他receiverから隔離する →receiver ごとの queue を持つ PHPの仕様 仮説:
PHP(FPM)の強みは、リアルタイム通信では 相性が良くないはず
単一プロセスで動くものは少ないよね... Node.jsのような, PHPの代表的な 実行環境について調べてみよう
PHP-FPM: PHPのWeb実行環境 PHP-FPM
PHP-FPM: PHPのWeb実行環境 PHP-FPM
PHP-FPM
検証内容: 長命WebSocket接続がreadyになるまでの待ち時間 Clients: 6 maxWorkers: 2 Hold: 10秒 ※maxWorkersは、workerの占有をわかりやすくするために意図的に低い上限にしています ※Hold
→ 接続を張ったあと、その接続を保持し続ける時間 PHP-FPM(風)
PHP-FPM(風) 実装 モデル ready p50 ready p99 評価 php-process-pool FPM的worker
pool 10112.00ms 20218.50ms 後続接続が待 たされる ts-native Node.js event loop 4.00ms 9.00ms ほぼ同時 go-native Go goroutine 4.00ms 14.00ms ほぼ同時
なぜ待たされるのか 長命接続が worker を占有する ↓ worker 数を超えた接続は ready になる前に待たされる
1. 接続を変える場所 - 長命接続をどの実行モデルで持つか - FPM風 worker poolでは、connectionがworkerを占有 2. 接続後に送る場所
- 接続済みreceiverにどう配信するか - 遅いreceiverの影響を他receiverに波及させないか リアルタイム通信で詰まる場所は2つある
FPM風 worker poolから外しても、リアルタイム通信の難しさは消 えるわけではない 接続済み receiverに動画を送る時、遅い(回線の悪い)receiverが いると、他receiverに波及する可能性がある →同じPHPの単一常駐プロセス内で、送信設計を変えて比較 単一常駐プロセス内の送信設計
FPM風 worker poolから外しても、リアルタイム通信の難しさは消 えるわけではない 接続済み receiverに動画を送る時、遅い(回線の悪い)receiverが いると、他receiverに波及する可能性がある →同じPHPの単一常駐プロセス内で、送信設計を変えて比較 単一常駐プロセス内の送信設計
php-ws php-ws-queued 順番に送る 書けるものから 書く
実装 送信設計 受信側p99 サーバー側p99 通常receiver p99 評価 php-ws 全receiverへ同 期write
95.90ms 13.00ms 86.49ms 波及しやすい php-ws-queued receiverごとの write buffer 46.67ms 3.00ms 27.12ms 波及が減る
- FPM風 worker poolの問題は、長命接続をどこで抱えるかという 実行モデルの問題 - Queued での問題は、接続後にどう送るかという送信設計の問題 つまり、PHPでリアルタイム通信をやるなら、 -
FPM的な request/response モデルから外す - 常駐サーバー内で receiver ごとの queue / backpressure を設計する という2段階の設計が必要になる ここから言えること
- PHPでのリアルタイム通信は不可能ではない - 単一の常駐プロセスとしては、普通に動く - ただし、PHP-FPMのようなWeb実行モデルは、長命接続を大量に抱える 設計になっていない - FPMから外しても、 queue,
backpressure の設計は必要 - PHPでリアルタイム通信をやるには、常駐サーバと送信制御を明示的に設計 する必要がある 結論
伝えたいこと PHPは、リアルタイム通信ができないわけではない
PHP Manual: FastCGI Process Manager (FPM) https://www.php.net/manual/en/install.fpm.php PHP Manual: FPM
Configuration https://www.php.net/manual/en/install.fpm.configuratio n.php 参考
https://github.com/supurazako/php-realtime
UDP版も作ってみましたが、 - protocolの違いは本質ではなかった - 送られる映像がガビガビ & 遅延が酷すぎる - 上記の問題を解決するための実装はあまりにも重すぎる ↑の理由から説明しませんでした
おまけ: UDP版も作ってみたが...