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Javaコミュニティの歩き方 ~参加から貢献まで、すべて教えます~

Avatar for Daishi Tabata Daishi Tabata
November 15, 2025

Javaコミュニティの歩き方 ~参加から貢献まで、すべて教えます~

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Daishi Tabata

November 15, 2025
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  1. 3 © 2025 Fujitsu Limited 概要 コミュニティ初参加 JJUG CCC 2023

    Fall 2024 2025 現在 JJUG CCC 2025 Fall •コミュニティの知人0人 •懇親会でもあまり話せず •国内外に知人多数 •気軽に会話できるように どんなことに挑戦してきたか それがどんな影響をもたらしたか 実体験をもとに語ります 2年後
  2. 10 © 2025 Fujitsu Limited JCP EC会議 •Java Community Process(JCP)

    •Java標準仕様(Java SE)を策定・改訂するオープンな取り組み •企業や組織、個人など誰でも参加可能 •世界中のJava User Groupの取りまとめ役 •Executive Committee(EC) •Java技術の進化を導く、JCPを代表するメンバーのグループ •Java標準仕様の策定・改訂が適切なプロセスを経ているか承認 •現在は、3つのWG(教育、AI、エコシステム)を中心に活動中 •ECメンバーがFace to Faceで集まる会議が年に2回開催
  3. 16 © 2025 Fujitsu Limited 海外の方とのコミュニケーションに挑戦 前回の反省から、 JCP EC会議参加者の「誰に、何を話そう」を事前に準備 いざ現地に行くと、

    ほかの参加者らで会話が盛り上がっている 準備していたけど話しかけられない •彼ら同士は以前からの知り合い •英語でのスピーディなやりとり 理由
  4. 17 © 2025 Fujitsu Limited 対処 話したい人が1人になった瞬間を見計らって声がけ スマホのメモをときどき見しながら質問 ⇒ 優しい英語で丁寧に回答してくれた

    準備していない質問以外の私の英語は▲ でもなんとか会話はできる!! 気づき:必要なのは勇気だけ
  5. 18 © 2025 Fujitsu Limited 思いがけない機会 Devoxx Belgiumへの日本からの参加者は私含め2名だけ ランチやディナーを食べながら長時間雑談 JJUG

    CCC 2025 Fallでコミュニティ活動に ついての登壇をしないかとご提案をいただく 人と人のつながり(コミュニティ)で 新たな挑戦・活躍の機会を得た
  6. 19 © 2025 Fujitsu Limited 海外カンファレンスまとめ •日本からの参加者の方々と仲良くなれる •初参加でも色々教えていただけて心強い •現地での雑談きっかけで思いがけない機会を得られた •英語堪能でなくても海外の方と会話はできる

    必要なのは勇気だけ(もちろん勉強はすべき) •問題はお金と時間 •日ごろのアピールでチャンスをつかめるかも 海外カンファレンスへの参加は 国内外の知人を圧倒的に増やすズル技
  7. 21 © 2025 Fujitsu Limited 初登壇のきっかけ ある日突然上司からチャットが来た https://event.shoeisha.jp/form/1998 応募してみてください ※CfPとは、主催者が登壇者を応募すること。登壇者は応募し、選考される。

    Developers Boost 2024 ~U30エンジニアの登竜門~ 特徴:聴講者を含め、30歳以下だけが参加可能 備考:デブサミの兄弟イベント テーマはJavaに限定されていない Call for Papers(CfP)の枠は5分間のライトニングトーク
  8. 22 © 2025 Fujitsu Limited 初登壇挑戦を決意 https://event.shoeisha.jp/form/1998 応募してみてください 教えてきただきありがとうございます。 テーマを考えて応募してみます。

    •応募を決断した理由 •初めて参加したJJUG CCCが楽しく、 自分も登壇してみたいとは考えていた •5分間だけのLTだから挑戦しやすかった •参加者が若手だけだから挑戦しやすかった
  9. 23 © 2025 Fujitsu Limited 登壇準備 たった5分の登壇に約30時間の準備 ⇒ 登壇の大変さを痛感 発表テーマ:新入社員がOpenJDKにプルリクを出した苦労の体験談

    CfP作成 → CfPレビュー(繰り返し) → CfP提出 → 採択!! → 資料作成 → 資料レビュー(繰り返し) → 発表練習(繰り返し) 準備 印象的なレビューコメント •聞いたひとにどんな行動をさせるのかを考える •誰にでも言えることではなく、自分だけの実体験が面白い
  10. 25 © 2025 Fujitsu Limited 登壇後 •十分に準備したこともあり、無事発表を終えることができた •なんと5人の方から質問をいただいた •プルリクを出すのはハードルが高いが、ほかに何かできないか? •どうやってプルリクのネタを見つけ出すのか?

    ⇒自組織で当然のようにしていた活動が 外から見るとインパクトが強い活動であると認識できた 自分たちの当然が万人の当前とは限らない 登壇のネタは身近に潜んでいる 気づき:
  11. 29 © 2025 Fujitsu Limited OpenJDK概要 •Java SE(標準仕様)に準拠したJDKのソースのみを提供 •ソースをビルドしたJDKのバイナリは提供しない •ベンダ提供のJDKバイナリはOpenJDKがベース(一部除く)

    例:Amazon Corretto, Eclipse Temurin, etc. •JDKはJavaエコシステムの基盤 ⇒ バグや非互換の影響が甚大 ⇒ 修正提供のプロセスが厳密 JDK フレームワーク ・ライブラリ アプリケーション
  12. 30 © 2025 Fujitsu Limited OpenJDKへの修正提供のハードル •技術的ハードル •ソースコードは12Mステップにも及ぶため、 修正目的以外の影響がないことを証明するのは困難 •熟練JDK開発者による厳格なレビューをパスする必要あり

    •プロセス的ハードル •OCAへの署名が必須 •初めは何も権限を持たないため、 Issue発行や修正取込を権限持ちの人に依頼しなければならない 修正提供は難易度が高い
  13. 31 © 2025 Fujitsu Limited 修正提供以外の貢献(1/2) •JEPへのフィードバック JEP 523: Make

    G1 the Default Garbage Collector in All Environments JEPドキュメントの記載 「単一CPU、かつヒープサイズが1.8GB以下の環境下では G1 GCよりもSerial GCにアドバンテージがあるため、 Serial GCが自動選択されていました。」 本当にそうなのか?試してみよう!
  14. 32 © 2025 Fujitsu Limited 修正提供以外の貢献(2/2) 試したところ、JEPドキュメントの記載が誤っていた • 参照するのはヒープサイズではなく利用可能な物理メモリサイズ •

    しきい値は1.8GBではなく1.75GB ドキュメント修正を提案 JEP作成者が気づいて修正 JEPドキュメントの 正確性向上に貢献!!
  15. 33 © 2025 Fujitsu Limited OSS貢献の初めの一歩とステップアップ •まずはとにかく使ってみる •バグや改善案をフィードバック •工夫した使い方をブログや登壇で発信 もっとやり込みたい場合

    • ドキュメントの日本語翻訳版作成 • ソースコードを提供 • ソースコードをレビュー 品質向上・プロジェクト継続 の観点で必要不可欠な貢献